東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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第十三話〜新たな所有者誕生〜

 

龍太が隻眼の剣士に無茶苦茶な事を言われている頃…

 

博麗神社ではアイツのテンションが上がっていた。

 

 

コウ「フンフーンフーンフンフンフーンフーーン♪フフフフーンフーン♪フンフーンフフーン♪」

 

霊夢「…………」

 

彼は神社の石畳の掃除をしていた筈なのだが…いつの間にか鼻歌を歌い出し、彼の意識がそっちに集中してしまっている。

 

コウ「フフフフーンフーーン♪フンフンフーン♪」

 

そしてその鼻歌がなんだか凄い事になっている。

何が凄いかと言うと、彼が掃き掃除を始めて3分ほど経っているのだが、それまでずっと歌っているのだ。

ある意味恐ろしい特技である。

 

コウ「フフフフーンフーンフーンフフフンフーーーンフーーーーーン…」

 

霊夢(やっと終わった…)

 

と思いきや…

 

コウ「エンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

霊夢「!?」ビクッ

 

コウ「イヤアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!ウィイオォォルウェェェイズラァァブユウウウウウ!!!!!!」

 

 

ビシュッ!ブスッ!!

 

 

コウ「アハァァァァァァァン!!??クリティカルヒットォォォォ!!!???」

 

霊夢「うるさい!!掃除くらい静かに出来ないの!?」

 

コウ「人が折角有名な洋楽を歌ってやったっていうのに…(どこに刺さったかは言わんぞ)」

 

霊夢「どうでもいい」キッパリ

 

コウ「わーお厳しいお言葉いただきましたァん。俺ちゃん、歌唱力には自身あるのよね〜。ま、確かにどうでもいいけど」

 

霊夢「そんな事より早く掃除しなさい」

 

コウ「oh……人使いの荒い奴…」ボソッ

 

霊夢「な に か 言 っ た?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

コウ「イイエナニモ」

 

霊夢「龍太が帰って来たら夕ご飯にするから。それまでちゃんと掃除しておくのよ」

 

それだけ言い残し、彼女は神社の中の暗闇へと消えていった。

 

コウ「………理不尽だぜ…」

 

その愚痴が彼女に聞こえていない事を祈りながら、彼は黙々と掃除を開始した。

 

コウ「…………」

 

 

「這いよりますか!生のうねり!!!ハッ!!!SAN値ピンチ!SAN値ピンチ!SAN値ピンチ!SAN値ピンチ……」

 

 

その後、彼を2回目の激痛が襲った事は内緒。

 

 

一方、その頃……

 

 

 

〜白玉楼 庭〜

 

 

「オラァッ!!!」ブンッ!!

 

「くっ…!!」ガキンッ!!

 

冥界のひんやりとした空気は一人の剣士が発する熱気により、春の気温と同じくらいの程よい暖かさとなっていた。

その剣士とは言わずもがな、『灼熱の刃』と呼ばれた彼の事である。右目を負傷してからというものの、更に磨きのかかった剣の織り成す技の勢いは、まさに灼熱の業火。

あらゆる物を斬り裂き、灼き尽くすその姿から新たにつけられた二つ名は『灼熱に踊る隻眼』。

 

それに対するは、全くのド素人の剣士。

 

バル「どうしたぁ!!避けてばっかじゃねえか!!そんなんじゃ月影に認められねぇぞ!!」

 

龍太(負けるもんか…!!)

 

経験の差は圧倒的ながらも、龍太は必死で食らいついていた。

すべては月影に認められるため。何かを守る力を手に入れるため。

 

 

バル「避けるのが得意のようだが、こいつはどうだ?」ボッ!!

 

その言葉が発せられた瞬間、彼が握っている刀が炎に包まれる!

 

龍太「!?」

 

 

バル「いくぜ!!斬刃『業炎ノ渦』!!」ブンッ!!

 

 

垂直に振り下ろされた刀身から、渦を巻いた炎が龍太に向かって飛ばされた!

 

 

龍太「うわぁあああああ!!??」バッ!

 

咄嗟に前転回避をして難を逃れる。

 

バル「む、避けられたか…」

 

龍太「あ、危なかった…」

 

バル「安心するのはまだ早いぜ!ほら、二発目ぇ!!」ブンッ!!

 

龍太「うわっ!?」バッ!

 

先ほどの渦よりは小さめだったものの、危険な事には変わりない。前転回避をして正解だった。

 

 

バル「なかなか良い動きじゃないか!だがこれなら…『シュゥウウウ…』げ!?」

 

時間制限があったのかは知らないが、刀身に纏われていた炎が音を立てて消えてしまった。そして、彼が動きを止めた!

 

龍太「!!動きが止まった…今だぁぁぁ!!!」ダッ!!

 

反射で刀を握り、灼熱の刃に真正面から突っ込む!

 

バル「!?し、しまった…」

 

龍太「てやぁぁぁ!!!」

 

 

ピタッ

 

 

彼の首筋に刀が突きつけられる。その剣筋に一切の迷いがなかったのは、純粋に勝利を求めていたからだろう。

 

 

龍太「…………」

 

バル「………降参………お前ホントに初心者か?」

 

 

なんと灼熱の刃を降参させた。とは言っても彼はわざと負けたのだが。

 

龍太「…はぁ〜〜〜〜…」

 

勝利を自覚したら一気に力が抜けた。

 

すると、

 

カッ!!

 

龍太「うわっ!?」

 

バル「うおっ!?」

 

月影が黄金色に輝き出し、眩い光を放つ。

 

龍太(な、何これ!?)

 

バル「あー!!目がぁぁ…目がぁぁ!!」

 

しばらくするとその光は収まった。

 

龍太「い…今のは…」

 

バル「ん?龍太、月影の刀身を見てみろ。…なんか文字が浮き出てるぞ」

 

龍太「え?…あ…本当だ……」

 

何も書かれていなかったその刀身に刻まれていた文字。どうやら光を放つと浮かび上がる仕組みだったらしい。

 

龍太「でもこれ……なんて書いてあるのか分からなくなっているんですけど…」

 

長らく放置されていた影響か、文字は掠れて読めなくなっていた。

 

バル「どれ?…えーっと……『汝……気………』……駄目だ、これしか読めん」

 

龍太「そうですか………僕は月影に認められたのでしょうか?」

 

 

バル「………『光が天地を照らす時、認められし者現れん』…」

 

 

龍太「…?」

 

バル「月影の伝説の一部だ。いつからこの世界に伝わっているのかは分からない。俺も本で聞きかじっただけだ」

 

龍太「伝説……そんなものが…」

 

バル「この伝説の通りなら、お前は月影に認められたって事になる。だがまあ、あくまで伝説だ、鵜呑みにし過ぎない方がいい」

 

龍太「はあ…」

 

バル「おっと、話過ぎちまったな。そろそろ帰った方がいいぞ。でないと、妖獣の群れと鉢合わせする事になる」

 

龍太「ええ!?ほ、本当ですか!?な、なら早く帰らないと!!ああ!でも庭を直しておかないと!」

 

先ほどまで勝負をしていた庭は、口では言い表せないほど悲惨な事になっていた。

 

バル「あー…これは俺の所為だな……お前はとにかく早く帰れ。後始末は俺の仕事だ」

 

龍太「で、でも…」

 

バル「いいからいいから。ってゆうか俺が原因だからな、怒られるのは俺だけでいい。ほら、さっさと行け」

 

龍太「…はい!ありがとうございました!!」

 

タッタッタッタッ…

 

 

バル「……わざと負けるってのも大変だな…」

 

 

 

 

〜博麗神社〜

 

 

龍太「……ねぇ…コウ…」

 

コウ「…何だ龍太…」

 

 

龍太「なんで僕たち、正座させられてるの…?」

 

コウ「…I dont know…」

 

無事に帰ってこれたとおもったらコレである。

 

 

霊夢「で?何か言う言葉は?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

「「すいませんでしたぁぁぁ!!!!」」

 

 

コウ(なんか泣きたくなってきた)

 

龍太(僕もだよ…)

 

 

〜続く〜

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