東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜 作:ブラキDIOス(超絶スランプ)
〜???〜
龍太「ここは……どこなんだ…」
見た事も無い場所。何かの廃墟だろうか。広場のような場所に巨大な柱のような物が二本建っている。
龍太「……変な空だな…」
上を見上げると、不気味な色をした空が広がっていた。まるでブラックホールのように、黒い雲が渦を巻き、その周りに電気が走っている。
そして、中心に見えるのは月だろうか。丁度、皆既日食が起こっているようで、光がリング状になっている。
……雲のお陰で、微かに確認できる程度だが。
この広場を少し探索してみる事にした。動かないよりはマシだと思ったからだ。
龍太「…………これはなんだろう……弓かな?」
一台だけ置かれた、古ぼけた巨大な弓のような物。近くには専用の弾かと思われる、これまた巨大な矢がたてかけてあった。既に使われてあったのだろうか。数はそんなに多くはなかった。
龍太「でも…一体なんの為に……………どうやったら動くんだろコレ…」
台座に乗ったはいいが、どう動かすのかが分からない。
龍太「ここに矢をセットすれば良いのかな?」
キリキリ…カチャッカチャンッ!
弦を引っ張り、矢を込めてみた。これでようやく打てるようになったらしい。
龍太「これで良いのかな………乗ってみよう」カチャッ…
ゴゴゴゴゴゴ……
なんと台座が回転した。どうやら、レバーで台座を動かして狙いを定めて撃つ!……という事らしい。
龍太「なんかのシューティングゲームみたいだなぁ………あ、引き金がある」
ガシャッ!バシュバシュウッ!!!
龍太「うわあっ!?」ビクッ
引き金を引いた途端に、急に矢が発射された。いや、なんとなく予想はしていたけどね?まさかいきなり発射されるなんて思わなかったんだよ。
一発撃ったら、すぐに装填が可能となるらしい。所々錆びてはいたが、まだまだ現役のようだ。
…だけどいつからこんな場所にあるんだろう…
今度は、そのまま階段を登り、何かのスイッチのような物の前まで来た。
龍太「まだ使えそうだな…………押してみようかな…」
目の前にスイッチがあったら、ついつい押してみたくなってしまうのが人間の性というもの。こればっかりは仕方がない。自分にそう言い聞かせた。
グッ…
龍太「……あれ?ぐっ………駄目だ…なんだこのスイッチ…」
素手で押してみたが、びくともしない。
龍太「…ん?なんだコレ……ピッケル?」
スイッチの近くに、先端が欠けたピッケルが落ちていた。
龍太「………これで押すのかな……やってみよう」
ピッケルをスイッチに向かって思いっきり振りかざした。
カチッ
ガコンッ…ガガガガガガ……
何かの作動音が響き渡り、そして次の瞬間!
ジャキンッ!!!
龍太「うわあっ!?」
どうやら、巨大な槍を発射する為のスイッチだったようだ。
どこをどう見ても、兵器だと分かる代物であった。片方は赤く塗られていたが、何か意味があるのだろうか。
龍太「………コレ…大砲だよね…」
高台から降りて、更に奥へと進むとそこにあったのは黒光りする大砲。即席で作ったような木の高台に設置されている。
龍太「…流石にコレは使わないからね?」
弾は、近くに数発分置いてある。弾を込めればすぐに発射できそうだが、流石にコレを使う気にはなれない。
一通り探索した為、再び中央の広場に戻る事にした。
龍太「…………本当になんなんだろう…ここは…」スタスタ…
歩きながら考えていたその時。
ガシャッ…
龍太「ん?何だコレ…」
焼け焦げた
龍太「う…うわぁーーーーーッ!!!???」
驚愕した。焼け焦げたソレは、
龍太「なっ…何で……死体がこんな所に!?」
生物どころか、植物の気配すら感じないこの廃墟に何故、人間の死体があるのだろうか。しかも、焼け焦げている。
龍太「……う…う……うわぁーーーーーーーーーーッ!!!!!?????」
周りを良く見ると、其処彼処に人間の死体、死体、死体………
数え切れないほどに転がっていた。
龍太「ハァ………ハァ…………なんで……なんでこんな……」
得体の知れない恐怖が身を包み込む。あまりにも衝撃的な光景だった為、腰を抜かしてしまった。
すると…
『…グオオォォォ………』
龍太「!?なっ……なななな何!?」
確かに聞こえたソレは、生物の鳴き声であった。間違いない。
龍太「だっ……誰か居るのか!?」
『……グオァァァ……』
龍太「…………」
額から、汗が滝のように流れていく。
『グオオォォォ…』
ズン……ズン……
龍太「ひっ…!?」
姿を現したソレは、黒い鱗に身を包んだ一匹の龍。
???『………グオオォォォ…』
龍太「あ……あわわ……」
???『…………』ジーッ…
彼の瞳を覗き込む龍。龍の瞳はまるで水晶のように透き通っていたが、哀しみに溢れているように思えた。
龍太「…………」
???『…………グオオォォォーーーーーッ!!!!』
龍太「う…うわぁーーーーーッ!!!???」
龍太「うわぁーーーーーーーッ!!!???」ガバッ!
コウ「ムワァァーーーーーッ!!!???」ビクッ
龍太「…………」
コウ「…………」
「「うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!?????」
「うるせぇーーーーーッ!!!!!!」
ボカッ!!ドボッ!!!
〜しばらくして〜
ラティス「……で?夢で巨大なドラゴンを見ただって?」
龍太「……はい」
コウ「なんで俺まで……しかも腹………グフ…」
未だに腹部を抑えて悶えている。……なんだか可哀想になってきた。
ラティス「…………ドラゴンねぇ……」
龍太「何か知っているんですか?」
ラティス「……二年前に同じような奴と戦った事があるが………アイツは白かったしな…」
二年前に起こった異変。それを引き起こしたのは、『祖龍 ミラボレアス亜種』。人間達への復讐に囚われた哀れな龍であった。その姿は白く神々しかったが、悪魔のようだったと言う。
夢に出てきた龍とは似ても似つかない。あの龍は黒かった。それに、復讐する事に意味が無い事を悟っているかのようだった。
龍太「…そうですか」
ラティス「まあ、夢の話だ。そこまで気にする必要は無いんじゃないか?」
龍太「そうですね…」
コウ「うーん…」
龍太「まだ痛むの?」
コウ「…痛いを通り越して辛い………食べる気がしねぇ…」
龍太「じゃあ、僕が食べていい?」
コウ「おいおいおいおいおいおい……それとこれとは別問題よ。俺の分は俺が食う」
弱肉強食の世界で育ったからだろうか。食べ物に関しては、かなり大事にしているようだ。
コウ「ハァ………痛い…でも食いたい…ついでに辛い…」
〜しばらくして〜
龍太「ありがとうございました」
アリス「ええ。気をつけて行くのよ」
ラティス「朝だから、妖獣に襲われる事は少ないと思うが……気をつけてな」
龍太「はい、本当にありがとうございました」
コウ「じゃ、そろそろ行こうぜ」
龍太「ああ、行こう」
スタスタ…
二人が出口に向かって歩みを進めた頃…
〜妖怪の山 天狗の集落 牢屋〜
ジャラ…
???「もう我慢ならねぇ……」
看守「…ZZZ」
???「っ……このっ……」
ジャラ………ビキッ…
???「…オラァッ!!」
ギギギギ……バキンッ!!
看守「!?な、何だ!?」
???「壊すの大好きィ!!!俺の種族を舐めんなァ!!!」ブンッ!!
バキィッ!!!
看守「ぶげぇっ!?」ギュンッ!
ドガァン……
看守「な……馬鹿な…………鎖が……引き千切られ……」
???「グオオォォォオォーーーーーーーーーーッ!!!!」ドゴォッ!
ガラガラガラ……
???「ゴアァアアアァァァーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」
看守が最後に見たのは、石造りの壁を素手でブチ抜き、天に向かって咆哮する彼の姿だった。
〜続く〜