東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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第六話〜巫女との出会い〜

 

〜妖怪の山 中腹〜

 

 

ガシャ…ガシャガシャ…

 

???「チッ…外れねぇ…」ジャラ…

 

壁から引き千切るのは出来た鎖(というより手錠)も、手首から外すのは容易にはいかなかった。鍵さえあれば、外せるようだが……

 

???「ぶちのめさなければ良かったか?まぁ、知ったこっちゃねぇけど」

 

鍵を持っていたであろう看守は、脱獄するついでにぶん殴って壁に叩きつけた。とてもではないが、鍵を貰う為だけに戻るつもりはなかった。

 

 

「まだ近くにいる筈だ!探し出せ!!」「「「「ハッ!!」」」」

 

 

???「もう気づかれちまったのか!?」

 

指揮官らしき人物の声が響く。そしてそれに応える下っ端達。脱獄した事がバレてしまったようだ。尤も、あんなに大きな音と咆哮をしておいて、全く気づかない方がおかしいのだが。

 

???「くそっ……このまま行くか……邪魔くせぇな…」

 

ザッ…(ジャラ…)ザッ…(ジャラ…)ザッ…(ジャラ…)……

 

両腕と両脚に繋がれた鎖が、歩く度に微かに揺れていた。一応翼はあるが腕から生えている為、鎖のお陰で動かせず、そもそも彼は飛ぶ事自体が得意ではない。

 

 

 

???「なんで俺がこんな目に合わなきゃならねぇんだ…!!ふざけんじゃねぇ…!!」

 

 

転生前は生態系の頂点に立ち、見る者に恐怖をあたえる牙と岩盤さえもやすやすと抉る爪が備わった体躯を持っていた。食料を求め、放浪をする事もあった。

 

 

そんな彼の異名は『絶対強者』。原始の面影を残す飛竜。

 

 

???「腹減ったな……とりあえず走るか…」

 

タッタッタッタッタッ…

 

走ったら余計に腹が減るのでは?と思ったそこのあなた。くれぐれも口に出してはいけませんよ。どうなっても知りませんし、責任を取るつもりはさらさらねぇぜ!!by作者

 

 

 

 

 

 

〜一方、龍太達は〜

 

 

コウ「なぁ龍太…」

 

龍太「……何?」

 

コウ「マジで()()登るの…?」

 

二人の前にそびえる石段。ラティスの話ではこの先に神社があり、そこに住む巫女が元の世界に戻る術を持っているとの事だが……

 

龍太(…立地条件は最悪だなぁ…)

 

何も、こんなに長い石段を作る必要は無いだろう。とても参拝客がいるとは思えない。いるとしたら、その人は相当な物好きだろう。

 

龍太「…とりあえず行こう」

 

コウ「うええっ!?コレ登るの!?マジで!?正気か、スネーク!?」

 

龍太「僕は正気だよ。……っていうか、スネークって誰?」

 

コウ「メタルギアソ○ッドの主人公だ。Do you understand(理解したか)?」

 

龍太「……あえて突っ込まないからね?」

 

コウ「なんだよ〜そこは乗れよ〜」

 

龍太「乗りようが無いでしょ」

 

乗ろうと思っても乗れない。そんなギャグばっかり連発してくる。……そもそもこれはギャグなのだろうか。限りなくアウトに近いセーフではなかろうか…

 

コウ「ん?………確かに……oh my god……俺とした事が…」

 

龍太「そんな事よりとにかく登るよ」

 

コウ「イエッサー」

 

 

〜しばらくして〜

 

 

龍太「ハァ……ハァ……」

 

コウ「」チーン

 

龍太「……やっと……登り…終わった……」

 

コウ「……もうマジ無理…これからはルーラ使おうぜ…」

 

龍太「使えるならね……ハァ……「誰よ、あんた達」…え?」

 

ふと見上げると、そこにいたのは紅白の巫女服に身を包んだ少女。箒を握っている事から、境内の掃除でもしていたのであろう。

 

???「もしかして参拝客?なら、お賽銭頂戴よ」

 

コウ(…なぁ龍太……)ヒソヒソ

 

龍太(…何?)ヒソヒソ

 

コウ(なんか図々しいっていうか、がめついっていうか…………なんか見た目可愛いのに台無しじゃね?)ヒソヒソ

 

???「……聞こえてるわよ…」ピクピク

 

龍太「」

 

どうやら癪に障ったようだ。青筋を立てている。

 

コウ「い…いや…その…あれだ……あー………なんだっけ?」アタフタ

 

龍太「」ズルッ

 

???「図々しくて悪かったわね……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

龍太「ひっ!?(もうお終いだぁ……勝てるわけがないYO☆)」

 

若干コウのノリが移っているが気にしない、気にしない。

 

コウ「ひぃぃぃぃぃぃ!?悪かったって!!俺は悪気があって言ったわけじゃねぇんだよ!だからその手を降ろせ!!フゥ……これでひとまず……

 

 

……って違う!!俺に向かって振り下ろそうとすんな!!待てって!話せば分かるって!!ちょっ…悪かった!悪かったから……え?君が泣くまで殴るのをやめない?……いいだろう!やってみろ!このガララアジャラに対して!!って違う!!今のは冗談!だから……ヴェアアアァァァァァアアアアアアアァアアアアアアァァァァァ!!!!!!??????」

 

 

ドカッ!!ザクッ!!バキッ!!ドボッ!!ゲシゲシゲシ!!バチン!!ペチッ!!ブスッブスッ!!ドガンッ!!チュドンッ!!グチャッ!!ベチャッ!!メメタァ!!メギャンッ!!ズアッ!!ドゴォォンッ!!

 

「イヤアァァァァアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」

 

 

 

龍太「ありがとうコウ。君の事は忘れない…」

 

自分でも分からない。何故か敬礼をして、この台詞を言わなければいけない気がしたんだ。

 

 

〜少しだけ待ってね☆〜

 

 

???「フゥー……スッキリしたわ」パンパンッ

 

コウだったもの「」シュウゥゥウウウウゥゥ……

 

龍太「うわ……徹底的にやられてる……(エゲツない、物凄くエゲツない…)」

 

???「で?ここに何の用かしら?見た所、外来人のようだけど…」

 

龍太「外来人?」

 

コウ「何それおいしいの?」

 

龍太「あ、復活したんだ」

 

コウ「変な効果音もあったが…まぁ大丈夫だ、問題無い」

 

???「……変な奴ね」

 

コウ「否定はしない。これが俺の魅力だからな☆」キラッ

 

龍太「そ、そうなんだ…」

 

???「まあいいわ。あなた名前は?」

 

龍太「『黒木 龍太』。『龍太』でいいよ」

 

コウ「俺は『絞蛇竜 ガララアジャラ』!『コウ』と呼んでくれ!」

 

霊夢「龍太とコウね。私は『博麗 霊夢』。この神社の巫女よ。呼ぶときは『霊夢』で構わないわ」

 

龍太「分かったよ。それで…「元の世界に戻りたいんでしょ?」えっ!?なんで分かったの!?」

 

霊夢「分かり易過ぎるわ。別に今すぐにでも戻せるけど…どうやってこの幻想郷に来たの?(予想はつくけど)」

 

龍太「それは……」

 

 

 

龍太は、これまで自分に起こった事を全て話した。魔法の森で襲われた事、コウと共に行動をしている事、そして……呪いのような現象の事も……。

 

 

 

霊夢「…………」

 

コウ「…………」

 

龍太「あ…ごめん……暗い気持ちにさせちゃって…」

 

コウ(人間ってのも結構大変だな……考え直す良い機会になったぜ)

 

霊夢「龍太……元の世界に戻っても…あなたに居場所はあるの?」

 

龍太「そ、それは…………」

 

言葉に息詰まってしまった。たとえこのまま戻ったとしても、また悪魔の子供扱いをされるだけだ。親戚からは虐待を受け、学校ではイジメられ、部屋に引きこもっても罪悪感に潰されそうになり……

 

 

とにかく、辛いなんて物では無い。毎日が生き地獄。それが彼の日常だった。何度も死にたくなった。だが、その度に踏みとどまった。しかし、世間は彼を受け入れてはくれなかった。

 

 

正直言って、彼の居場所など全く無いのだ。あるとしたら、それは地獄。天国?そんなものがあったら彼は救われている筈だ。

 

 

龍太「…………」

 

コウ「…おい大丈夫か?顔が青ざめてるぜ?」

 

龍太「大丈夫……うん…大丈夫だから…」

 

本当は大丈夫では無い。辛過ぎる過去の記憶が蘇ってきているのだ。常人ならば耐えられないだろう。だが彼は強い精神力を持つ。それには彼の前世が関係しているが、今はそれとは別の話である。

 

誰も彼を助けようとはしなかった。

 

 

 

 

だが、彼女は違った。

 

 

霊夢「帰るところが無いなら、ここに住めばいいわ」

 

龍太「…………え?ほ……本気…なの?」

 

霊夢「本気よ。居場所が無い世界に戻っても意味無いじゃない。だったらこっちで暮らした方がよっぽどマシだと思うけど?」

 

龍太「…………」

 

コウ「おいおい、何で迷うんだ?俺がいるこの世界の方が楽しいに決まってるだろ?読者の皆もそう思ってるよな?はいって言え!!」

 

龍太「……そうだね、そうするよ!!この世界に住む!」

 

霊夢「…決まりね。じゃあ、掃除よろしく」

 

龍太「………はい?」

 

霊夢「ここに住むんでしょ?なら、私に従うのは当然じゃない」

 

龍太「…………」

 

図々しいったらありゃしない。

 

コウ(とんでもねぇ奴と住む事になっちまったなぁ………これからどうなるんだか…)

 

 

龍太の幻想郷での生活は、ここから始まる…!!

 

 

 

〜続く〜

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