東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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第五話〜夢の『龍』〜

 

〜???〜

 

 

龍太「ここは……どこなんだ…」

 

見た事も無い場所。何かの廃墟だろうか。広場のような場所に巨大な柱のような物が二本建っている。

 

龍太「……変な空だな…」

 

上を見上げると、不気味な色をした空が広がっていた。まるでブラックホールのように、黒い雲が渦を巻き、その周りに電気が走っている。

 

そして、中心に見えるのは月だろうか。丁度、皆既日食が起こっているようで、光がリング状になっている。

 

……雲のお陰で、微かに確認できる程度だが。

 

 

この広場を少し探索してみる事にした。動かないよりはマシだと思ったからだ。

 

龍太「…………これはなんだろう……弓かな?」

 

一台だけ置かれた、古ぼけた巨大な弓のような物。近くには専用の弾かと思われる、これまた巨大な矢がたてかけてあった。既に使われてあったのだろうか。数はそんなに多くはなかった。

 

龍太「でも…一体なんの為に……………どうやったら動くんだろコレ…」

 

台座に乗ったはいいが、どう動かすのかが分からない。

 

龍太「ここに矢をセットすれば良いのかな?」

 

キリキリ…カチャッカチャンッ!

 

弦を引っ張り、矢を込めてみた。これでようやく打てるようになったらしい。

 

龍太「これで良いのかな………乗ってみよう」カチャッ…

 

ゴゴゴゴゴゴ……

 

なんと台座が回転した。どうやら、レバーで台座を動かして狙いを定めて撃つ!……という事らしい。

 

龍太「なんかのシューティングゲームみたいだなぁ………あ、引き金がある」

 

ガシャッ!バシュバシュウッ!!!

 

龍太「うわあっ!?」ビクッ

 

引き金を引いた途端に、急に矢が発射された。いや、なんとなく予想はしていたけどね?まさかいきなり発射されるなんて思わなかったんだよ。

 

一発撃ったら、すぐに装填が可能となるらしい。所々錆びてはいたが、まだまだ現役のようだ。

 

…だけどいつからこんな場所にあるんだろう…

 

 

 

今度は、そのまま階段を登り、何かのスイッチのような物の前まで来た。

 

龍太「まだ使えそうだな…………押してみようかな…」

 

目の前にスイッチがあったら、ついつい押してみたくなってしまうのが人間の性というもの。こればっかりは仕方がない。自分にそう言い聞かせた。

 

グッ…

 

龍太「……あれ?ぐっ………駄目だ…なんだこのスイッチ…」

 

素手で押してみたが、びくともしない。

 

龍太「…ん?なんだコレ……ピッケル?」

 

スイッチの近くに、先端が欠けたピッケルが落ちていた。

 

龍太「………これで押すのかな……やってみよう」

 

ピッケルをスイッチに向かって思いっきり振りかざした。

 

カチッ

 

ガコンッ…ガガガガガガ……

 

何かの作動音が響き渡り、そして次の瞬間!

 

 

ジャキンッ!!!

 

 

龍太「うわあっ!?」

 

どうやら、巨大な槍を発射する為のスイッチだったようだ。

 

どこをどう見ても、兵器だと分かる代物であった。片方は赤く塗られていたが、何か意味があるのだろうか。

 

龍太「………コレ…大砲だよね…」

 

高台から降りて、更に奥へと進むとそこにあったのは黒光りする大砲。即席で作ったような木の高台に設置されている。

 

龍太「…流石にコレは使わないからね?」

 

弾は、近くに数発分置いてある。弾を込めればすぐに発射できそうだが、流石にコレを使う気にはなれない。

 

 

 

 

一通り探索した為、再び中央の広場に戻る事にした。

 

龍太「…………本当になんなんだろう…ここは…」スタスタ…

 

歩きながら考えていたその時。

 

ガシャッ…

 

龍太「ん?何だコレ…」

 

焼け焦げた()()に爪先が当たった。それは良く見ると…

 

 

龍太「う…うわぁーーーーーッ!!!???」

 

 

驚愕した。焼け焦げたソレは、()()であった。鎧のような物に身を包んでおり、判別不可能なほど焼け焦げていたが、確かにソレは人間だった。

 

龍太「なっ…何で……死体がこんな所に!?」

 

生物どころか、植物の気配すら感じないこの廃墟に何故、人間の死体があるのだろうか。しかも、焼け焦げている。

 

 

 

龍太「……う…う……うわぁーーーーーーーーーーッ!!!!!?????」

 

周りを良く見ると、其処彼処に人間の死体、死体、死体………

 

数え切れないほどに転がっていた。

 

龍太「ハァ………ハァ…………なんで……なんでこんな……」

 

得体の知れない恐怖が身を包み込む。あまりにも衝撃的な光景だった為、腰を抜かしてしまった。

 

すると…

 

 

 

 

『…グオオォォォ………』

 

 

龍太「!?なっ……なななな何!?」

 

確かに聞こえたソレは、生物の鳴き声であった。間違いない。

 

龍太「だっ……誰か居るのか!?」

 

『……グオァァァ……』

 

龍太「…………」

 

額から、汗が滝のように流れていく。

 

『グオオォォォ…』

 

ズン……ズン……

 

龍太「ひっ…!?」

 

 

姿を現したソレは、黒い鱗に身を包んだ一匹の龍。

 

 

???『………グオオォォォ…』

 

龍太「あ……あわわ……」

 

???『…………』ジーッ…

 

彼の瞳を覗き込む龍。龍の瞳はまるで水晶のように透き通っていたが、哀しみに溢れているように思えた。

 

龍太「…………」

 

???『…………グオオォォォーーーーーッ!!!!』

 

龍太「う…うわぁーーーーーッ!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

龍太「うわぁーーーーーーーッ!!!???」ガバッ!

 

コウ「ムワァァーーーーーッ!!!???」ビクッ

 

龍太「…………」

 

コウ「…………」

 

 

「「うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!?????」

 

「うるせぇーーーーーッ!!!!!!」

 

ボカッ!!ドボッ!!!

 

 

 

 

〜しばらくして〜

 

 

ラティス「……で?夢で巨大なドラゴンを見ただって?」

 

龍太「……はい」

 

コウ「なんで俺まで……しかも腹………グフ…」

 

未だに腹部を抑えて悶えている。……なんだか可哀想になってきた。

 

ラティス「…………ドラゴンねぇ……」

 

龍太「何か知っているんですか?」

 

ラティス「……二年前に同じような奴と戦った事があるが………アイツは白かったしな…」

 

二年前に起こった異変。それを引き起こしたのは、『祖龍 ミラボレアス亜種』。人間達への復讐に囚われた哀れな龍であった。その姿は白く神々しかったが、悪魔のようだったと言う。

 

夢に出てきた龍とは似ても似つかない。あの龍は黒かった。それに、復讐する事に意味が無い事を悟っているかのようだった。

 

龍太「…そうですか」

 

ラティス「まあ、夢の話だ。そこまで気にする必要は無いんじゃないか?」

 

龍太「そうですね…」

 

コウ「うーん…」

 

龍太「まだ痛むの?」

 

コウ「…痛いを通り越して辛い………食べる気がしねぇ…」

 

龍太「じゃあ、僕が食べていい?」

 

コウ「おいおいおいおいおいおい……それとこれとは別問題よ。俺の分は俺が食う」

 

弱肉強食の世界で育ったからだろうか。食べ物に関しては、かなり大事にしているようだ。

 

コウ「ハァ………痛い…でも食いたい…ついでに辛い…」

 

 

 

 

〜しばらくして〜

 

 

龍太「ありがとうございました」

 

アリス「ええ。気をつけて行くのよ」

 

ラティス「朝だから、妖獣に襲われる事は少ないと思うが……気をつけてな」

 

龍太「はい、本当にありがとうございました」

 

コウ「じゃ、そろそろ行こうぜ」

 

龍太「ああ、行こう」

 

スタスタ…

 

 

二人が出口に向かって歩みを進めた頃…

 

 

 

 

〜妖怪の山 天狗の集落 牢屋〜

 

 

ジャラ…

 

???「もう我慢ならねぇ……」

 

看守「…ZZZ」

 

???「っ……このっ……」

 

ジャラ………ビキッ…

 

???「…オラァッ!!」

 

 

ギギギギ……バキンッ!!

 

 

看守「!?な、何だ!?」

 

???「壊すの大好きィ!!!俺の種族を舐めんなァ!!!」ブンッ!!

 

バキィッ!!!

 

看守「ぶげぇっ!?」ギュンッ!

 

ドガァン……

 

看守「な……馬鹿な…………鎖が……引き千切られ……」

 

???「グオオォォォオォーーーーーーーーーーッ!!!!」ドゴォッ!

 

 

ガラガラガラ……

 

 

???「ゴアァアアアァァァーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」

 

 

看守が最後に見たのは、石造りの壁を素手でブチ抜き、天に向かって咆哮する彼の姿だった。

 

 

 

〜続く〜

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