目が覚めたら何故かユクモ村に居たのでハンター生活をエンジョイする事にした   作:勇(気無い)者

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暇なので釣りでもしていようかなと思った次第。

 場所は変わって、エリア10番。地図で言うと、一番右上の海岸地帯である。

 エリア5番から北へと進み、膝程度の水深の川が続くエリア9番を伝って、更に奥へ進むと、このエリア10番に辿り着く。

 あ、北っていうのは地図の上の方の事ね。本当に北かどうかは解んないけど、ドラクエ的に考えると上方向は北。

 まぁそれは置いといて。

 先にも述べた通り、このエリア10番は海岸地帯。すぐ右は岩壁がそびえ立ち、真っ直ぐ進むと海が広がっている。

 左方には僅かな砂浜地帯が延びているが、大半は海の水に侵食されている。途中には2つ、大きな岩が距離を置いて佇んでいる。更に進むと岩壁にぶち当たり行き止まりの様に思えるが、途中に上から蔦が降りてきている。それを登れば飛竜の巣であるエリア8番に行けるだろう。最も、地図を見た限りでは、相当に長い距離を移動する羽目になるだろうけど。

 

 で、何故こんな場所に居るかという事だが、リリーとサニーはクルペッコを仕留めきれずに逃がしてしまい、このエリア10番まで追いかけて来たのである。今も彼女達はクルペッコと激しい戦闘を繰り広げている。頑張れ頑張れ。

 因みに、俺は隅の方で釣りをしている。エリア9番から入ってきて、右側の壁伝いに真っ直ぐ進み、浅瀬を渡って急に水位が深くなる所の釣りポイント。すぐ横には採掘ポイントもある。しないけど。

 適当な岩を持ってきて腰掛け、のんびり糸を垂らしている訳だが、俺は一体この釣り竿を何処から取り出したのだろうか。

 いや、アイテムポーチ辺りから取り出したのだけれど、どう考えてもポーチの中にこんな長い釣り竿は入らない。縮める事の出来るコンパクトロッドとかなら解るけど、俺が握っているのは竹竿である。縮む訳が無いし、畳んだらベキッと折れる。HBの鉛筆みたいに。

 まぁ、それを言ったら他のアイテムはどうなるんだって話になるけどね。覇竜の尻尾とか入る入らない以前に、人間よりデカいし。一部だけなのかな。

 因みに、剥ぎ取りの際は切り取っている訳では無く、ナイフを突き立ててグリグリするだけで素材がアイテムポーチに入るという謎仕様。不思議。

 

 ところで、俺は水中を泳いでいる金色の魚を釣り上げたいのだが、他の魚ばかりが食い付く。

 とりあえず釣れたのは『キレアジ×6』『サシミウオ×4』『はじけイワシ×3』『小金魚×3』『ハリマグロ×1』である。

 あの金色の魚がめっちゃ気になる……多分、黄金魚なんだろうけど釣りたい…。中々食い付かねぇ…。

 っていうか、他の魚が食い付いちゃうから黄金魚が食い付けないでいる。もっとガツガツ来いよ。そんなんじゃ食いっぱぐれるぞ!

 ……あ、きた。

 

Fi〜〜sh(フィーッシュ)!!」

 

 叫びながら勢い良く竿を引き、フッキング。これによって釣り針が深く刺さり、魚に逃げられない様にするのだ。

 そんな釣りの無駄知識はどうでもよくて、金色の魚が釣れた。鱗がキラキラと光っている。黄金魚だ。綺麗。

 それをアイテムポーチに仕舞おうとして━━━

 

「ぐえっ!!」

 

 ━━━背後からの衝撃。勢い余って水の中へとダイブしてしまった。

 ぶはっ、と海面へと顔を出すと、其処に立っていたのは森の熊さん。クルペッコが召喚した奴だろう。

 

 ━━━そして、たった今、苦労して釣り上げたばかりの黄金魚に逃げられた。

 

「テメェ上等だコラァッ!!」

 

 そう言いつつ、足場に上がろうとしたが、再び突き落とされた。

 汚いな流石アオアシラ汚い。今のハメでしょ? 俺のシマじゃノーカンだから。

 等とブロントさん関連の台詞を口走っている場合ではない。これでは陸地に上がれない。

 こ…この熊野郎…! 俺を陸地に上げないつもりか…!

 横に泳いでみるが、熊野郎も同じに移動してくる。完全に俺を狙ってやがるな。さっきウンコぶつけた恨みか。

 因みに泳ぎ方は横平泳ぎ。64版ゼル伝の主人公、リンクの泳ぎ方である。何となく真似していたら出来る様になった。

 そんな事はどうでも良くて、この熊をどうするかだが……。

 その時、アオアシラの頭が爆発した。魔理沙の投げた、小タル爆弾である。

 ナイス魔理沙! 熊野郎の注意が逸れた隙に陸地へと上がり、透かさず足に蹴りを入れてやる。此方を向いた隙に横へ回り込み、矢を2本抜きはなって切りかかる。

 7、8回切りつけた所でアオアシラが怯み、更に蹴りを叩き込んで海へと突き落とす。

 ウハハハハッ!! ざまぁ味噌漬け沢庵ポリポリッ‼︎

 追撃の溜め段階1である「連射Lv1」を連続で叩き込みまくる。さっきのお返しじゃボケェ!

 そこへ魔理沙とチルノが攻撃に加わり、あっという間に熊さんの水死体が出来上がった。

 ふぅ。ちょっとだけ溜飲が下がったぜ。

 

「ありがとう、魔理沙。助かったよ」

「なぁに、これぐらいお安い御用なんだぜ」

 

 何とも男らしい物言い。頼りになるぜ。女の子だけど。

 ……いや、女の子なのか…? この子が雌だという確証は無い。猫だし。

 今度確認してみよう。持ち上げて付いているか付いていないかを見るだけだ。

 ……と思ったけど、直接聞いて確認しよう。また引っかかれるのは御免被る。引っかかれたのは今のところレミリアだけだが。あれは痛かった…。主に心が。

 さて、リリーとサニーの方は……まだ時間掛かりそうだな。釣り直そう。

 岩の上に腰掛け、再び釣り糸を垂らす。こういうのんびりとした時間っていいよね。

 もう一度黄金魚を………あっ!? 魚居ねぇ!! 俺が落っこちたから散ってしまったか!?

 …お、おのれ熊野郎……。

 あ、でも魚が1匹戻って来てる。あれは……、サシミウオか…?

 また1匹増えた。ちょっと大きい奴。ハリマグロかな。

 待ってればその内、黄金魚も戻ってくるかな。また1匹。サシミウオだ。

 あ、食い付いた。釣り上げたのはサシミウオ。アイテムポーチへと仕舞う。

 もう少し魚が現れるまで待つか。

 

 何とはなしに空を見上げる。澄み切った青空が美しいぜ。

 ふと、魔理沙が俺の膝に乗ってきた。甘えん坊だなぁ。可愛い奴めっ!

 チルノも俺の背中をよじ登り、肩に乗ってきた。可愛い奴めっ!

 

「なぁ、ご主人…」

「ん? どうした魔理沙?」

「…お腹空いた…」

「…えっ」

「あたいも…」

「…えっ」

 

 ま、マジか…。

 うむむ……どないしよ。エリア2番まで戻って、アプトノスから生肉を剥ぎ取るか?

 …あ、ダメだ。携帯肉焼きセットを持っていない。生肉では流石に食えない。

 うーん…他に……食べられる物、は…。

 あっ、ある!

 サシミウオだ! これなら生でも食べられる!

 ……ただ気掛かりなのは、サシミウオって体力を回復するだけでスタミナは回復しないんだよね…。最悪、食べても腹を満たせない可能性も…。

 ま、まぁ、あげてみれば解るでしょう。

 魔理沙とチルノは喜んで食べ始めた。実に美味そうに食っている。俺も食べようかな……でも、そんなに腹は減ってないし…。

 って、チルノ! 俺の身体にこぼすな!

 ちょっとしたハプニングはあったものの、2匹は満足した様だった。サシミウオでも腹は膨れるらしい。食料に困ったら魚を釣ろう。サシミウオなら調理をせずにそのまま食べられる。鱗とか落とさなくて良いのか、とか色々とツッコミたい所はあるが。気にすまい。

 そろそろ釣りを再開するか。黄金魚も戻ってきた様だし。

 っていうか何で戻って来たんだ? 普通、いきなり人が落ちてきた場所になんか二度と近寄らないだろ。いや、それ以前に人がこれだけ近付いたら、気配を察知して逃げると思うんだが。ゲームシステムという呪いに掛かって、逃げられないのかもしれない。ドンマイ。

 今度はすぐに黄金魚が釣れた。雫に光が反射してキラキラと輝いて見える。綺麗だ。今度こそアイテムポーチへと仕舞う。

 黄金魚って、清算アイテムだったよな? 幾らだったっけ…500か350か…まぁそれぐらいだった気がする。

 

「エクシアさーん!」

 

 リリーの呼ぶ声。振り返れば、彼女達は此方へと走って来ていた。クルペッコの討伐も無事に完了した様だ。

 

 ……さて、クエストが完了された訳だから、1分後に俺は集会所へ転移する事になる。何か言い訳を考えておかなきゃなぁ…。

 若干ブルーな気持ちになりながら、リリー達の方へと歩み寄るのであった。

 

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