さて、本作を読むに前に、「あらすじ」に書いてある【注意事項】必読してください。よろしくお願いいたします。
ではどうか、この作品が完結するまでお付き合いしてくださると嬉しいです(*゚∀゚)=3
ポセイドンの近衛兵
木々が生い茂り、太陽の光さえも殆ど入らない森の中を二人は息を殺し潜んでいる。
彼等は、その森の中の住人ではない。何故なら二人は武装を施し、モンスターを始末する狩人なのだから。
「いつまで潜むのだ?河豚」
背中に大剣を担いだ青年は一人呟く、鬱陶しそうに草を払い退ける。河豚と呼ばれた青年は少し溜め息を漏らし、背にある太刀を担ぎ直した。
「鯱よ、焦るなのではないぞ、後手にまってしまうからの」
鯱と呼ばれた青年は舌打ちをしながらも彼の言葉に従った。器量で言えば鯱は河豚よりも数段上である。だが、事知略に関しては河豚の方が先にいるのだ。よって、河豚の指示に従う他ないが、彼の口調には苛立ちが込められていた。それもその筈、鶏が鳴く頃からその場に潜み、遂には烏の鳴き声に変わってしまったのだから。
余りの退屈さに目をくらましていると、突如、静かな森の中に肌を切りつけるような雰囲気に変わる。そして、野生動物の断末魔が近くから聞こえた頃には彼等は思考を切り替え、口を閉ざしていた。
ズシリ、ズシリと、地鳴りが響き、体を揺らす。
(そろそろかの……)
河豚は背に下げた太刀の柄を握りしめる。相方の方を見るとやはり、大剣に手をかけていた。緊張で少し乱れた息を整えるため深呼吸を軽く行う。
地鳴りは強くなり、変化が現れて二分後、音は鳴り止んだ。
「───行くぞい」
その言葉を合図に、河豚は黄色に発光する虫を詰めた球をフィールド中心部に向かって投げつける。
投げた球は狙い通り、フィールド中心部に到達すると、その効果を発揮した。
球の内部に詰められていた無数の光蟲は危険を感じ、発光を極限まで強めたのだ。それによって起こる現象は一つ、辺り一面を覆うに雷光にも等しい輝きを放ち、このフィールド一帯の「目」をもつ生物の視覚を全て奪いとった。無論、彼等もその例外ではなく、敵前を前にして一瞬ではあるが、目を瞑る事を強いられる。狩場において一瞬だったとしても、「視覚」という情報源を潰すのには勇気がいる行為だ。だが、賭けに似て否になるこの行動は失敗したときのリスクはあっても、成功すれば大きなアドバンテージを得られる。
付近のモンスター達は短い悲鳴を上げ怯む。河豚は小さく拳を握り、口角を上げた。河豚の横を通り過ぎ、鯱は取り分け図体の大きいモンスターの前に躍り出る。
「よぉ、ナルガちゃん」
鯱は大剣を振りかざし、漆黒の毛皮を生やしたモンスター目掛けて飛び込む。一撃一撃が重い大剣の攻撃を四足歩行型の飛竜は食らうしかなかった。たが森の狩人であるモンスター、ナルガクルガを仕留めるには程遠い。鯱は一心不乱に斬撃を繰り返しながら、時折迫る攻撃を一歩手前で避け続けた。
ナルガクルガの一撃は森の木々を軽くなぎ倒す程の威力がある。
その凶悪な威力を知った上で鯱は嬉々としてナルガクルガの眼前に陣取り、大剣を振りかざしているのだ。その勝ち気な性格、獰猛さが名の由来に起因しているだろう。
「ha、ha、ha !遅せぇよ!」
愉快そうに、まるで、この命の削り合いを楽しんでいる姿から、鯱は「彼等」の中で遊撃者として日々活躍しているのも納得できる。
一方河豚といえば、後脚に張り付き、小刻みな攻撃を繰り出している。良く言えば安全性が高い、悪く言えば卑屈な戦法を取っていた。しかし、卑屈な戦法だからこそ、刃に塗られている毒素が着実にナルガクルガの体を蝕んでいくのだ。
罠、状態異常武器。果てには天候に狩場の環境まで。
少しでも有利に狩りを行う事を心情とし、毒素系統の武器を得意としながらも、時には麻痺や爆破属性の武器を使用し、どんな手でも使うそのやり方を認められ、河豚は「彼等」の司令塔の役目を担っていた。
前後からの猛攻を受けたナルガクルガは河豚と鯱を振り払わんと、回転斬りの様にして前脚を支点に回る。
鯱はその攻撃を避け、後方に引き、河豚は刃を鞘に閉まっていた。
閃光弾の目眩ましがとけ、ナルガクルガは鯱を睨む。
毛皮は自身の血で赤く黒ずみ、燐は所々に皹が入っていた。絶対的強者であるはずが、ひ弱な生物に此処までダメージを負うことになったのがナルガクルガのプライドを大きく傷つけた。
雄叫びを上げ、眼光を鮮血のように光らせ、お返しだと言わんばかりに鯱へ突っ込んでいく───が、その攻撃は鯱に届かなかった。
「悪いの、これで終わりでおじゃる」
河豚はナルガクルガの後ろに回り込み、鋭い太刀の練撃を繰り出す、華麗な攻撃は肉を裂き骨を切断する威力を含んでいる。
ナルガクルガは絶叫する、その声色はまるで狩る側の存在である狩人が狩られる恐怖を感じてるように聞こえた。
練撃の嵐が止む頃にはナルガクルガは立つ事は出来なかった。出来ることは只、目の前の狩人達を見上ていることだけだった。
太刀がゆらりと、弧を描く
─────鬼神切り!!!
辺りに血の桜が舞い上がり、木々を赤く染め上げる。
森の狩人の断末魔を背に、彼等は古代林を後にした。
***
場は変わり、海域付近に三人の男が交差する。
「ごめんね二人とも。付いてきてもらちゃって」
「いや、まあ気にはしてないんだけどよ、お前ならラギアくらい余裕じゃないのか?」
「・・・・・」
「直接楽しみ頼まれたから、失敗したくないんだ」
この三人はハンターと呼ばれる職についている。その名の通り狩りをして生計を立てている人間だ。
しかし、狩りは狩りでも彼らが狩猟するのはただの動物ではない。
ぴちゃぴちゃと川の流れにそいながら下っていく。
不意に一人の長身の男が立ち止まった。
その体は青色の革鎧に包まれている。背中には身の丈よりも一回りも巨大な大剣。その大剣が男をより大きく見せた。
「・・・・・くるぞ」
短いながらも分かりやすい声に、他の二人も自身の武器を構える。
一人は重そうな重機を背中から下ろし、弾丸を込めた。
低身長の男は一対の剣。双剣を手に前方を見つめる。
・・・・・・・・・・
それは岩を飛び越えながら三人の前へと着地した。
青色の鱗に覆われたその体からは、バチバチと青白い電気が走り、その血のように赤い瞳には三人の姿が映っていた。
そのモンスターの名は『海竜 ラギアクルス』海の王として名高いモンスターだ。
「いっちょおっぱじめますか!!」
重機を持つ男が声を上げる。
それと同時に他二人が走り出した。それを敵として認識したのかラギアクルスが咆哮を上げた。
しかし、それは失策だった。ラギアクルスはその赤い瞳に一つの影が迫っていることに気付いた。
それは感情を持たない人形のように無表情のまま、ラギアクルスの瞳にその剣を突き刺した。
ラギアクルスの絶叫がその場に響き渡る。その場で痛みを緩和させようと暴れ回るラギアクルスだが、今度は逆側の瞳に激痛が走った。
「ナイスショット!!」
重機を持った男が伏せたまま喜びの声を上げた。
ラギアクルスはこのままでは殺られると悟ったのだろう。その口に雷を溜め打ち出す。ことは、出来なかった。
ラギアクルスの頭。そこには、大剣を掲げる男の姿。その男の大剣がラギアクルスの頭に落とされたのだ。勿論、開かれていた口も閉じ、雷が暴発する。
グォオオオオオオォォ・・・・・・・・・・
ラギアクルスは弱々しく声を上げると、ドシンっと音を上げながら地面に倒れた。
「ま、余裕だったな」
「・・・・・お疲れ」
「お疲れ様。ありがとね」
三人は拳を軽くぶつけ合い、勝利を祝った。
タンジアの港には名の知れた五名のハンターがいた。
河豚、鮫、クリオネ、鯱、モンハナシャコ。
五人は「ポセイドンの近衛兵 」というチームを組み、タンジア海域の守護者として人々から感謝の念を送られていた。
彼らはハンター。
世界を巣くうモンスターと呼ばれる存在を狩猟する者達である。
まっしゅるーむふぐの一言
今回は私だけではなく、というか、寿薬局とちゃるもんに書いてもらったものです。そこに私がちょいちょいっと手を加えただけでして……。
皆さん、作風の変わり目、お気づきになりましたか?
此方側としては気付いても
え、あ、俺、シラーねよ?全然気がついてないから!
と、振る舞ってくれたら有難いです(苦笑)。
さて、私個人で書いている作品を知っている方にとっては、「てめーなに他のやつ書いてんだ、さっさとあれの続きかけ」と思われるかも知れません。
お許しください。
友人と通信プレイを行い、この思い出を残したいのです。
閑話休題。
とりあえずぅ、これからもぉ、ヨロシクね(☆∀☆)
はいふざけてすみません何卒、以後、宜しければお付き合い下さい。