東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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第十六話〜氷上の白騎士〜

〜紅魔館近くの湖〜

 

 

魔理沙「着いたぜ〜…って龍太?」

 

龍太「」チーン

 

こうなっても仕方が無いだろう。何故なら、彼女は幻想郷の中でも1、2を争うスピード狂なのだ。彼女が出すスピードは天狗には劣るが、普通の人からしたら充分高速と言えるレベルである(千刃のアイツも瞬間速度では彼女に勝るが、長距離飛行での速度は彼女には敵わない)。

龍太はそのスピードに耐えられなかったのだ。だが、朝ごはんを吐かなかったのは賞賛するべきである。

 

魔理沙「龍太ぁぁぁ!?」ガビーン

 

霊夢「何やってんのよ…」スタッ

 

龍太「僕は大丈夫……多分…」

 

霊夢「全く…」

 

魔理沙「そういえばコウはまだ来てないのか?」

 

あれほどの高身長の男がいればすぐに分かるのだが、生憎、彼の姿は無い。

 

霊夢「とにかく、犯人を見つけるわよ。それからきっちり退治してやるんだから」

 

龍太「それにしても……本当に凍ってるんだね…」コンコンッ

 

叩いてみて分かったことだが、確実に湖の底まで凍っている。それもジワジワと凍ったのではなく、一気に冷やされたことで凍ったようだ。それにしては、体感温度は神社にいた時と大して変わっていない。これはもう明らかにおかしい。

 

魔理沙「…ん?おい、何か見つけたぜ」

 

龍太「え?」

 

彼女が指を差した方向には、龍太の身長より少し大きめの氷像がそびえ立っていた。まるで何かに怯えているようなポーズをしている。

 

霊夢「趣味悪いわね。誰が作ったのかしら?」

 

魔理沙「なあ霊夢、この氷像どっかで見たことないか?」

 

霊夢「気のせいじゃないかしら?」

 

魔理沙「そんなことないって。ほら、よーく見てみるんだぜ」

 

霊夢「…そう言われると……前に退治した妖怪に似てるわね…」

 

魔理沙「だろ?」

 

龍太「…でもおかしいよ」

 

魔理沙「?」

 

霊夢「何がおかしいのよ」

 

龍太「なんでこんな所にこんな物があるんだい?」

 

霊夢「確かに、わざわざ運んでくる理由も無いし…」

 

魔理沙「考えすぎじゃないのか?」

 

龍太「うーん…」

 

 

 

「今度は人間…か……」

 

 

 

龍太「!?」ビクゥッ

 

「どいつもこいつも縄張りにズカズカと……」

 

魔理沙「なっ…何だ!?誰だ!?」

 

「三人か……卑怯だな。俺は一人だと言うのに」

 

霊夢「御託はいいわ、さっさと出てきなさい!」

 

「…フン………その様子だと俺を討伐しに来たようだな。だが何故だ?俺は自分の縄張りに入った奴を作品にしてやっただけなんだがな…?」

 

龍太「作品…?って事は…この氷像は……」

 

「美しいだろう?元々は醜かったがな」

 

龍太「何てことをっ…!!」ギリッ…

 

彼の中で静かに、だが確実に怒りが湧いていた。

 

 

 

「…さて、そろそろ出てきてやるか」

 

 

 

龍太「…………」チャキッ…

 

月影の柄を握り、不意打ちをされてもすぐに反撃できるように姿勢を低くする。同時に、魔理沙は箱?のような物を構え、霊夢はお札と針のような物を握っている。

 

 

そして、彼はかなり独特の方法でその姿を現した。

 

 

シャーー……

 

 

霊夢「…この音は?」

 

龍太(この音…どこかで聞いたことがあるような…)

 

魔理沙「氷が削れてる音じゃないか?」

 

龍太「そうだ!()()()()だ!これはスケートをしている時の氷が削れる音だ!!」

 

「これは『すけえと』と言うのか?知らなかったな」

 

龍太「!?」クルッ

 

急いで振り向いたが彼の姿は無い。ただ、氷が削れる音が聞こえてくる。

 

「ハハハハ…こっちだ!!」

 

霊夢「龍太後ろ!!」

 

龍太「!!!」チャキンッ

 

シュバッ!!

 

「何っ!?っ…!!」

 

龍太「やったか!?」

 

月影を見ると、その刀身には血が付いていた。刃が肉を切ったのは確かだ。

 

 

???「チッ…俺の身体に傷をつけやがって………まあいい…」

 

 

そこには女性のような顔立ちの美しい青年が立っていた。髪の長さはセミロングと言ったところだろうか。白い服を着ているようだが、腹部が血で赤く染まっている。

それよりも、両腕の翼?のような物が気になる。小さい棘が付いているが、これで滑っていたわけではなさそうだ。

 

龍太(う…背が高い…)

 

霊夢「ようやく出てきたわね。さあ、何か言い残す事はある?」

 

魔理沙「覚悟するんだぜ!」

 

???「……チッ………人間って奴はいつもそうだ……群れで襲ってきやがって…」ギリ…

 

本人は聞こえないように悪態をついたつもりなのだろうが、龍太には聞こえていた。人間に何か恨みでもあるのだろうか…

 

 

と、そこへ…

 

 

「おいおい、四人で話を進めるつもりですかい?誰かさんを忘れちゃいませんかってんだ!!」

 

 

忘れかけていたアイツがようやく到着した。

 

 

コウ「お待たせしましたぁぁーーーーーッ!!!!俺ちゃんの登場でござーーいッ!!!ズザァーっとね!」ズザァー!!

 

 

龍太「コウ!」

 

霊夢「あら、本当に走ってきたのね」

 

コウ「おうよ!俺ちゃん、スタミナには自信があるんでね。そこまで足は早くねぇけど。しっかし、ここはどうなってんだ?氷が足場とか不安定過ぎんだろ……ゲームだと滑るのが定石だが」

 

魔理沙「それはアイツが原因なんだぜ」

 

???「…………」

 

腹部から出血しているというのに、顔色一つ変えずにこちらを見ている。と言うより睨んでいる。だが、その鋭い目つきよりも、口外に飛び出た八重歯に恐怖を感じる。人間の歯と明らかに違うのは琥珀色をしており、縁がギザギザしているという事だけだ。それ以外は普通の八重歯といってもいいだろう。

 

コウ「……マジかよ、氷牙竜かよ。っべーよ、マジっベーよ。どうすんだよ、俺ちゃんの手には負えないゼヨ。冷たいのは苦手なんで」

 

霊夢「じゃ、何しに来たのよ!」

 

コウ「俺ちゃんに聞かないでよ〜(・3・)」

 

霊夢「」イラッ

 

魔理沙「うわ、腹立つ顔」

 

龍太「まあまあ、霊夢押さえて」

 

霊夢「……むぅ」

 

このままではコウがあの世に行きかねないからね。自分でも賢明な判断だと思うよ。うん。

 

龍太「ねぇコウ。その人を知ってるのかい?」

 

コウ「風の噂って奴で聞きかじっただけだ。俺ちゃんが住んでた場所からだいぶ離れた寒い所……凍土だっけな?そこに白い甲殻に身を包んだ飛竜がいるってな」

 

龍太「飛竜…」

 

コウ「そうだ。そんで、そいつの特徴は口外にまで発達した琥珀色の牙と、翼に生えた棘。ドンピシャだろ?まさか、こんな所で顔を合わせる事になるなんてなぁ」

 

???「ほう……雰囲気で分かるぞ、お前も竜か」

 

コウ「YES!Exacly!その通りだ!どうする?俺ちゃんと縄張り争いでもするか?」

 

???「……いや…俺が闘いたいのはお前じゃない」

 

コウ「Why!?」

 

霊夢「何言ってんのよ。あんたに相手を選ぶ権利なんてあるわけ無いでしょ」

 

魔理沙「お前は私が倒してやるんだぜ!」

 

コウ「まあまあまあまあまあ……落ち着けよ。こういう時は1対1の決闘だ。だろ?『零下の白騎士』さん?」

 

龍太「白騎士…」

 

???「……それは人間の勝手なイメージだ。まあ、正々堂々とした勝負は好きだがな」

 

コウ「つーわけで、龍太!君に決めた!」

 

龍太「……は?え?え?ええええええええええええ!!??」

 

コウ「剣はお持ちで?」

 

???「氷で作れば問題無い」

 

龍太「ちょ」

 

コウ「んじゃ、剣を落とされる、もしくは折られたら負けな!龍太!後は頼んだ!」

 

龍太「え?マジでやるの?」

 

???「さあ、始めようか………」

 

いつの間にか彼は氷の剣を手に握っており、霊夢と魔理沙とコウは少し離れた場所で観戦している。

 

龍太「やるしかないのか…」

 

???「まずは名乗るとしよう。俺は『氷牙竜 ベリオロス』。好きに呼べ」

 

龍太「じゃあ…………『ヒョウガ』でいいかな?」

 

ヒョウガ「好きに呼べと言った筈だ」

 

龍太「分かった。僕は『黒木 龍太』。『龍太』でいいよ」

 

ヒョウガ「フン……………心の準備はできたか?」

 

龍太「とっくに出来てるよ、誰かさんのお陰でね」チラッ

 

 

コウ「……俺?」←誰かさん

 

霊魔理「「」」コクコク

 

 

ヒョウガ「そうか…ならば…!!」

 

龍太「…!!」

 

 

ヒョウガ「行くぞ龍太!決闘だ!!本気で来い!!」

 

龍太(やってやる…絶対勝つ!!)

 

 

〜続く〜

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