東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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第十四話〜氷結、電光、そして黒〜

月が幻想郷を照らす頃…

 

〜とある湖のほとり〜

 

普段は妖精達の遊び場となっているこの場所に招かれざる客が来ていた。

 

雑魚妖怪「な…なんなんだよお前!!急に襲ってきやがって…!」

 

???「………ここは俺の縄張りなんだ。穢れた足でズカズカと入ってもらっては困る」

 

男は凍てつくような眼差しで睨みながら、妖怪の目前に掌を向ける。

 

雑魚妖怪「お、俺が悪かったから!すぐに出てくよ!だ、だから…!!」

 

???「命だけは助けてくれ……とでも言うつもりか?残念だな」

 

そう言うと男の掌から冷気が放出され、辺りの気温が一気に下がる。

 

 

???「命乞いに貸す耳は、幼体の頃に捨てた。だからお前はここで死ね」

 

 

カチ……カチカチ…ピキーン!!

 

 

妖怪は全身を氷漬けにされ、物言わぬ氷像となった。

 

???「汚い奴は氷像になっても汚いな。…おっと、手が滑った」

 

ガシャンッ!!

 

???「これで静かになったな…」

 

粉々になった氷像は誰にも知られることなく静かに溶けていき、元の生き物が判別不可能となった肉片だけが残った。

 

???「縄張りとは言ったものの…ここはどこなんだ……まあ、寝床があればそれでいい」

 

男は凍った湖のど真ん中で眠りについた。

 

 

 

〜とある林〜

 

 

「ヒャッハァァァァハハハハハハハハ!!!!!!」

 

ザクッ!!

 

妖怪1「アガ……ガ………」ガクッ

 

妖怪2「おい!しっかりしろ、おい!!」

 

妖怪3「お前…なんでこんなことをするんだ!」

 

バチッ……バチバチ…

 

???「うるせぇ奴らだナァ……一匹殺しただけじゃねぇかヨォ…」バサ…

 

男は背中に生えた翼を広げて軽く風を起こしていた。

 

???「ン〜…涼しいナァァ……」

 

その翼は美しく透き通った翼膜とは裏腹に、鋭利な翼爪が備わっていた。ソレはまるで、男の性格をそのまま表したかのような残虐な形をしている。

妖怪1はこの翼で殴られたのだが、翼爪の殺傷力が高すぎるためたったの一撃で葬られた。その傷跡はまるで剣で刺されたようにエグいものだったと言う。

 

???「仕留めたのは一匹ィ……あとは………何匹ダ?ヒャハハハハハハ…!!」

 

3-1=2だが、男は計算が苦手なようだった。

 

妖怪2「こいつ…イカれてやがる…!!」

 

???「まあ、どうでもいいカ………どうせお前らは死ぬんだからナ…」ギロッ

 

暗闇に赤い光と、緑色の蛍光色の光が不気味に輝く。

 

 

そして次の瞬間ッ!

 

 

???「次はお前が死ネェエエエ!!」ダッ!!

 

ズンッ!!

 

妖怪2「……え…」グラ…

 

ガクッ…ドサッ…

 

妖怪3「!?」

 

???「二匹目ダァアアアア!!ヒャハハハハハハ!!これだ、この血ダ!!興奮するゼェエエエエエエエエエエエエ!!!」

 

彼の翼に妖怪の血がべっとりと付いていたが、それでも翼膜は残酷なまでに透き通っていた。雷に匹敵する電気を帯びながら。

 

妖怪3「う、うわぁああああああああ!!!!」タッタッタッタッ…

 

???「獲物は絶対逃がさネェ……お前らは死ぬって言ったロ?」バチ…バチィッ!!

 

 

ズギャンッ!!

 

 

男の掌から発射された黄緑に近い発行色の光線。それは彼に背中を向けた獲物の腹部を容易く貫通した。

 

 

妖怪3「…ど……どうし…て……」

 

ズシャァッ……

 

 

 

???「ヒャハハハハハハ!!!最ッ高だゼェエエエエエエエエ!!!血ダ!!!血ダァアアアアアアアア!!!ハハハハハハハハハァァァァァ!!!!」

 

妖怪の身体から流れ出す血を全身で浴びる。それは誰が見ても異常としか思えない光景であった。

 

???「ンッン〜…最高だがオカズにはならねぇナァ……ま、明日があるカ…次こそオカズを見つけねぇとナァ」

 

男は翼に溜まった電気を放出して、静かに眠りについた。

 

 

 

 

〜博麗神社〜

 

 

 

コウ「ぐお〜…ZZZ」

 

彼が能天気に熟睡している頃、龍太はまた()()()を見ていた。

 

龍太「……うーん…」

 

 

〜龍太の夢の中〜

 

 

龍太「……またここか…」

 

3回目の廃墟。以前と変わらず、空にはブラックホール的な何かが発生しており、この廃墟がより一層不気味に感じる。

 

龍太「ここで何しろって言うんだよ…3回目だよ…何をすればいいんだよ…」

 

途方に暮れていると…

 

 

バサ……バサ……バサ……

 

 

龍太「…ん?この音は…」

 

遠くで羽ばたきが聞こえた。そして、

 

 

『グォオオオオオオォォォォォォ…』

 

 

龍太「!!!」

 

???『グォオオオオ…』バサ……バサ……

 

ズズゥウウン…

 

あの黒い龍が現れた。

 

???『…………』

 

龍太「っ……」

 

間近で見るとかなりの迫力がある。それと同時に威圧感と恐怖を感じた。

 

龍太「……君は何者なんだ?」

 

???『…………』

 

当然返事は無い。

 

龍太(そりゃそうだよね……流石に言葉は話せないか…)

 

そう思っていたが、その時。

 

 

 

黒龍『……我は……黒龍……』

 

 

 

龍太「!?」

 

なんと人間の言葉を発したのだ。

 

黒龍『…そなたは……何者だ…?』

 

そしてこちらへ質問を返してきた。

 

龍太「ぼ…僕は……『黒木 龍太』……」

 

先ほどまで、ほんの少ししか感じていなかった恐怖が倍増してきた。

 

黒龍『……龍太…か……』

 

龍太「…………(ゴク…)」

 

黒龍『そなたは……何故…ここに居る…?』

 

龍太「え……何故って言われても……」

 

流石に「眠ったら来れました」なんて答える事は出来ない。そもそも、何故この夢を見ているのかが龍太には分からなかった。

 

黒龍『……どうした…?』

 

龍太「えっと……その質問はパスでいいかな…?」

 

 

黒龍『………良いだろう……』

 

 

その言葉を聞いた瞬間、緊張が一気に解けた。思わず安堵の溜息が漏れるところであった。

 

龍太「じゃあ、僕から質問してもいいかな…?」

 

黒龍『……なんだ…?』

 

龍太「ここはどこなの?生き物の気配が全くしないけど…」

 

 

黒龍『……ここは…人間共が創り上げた王国………だが…今はただの廃墟だ…』

 

 

龍太「王国だって!?」

 

明かされた事実。言われてみれば、確かに城のような大きな建物がある。だが、所々崩れていたり焼けていたりなどしてしまっており、当時の面影を残す部分はどこにも無い。

 

龍太「でも…なんでこんなことに…」

 

黒龍『……………

 

 

……我が…やったのだ……』

 

 

龍太「なっ!?」

 

黒龍『…だが…これも人間共が自ら招いた結果………我は裁いただけよ…』

 

龍太「…………」

 

過去にここで何があったのかは謎である。だが、このドラゴンが嘘を言っているようには見えなかった。その言葉の通りなら王国を壊滅させたのは、このドラゴンで間違いは無いだろう。

 

黒龍『……そなたは……人間共は哀れだと思うか…?』

 

龍太「それは……」

 

言葉が上手く出てこない。

 

黒龍『…………』

 

龍太「…………」

 

両者共に無言の時間が長く続いた。そして…

 

 

黒龍『………そろそろ時間だ………次に会う時まで…答えを見つけておくのだぞ…』

 

龍太「時間?それってどういう…」

 

その時。

 

 

カッ!!!

 

 

龍太「うっ!?」

 

強烈な光が龍太を廃墟ごと包み込んだ。

 

 

 

 

 

霊夢「朝よー起きなさーい」

 

龍太「うわぁああああ!!??」ガバッ!

 

霊夢「きゃあっ!?」

 

コウ「なんじゃあ!?奇襲か!?」ガバッ!

 

龍太「……答えか…」

 

霊夢「び、びっくりしたじゃない!急に起きないでよ!!」

 

龍太「あ…ご、ごめん…」

 

霊夢「全く…ほら、朝ごはん出来てるから。早く食べましょ」

 

龍太「そうだね」

 

 

コウ「あり?俺ちゃん、本能寺で寝てたはずなんですけど?」

 

龍太「起きて良かったじゃないか。そのままだと、丸焼きにされてたよ」

 

コウ「んにゃにぃ!?明智のクソめ!野郎ぶっ殺してやらぁあああああ!!!!」

 

龍太「その前に朝ごはんにしようよ」

 

コウ「あ、はい」

 

 

〜続く〜

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