東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜 作:ブラキDIOス(超絶スランプ)
第二話〜少女に追われて〜
〜魔法の森〜
二人は、この森を抜けるために歩き続けていた。
コウ「おいおい……なんなんだ?この森はよ〜…」
龍太「え?何の事?」
コウ「何かイヤーな気配を感じるんだよな〜」
龍太「え」
コウ「誰かに見られてるような気がする〜〜!!あると思います!!!」
龍太「ええええ!?不安になるような事言わないでよ!」
コウ「んな事言われてもよ〜…こればっかりは仕方ねぇぜ」
龍太「まぁ…そうだけど…」
夜の魔法の森は、妖怪やら妖獣やらがウヨウヨしている事で有名である。しかも、よりによって今日は満月。何の力を持たない人間にとって、非常に危険な日なのである。
まぁ、転生者は例外として。
龍太「そういえば、なんでヘッドフォン持ってるの?」
コウ「へっど……なんだって?」
龍太「それだよ、首にかけてる奴」
コウ「あ?これか?」ヒョイ
龍太「そうそう。それがヘッドフォン」
彼は、黄色を基調としたなんとも派手なヘッドフォンを首にかけていた。嫌でも目に入ってくるほど、存在感を放っている。
コウ「なんでって言われても………気がついたらつけてました的な?」
龍太「ふーん……(でもなんでヘッドフォンなんだろ…)」
コウ「ま、どうでもいいだろそんな事」
龍太「そうだね。とにかく、この森を出ないと…」
コウ「………なぁ……龍太…」
突然、彼が真剣な表情で話しかけてきた。
龍太「どうしたの?」
コウ「さっきまでこんなに暗かったか?」
龍太「……そ…そういえば……」
辺りは、何故か暗闇に包まれていた。先ほどまでは月明かりが照らしていたというのに。
コウ「…!!!龍太!!伏せろ!!!」サッ!
突如、声を荒げ身を屈めるコウ。
龍太「え…!?」
龍太の目に映ったのは、自分達に向かって突っ込んでくる色とりどりの弾丸のような何か。
龍太「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」サッ!
間一髪。弾丸のようなものは二人の頭上を通り過ぎていった。もし反応が遅れていたら、餌食になっていただろう。
龍太「い、今のは!?」
コウ「分からねぇ…だが、ヤバイ雰囲気がするぜ!!」
すると、二人の背後から突然声が発せられる。
???「あなた達は食べてもいい人間?」
龍コウ「「!?」」ビクッ
二人が振り返ると、そこにいたのは…
龍太「お…女の子…?」
赤いリボンを付けた、金髪のとても可愛らしい少女。
コウ「誰だお前は!?」
ルーミア「『ルーミア』なのだー」
龍太(あれ?ちょっと待てよ……なんでこんな所に女の子が?)
コウ「俺たちに何のようだ?悪いが構ってる暇はねぇんだが…」
するとルーミアと名乗った少女は、不敵な笑みを浮かべ…
ルーミア「逃がさないよ?」スッ…
懐から、一枚のカードのようなものを取り出した。
龍太「え?カード…?」
コウ「何する気だ…?」
そんな二人に見せつけるかのように、彼女は宣言した。
ルーミア「夜符《ナイトバード》」
その瞬間!無数の弾丸のようなものが二人に向かって飛んでいく!!
龍太「ええええええええええ!!??」
コウ「ホアアアアアアアアアアア!!??」
龍太「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」サッ!
咄嗟にしゃがんだことで、全弾がコウに向かって飛んでいく!!!
コウ「ちょwwwおまwwww…ってギャアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ドォーーーーーーーーーーーンッ!!!
フルコンボだどん!!
コウ「」チーン
龍太「ええええええええ!!??ちょ…寝てる場合じゃないって!!」ゲシッ
コウ「ハッ!!危ない危ない……逝きかけてたぜ…」
ルーミア「しぶといやつなのだー」
コウ「そりゃそうよ!!俺は蛇竜!!しつこさとウザさは折り紙つきだよーん!!」
ルーミア「くらえー」
再び弾丸のようなものが二人に発射される!!
コウ「うええええええええええ!!??人の話は最後まで聞きやがれーッ!!!」
龍太「うひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!???」サッ!
コウ「ここはひとまず……逃ぃげるんだよーーッ!!!龍太ーーッ!!!」
ダダダダダダ……
龍太「ええええええええ!!??ま、待ってよーッ!!!」
ダダダダダダ……
ルーミア「まてー」
フワフワ…
〜しばらくして〜
龍太「ハァ……ハァ………ま、まだ走るの…?」
コウ「お…俺も無理……なんで…人間の脚って長いんだ………ゼェ……ゼェ………」
無我夢中で森の中を走って、すっかり息を切らしてしまった二人。
だが、少女は無情にもすぐに追いついてきた。
ルーミア「見つけたのだー」フワフワ…
龍太「わあああああああああ!!??う…浮いてるーッ!?」
コウ「アババババババババババ(^q^)」
目の前の信じられない光景に、二人は動揺を隠せなかった。
ルーミア「いただきまーす!!」バッ!
そして、そのスキをついて彼女は飛びかかってきた!
龍太「っ!?」サッ!
彼は、無意識に腕でガードをしていた。恐らく本能からくる自己防衛だろう。
ガブッ!!
そして、彼女の歯が腕に食い込んだ。
龍太「いっ…!?」
コウ「龍太!?」
ルーミア「…………ま……まずいのだ……」
龍太「え」
コウ「」
二人は驚愕した。散々、追いかけ回されて食べられるかと思ったら、味の感想が『不味い』。
もはや恐怖の事など忘れ去って、ただ呆れるしかなかった。
コウ「あー…えっと………大丈夫か?龍太…」
龍太「う、うん……ちょっと歯型が残っただけ…(なんだろう…なんか傷つくなぁ…)」
かと言って、『美味い』と言われても困るのだが。
ルーミア「残念なのだー…」
龍太(なんか罪悪感が凄い……)
コウ「おいお前」
ルーミア「なんなのだー?」
コウ「お前が人間じゃねぇ事は良く分かった。そこで一つ教えてくれ。ここはどこだ?」
ルーミア「『幻想郷』なのだー」
コウ「……は?」
龍太「幻想…郷……?」
そんな地名は聞いたことが無い。だが、何と無く日本の何処かにあるような気がした。確証は無いが。
龍太「えっと……じゃあ、この森は?」
ルーミア「『魔法の森』なのだー」
龍太「………魔法?じゃあ、君は?」
ルーミア「『妖怪』なのだー」
龍太「よ、妖怪!?」
コウ「どうしたんだ?っていうか妖怪ってなんだ?」
龍太「で、でも妖怪って………いや、でもさっきの弾丸といい、浮遊といい………でも…うーん…」
考えれば考えるほど、不可思議な事ばかりである。決して科学では説明のつかない出来事が目の前で起こったのだ。混乱するのも無理はない。
龍太(でも妖怪って、鬼とか河童とか……そういったものじゃなかったっけ……この子が妖怪だとして………でも…幻想郷の事も気になるし……そもそもなんで僕はこの世界に来たんだ…?)
コウ「……大丈夫か…?お前…考えすぎじゃね?」
龍太「…うーん……そうかもしれないけど……でも…」
コウ「まぁ、なんにせよ……俺たちがこの世界に来たのには理由があるんじゃねぇの?」
龍太「理由…」
コウ「その理由は後で考えればいいさ。今はこの森を抜ける事が先だ。だろ?」
龍太「…うん、そうだね。僕の悪い癖だ……もう大丈夫」
コウ「そうこなくちゃな!……でもよ〜、夜の森はおっかねぇな〜…」
龍太「…………」チラッ
ルーミア「?」
大人しくしていれば、ただの可愛い女の子なんだけどなぁ……。
コウ「しっかしどうしたもんかねぇ……俺は地理とか苦手なんだよな…」
龍太「僕は人並みだけど…この森の事は全く分からないし……」
コウ「おいルーミア」
ルーミア「なんなのだー?」
コウ「この森に住んでる奴はいないのか?出来れば、今日だけ泊めて欲しいんだが……」
龍太「なるべくここから近い家の方が良いんだけど……我儘でごめん…」
ルーミア「アリスの家が近いのだー」
コウ「こんな森に住んでる奴がいるとはな………………言ってみるもんだな…」
龍太「え〜……確証はなかったのかい…?」
コウ「当たり前だのクラッカー☆」
龍太(古…)
ルーミア「どうするのだー?」
龍太「じゃあ、案内してくれないかな」
ルーミア「お安いごようなのだー」
龍太「ありがとう」
コウ(……なんか竜の気配を感じるぞ…………いや気のせいだな、うん)
龍太「おーい、置いてくよー」スタスタ…
コウ「ええええ!?ちょっと位待ってくれたっていいじゃねぇかよー!!!って聞いてんのかおい!?待ってくれって!!!」タッタッタッ…
〜続く〜