東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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第三話〜絶体絶命〜

 

 

〜妖怪の山〜

 

 

ここは天狗達が住んでいる集落とでも言っておこう。

 

この場所には、当然と言うのもなんだが、牢屋が存在する。本来、山への侵入者はすぐに追い返してしまう為、使われる事は滅多に無いのだが…

 

今回は状況が違った。

 

 

 

ジャラ…ガキッ!!ジャラ……

 

 

 

石造りの牢屋に響き渡る鎖の音。

 

 

 

???「ガァーーーーーーーーーッ!!!!離しやがれぇーーーッ!!!!」

 

 

そして、その中に捕らわれている男。

 

その目は、見る者に『恐怖』を植え付ける『血の色』に染まっていた。

 

髪は橙と青のツートンカラーという、奇妙な色合い。

 

両腕と両脚が鎖によって壁に繋がれており、身動きが取れない状態のまま声を発し続けている。

 

 

???「ウガァーーーーーーッ!!!!ふざけんなぁーーーーッ!!!!出せぇ!!こっから出しやがれぇーーーーーッ!!!」

 

 

その声は、天狗の集落全体に轟くほどの音量を持っていた。

 

看守「いい加減にしないか!騒いでも無駄だと言っているだろう!!」

 

流石にしびれを切らしたのか、看守が注意をするが…

 

???「俺に指図すんじゃねぇ!!!テメェの言うことなんか誰が聞くかよボケェ!!!」

 

彼は一向に意に介さない。むしろ状況は悪くなっていくばかりである。

 

 

???「出せっつってんだろぉーーがぁーーーーーーーッ!!!!グオアアァァーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

 

 

 

その怒りは、誰にも止める事は出来ない。例え神であろうとも。

 

 

 

???「グオオォォーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜打って変わって魔法の森〜

 

 

妖獣達「「「「「「「「グルルルル……」」」」」」」」

 

龍太「この状況、絶対詰んでるよね?」

 

ルーミア「そーなのかー」

 

 

ざっと見渡すだけでも、数十匹の妖獣が三人を取り囲んでいた。所謂、絶体絶命という奴である。

 

 

コウ「く、来るなら来やがれってんだ…!!」ガクガク

 

そう言いつつも、彼の脚はガックガクに震えていた。

 

龍太「大丈夫…?……僕も怖いけどさ…」ガクガク

 

ルーミア「この数はどうしようもないのだー」

 

コウ「もう死ぬしかないじゃない!!」

 

 

某魔法少女のセリフをさらっと言っているが、この状況ではそんな事を気にしている暇はなかった。

 

 

コウ「このまま俺達は、マミられる運命なのか…」シクシク

 

 

とんでもない事を言い出したが、何と無くそうなってしまう気がしてきた。

 

 

コウ「わたしのぉ〜〜おはかのぉ〜まぁえでぇ〜〜〜なかないでくださいぃ〜〜〜〜」

 

そして遂には歌い出す始末。

 

龍太「いや、まだ死んでないから!!」

 

龍太は、彼がその内発狂するんじゃないかと不安になって来た。

 

コウ「自分で言うのもアレだけどよ……顔が青ざめて来たぜ…」サーッ…

 

龍太「どうしてこうなったんだ…」シクシク

 

コウ「まぁ元気出せ」ポン

 

龍太「出せるわけが無いじゃないか!!」

 

コウ「HAHAHAHAHAHAHA☆」

 

テンションが高いんだか、変人なだけなのか、良く分からない奴である。

 

龍太「…………」

 

ルーミア「…………」

 

コウ「…睨まないでくんない?」

 

 

 

リーダー的妖獣「グルルルル……ガウッ!!ガアッ!!!」

 

妖獣「ガアアア!!!」

 

バッ!!!

 

リーダーらしき妖獣が突然吠えたかと思うと、一匹の妖獣が龍太に向かって飛びかかった!!

 

龍太「うわぁぁぁぁっ!?」

 

コウ「危ないッ!!」バッ!

 

 

ガブッ!!

 

 

コウ「っ…!!」

 

彼の腕に鋭い牙が食い込む。だが、竜であった彼にとって、このような事は日常茶飯事。縄張り争いで鍛えられた肉体に、妖獣の牙など無意味に等しいのだ。

 

龍太「コウ!!」

 

コウ「…なにしやがんだこの野郎!!!」バキッ!!

 

妖獣「グゲッ!?」

 

ドサッ…

 

妖獣「グ……ガ…」ビクンビクン

 

殴られた妖獣は、地面に倒れ伏した直後に痙攣を起こしそのまま起き上がる事はなかった。

 

リーダー「!!!」

 

妖獣達「ガウッ!?」

 

ルーミア「おおー」パチパチ

 

龍太「ええええ!?何をしたの!?」

 

コウ「どんな生物でも急所は変わらねぇ。俺はその急所にショックを与えただけだ。ちなみにその急所ってのは、『ココ』だぜ」

 

彼が指を差したのは、生物にとって重要な部位である『下顎』の部分。

 

龍太「顎…?」

 

コウ「Yes i am(はいそうです)!!顎ってのは、脳に繋がる神経が通ってる部位でな。ココに強めの衝撃を与えれば、良くて脳震盪。悪けりゃ死ぬ。それほどデリケートな部位なのよ〜。ついでに言うとそれだけじゃねぇ。俺の体液には、神経毒が含まれてんのよ。噛みつかれた時に、そいつの口の中に入っちまったのかもな」

 

龍太「へ、へぇ〜…凄いね」

 

コウ「まぁな。自分の力を理解しておかねぇと生き残れない世界で育ったからな…それが別の世界で役に立つとは、皮肉なもんだぜ」

 

龍太(…自分の力……か……僕の力は…役に立つのか…?)

 

 

 

リーダー「グルルルル……グワオオオオ!!!」

 

ザザザザザザッ!!!

 

三人「!!!」

 

部下を倒された事で怒りが湧いたのか、妖獣達はリーダーの声に合わせて三人を一気に詰め寄った!

 

龍太「絶体絶命じゃないか…!!」

 

コウ「……ルーミア、なんとかならないか?」

 

ルーミア「三人だけじゃ無理があるのだー…」

 

コウ「………『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』とは良く言ったもんだ…………やっぱり殴ったのは不味かったな」

 

 

どんなに弱い生物であろうとも、数さえあればある程度は抵抗が出来る。鳥竜種が群れを作るのも、そういった意味が含まれている(実際にMH3のオープニングムービーでは、リオレウスに対してジャギィ達が威嚇をしている)。

 

 

コウ「龍太……お前は俺の後ろにいろ」

 

龍太「え…で、でも」

 

コウ「お前はただの人間だ。武器も持っていない奴が、こんな奴らに勝てると思ってんのか?」

 

龍太「それはそうだけど……でも、僕だって役に立ちたいんだ!」

 

コウ「龍太…」

 

龍太「…………」

 

コウ「………顎だ、顎を狙え」

 

龍太「…え?」

 

コウ「そんなに強い力はいらねぇ。軽いショックでいい。奴らの顎は意外と脆い。分かったか?」

 

龍太「…ああ!」

 

コウ「よし!怪我すんなよ!!」

 

リーダー「グオオオオオオ!!!!」

 

妖獣達「グアアアッ!!!」バババババッ!!

 

鳥竜種並みの統率力らしく、リーダーが声を使い分けて指示しているようだ。

 

妖獣「ガウッ!!!」バッ!!

 

コウ「危ねッ!?」サッ ガキンッ!

 

体を仰け反って回避をし、顎に一撃を食らわせる。

 

コウ「大人しくしてろ!!!」ゴッ!!

 

妖獣「キャウンッ!?」ドサッ…

 

 

妖獣「グオアァァ!!!」バッ!

 

龍太「ひぃぃぃぃぃ!?」サッ!

 

妖獣「!?」ガキンッ!

 

咄嗟にしゃがんだことで、噛み付きを回避し…

 

龍太「あれ…?」スクッ

 

ドゴッ!!

 

妖獣「」ドサッ…

 

龍太「………え?」

 

立ち上がった時に、丁度顎に頭突きがクリーンヒットした!

 

龍太「…………えー…」

 

妖獣「グオオオオッ!!!」バッ!

 

いつの間にか、後ろに回り込まれていたらしく、妖獣の一匹が死角から飛びかかって来た!!

 

龍太「!?しまっ…!!」

 

人間が、妖獣の動きについていけるわけがなかった。

 

 

 

……転生者を除いて。

 

 

 

コウ「オリャァァァァ!!!」バキッ!!

 

妖獣「キャンッ!?」ドサッ…

 

コウ「大丈夫か、龍太!?」

 

龍太「うん、ありがとう!」

 

コウ「へっ!!気をつけろよ!」

 

龍太「分かってるよ!」

 

コウ「……そういえば、ルーミアは?」

 

龍太「……あれ?」

 

コウ「…………」

 

龍太「…………」

 

顔を見合わせ、考える二人。そしてたどり着いた結論は……

 

 

 

「「逃げたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」」

 

 

 

龍太「ど、どどどどどどどうしよう!?」アタフタ

 

コウ「餅つけ!じゃなかった…落ち着け!!」

 

龍太「落ち着いて餅をつけって言うの!?笑えないよ!?」

 

コウ「あーもう!!間違えました!!すいませんでした!!これでいいだろ!!てゆーか、今はそれどころじゃねぇぇぇぇぇ!!!!」

 

龍太「分かってるよぉぉぉ!!!!」

 

リーダー「グアアアッ!!!」

 

痺れを切らしたのか、妖獣達に一斉に襲いかかるように嗾ける!!

 

妖獣達「グオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

龍コウ「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????」」

 

 

二人が死を覚悟した、その時ッ!!

 

 

()は現れたッ!!!

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」ダダダダダダダ!!

 

 

夜の森に響く、勇ましい足音と声。

 

 

リーダー「ガウッ!?」

 

妖獣達「グルルッ!?」

 

龍太「え!?」

 

コウ「What!?」

 

 

???「ドラァッ!!!」ビシュッ!!

 

 

バキィッ!!!

 

 

妖獣「ゴアッ…!?」

 

 

一瞬の内に繰り出されたパンチにより、妖獣の一匹が宙に舞う!!

 

 

リーダー「!?」

 

妖獣達「!?」

 

龍太「なっ…!?」

 

コウ「なんだぁッ!?」

 

 

ヒュー……ドサァッ!!

 

 

妖獣「」ピク…ピク…

 

 

宙に舞った妖獣は、数十m先に吹っ飛ばされ、地面に倒れ伏したまま動く事はなかった。

 

???「フゥー………間に合って良かった。無事か?人間と……転生者だな?」チラッ

 

龍太「あ…あなたは…?」

 

コウ「ゲェッ!?こ…この迫力…!そして…その拳についている蛍光色の粘菌!!まさか……お前は…いや…あなたは…!!!」

 

???「ん?俺の種族を知ってんのか?」

 

コウ「あわわわわわわわ…」ガクガク

 

龍太「ど、どうしたの!?顔色が悪くなってるよ!?」

 

コウ「人間には分からんだろうけどな…!!この人は『砕竜』だぞ!?あの『砕竜』なんだぞ!?」ユサユサ

 

龍太「うわわわわわわわ…」ガクガク

 

彼の冷や汗の量は尋常ではなかった。それもそうだろう。絞蛇竜は決して弱いわけではないが、それでも生態系の頂点に立つ竜とは超えられない壁が出来ている。彼の本能がそれを察していた。

 

その為、このように動揺しているのだ。

 

???「お、おい……落ち着けって………今はそれどころじゃないだろう…」

 

コウ「ハッ!!す、すみません!……すまん龍太……俺とした事がどうかしてたぜ…」

 

龍太「だ、大丈夫……うん…」フラフラ

 

コウ「その……砕竜で合ってますよね?」

 

???「ああ、俺は『砕竜 ブラキディオス』。この世界の奴らからは、『ラティス』って呼ばれてる。そういうお前は、『絞蛇竜』だな?」

 

コウ「はい、その通りです」

 

ラティス「お前は…普通の人間だな?いきなりで悪いが戦えるか?」

 

龍太「え?は…はい、多少は…」

 

ラティス「うっし!!じゃあ、久し振りにいっちょやるか…」

 

龍太「え…やるって…何をですか?」

 

コウ「…?」

 

ラティス「決まってるだろ……

 

 

 

 

 

 

一暴れするんだよ!!ここからは爆砕の時間だぜ!!!」

 

 

 

〜続く〜

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