実子、詩島剛との決戦に破れた天災科学者、蛮野天十郎
その意識もまた滅されたかと思われたが、どういうわけか異なる世界に、これまたどういうわけか全く同じ形のベルトとして復活を果たす

自分を造ったと語る少年を利用しようと目論む蛮野

その果ては、どうなるのか

※蛮野のキャラがおかしいですが短編ということで納得していただけたらと思います

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蛮野はゲスで外道で決して好きにはなれませんが何故か嫌いにもなれない俺はきっと歪んでる

あとこの蛮野はちょっとキャラがおかしいかと思いますがどうかご容赦を


天才少年と天災科学者(ベルト)は何を目指すのか

【ヒッサツ!】

 

特防センタービル、地下駐車場

一人の傲慢な「天災」科学者、蛮野天十郎の命は自らが「恥」「失敗作」と断じた男の手により葬られようとしていた

 

【マッテローヨ!】

『ま、待て! 待つのだ剛! 私の偉大な頭脳を、この世から消してはならない!』

「……」

 

傷だらけの身体に鞭を打ち、信号機が取り付けられた奇抜なデザインの斧、シンゴウアックスを構えるその男―――蛮野の実の息子である、詩島剛

 

『剛!』

 

【イッテイーヨ!】

 

「……いっていい、てさ」

 

目の前の、既に人ではない存在に向けて敵意をぶつける剛

多くの敵を屠ってきたその刃が、今、身動きの取れない蛮野に向かって振り上げられた

 

『待ってくれ剛! 待て、待つんだ!』

 

尊大にして傲慢、他者を見下し続けた男が情けなく命乞いをする様に、剛は怒りを通り越して哀れみを抱く

それほどに今の蛮野は見苦しく、こんな奴に自分達は翻弄され、利用され、苦しめられて、大切な「ダチ」は殺されたのかと

考えれば考えるほど、この存在を視界に、世界に留めることが耐え難くなっていた

 

『落ち着け……やめろ! やめろ、剛!!』

 

 

 

【フルスロットル!!】

 

 

 

蛮野の叫びも空しく、断罪の斧が振り下ろされる

 

『あ、あぁ……ああああぁぁぁ!!』

 

迫る死に対しても、蛮野には何も出来ず

世紀の天才であると自負して憚らない男の最期は、あっけなく訪れた

 

 

 

『ああああああああああぁぁぁっっ!!!』

 

ベルトに残された男の意識は、振り下ろされた一撃により粉々に破砕された

 

今ここに、無粋極まりない野望と共に、歪んだ天才は消え失せた

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

何故だぁ……

 

何故、この私があんなバカ共にぃ……

 

認められん、許されんぞ!

 

私を誰だと思っている! 世界の支配者、蛮野天十郎だぞっ!!

 

全ての人類は、私に平伏すためだけに存在しているのだ!!

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

『……むぅ?』

「あれ、起きたのか? まだ意識の構築はしてなかったはずなんだけど……まぁいっか。予想以上の仕上がりで知らぬ間に構築されてたってことかな。流石オレ、天才」

 

両断され、砕け散ったはずの意識が浮上したことを、蛮野は感じた

目の前に広がるのは、見覚えのあるような機械に囲まれた狭苦しい部屋

 

そして、少年―――そう呼ぶには幼すぎるほどに幼い子供の姿だった

 

『……貴様、何者だ?』

「お前の生みの親だよ。……ていうか、やけにはっきりしてるなぁ……これ、ホントにオレが造ったやつか?」

 

これ、などとモノ扱いされたことに一瞬声を荒げそうになるが、思えば自分は今ベルトなのだと改めて認識する蛮野

 

『……理解した』

「は?」

『いや、いい。それで? 貴様、名は何という?』

「何だよ藪から棒に。ていうか偉そうだなお前」

『貴様こそ誰に口を利いている。私はぁぁぁぁぁ!?』

 

幼子が何かしらのスイッチを入れたと思った次の瞬間、蛮野のボディに締め上げられるかのような圧力がかかる

 

『きっ、貴様ァ!』

「むかつく」

『何を子供のようなことを!』

「子供だし」

 

幼子はしばらく悶えるように叫ぶ蛮野を面白そうに見続け、やがてスイッチを切る

 

『こ、この私にこのような真似を……!』

「ん?」

『……ごほん。それで? 貴様が私を目覚めさせたというのか?』

「目覚めさせたっていうか造った。一から」

『何を馬鹿な。クリムの頭脳とデータを以てようやく完成したこのボディを、貴様のような童が造っただと?』

「うん。オレ天才だし」

 

蛮野に目を向けず、さも当然とばかりに言い放つ幼子

話を誇張しているわけでも、嘘を言っている風でもないその態度に、蛮野は珍しく興味を惹かれた

 

『……蛮野天十郎』

「は?」

『私の名だ。貴様がどう呼ぶつもりで造ったかは知らんが、私の名は、蛮野天十郎だ』

「……ふぅん。ま、わかったよ。よろしく、バンノ」

 

へらりと笑って、幼子は蛮野―――ベルトを軽く叩く

 

『それで? 貴様は何故私を造った?』

 

 

 

「暇だったから」

 

 

 

冷めきった瞳でそう言った幼子に、蛮野はこの幼子は自分と同種だと、そして再起のために利用するに極上の素材であると確信した

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「世界征服?」

『ああ。こんな馬鹿ばかりの世界など、真の天才である我々の手で支配し、管理すべきだと思わないか?』

「……面白そうじゃん」

 

幼子を魔の道へと引きずり込む、純粋な悪意

 

「……なんだローウェル。また来たのか」

「いいじゃない別に。お互い暇でしょう?」

『……ほう、この娘』

 

孤独な天才少年の、ただ一人の理解者

 

「魔法、それに次元世界だとさ」

『理解できんな、そんな非科学的なもの』

「でも、面白そうじゃないか? オレとアンタの頭脳で、そんなファンタジーをぶち壊せるなんて」

『……本来の目的を忘れるなよ?』

「こんなちっぽけな星だけじゃなくて、もっと大きな、たくさんの世界の征服……考えただけでゾクゾクするねぇ」

 

目にした、言葉だけでは理解できない現象や存在に胸を踊らせる幼子

その野望は、危険極まりない

 

「どうして!? どうしてこんなことを!」

「馬鹿に何を言ってもわかりゃしねぇよ、高町なんとか」

『世界、そして馬鹿共は真の天才に支配されるためだけにある』

 

「この世の全ては俺達のモノ……それを理解できない馬鹿が多すぎる」

 

天才すぎたが故に孤独となり、全てに退屈し、刺激を求め続けていた少年

天才すぎたが故に全てが歪み、他者を支配することに取り憑かれた科学者

 

二人の出会いの終着点は、支配か、破滅か

 

「行こうぜバンノ。全次元世界征服、付き合えよ」

『クリムの真似事も一興か……スタート・ユア・エンジン』

 

 

 

「変身!」

『GOLD DRIVE』

 

 

 

 

 

天才少年と天災科学者

 

 

 

 

 

「これで終わりだ……世界は!」

『私の手の中にある!!』




Vシネ初回限定盤は予約済み(関係無い

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