東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜 作:ブラキDIOス(超絶スランプ)
コウ「アホ」
龍太「宿題はやったのかい?」
作者「…………」
龍コウ「「ダメだこりゃ」」
局地的に凍らされた湖。その上で、剣がぶつかり合う音が響く。
龍太「てやあっ!!」
ヒョウガ「フン……そこだ」
龍太「うわっ!?」
湖から少し離れた場所で…
魔理沙「…若干押されてないか?」
霊夢「何やってんのよ龍太!!そんなやつさっさと倒しちゃいなさい!!」
コウ(ここから聞こえるわけないっしょ)
ヒョウガ「もらった!」
龍太「うわっと!?」
ガキンッ!!
ヒョウガ「…チッ…」
龍太「くっ…」
なんとか鍔迫り合いに持ち込んだはいいが、ここからが問題である。
このまま体力勝負になれば、竜であるヒョウガに軍配が上がるだろう。かと言って退くわけにもいかない。退けば、当然隙が出来るため、すぐに間合いを詰められてしまう。
この位は誰にでもわかる。問題はどうやって竜の力を超えるかである。
剣に関しては、ヒョウガは素人中の素人ではある。懐に潜り込めば、龍太にもチャンスはあるだろう。
しかし、彼は剣の技術の低さを体術で補っているのだ。それにここは氷の上。氷牙竜にとってはホームグラウンドであり、身体能力を最大限に発揮できる環境である。
ヒョウガ「…………」ググ…
相変わらず、涼しげな表情のままである。
龍太「うぐぐ…」
対して龍太は、力の入れすぎで顔が紅潮し始めている。
ヒョウガ「諦めろ。体力で俺に勝てるわけが無い」
龍太「…嫌だね…!!僕だって…やれば出来るんだ…!!」グググ…
ヒョウガ「!!!」(どこからこんな力が出ている?)
彼は少したじろいだ。
そして、その隙を龍太が見逃すことは無かった!
龍太「まだ……僕は諦めない…!!!」
ヒョウガ「ぐ…!?」(馬鹿な…何故だ、何故俺が押されている!?)
龍太「ハァァァァァ…!!」グググ…
ヒョウガ(このままでは剣が……砕けるッ!?)
龍太「うおおおおおおおおおおお…!!!!」
ヒョウガ「!?」ゾクッ
彼は戦慄した。相手はただの人間。だが、黒龍のオーラを微かに纏っていたからだ。
そして、そのオーラは龍太の腕を包み込んだ。
龍太(…なんだか力が溢れて来る………今ならいける!!)グググ…
ヒョウガ「っ…!!」
ピシッ…
ヒョウガ「!!!」
遂に、氷の剣に僅かなヒビが入った。
龍太「おおおおおおおお!!!!」グアッ!!
ピシッ……バキッ………
パキンッ!!!
ヒョウガ「なっ………」
龍太「…僕の勝ちだ」
ヒョウガ「…………」
信じられないといった表情で、折れた剣を静かに見つめている。
ヒョウガ(負けた……人間に…………二度目だな…)
「龍太〜!!」タタタ…
龍太「あ、霊夢」
霊夢「あ、じゃないわよ。ヒヤヒヤしたんだから……怪我は無い?」
龍太「うん。大丈夫だよ」
コウ「かっこよかったぜ龍太!!流石は俺ちゃんのダチよ!」バシバシ!
龍太「ちょ、痛いって」
魔理沙「で?どうするんだぜ?アイツは」
もしかしなくても、ヒョウガの事を言っているのだろう。
龍太「とりあえず話を聞いてみたらどうかな?こんな事をしたのは、何か理由があるかも知れないし…」
霊夢「そうね。コウ、アイツ呼んできてよ」
コウ「ええ!?俺ちゃんがかよ!?」
霊夢「別にいいでしょ。ほら早く」
コウ「……わーかーりーまーしーたー………チェッ」
〜絞蛇竜説得中〜
霊夢「で?どうしてこんな事をしたのかしら?」
ヒョウガ「……お前に言う必要はあるのか?」
霊夢「あるに決まってるじゃない。騒ぎが大きくなる前に解決しなきゃいけないんだから」
ヒョウガ「…………」
魔理沙「さっさと言った方が身の為だぜ」
霊夢「…それどういう意味よ」
魔理沙「さぁ?」
霊夢「…………」
魔理沙「わ、悪かったよ…だから手を降ろせって。な?」
霊夢「……まあいいわ。で?言う気になったかしら?」
ヒョウガ「………それは「ちょい待ち」……?」
龍太「え?どうしたのコウ」
すると、彼は数m先の木を指差して…
コウ「そこの木の陰に誰かいるぞ」
霊魔理龍「「「えっ!?」」」
「ギクッ!?」
霊夢「誰だか知らないけど出てきなさい!さもないと…」
そう言うと、彼女は懐からお札と針のような物を取り出した。
文「ひぃぃぃ!?すいませんでしたぁぁ!!!」
魔理沙「なんだ、ブン屋じゃないか」
文「なんだとは失礼ですね〜」
霊夢「そんな事より、どうしてあんな所に隠れてたのかしら?」ニコニコ
龍太(目が笑ってない…)
コウ(こわ…)
文「どうしてってそれはモチロン、新聞の為ですよ。折角、『怪奇!凍った湖のバラバラ殺人!』って見出しで新聞を作ろうとしてたのに」
ヒョウガ(物騒なタイトルだ)
あんたが言えたことでは無かろう。
文「と、いうわけで早速取材を「ダメだよ」えーッ!?なんでですかっ!?」
龍太「ほら……こんな事をあんまり広げないようにしたいし…それにヒョウガだって悪気があってやったわけじゃないから…」
ヒョウガ「!!…お前…」
文「うーん…仕方ありませんね〜………今回は龍太さんに免じて引き下がるとしましょう。記事のネタはもう一つありますし」
龍太「…ありがとう」
文「いえいえ、この前の取材を快く引き受けてくれた恩もございますし」
龍太(恩…ねぇ…)
あの取材は断る暇さえ与えてくれなかったので、快く引き受けるも何も無かったのだが……まあ、良しとしよう。
文「それでは皆さん、今後も文々。新聞をどうぞ宜しく〜♪」
そう言うと、彼女は風を巻き起こして飛び去って行った。
コウ「……アイツ何がしたかったんだ?」
龍太「まあ、いいんじゃないかな…」
霊夢「これで邪魔者がいなくなったわね……さぁ、話しなさい」
ヒョウガ「………話すも何も……俺は自分の縄張りを守っていただけだ」
龍太「……縄張り?」
ヒョウガ「そうだ。自分の縄張りは自分で守る。当然の事だろう」
霊夢「縄張りって…アンタねぇ…」
コウ「まあまあ落ち着けって。要するにアレだろ?お前は縄張りを奪われたく無かった……そういうわけだろ?」
ヒョウガ「……そうなるな…」
魔理沙「?なんでそんなに縄張りが大事なんだぜ?妖怪が入ってきたからって何も粉々にする必要は無いと思うんだが…」
ヒョウガ「………お前ら人間共だって、自分の部屋に他人が勝手に入ったら困るだろう」
龍太「それはそうだけど…」
ヒョウガ「それと同じだ。我が物顔で堂々と縄張りに入ってくる奴らが許せなかった。………それだけだ」
コウ「……竜らしくていいじゃねぇか。俺ちゃんは分からんでもないぜ、その気持ち」
龍太「…………」
霊夢「何が縄張りよ。バカじゃないの?」
呆れた顔でヒョウガの持論を全否定する。
ヒョウガ「何だと…!!!」
霊夢「ここはアンタが住んでた世界じゃないのよ。ここは幻想郷。誰の縄張りだとか、そうじゃないだとかそんなのどうでもいいじゃない」
ヒョウガ「…………」
霊夢「そんなくだらない事で騒ぎを起こされるとこっちも面倒なのよ。これに懲りたら、もう縄張りを主張するなんて事はやめなさい」
ヒョウガ「……………すみませんでした……」
こんな事を言われては何も言い返せないだろう。ヒョウガは、ただただ深く頭を下げていた。
魔理沙(なんか…霊夢らしくないぜ…)
コウ(氷牙竜が謝った……なんかとんでもねぇ光景を見た気がするぜ…)
龍太(あれ?僕が闘った理由ってなんだっけ…)
ヒョウガ「……償いをしたい…何か…俺に出来る事は無いか?」
どうやら彼は、根は真面目なようだ。
霊夢「そうね……じゃあ、これから何か異変が起こったら私達に協力してくれるかしら?それで今回の事は見逃してあげるわ」
ヒョウガ「……了解だ」
魔理沙(おい、霊夢)ヒソヒソ
霊夢(何よ)
魔理沙(ホントにそれだけでいいのか?毎日お賽銭を入れるって条件も付ければ良かったんじゃないか?)
霊夢(いいのよ。どうせお金は持ってなさそうだし。協力してくれるだけでもありがたいわ)チラッ
ヒョウガ「…?」
コウ「これで解決しちゃったんですかい?だったらもう帰ろうぜ」
龍太「そうだね」
魔理沙「もう騒ぎを起こすんじゃないぜ。今回の事は、規模はかなり小さかったけどな」
ヒョウガ「ああ」
霊夢「じゃあ、帰りましょうか」
コウ「………また走るの〜?」
龍太「…ドンマイ」
ヒョウガ が 仲間に加わった!!
〜続く〜