これで今週の投稿は終わりです。
そして、次の方にバトンタッチとなります。
セオリー?そんなもの関係ない。命が懸かってるんだ。そんなの気にしてられないよ。
意訳『ドラゴンズドグマみたいになっちゃた(テヘペロ)』
では、どうぞ!!
「タンジアから出てきてやってきました竜歴院!!ベルナ村!!」
とか言っておきながらもうベルナ村を出発するんだよね……。僕は皆よりも一日先に此方に引っ越してきたから知り合いなんて誰もいないし……。うう、寂しいよ……。
「まあ、兎に角今はクエストかな。そこまで難しいモノでもないし」
アイテムポーチの中から今回のクエスト内容が書かれた紙を取り出した。そこにはクエスト名、メインターゲット、サブターゲット、報酬金、契約金等の内容が書かれている。
今回のクエスト名は『縄張りに侵入するべからず』狩猟対象は雷狼竜『ジンオウガ』無双の狩人や森の王とも呼ばれる大型モンスターだ。
主な生息地域は渓流だが、ここのところ生息範囲が広がっているらしい。そこで、元ユクモ村近辺出身の僕に白羽の矢が立ったようです。実際、ハンターを始めたのはタンジアからなんですけどね。まあ、ユクモ村には何度も行っているし、ジンオウガもそれなりには狩っているので大丈夫なんですが。
まあ、そんこんなでガタゴトと竜車に揺られること数時間。竜車を操るアイルーさんから声がかかった。
「お嬢!!もうすぐ目的地にゃよ!!」
「あの、僕は男なんですが……」
「まったまた~」
アイルーさんはニャッハッハ!!と豪快に笑った。僕は諦めた。
僕の性別が間違えられるのは僕の顔が中性的なのが原因なのだが、そこまで女っぽくはないと思うんだけど……どうなんだろ?自信が無くなってきたよ……。
そ、そうだ!!武器、武器の手入れをしないとね!!
背から武器を下ろし、手入れを始める。ただ、まだ武器が全部届いてないんだよね。お陰で選べる武器が少なかったよ……。まあ、護身用にそこそこ強い武器を持ってきて正解だった。
今回僕が担いできた武器は『ハリケーン』肉を裂くことを徹底的に突き詰めた双剣。鎌っぽい特異な形状をしている。そして、左右のバランスが違い過ぎて慣れるまでは少し扱い難い武器でもあるね。
・
「お嬢。着きやしたにゃ」
「あ、もう?」
「随分熱心に手入れしてたからにゃ~。集中していたんだろうにゃ。ほら、ここが古代林にゃよ」
竜車から降り外へと出る。
外へ出て一番に目についたのは、巨大な山脈だ。山は青々と葉を茂らせている。少しその山脈を覗いてみると、大きな河。遠くには巨木のような影もみえる。
「ここが古代林……。僕の知らない世界……か。なんだか過去に飛んできた気分だよ」
「そうですにゃ~。それじゃあお嬢、準備はいいですかにゃ?」
「うん」
「わかりましたにゃ。今から五十分が狩猟時間ですにゃ。それを越えたら合図を出しますのにゃ。では、クエストスタートですにゃ!!」
その合図と共に僕は駆け出した。
・
(やっと見つけた……探し回ったよジンオウガ)
僕がいる場所は地図で言う四番。大きな首長竜など色々見て回ったりもしながらジンオウガを探すこと早五分。漸くこの場所で狩猟目的を発見した。
(…………行こうか)
草むらから出て、ジンオウガの前に立つ。しかし、ジンオウガは腹の足しにもならないような小さい獲物には興味がないのか、悠々と歩いている。
まあ、それは僕としては好都合。此方を敵視もしていないことを良しに一つのビンを取り出す。そのビンには黄色い液体『強走薬グレート』と呼ばれるものが入っている。疲れを感じさせなくしてくれる薬だ。
それを一気に煽る。喉をドロッとした味のない液体が流れていく。それが胃に流れ、全身が熱くなったのを感じた。のと同時に背中の一対の剣を手にする。
そして、剣を頭上で交差させ、息を止める。これは、鬼人化と呼ばれる状態。一種の無呼吸運動だ。これにより、身体能力の強化が行える。だが、不思議と息苦しさは感じない。何故か?さっき飲んだ強走薬グレートのおかげである。 原理は知らないけどね。
剣を抜いたからか、ジンオウガの目付きが少しだけ変わった。
「さあ、始めようか。殺し合いを、さ」
Graaa!!
ジンオウガが咆哮を上げる。相手を敵と見なした、のではない、ただの威嚇。それ以上近付けば容赦はしない。と言う威嚇だ。これが強者の特権と言うものだろうか。まあ、そんな事はどうでもいい。
威圧感の欠片もない咆哮の中を走り抜け、その強靭な前足を切り裂く。が、ジンオウガが咄嗟に飛び退いたことによりその傷は浅い。そして、ジンオウガが前足を持ち上げ僕目掛け降り下ろす。
僕はそれをジンオウガの腹のしたを潜り抜けることで回避する。
ドンッ!!
と、音がなり、地が揺れた。あれを喰らえばザクロの様に体が簡単に弾け飛ぶことだろう。背中を冷たい汗が流れる。火照った体には丁度いい。と、苦笑いを浮かべ、ジンオウガのその尻尾に双剣を突き刺し、手前に引き戻す。肉を断つ何とも言えない感触。昔はあんなにも嫌だったこの感触も、今では慣れてしまったものだ。
肉を引き裂かれた尻尾からは血が流れている。
ジンオウガは大きく後退。そして、背中に何かが集まっていく。ジンオウガの象徴の一つでもある帯電。集まっているのは雷光虫だ。雷光虫はジンオウガに電気を供給。ジンオウガは雷光虫を外敵から守る。一種の共存共存関係である。そして、ジンオウガの電気に当てられた雷光虫は超電雷光虫へと成長する。
「(止めるのは……無理そうかな。まあ、まだ第一段階だし大丈夫だよね)」
帯電が終わり、ジンオウガが今度こそ敵と認識したのだろう。その目付きには殺意が溢れていた。
地を蹴る。ジンオウガは此方に向かって雷の弾を飛ばしてきた。それを少し体を捻らせ避けた。そして、ジンオウガの腹に滑り込み、横脇腹を挟むようにして剣を突き刺す。
GAYaaaaaa!!?!!?
ジンオウガは咄嗟の出来事に反応できず、兎に角振り払おうと暴れ始める。体が壁にぶつかろうが、岩にぶつかろうが関係ない。
「(セオリーとしてはッ!!背中なんだけどッねッ!!こっちの方が早いんだよ!!)」
要は、殺せば勝ちなのだ。
横脇腹に刺した剣を確りと掴み、片手を一瞬だけ離してハンターズナイフを口に持ってくる。そして、口にハンターズナイフをくわえ、また両手で剣を掴み、しがみつく。
一度、口に隙間から息を吐き、一気にジンオウガの胸に突き刺す。突き刺した場所からはチョロチョロと血が流れていく。ハンターズナイフを抜く。傷口から血が溢れ、視界を奪うがそんなもの知ったこっちゃない。もう一度勢いを付けナイフを突き刺した。そして、今度はナイフを奥へ、奥へと押し込み、またナイフを抜く。少しだけ見える視界からは、傷口の奥にドクンッドクンッと跳ねる部位が見えた。僕は、もう一度ナイフを突き刺し、口を離して、ナイフに頭突きをした。
GULAALAAAAAAAAAA!!?!!??!?
一際大きい声が耳に届いた。そのあまりの絶叫に僕は剣らは手を離し地面に転がり落ちた。
急いで立ち上がりジンオウガを見る。
胸からは夥しい量の血を流し、その目は虚空を見つめ、口は半開き。絶命するのも時間の問題だろう。しかし、ジンオウガが最期に一撃でも喰らわせてやろうと、ゆっくりと、ゆっくりと歩いてくる。その足取りはたどたどしい。そして、僕との距離を半分も埋められぬままジンオウガはその巨体を地に付けた。
ズドォオオンッ
ジンオウガが倒れる衝撃で地が揺れた。
ジンオウガの死を確認し、剣を回収。そして、剥ぎ取りを行う。後は、この辺りを担当しているギルドの人が回収してくれることだろう。
しかし、ギルドの人が回収を行うことは出来ない。
何故なら―――
「なっ!?」
―――真っ黒の一匹の竜が、ジンオウガの死体を取っていたからだ。
その竜はジンオウガさえ手に入れれば良かったのか、ジンオウガを掴むと何処かに去っていってしまった。
何となく、何となくではあるが……あの竜とはこれから先も出会う気がする。そんな何の根拠も無いことに、妙に納得してしまった僕はクエストクリアの報告をすべくキャンプ地へと戻るのだった。
『華くんがベルナ村ニ?フザケテいるんですか?あ、ソウカぁわたしもソッチに行くって事ですよねぇ?勿論ソウデスヨねぇ?ギルドマスターは優しいデスモノねぇ?違うとしても話をツケテくれますよねぇ?』
『あ、ああ。話を付けておこう。少し時間は掛かるだろうが……』
『ふふフ。ギルドマスターは優しいデス。出来るダケ早くしてくださいネェ?デナイト……』
―――いつ、殺しちゃうかワカリマセンよぉお?
ナイフが肉を裂き、少量の血がナイフの歯に沿って地面へとこぼれ落ちる。
『フフふ……直ぐにアイニ行くからねぇ……華くゥ~ん』
暗闇の中微笑みを浮かべる女性は、自身に待つ美しい未来を妄想し血で濡れた手で火照る体を抱きしめた。
お読みいただき有難うございます!!
モンスターの上位下位ってどうやって決めてるのかが気になる今日このごろ。
でも、下位モンスターでも人間を叩き潰す事ぐらい出来るよね。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
この作品でヤンデレが好きになる人が増えることを祈り、次の方にバトンタッチさせていただきます。
では、また次回〜