崩壊したヴェイル、そしてビーコン・アカデミー。砕け散った学園の敷地内で、避難中にある生徒が、一枚の手記を拾い上げた。

 それは、遺書めいた何かだったようだ。

※本編ネタバレを含みます。ご注意下さい

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※本編ネタバレ有り。ご注意下さい。


さようなら、大好きなヒト

――この手紙を、あなたが読む頃には、私はもうこの世に居ないかも……うん、いや、きっと大丈夫。多分、平気よ。

 

取り敢えず、私が何事もなければ、これは焼いて捨てる事にするわ。出来ればそうしたい。

 

最初にあなたを見たのは、入学式の時だったわ。

 

あなたは知らないだろうけど、あの時、あなたは最後に入って来たわよね。凄く目立ってた。実はあのときから見ていたわ。

 

なんていうのかな、もの凄く気になってたの。

 

最初にお話ししたのは、ロッカー室だったね。あなただけよ? 私を全く知らないって言ってくれたの。

 

正直、あの時は疲れてた。皆が皆、同じ事しか言わなかった。でもあなただけは違った。それがどれ程私を助けてくれたか……

 

あなたにとっては何気無い一言だったでしょうけど、私にとってはかけがえのない言葉だったわ。

 

あなたのお陰で、私は変わる事が出来たのよ?

 

とても素敵なチームの一員になれたし、最高の友達も沢山出来た。

 

日に日に、強くなっていくあなたを見られて、私も自分の事みたいに喜んでた。

 

特にダンスパーティーの時なんて、思い知ったわ。ああ、こういう生き方があるんだって。

 

人は孤独じゃない。なろうと思ってても、簡単になれるものじゃない。私の周りにも、そんなお節介がいっぱい、いっぱいあるって、あなたは教えてくれた。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

……ここから先は、誰にも内緒よ。

 

実は私は今、とても重大な決断を迫られているわ。もしかしたら、もう、あなた達に二度と会えなくなる様な決断を。

 

相談は出来ない。多分、私達では答えを出す事は出来ない問題だから。

 

だけど、もし私が帰ってこなくても、どうか悲しまないで。私の命は全く無駄に散る訳じゃないの。

 

あなた達に会えなくなるのは、ハッキリ言って嫌よ。今すぐにでもここから逃げ出したい。

 

でもね、私じゃないと出来ない事みたい。だから……もしも私が帰ってこなくても、悲しまないで。

 

きっとこれは運命だったの。

 

あ、でも何事もなく帰る事が出来たら、いつも通りだから。

 

変わらない学園生活。友達と語って、買い物にいって、訓練して勉強して……満喫しましょう。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

……ここから先は、本当のシークレットよ。

 

今のうちに書いておくから。いい? 絶対にこれを見たら、何も言わずに焼却するのよ?

 

 

ねえ【J】、私初めて会った時から、あなたのこと――う、ううん、やっぱり何でもないわ。文字におこすのも、ちょっと厳しい。

 

やっぱり、無事に帰って来てから自分の口で、あなたに伝えるわ。

 

だから、また明日。

 

 

ピュラ・ニコス


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