東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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ゴールデンウイークにどこにも行かず、家でゴロゴロしてたい。それが作者の願望です。

え?聞いてない?さいですか……


第二十三話〜血に酔う翠閃電 中編〜

 

ヒョウガ「で?俺に何の用なんだ」

 

龍太「あぁ…そのことなんだけど、すぐそこの林で変わったことは無かった?」

 

トドロキ「ウガ…ガ……ガァックシュイ!!!(寒ィ)」

 

ヒョウガ「オイ!!俺に向かってクシャミをするんじゃない!!手で抑えろ、手で!!」

 

トドロキ「悪りィ悪りィ。寒いのは苦手でよォ……またクシャミ出そう………グルァックシュイ!!!うい〜…」

 

今度はちゃんと手で抑えてクシャミをした。それにしても、随分とヘンテコなクシャミである。

 

ヒョウガ「全く……変わった事か…そうだ。少し、待ってろ」

 

彼はそう言うと、凍った湖の上をスピードスケート選手の如く駆け抜けて行った。彼の寝床が何処にあるのかは知らないが、そこに何かを取りに行ったのだろう。

 

 

 

そして、一分も経たない内に彼は戻ってきた。その手には黒い何かが握られていた。

 

 

ヒョウガ「待たせたな。これを見ろ」

 

トドロキ「あァん?なんだこれ」

 

龍太「…これは?」

 

ヒョウガ「聞いて驚くなよ?こいつは……()()()()だ」

 

龍太「!!!?」

 

何ということだろうか。彼が持って来たのは妖怪の腕だという。

だが、生前の面影は何処へやら。辛うじて、指らしきものが確認できる程度であり、腕だと言われるまで何の物体か判別不可能だった。

 

トドロキ「ハァ?これのどこが腕だって言うんだよ。真っ黒になっちまって、まるで……あれだ、焦げてるみてェじゃねェかよ」

 

トドロキの言い分にも納得できる。

 

ヒョウガ「その通りだ」

 

トドロキ「……あ?」

 

龍太「え…」

 

ヒョウガ「これは昨日の夜、そこの林の入り口で拾った。見つけた直後は煙が上がってたから、関わるのは止そうと思っていたが…」

 

龍太「入り口…?拾ったのって、何時ぐらいか分かる?」

 

ヒョウガ「…12時くらいか?大体、そんな時間帯だった筈だ」

 

龍太(…クロ)

 

クロ『うむ……我が其方を呼び起こした時間帯とほぼ同じだ……』

 

龍太(じゃあ、あの雷が…)

 

クロ『正確には、あの雷を出した者が犯人だろうな…』

 

龍太(…やっぱり…)

 

トドロキ「…オイ龍太、どうした?暗い顔しやがって」

 

龍太「えっ?いや、別に…」

 

トドロキ「こんなもん気にすんじゃねェよ。犯人をぶちのめせばすむ話じゃねェかよ」

 

ぶっきらぼうだが、これでも彼なりに龍太の気持ちを考えての発言だろう。

 

ヒョウガ「で、どうする?その乱暴者の言うように、犯人とやらにお仕置きしに行くか?」

 

龍太「…うん。この腕みたいになる人…じゃなかった、妖怪が増えないようにね」

 

トドロキ「だがよ、その犯人って奴が何処にいるのか分かってんのか?」

 

ヒョウガ「それに関しては問題ない。そこの林にいる」

 

龍太「え?なんで分かるの?」

 

ヒョウガ「氷牙竜の勘だ」

 

トドロキ「…………」

 

龍太「え〜…」

 

トドロキ「まあいい、行くぞお前ら」

 

ヒョウガ「…俺に指図するな」

 

龍太「ちょ…ま、待ってよ!」

 

 

 

 

 

〜湖の近くの林 入り口〜

 

 

 

龍太「うっ……何?この臭い…」

 

まだ林の入り口だと言うのに、何かが腐ったような臭いと鉄臭い臭いが混じった、生理的に受け付けない強烈な臭いが鼻を襲った。

 

トドロキ「ウゲ…なんか臭いが色々混じってるぞ……気色悪りィ…」

 

ヒョウガ「入り口でこれとは……ここを『血濡れの林』とでも呼んだ方が良さそうだな」

 

三人が奥へと進もうとすると……

 

 

 

 

ズリ……ズリ………

 

 

 

妖怪「………う、あ………」

 

 

 

なんと、林の中から血塗れになった一匹の妖怪がフラフラと歩いてきた。

 

 

龍太「」

 

トドロキ「」

 

ヒョウガ「」

 

 

この瞬間、三人の思考は一気にフリーズした。そして三人は、共通の行動をとった。

 

 

 

 

「うわぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!???」

「オワァァアアアアアアアアァァァァァァアアアアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!??」

「のわぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!??」

 

 

 

それは叫ぶ事。以上。

 

 

龍太「あばばばばばばばば((((;゚Д゚)))))))」

 

クロ『落ち着くのだ……こちらが手を出さねば、彼方も手を出す事は無かろう…』

 

龍太(分かってるけど、急に来られたら誰だってこうなるって!!)

 

妖怪「…………」ドサッ…

 

血塗れの妖怪は、現れてから数歩進んでその場に倒れてしまった。

 

トドロキ「な、なんだコイツ…」

 

龍太「だ、大丈夫ですか!?しっかりして!!」

 

三人は妖怪の側に急いで駆け寄る。

 

妖怪「あ……あく、まが…………あ、く……ま…が…!!」

 

龍太「え!?悪魔?それがどうかしたんですか!?」

 

妖怪「………に、げ……………ぁ………………」ガクッ…

 

龍太「!?しっかりしてください!!」

 

ヒョウガ「……駄目だ、死んでいる」

 

龍太「…そんな…」

 

ヒョウガ「肩と腹に貫通痕が残ってる。後ろから何かで刺されたんだろう」

 

トドロキ「グロいもんはいつ見てもグロいなァ、おい」

 

龍太「……誰がこんな事を…」

 

ヒョウガ「先に進めば分かる事だ。さあ、行くぞ」

 

龍太「う、うん」

 

それにしても、急に出て来られるのは心臓に悪い。二回目はありませんように、と心の中で祈りながら奥へと進んだ。

 

 

 

 

 

〜血塗れの林 奥〜

 

 

トドロキ「おいおいおい……なんだこりゃァ……」

 

龍太「…おえっ…」

 

ヒョウガ「…………」

 

 

それは想像を遥かに超えた光景であった。妖怪の物と思われる腕や脚が其処彼処に散らばり、中には原型を留めていない死骸どころか、全身が真っ黒焦げとなった死骸さえあった。

それだけでは無い。辺りの木や草には、血がびっしりと付着し、地面の一部は血の水溜りと成り果てていた。

最早、この世の光景とは思えないほど酷かった。こんな事をした犯人の異常な残虐性が伺える。

 

 

龍太「…うーん……」フラ…

 

クロ『龍太…気をしっかりと保て……』

 

龍太「ハッ!あ、危ない危ない…」

 

危うく気を失いかけたが、クロの呼び掛けのお陰で意識を手放さずにすんだ。

 

龍太(…ありがとう)

 

クロ『なに、当然の事をしたまでよ……其方が気を失ってしまっては色々と困るからな……」

 

ヒョウガ「これは幾ら何でも惨すぎる…」

 

トドロキ「俺でもこんな事はしねェぞ…」

 

幾ら竜と言えども、この現実離れした光景と犯人にドン引きしているようだった。無論、龍太もドン引きしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな三人を遠く離れた木陰から見つめる人物が一人……

 

 

???「次は三人……良い血が飲めそうだゼェェ…」

 

男は血に塗れた翼を広げながら、三人を仕留めた後の利用法を考える。その翼に生えた鋭利な翼爪には、仕留めた妖怪がそのままの姿で刺さったままとなっていた。腹部を容易く貫通した翼爪が黒光りしている。

 

???「コイツの血は不味かったし…もう要らねェナ」

 

そう言うと、翼爪から妖怪を引き抜き、そこら辺の茂みへと放り投げる。

 

 

 

???「ヒャハハハハハハ!!!さあ、狩りの始まりだゼェェ…!!!」

 

 

男は三人に向かって、地面スレスレで真っ直ぐに飛んで行った。

 

 

 

〜後編 に続く〜

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