東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜 作:ブラキDIOス(超絶スランプ)
コウ「なんでなんで?」
トドロキ「お前、早く寝ろよ。今回は寝てるだけの簡単な仕事なんだからよ」
コウ「ファッ!?」
第二十一話〜伝説の断片〜
月明かりが幻想郷を照らし、妖怪が活発に動き始める頃…
〜博麗神社〜
コウ「…ンガッ…ジャララララララ……ZZZ」
龍太「…ZZZ」
3枚のスペルカードを作り、試し撃ちをしたお陰でヘトヘトになってしまったのか、龍太はいつもよりも深い眠りについていた。
しかし、その眠りを妨げる者がいた。
『ーーー……ー太……龍太………龍太…!聞こえるか…?…龍太……!』
龍太「……うーん…?……ZZZ」
『龍太……頼む…起きてくれ………』
龍太「うーん………誰だよ…こんな時間に…?」
目をこすりながら、渋々上半身を起こす。だが、そこには誰もいない。
龍太「…?空耳かな…?」
『龍太…起きたか……』
龍太「…!?どこから…」
確かに声は聞こえてくる。
『我は、其方の脳に直接語りかけている……そこにはいない』
龍太「もしかして…黒龍…?君なのか…?」
『左様……それと少し、声の大きさを下げた方が良い……』
龍太(分かった……で?こんな時間に何の用?)
黒龍『熟睡しているところを起こしてしまい、申し訳ない………だが、妙に胸騒ぎがしたのでな…』
龍太(胸騒ぎ?)
黒龍『うむ……外に出てみてくれ…』
龍太(わ、分かった…)
言われた通りに外に出る事にした。
〜外〜
龍太(ここなら声を出しても大丈夫かな……それにしても冷えるなぁ…)
季節は春真っ盛りだが、流石に深夜の外は肌寒い。早く布団の中に戻りたいものである。
黒龍『…竜の気配を感じた……其方が一度訪れた湖からな。其方がヒョウガと呼んでいた竜とは、別の気配だ』
龍太「え?でも、そんな筈は……それは確かなのか?」
黒龍『……我の力は衰えつつある…故に正確ではないが…辛うじて確認出来る。これは間違いない。明日、調査しに行くべきだ』
龍太「…分かった……君は……!?」
龍太は驚くべき光景を目にした。それは一筋の光が湖から空に向かって伸びる光景であった。
その光は蛍光色の緑色をしていたが、その事以外は雷とそっくりだった。そして、その光は一瞬の内に消えてしまった。
龍太「……なんだったんだ今の光は…」
黒龍『竜の仕業だ。…いや、『転生者』と言うべきか…』
龍太「今、見に行くべきかな…」
黒龍『判断は其方に委ねよう。見に行くと言うのならば、我の翼を貸そう』
龍太「え!?あれって君の翼だったの!?」
黒龍『うむ。その様子からすると気付いていなかった様だな。だが、弾幕とやらが出せるとは思っていなかった。其方の力でもある。礼を言おう』
龍太「力って…僕は何も…」
黒龍『いや、其方の力だ。確かに翼は我のものだ。だが弾幕を作り出したのは他でも無い、其方の力なのだ』
龍太「…………」
黒龍『まあ、それは良い。で、どうするのだ?』
龍太「明日の朝早くに行ってみる。この時間帯は妖怪達が活発になってるからね」
黒龍『妖怪……人間を食らうと言っていたな…』
龍太「…あれ?何で君がそれを知ってるの?話した覚えは無いんだけど…」
黒龍『我は、視覚と聴覚を其方と共有している』
龍太「へぇ……結構便利だね」
黒龍『だが、其方が見たり聞いたりした事、全てが我に伝わるわけでは無い。我に伝わるのは限られた言葉…『異変』に関係する言葉だけだ』
龍太「ふーん…(制限でもされてるのかな?)」
黒龍『……少し話過ぎたな』
龍太「うん、そろそろ寝ないと……そうだ、あのさ…クロって呼んでもいいかな?」
黒龍『……クロ…?我の渾名か?』
龍太「そうだよ。……ダメかな?」
黒龍以下クロ『ふむ……別に、我をどう呼ぼうと構わない。好きにするがいい』
龍太「うん、じゃあクロで決まりだね」
クロ『……ふむ……悪い気はしない………』
龍太「?どうしたんだい?声が小さくなっていってるけど…」
クロ『…我の力は衰えつつあると言っであろう……故に其方と話せる時間もそう長くはないのだ…』
龍太「…そうだったのか…」
クロ『……必要とあらば我を呼べ………出来ることは少ないかも知れぬが…今の所は翼程度なら貸せる………ッ…』
龍太「!?ど、どうしたの!?」
クロ『ヌゥ…ッ………すまん…これ以上話すのは無理だ………さらばだ………』
龍太「…クロ?クロ!?」
クロからの返事は無かった。
龍太「……今は早く寝よ……」
仕方が無いので、考えるのを放棄して早く寝る事にした。明日は、朝早くから調べに行かなければならない。そのためでもある。決して、考えるのが面倒になったとかそういうのではない。
〜???〜
男はある書物を調べていた。
???「…………」ペラ…
その本には歪な文字で、こう書かれていた。
ーーキョダイリュウノゼツメイニヨリ デンセツハヨミガエル…ーー
???「……伝説か………まさかな」パタン…
男は静かにその本を閉じ、部屋へと戻って行った。
〜続く〜