東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜 作:ブラキDIOス(超絶スランプ)
ヒョウガ「ではどうぞ」
コウ(ファミチキください)
ヒョウガ「ッ!?こいつ直接脳内にッ!?」
前回のあらすじ・・・龍太「どうしてこうなったんだ…」コウ「まあいいじゃん」
龍太が玄関の戸を叩いた直後、鍵を開ける音がした。そして、出迎えてくれたのは…
イナズマ「ヨォ〜、待ってたゼェ?龍太と蛇野郎」
この瞬間、二人の思考は停止した。まるでわけがわからなかった。ここはトドロキの家のはずだ。なのに何故、イナズマが中から出てくるのか。
イナズマ「なんダ?口を開けたままフリーズしやがっテ。オレが出ちゃ悪いのカ?」
トドロキ「バカ野郎。ここは俺の家なんだよ。なのにテメェが出てきたら誰だって驚くだろうが」
そう言いつつ、奥からトドロキが出てきた。
トドロキ「…理由は後で説明すっから、とりあえず上がれや」
二人は言われるがままに中へと入っていった。
〜轟竜説明中〜
龍太「そういう事だったんだ……あーびっくりしたぁ〜」
トドロキが言うには、二人はいつも通り一目につく場所で堂々と殴り合いをしていた。そしたら紅い霧が突然出てきたので、とりあえず殴り合いを中断し、騒ぎが収まるまでトドロキの家でのんびりしていた…とのことだ。
トドロキ「チッ……折角、追い詰めたってのによ。いきなり空が紅くなって霧が出てくるんだもんな。さすがにビビったぜ」
イナズマ「全くダ。…にしても、お前らのあの顔!傑作だったゼェ?残念だナァ?自分の顔を見れなくてヨォ!ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
腹を抱えて大笑いをするイナズマ。普段から何かと笑っているイメージがあるが、今回の二人の顔はかなりツボを刺激したらしい。
龍太「う、うるさいなぁ…あんなの誰だって驚くよ」
コウ「そうだそうだ!俺ちゃんなんて目玉が飛び出るかと思ったぜ」
トドロキ「やめろ、シャレになんねェ」
イナズマ「デ?どうすんだよ、この霧。オレらで何とかするしかねぇのかヨ」
龍太「うん。なんでも、紅魔館って所が原因らしいんだけど」
コウ「あのケチな貧乏巫女ときたら、何の情報もくれないんだぜ?これだから人間って奴は………だいたい、なんで俺ちゃんに掃除とか色々やらせんだよ。それ位自分でやれってんだ!」
日頃の鬱憤を晴らさんとばかりに愚痴を吐き捨てるコウ。
龍太「でもさ、この異変を解決しようって言ったの…君でしょ」
コウ「…あ」
イナズマ「ヒャハハハハハハ!!立派な奴隷じゃねぇカ!ヒャハハハハハハハハハ!!!」
コウ「う、うっせぇ!」
コウの愚痴がイナズマのツボを余計に刺激してしまったようだ。こうなると、もうイナズマの笑いは中々止まらない。
龍太「もう…コントしに来たわけじゃないんだけど…」
トドロキ「…なァ、龍太」
龍太「ん、何?」
トドロキ「さっき紅魔館って言ったよな」
龍太「え?…うん、言ったけど……どうして?」
トドロキ「……ちょっと待ってろ」
すると、それまでやれやれといった表情で話を聞いていたトドロキが何を思ったのか突然立ち上がり、部屋の隅にある棚から何かを探し始めた。
トドロキ「確か一冊貰ったヤツが……お、これだ。ほら」
そう言うと、一冊の本を龍太のすぐそばへと投げた。それをキャッチすると、それに気づいたコウが近くへと寄って来た。イナズマはと言うと、腹を抑えて悶えている。笑いすぎて腹痛になってしまったようだ。
コウ「あ?なんだこれ。本か?」
龍太「えっと…『幻想郷縁起』?」
トドロキ「ああ、それに紅魔館の主だかが載ってた。どこだったか……ああ、ここだ。読んでみろよ」
トドロキが指を差したページには、『紅魔館の主 レミリア・スカーレット』と書かれていた。ご丁寧に絵付きの為、どんな人物なのかが解りやすい。パッと見、10歳前後の幼女だ。可愛い。
コウ「あら可愛い。…まてよ、こいつが主ってことは…」
トドロキ「そいつが犯人ってことじゃねェのか?知らねェけど」
コウ「はぁ!?こんなのが!?おいおいおいおい、冗談が過ぎるぜ!ハハハ……冗談だよな?」
トドロキ「俺が知るわけねェだろうがクソ蛇」
コウ「クソ蛇ィ!?ふざっけんな!……確かに生前の評価は悪かった気がするけどな……囲い込み…クチバシ……うっ、頭が……痛くなーい♪」
龍太「でも、本当に信じられないなぁ……この子が主って」
イナズマ「ヒー……ヒヒヒヒヒ………オ、オレにも見しテ……ヒヒッヒヒ……」
龍太「だ、大丈夫?」
イナズマ「笑い死にするかと思ったゼェ……ヒヒッ……」
トドロキ(むしろ死んでくれ)
イナズマ「ヒー…ヒヒヒヒヒ……ン?んんんんんン!?」
あのページを見た途端、彼の笑い顔が一転、驚きと疑いの気持ちが混じったような顔となった。
龍太「ど、どうしたの!?」
イナズマ「おいおいおイ……龍太ヨォ…お前、ここ読んだカ?」
龍太「あー、いや…まだ良く読んでないけど……どこ?」
イナズマ「ここだよこコ」
彼が指差した所には、年齢について書かれていた。龍太がまだ読んでいなかった所である。もちろんコウもだ。
龍太「年齢、500才……!?……ごっ…ごひゃっ…!?」
コウ「……ゑ?ゑ?」
解りやすい位、困惑した表情をしている。そんなコウをフォローするかのように、
トドロキ「…この世界そんなやつばっかだぞ。俺も最初見た時は、ビビったがなァ」
と、トドロキは言う。
コウ「……は、はははは………マジかよ……信じらんねぇ……」
龍太「同感だよ……500才って…」
イナズマ「ン?種族、吸血鬼って書いてあるゼ?吸血鬼ってなんダァ?」
龍太「きゅ、吸血鬼!?」
トドロキ「何か知ってんのか?」
龍太「ドラキュラ…って言っても分かんないよね……簡単に言っちゃえば、血を吸う妖怪だよ」
コウ「あー、それで吸血鬼ってわけか。なるほどなるほど」
イナズマ「血を吸ウ?血は飲むもんだろうガ!獲物に対する冒涜じゃねぇかヨォ!」
トドロキ「テメェが言うな。あとちょっと黙ってろ」
コウ「んで?どうすんのよ。紅魔館に行くったって、場所知らねぇぞ?」
龍太「……あ」
その事をすっかり忘れていた。するとイナズマが、
イナズマ「あー…それっぽい場所なら行ったことあるゼェ?」
と、頭を掻きながら言った。
龍太「ホント!?」
イナズマ「あア。確か…その上飛んでたら急にナイフが飛んで来たからナァ。華麗に避けてやったがナァ?ヒャハハハハハハ!!」
龍太「ナイフ…?…その後、どうしたの?」
イナズマ「んア?その後?当然、レーザー撃ち込んでやったヨ!どうなったかは知らン」
トドロキ「…お前、絶対恨まれてるぞ」
イナズマ「ハァ!?何でだヨ!あっちが先にやってきたんだから、オレは悪くねぇだロ!?」
コウ「あー、すっげー嫌な予感がするー。絶対何か言われるってー」
イナズマ「オレが知ったこっちゃネェ!知らんぷりしときゃ良いんだヨ!もし何か言われたらナァ!」
その時、トドロキが痺れを切らしたのか、床を力任せに叩いた。普通ならここで『ドンッ!!』という、低い音がするだけにとどまるのだが、彼の場合はというと、そのまま床を叩き壊してしまった。
トドロキ「ここで話しててもキリがありゃしねェ!!とっとと殴り込みに行くぞ!!」
イナズマ「言われなくても分かってんだヨォ!おい、蛇!龍太!行くゾ!」
龍太「う、うん!」
コウ「あのー…叩いた所、穴空いちゃってますが…「うっせェ!早くしろ!!」はいぃ!!」
〜紅魔館 門の近くの茂み〜
龍太「ねぇ、ちょっとコウ…」
コウ(シーッ!声のボリュームダウン!OK?)
龍太(ご、ごめん…でもさ、何で僕たち隠れてるの…?)
五人は茂みに上手いこと隠れる為に伏せている。
コウ(何でって…そりゃおめぇ、堂々と入っちゃつまらんだろう)
龍太(…まあ、それはいいんだけどさ……)
龍太にはまだ気になる事があった。それは…
龍太(…何で君だけ、
コウはいつの間にかダンボールを被っていた。どこから持ってきたのかは謎だ。
コウ(蛇、潜入といったら、ダンボールだろ。鳥になってこい!あ、このセリフ違うわ)
龍太(…もう好きにしてよ…)
イナズマ(おい、龍太)
龍太(なに?どうかしたのイナズマ)
イナズマ(何で、氷結野郎も連れてくんだヨ。オレらだけで充分だロ)
イナズマが言う氷結野郎とは、ヒョウガのことである。
実は、紅魔館に着く前に湖で協力を頼んだところ、快く引き受けてくれたのだ。先ほど五人と書いたのも、その為である。
ヒョウガ(…とりあえず状況を説明してくれないか?何がなんだか分からないんだ)
龍太(えっと……)
〜少年説明中〜
ヒョウガ(なるほど……分かった。なら、この茂みから出た方が良いんじゃないか?)
龍太(そうなんだけど…コウが隠れようって言うから)
コウ(俺ちゃんの所為なの!?だって門番がいるかと思ったからさ、隠れた方が良いと考えんたんですぅ〜)
トドロキ(……それらしい奴はいねェぞ)
コウ(えっ)
ヒョウガ(いや…気配はする。見つかるのも時間の問題だろうな)
コウ(ゑっ)
龍太(……意味なかったね)
コウ(………俺ちゃんの虚栄心が生んだ必然か…)
イナズマ(何言ってんだオマエ)
ヒョウガ(で?どうする、このままじゃ埒が明かないぞ)
トドロキ(しっかし、目に悪りィ建物だ。さっさと解決しちまおうぜ)
龍太(じゃあ、準備は…良いかい?皆…)
トドロキ(当たり前だろうが)
ヒョウガ(右に同じ)
イナズマ(オレもだゼェ、ヒャハ…っと…笑いは堪えねぇとナァ)
龍太(コウは?)
コウ(……分かったよ…折角、スネーク気分になれると思ったのになぁ)
龍太(よし、じゃあ行こう!)
五人は異変を解決するべく、紅魔館の門へと向かった。
〜続く〜