東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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コウ「……なあ…」

龍太「…何?」

コウ「サブタイおかしくね?」

龍太「…作者の語彙力が無い所為だよ」

コウ「…………」

作者「お前らさっさと始めろよ!俺だって気にしてんだバーロー!!」

コウ「誰がバーローだ!ボケナス!!!」

龍太「ああもう……では、どうぞ!!」


第二十八話〜骸の優しさ〜

前回のあらすじ・・・銀龍「…次は無い…」

 

 

 

龍太「ん……」

 

あれからどの位の時間が経ったのだろうか。体内時計が狂っていなければ、そんなに時間は経っていない筈だ。

雨の音はしない。どうやら気を失っている間に止んだようだ。

 

龍太「…あうっ………いつつ……」

 

何だか体中が痛い。流石に、鍛えていない身体であの戦闘は無理があったのだろうか。これでは起き上がるのが辛い。だが今の龍太にとっては、そのようなことはどうでもよかった。

 

龍太「…………」

 

それにしてもここは何処なのだろうか、と龍太はぼんやりとした意識の中でそれを考えていた。辛うじて分かるのは建物内という事と……鼻につく強烈な酒の臭い。どうやらこの建物の主は相当な酒好きのようだ。

 

周りを見渡すと床には酒の瓶が転がっていた。……いや、正確には酒の瓶と()()()()。それは異様な光景だった。

視界がはっきりしてくると共に、得体の知れない恐怖が龍太を襲った。

 

と、その時、

 

 

 

 

『ガシャンッ!!』

 

 

 

何かが割れるような音がした。それと少し遅れて、

 

 

「あー…やっちまった……もったいねぇ……」

 

 

と、恐ろしげな声が聞こえてきた。どうやらまだ中身の入った酒瓶を割ってしまったらしい。それを嘆いているようだ。

 

「ん…?…お……目ェ覚めたか…?」

 

こちらに気付いた。段々と足音が近づいてくるが、それだけではなく骨が擦れ合うような音も同時に聞こえてくる。龍太は思わず生唾を飲み込んだ。

 

そして龍太が見たのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『骨で出来た仮面』を被った一人の大男。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍太「!?」

 

?「気分はどうだ…?……騒がしいから外に出てみれば………お前が倒れてた………包帯はキツくねぇか…?…なんだったら巻き直してやるが……」

 

龍太「え……う…」

 

お礼を言おうと思っていたのだが、あまりの恐怖で言葉に詰まる。

 

?「ああ……俺が怖えのか………安心しな。取って食ったりはしねぇからよ……」

 

龍太「…………」

 

?「…ほら……水だ…飲め」

 

水を注がれたコップを差し出された。だが、よく見ると差し出した手は指が無い。それどころか、関節があるようにも見えなかった。

その手?の後を目で追うと、背中に繋がっていた。俄かには信じ難いが、背中からコレが生えてきているのだろう。

形はイカの触手に瓜二つだが、先端に口の様なものが備わっている。ここで分かったのは、この男がただの人間ではないという事。かと言って妖怪のようでもなさそうだった。

 

?「どうした…?いらねぇのか…?」

 

だが、折角の好意だ(多分)。例えどんな人(人間では無いが)であろうと、気持ちを無駄にするような真似はできないし、したくない。

なので素直にコップを受け取り、水を一気に胃へと流し込んだ。

 

龍太「フゥー……ありがとうございます」

 

?「ガラガラ……気にすんな…ガラガラガラ……」

 

龍太「どうして…僕を助けてくれたんですか?」

 

?「どうしてって……そりゃお前、人が倒れてたら助けるだろう………」

 

至極真っ当な応えが返ってきた。確かにその通りだ。

 

龍太「その…あなたを何と呼べば…」

 

?「…名乗る程の者じゃねぇよ俺は……まあ、折角だし教えてやるけどな………『オストガロア』…『ガロア』でいいぜ……ガラガラガラガラ……ついでに言っとくが転成者だ……」

 

ガロア「宜しくな…」

 

龍太「僕は『黒木 龍太』と言います。宜しくお願いします」

 

ガロア「龍太……ああ、新聞で見たぞ……最近、博麗神社に住み始めたんだろう…?」

 

龍太「あ、はい」

 

ガロア「ここでの生活には慣れたか……?」

 

龍太「ええ…非常識な事ばかりですけどね」

 

ガロア「ガラガラガラガラ……お前も大変だな………まあ、慣れちまえば楽しいもんだ……」

 

龍太「は、はあ…」

 

ガロア「ガラガラ………さて、話は変わるが……一人で帰れるか…?……無理なら送ってってやるぞ…?」

 

龍太「大丈夫です……っ!」

 

腹部の痛みでこれ以上は動く事ができない。どうやら思っていたより体を酷使していたようだ。

 

ガロア「おいおい…無理すんな………仕方ねぇ…ちょっと痛むかもしれねぇぞ……」

 

龍太「な、何を…」

 

ガロア「触手で担いでく……ちっとばかし揺れるぞ……よっと…」

 

そう言うと、触手で龍太の脚と腕を包み、ゆっくりと布団から上げた。

 

龍太「うわ…」

 

恐いというより不思議な感じがした。触手の感触は全然気にならないが、どうもヒンヤリとしている。

 

ガロア「ガラガラ……軽いな……それに小さい……」

 

龍太「う…」

 

ガロア「おっと悪りぃ……気にしてた事だったか……」

 

龍太「いえ…よく言われるので…」

 

ガロア「…ま、伸びるといいな……さて…行くぞ……」

 

龍太に気を使ってか、ガロアはゆっくりと歩き出した。目的地は勿論、博麗神社である。

 

 

 

 

 

 

〜博麗神社〜

 

 

ガロア「フイー……着いたぜ…………降ろすぞ……」

 

龍太「っと……ありがとうございます…っ…」

 

ガロア「おっと……大丈夫か…?」

 

龍太「はい……歩けます…」

 

ガロア「…無理すんな……」

 

とりあえずは博麗神社に着いた…が、こんな姿を霊夢は何と言うだろうか。

 

ガロア「…おい……誰かいるか……?」

 

「はいはい、今向かっておりまーす……って龍太ぁ!?」

 

この声はコウだ。間違いない。

 

コウ「帰りが遅いから何があったのかと思えば……どうした、何があった!?ってあんた誰!?」

 

ガロア「…お前も新聞に載ってたな……コウ…だっけか……」

 

コウ「Yes!その通り!……まさか今度は古龍に会うなんてな……光栄です!!」

 

ガロア「ガラガラガラ……ま、宜しくな……」

 

傷の手当てや、コウの握手を快く引き受けるあたり、良い人ではあるようだ。そして面倒見が良い。

 

龍太「コウ、霊夢は?」

 

コウ「ああ、あいつもお前の心配してたんだぜ?」

 

ガロア「ほう……霊夢がか……不思議な事もあるもんだ……ガラガラガラ……」

 

 

「龍太!!」

 

 

コウ「んお?」

 

ガロア「噂をすれば何とらや……ガラガラガラ…」

 

声がした方へ向くと、そこに彼女が立っていた。その目は若干潤んでいた。

 

龍太「…霊夢…」

 

コウ「泣いてんのか?」

 

霊夢「なっ…泣いてなんかいないわよ!変な事言わないで!」

 

コウ「わ、分かった!だから針をしまえ…ってアッーーーーーー!!!」

 

ガロア「…見てるだけで痛さが分かるぜ…ガラガラガラ…」

 

霊夢「ああ…よかった…」

 

龍太「心配かけてごめ…っ!」

 

霊夢「龍太っ!?」

 

その場に倒れそうになった龍太をガロアが「おっと…」と言いながら触腕で軽く受け止めた。

 

ガロア「気をつけろ……応急処置しかしてねぇからよ……」

 

龍太「いてて…」

 

霊夢「…にしても…」

 

真剣な顔つきになる霊夢。

 

龍太「…?」

 

霊夢「何があったのよ?」

 

コウ(それ俺ちゃんが先に聞いたんですけど…)

 

龍太「…多分だけど…異変の首謀者と戦った…」

 

霊夢「え?…今、何て言ったの…?」

 

霊夢は自分の聞き間違えである事を願った。だが、

 

龍太「首謀者と戦った……でも…全然歯が立たなかった…」

 

聞き間違えなどではなかった。

 

霊夢「…そう……どんな奴だった?」

 

その言葉で、あの大男の特徴を思い出す龍太。思い返せば、三度笠の切れ目から少しだけ見えた目は明らかに人間のものではなかった。

 

龍太「えっと…紺色の剣道着を着てた…それと三度笠を被ってたよ。あと身長は…コウよりちょっと低い位かな」

 

コウ「ふーん…三度笠か……ハンターの中にも似たような装備してる奴いたっけなぁ〜」

 

ガロア「俺はそんな奴見たことないな……やたらとゴツいもの着けてる奴はいたが……」

 

霊夢「あんた達の思い出話はそこまでよ。それで…名前は分かるかしら?」

 

龍太「名前は……銀龍」

 

と言うと、龍太はうつむいた。

 

霊夢「銀龍ね……ってどうしたの?」

 

龍太「…僕は…あいつに勝ちたい…銀龍に勝てる力が欲しい…」

 

霊夢(…それほど実力の差を見せられたのね……)

 

コウ「ま、そんな落ち込むなって。今は怪我の治療が最優先。筋肉痛にもなってんじゃねぇの?」

 

龍太「…うん…」

 

コウ「ほれほれ、怪我人は大人しくしてなさーい。布団がお前を待ってるぜ?さ、肩貸してやっから」

 

龍太「あ、ありがと……いたた…」

 

霊夢(どうやら心配は無さそうね…)

 

ヨタヨタとした足取りではあったが、コウが支えているから大丈夫だろう。

 

霊夢「あ、そうだガロア。どうして龍太を………あら?」

 

振り向くと彼はそこにはいなかった。

 

霊夢「…相変わらず不気味な奴ね……」

 

そう呟くと、龍太の後を追った。

 

 

 

〜続く〜

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