東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜 作:ブラキDIOス(超絶スランプ)
エンカク「何でだべさ…」
イッカク「どうしたんだ兄者。サブローも」
ゴウカク「俺様たちがこれから前書きのトークを務めることになっちまったんだよ!あのクソ作者の野郎め!!」
エンカク「やっぱり作者は、頭がやられちまってるだべさ」
イッカク「…というわけで、これから俺たちが前書きのトークを務めるそうだ。よろしく頼むぞ、読者共」
ゴウカク「チクショーメェェェ!!」
第三十一話〜突入、紅魔館!!〜
前回のあらすじ・・・ゴウカク「あらすじィ?んなもん読み直せばいいだけだろうが!俺様にこんなことさせんなクソ作者!!」イッカク「兄者ァ……」エンカク「大人気ないべ」
「…紅いね…」
「紅いな。気味悪りィ」
「目に悪い。それに俺の好きな色ではないな」
「これはこれはwwwwここの主は素晴らしいセンスの塊だなwww俺ちゃんなら、こんなダサい色にしないね」
紅魔館という名の通りにその外見は紅い。恐らくは、この館の主であるレミリア・スカーレットのセンスなのだろう。吸血鬼にとっては魅力的な配色なのかもしれないが、人間である龍太と、転生者達にとってはお世辞にも良いセンスとは言い難い。
「紅は血の色……オレのダァァァイスキな色じゃねぇカァ!最ッ高のセンスじゃねぇカァ!!」
…訂正しよう。イナズマは例外だった。紅魔館の配色で興奮する彼を、他の四人が微妙な目で見ていたのは言うまでもない。
「…妙だな」
このメンバーの中で、情報参謀的立ち位置のヒョウガが言った。
「え?何が?」
何のことか分からない龍太は、迷わずこの質問をした。
「見てみろ。この門を」
「…?別に変な所はないと思うけど…」
「そうじゃない。おかしいとは思わないのか?」
「何がですのん?」
今度はコウが質問した。
「この大きさの建物に、この門………普通は門番が一人くらいいても良いんじゃないか?まあ、主は吸血鬼だからな。人間とは考え方が違うのかも知れんが…」
「…そういえばそうだね。どうしてだろう……」
「んなことどうだっていいだろ。早くしろ、俺はイライラしてんだよ!さっきから目がチカチカしまくって仕方ねェ!!」
考え込む二人を他所に、堂々と侵入しようとするトドロキ。
その時である。
「ッ!?待て、トドロキ!!」
ヒョウガが何かを察したのか、突然声を荒げた。
「華符、芳華絢爛ッ!!」
その声がした直後、上空から無数の弾幕がトドロキに向かって、まるで雨のように容赦なく降ってきた。
「!?うおッ!危ねッ!?」
それを紙一重で避けるトドロキ。転生前の厳しい環境で磨き上げられた身体能力が遺憾なく発揮されている。
そして、弾幕を全て避け終わると今度は、
「セヤァッ!!」
という声とともに、弾幕を放ったであろう人物が上空から蹴りを放ってきた。
「グゥッ!?…何しやがる!!」
「お、女の人…?」
転生者達は大して驚かなかったが、龍太は驚いた。何故なら、弾幕を撃ち、トドロキに向かって蹴りを放ったのは女性だったからだ。
華人服とチャイナドレスを足して2で割ったような淡い緑色を主体とした衣装。腰まで届くほど伸びた赤髪。龍太達はおおよその察しがついた。この女性こそが、この館の門番だと。
その女性は凛とした声で、龍太達にこう言った。
「お引き取りください。ここから先に行かせるわけにはいきません」
「…僕たちも、ここで引き下がるわけにはいかないんだ」
今度は龍太が凛とした声で言い返した。その間にコウは鳴甲を指の間に挟み、トドロキは青筋をたて、イナズマは狂気的な笑みを浮かべながら舌舐めずりをし、ヒョウガは腕を組みながら女性を睨んでいる。それぞれが臨戦態勢をとっている中で、女性も微動だにせずに龍太達を睨んでいる。
「どうする?たった一人で俺ちゃん達と戦うわけ?」
「……たとえ何人が相手でも、私がやる事は変わりません。あなた達のような人にお嬢様を会わせるわけにはいきませんから」
「……なら…俺が戦おう」
意外な事に、名乗りを上げたのはヒョウガだ。
「ヒョウガ!?何で君が!?」
納得できないといった様子の龍太。それを宥めるようにヒョウガが言った。
「お前らは何かしら武器を持っている。イナズマは電気、トドロキは咆哮といったようにな。それに対し、あの女は丸腰……これはフェアじゃない」
「だけど…」
「体術には自信がある。さあ、行け」
「……分かった。頼んだよ!……トドロキ」
「おう……オラァッ!!」
龍太の合図で、固く閉ざされた門に殴りかかるトドロキ。常識はずれの行動だが、トドロキにとって、このくらいのものを破壊する事など狩りをする事よりも簡単なのだ。
実際に、鉄でできた門は殴られた瞬間、軋む音を立てながら地面へと倒れた。恐らく、もう使い物にはならないだろう。
「ッ!?待てっ!!」
女性は龍太達を追いかけようとする……が、
「おっと、お前の相手は俺だ」
スピードスケートの要領で高速移動をしてきたヒョウガに行く手を遮られた。
「なっ…!?地面を滑って…!?」
ヒョウガは女性が動くよりも先に、地面に氷のルートを作り、回り込めるようにしていたのだ。
「くっ…」
危険だと判断したのか、女性はバックステップで距離をとる。ヒョウガはその間に、能力で凍らせた地面を元に戻した。
「戦いの前だ。まずは名乗らせて頂こう。我が名は氷牙竜、ベリオロス……又の名をヒョウガ!!」
「なら、こちらも名乗らせて頂きます。『紅 美鈴』。この紅魔館の門番です」
「やはりか……俺の勘は当たったわけだ」
「…?」
「いや、こっちの話だ。気にするな」
「あなたは…」
「…ん?」
「あなたは何故、あの少年を先に行かせたのですか?」
「…何故、とは?」
「私は『気を使う程度の能力』を持っています。それであなたの気を調べさせてもらいました」
この言葉で、少し怪訝な顔をするヒョウガ。だが、すぐにいつものクールな表情に戻る。やはり転生者といえども、自身の事を調べられるというのは、あまり気分が良い事とは言えないのだ。
美鈴は言葉を続けた。
「あなたはあの少年よりも強いはずです。それなのに何故、あの少年を庇ったのですか?」
「…庇う?この俺がか?……フン、勘違いしないでくれないか?俺は俺に従っただけだ。あいつを庇ったわけじゃない」
「…そうですか」
返ってきた答えが予想外だったのか、美鈴は少し驚いたような表情をした。
「俺は正しいと思った事だけをする。この状況で、あいつを先に行かせるのが正しいと思った。それだけの事だ」
「…なるほど」
「……俺からも一つ、質問させて貰おう」
「?…はい、何でしょうか?」
「お前は『遊び』と『闘い』……どちらが、好きなんだ?」
「…それはどういう意味ですか?」
「………原則として幻想郷の揉め事はスペルカードルールに則って解決する……だがそれは俺にとって、兄弟と戯れる事…つまり、ガキのお遊びの範疇に過ぎない。見たところ、お前の武器はその体術だろう?俺もそうだ。肉弾戦が得意な者同士……それでは些か物足りないんじゃないか?ん?」
「ルール無用……という事ですか?」
「もう一度だけ聞く……『お遊び』か『闘い』か……好きな方は、どっちだ?」
ヒョウガは敢えて、笑みを浮かべながら挑発紛いに問いかけた。
その事を理解してか、目の前の門番は微笑を浮かべ、答えた。
「上等ですッ!ならば、手加減は出来ませんよ!」
「フン……決まったな…」
そう言うとヒョウガは、今まで組んでいた腕を解くと、仁王立ちの姿勢をとった。
「紅魔館が門番、紅 美鈴ッ!参りますッ!」
「異変を止めるべく……受けて立とう、正々堂々となッ!」
〜続く〜