目が覚めたら何故かユクモ村に居たのでハンター生活をエンジョイする事にした   作:勇(気無い)者

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いざクエストを受けようとしたら、喧しいのが突っかかってきた。

「あ、エクシアさん! お待ちしていました!」

 

 加工屋へ戻ると、早速レベッカが出迎えてくれた。

 とてとてと此方へ駆け寄り、また足をもつれさせて俺の身体へと突っ込んで来た。危ないってば。

 

「大丈夫かい?」

「はい、大丈夫です!」

 

 そう言いながら抱き付いてくる。矢張り懐かれているのだろうか。っていうか、わざとやってない?

 そして、またしても爺さんに引き剥がされる。ナイス爺さん。

 

「それで、弓の方は?」

「バッチリ出来てますよ! これです!」

 

 と、レベッカがカウンターの下から取り出したのは木製の弓。『真ユクモノ弓』である。

 弦を軽く引き、放す。ビイィン、という音を立てて、弦は真っ直ぐに張った状態へと戻る。

 

「うん、良いんじゃないかな」

「本当ですか!?」

 

 レベッカが嬉しそうな声をあげる。

 ……特に何も考えず呟いただけ、という事は黙っておこう。正直、弓の違いとかよく解らないよ…。

 とりあえず弓を畳んでリリーに手渡す。サニーはレベッカから受け取った。

 

「ありがとうございます、エクシアさん」

 

 リリーがお礼の言葉と共に頭を下げ、サニーもそれに続く。いいって事よ。

 爺さんに24000zを払う。残りは14万ちょいか。まだ余裕あるな。

 

「さて、それじゃあ早速集会所へ行こうか」

「はい!」

「頑張って下さいね〜!」

 

 レベッカがぴょんぴょん飛び跳ねながら見送ってくれたので、俺達も手を振り返しながら加工屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 さて、集会所へとやってきた俺達は、早速受付カウンターへと向かう。

 

「エクシアさん、いらっしゃい」

 

 挨拶してくれたのは、いつもの受付嬢。今日も笑顔が眩しいです。

 クエストを受けたいと言ったら、クエストボードから選んで持ってきて下さいと言われた。

 マジすか。そういうシステムなのか。知らなかったとはいえ、ちょっと恥ずかしい…。

 その時だった。

 

「そんな初歩的な事も解らないの!?」

 

 背後から甲高い少女の様な声が耳に届いた。振り返ると、其処には中学生ぐらいの女の子が立っていた。

 緑色の髪をしており、長さはセミロング程度。『ハンタースタイル』という髪型ではなかろうか。

 装備品はドーベル一式。兜から生える、相手を威圧する様な一対の長い角が特徴的。また、布面積が小さく、お腹周りやら脇やら内股やらと、矢鱈に肌の露出度が高い。

 本来はとてもセクシーな装備品なのだが……如何せん装備者は背が低い。俺より10cm以上は低い。胸は多少ある様だが、セクシーとは言い難い。残念。

 背中から見える、二つの白と薄い赤の刀身は……『ホーリーセーバー』か?

 水属性の双剣である。見た目はグンバツに格好いいが、性能的に同じ水属性の『ウンディーネ』にかなり劣る。残念。

 えっと…とりあえず、どちら様で…?

 困惑する俺に、少女が更に続ける。

 

「ユクモ村始まって以来の最強のハンターとか言われてる癖にそんな初歩的な事も解らないなんてどうかしてるんじゃないの!?伝説だか何だか噂されてるけど実は対した事無いんでしょ!!ハンターランク1からやり直したら!?」

 

 ………マシンガン二号現る。早口過ぎて何言ってるかよく解らなかった。いや、何となく俺の悪口言ってるのは解ったけども。

 これに何故かリリーがムッとした様に突っかかる。

 

「エクシアさんは凄い人です! アカムトルムだって、たった一人で討伐しちゃうんですよ!」

「アカムトルムぐらい私だって一人で討伐出来るわよ!!舐めんじゃないわよ!!」

「えぅ…!? う、嘘です…! そんな…」

「嘘じゃないわよ!!舐めんじゃないわよ!!そっちこそ吹いてんじゃないの!?」

「な…っ! 違います、本当です! つい2週間程前に現れたアカムトルムを討伐したのもエクシアさんなんですから!」

「はんっ、どーだか!!口でなら何とでも言えるわよ!!」

「そ、そっちだって…!」

「何よ!!」

「お二人とも、やめて下さい!」

 

 かなりヒートアップしてきた所で、受付嬢が止めに入った。

 

「ここでは一般のお客さんも温泉へ入りに来るんですから、騒ぎは困ります!」

「ぁう…ご、ごめんなさい…」

 

 リリーは即座に頭を下げ、ドーベル装備の少女は「ふん!」と鼻を鳴らしてそっぽを向いた。不貞不貞しいやっちゃな。

 

「確か、新人ハンターのリリーさん、でしたね?」

「は、はい…」

「此方は元、ポッケ村所属ハンターのセツナさんです。エクシアさん同様、アカムトルムだけでなくウカムルバスも討伐した功績がある、一流のハンターですよ」

「え…っ!? セツナ、って……『双刃剣姫』と呼ばれる、あの伝説の双剣使いの…!?」

 

 おぉう。何か廚二ネームが飛び出したぞ。双刃剣姫だって(笑)

 ちょっと格好いいとか思った俺は廚二病を患っているかもしれない。

 っていうか今、ポッケ村って言った? 2ndの主人公が拠点とする、あのポッケ村?

 って事はこのガk……少女は、MHP2ndの主人公…?

 まさかまさか、俺と同じで中身は日本人だったり…?

 アカムトルムやウカムルバスを討伐する程の腕を持つハンターならば、有り得ない話ではない。

 

「……、……この人が、セツナ……」

 

 俺が考え込んでいると、リリーがセツナを見ながらぼそりと呟いた。その表情は何というか『思っていたのと違う…』と言った所だろうか。凄く残念な物を見た様な感じ。隣のサニーも同様である。

 

「何よ、何か文句でもあんの?」

「……いえ…別に…」

 

 視線を逸らしながら、俺の背中へと隠れてしまった。俺を盾にするのはやめたまえ。

 そんな事より、このセツナって奴が日本人なのかどうかを確認したい…! 何か、上手くこの場で確認出来る方法は無いか…!? 説明とかを一切省いて周りの者に悟られず、この少女が日本人だと確認する方法は…!?

 ハッ! そうだ!

 

「………」

「な、何よ…!?」

 

 無言で近付く俺に対して、明らかに警戒の色を見せるセツナ。

 こいつは『ポッケ村所属』のハンターだと受付嬢が言っていた。もしもこいつが2ndの主人公なら、これで伝わる筈だ!

 俺は徐に口を開き、

 

「…(モンスターハンター)(ポータブルセカンド)…」

 

 セツナにだけ聞こえるであろう程度の小さな声で、ぼそりと呟いた。

 対するセツナはというと、数秒程ポカンと間の抜けた表情を浮かべ、

 

「何言ってんの…?意味が解んないんだけど!馬鹿じゃないの!!意味不明なんだけど!!馬鹿なんじゃないの!?」

 

 徐々に語気を強めながら爆発した様に叫んだ。

 ………何なんだ、こいつは…。人の事を馬鹿馬鹿言いやがって…。ム、ムカつく…。

 ……兎に角、この少zy……クソガキが日本人ではない事は解った。

 俺は大きな溜め息を吐き、クエストボードの前まで足を運ぶ。セツn……クソガキが何か喚いてるけど、無視無視。

 えーっと、何か丁度良さそうなクエストは、っと……。

 ん? これは……。

 

 狩猟クエスト

  挟撃の彩鳥

 

 クエスト内容

クルペッコ2頭の狩猟

 

報酬金 3000z

契約金  500z

指定地 孤島

 

 ま た お ま え か 。

 

 何なの、クルペッコ繁殖し過ぎでしょう。ついさっき俺が2匹狩猟したばかりだろうが。

 いや、鳥だから2羽と数えるのか?

 どうでもいいわ。自分で自分にツッコミ。

 兎も角、クルペッコが相手なら丁度良い。コイツを相手に、リリーとサニーの二人に弓のお手本を見せよう。

 依頼書をボードから剥がし、カウンターまで持って行く。受付嬢はクソガキを宥める為に身動きが取れない。何て厄介な小娘なんだ。

 変わりに別の受付嬢がやってきた。服装は同じ『撫子』一式だが、色が違う。この娘は少し薄めの赤を基調とした色である。確か、下位の受付嬢がこの色だった様な気がする。

 

「此方はエクシア様お一人ですか?」

「いや、そっちのジンオウ装備とナルガ装備の娘と一緒で」

「では、三名様での狩猟ですね」

「ちょっと待ちなさいよ」

 

 小娘が横からしゃしゃり出てきた。何だよもう。

 

「私も行くわ。あんたの実力の程を見極めるいい機会よ」

「あ、うん。このクエストは3人までなんだ」

「ハァ!?何言ってんのよ4人までイケるでしょうが何言ってんのよ馬鹿じゃないの馬鹿なんじゃないの馬鹿なんでしょ!!」

「あ、すみません。この五月蝿いクソガキにクエストを見繕ってあげて下さい」

「クソガキって言ったなゴルァァァッッッ!!!!!」

 

 こっちに飛び掛かってきそうだったけど、青撫子の受付嬢がセツナを羽交い締めにして止めた。ナイス。

 

「兎も角、このクエストは3人でお願いします」

「あ、はい」

 

 契約金の500zを支払い、受託完了。

 

「それでは、3人での出発となります。クエストの達成をお祈りしています」

「ええ。じゃあ行こうか」

「あ、はい!」

「あぁ!?待ちなさいよまだ私との話が着いてないわよ!!待ちなさいよ待ちなさいってば私も連れていけ!!」

「だ、ダメですよセツナさん…!」

 

 受付嬢も大変だぁ、と他人事の様に思いながらも俺達3人はクエストへ出発した。

 

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