目が覚めたら何故かユクモ村に居たのでハンター生活をエンジョイする事にした   作:勇(気無い)者

33 / 56
でも少し……この孤島、泣いています……。


今日は孤島が騒がしいな……。

 孤島に到着した訳だが、ベースキャンプには俺とセツナ、魔理沙と霊夢以外はまだ誰も来ていない様だった。到着するのは瞬間移動の方が少し早い。俺達は一体、どの様なルート、手段で移動しているのだろうか。目撃者が居ないので、こればかりは確認のしようがない。

 

「他の連中はまだ来てないみたいね」

「そうだな。少し待とう」

 

 それから十数分程して残りの3人が到着した。

 

「矢っ張り早いですね、エクシアさん」

「ほんと、凄いです! 私達よりも後に出たのに、何でそんなに早いんですか!?」

「…潮の流れに…乗って、泳いできてるん…だって…」

「泳いで来てるんですか!? す、凄いですね…でも、それにしては濡れてない様な…?」

「私達より早く着いて乾かしたんですよ、前の時もそうでした」

「そうなのですか! 矢っ張りエクシアさんは凄いです!」

「あ、あー…うん…まぁね…」

 

 ……何か、心が痛いな…。全部嘘っぱちだし…。

 

「それにしても、セツナさんもエクシアさんと同じで泳ぎが得意なんですね!」

「へっ!?何?何のこt」

「あー! あー! …えー…、その話はまた今度にしよう。私達にはやるべき事があるからね」

「あ、そうですね。ごめんなさい」

 

 強引な話題転換にも疑念を抱かないリリーちゃんマジチョロい。

 しかし、いずれはキチンと正直に話した方が良いかもしれない。その方が楽だし、嘘をついているという罪悪感も無くなる。また今度打ち明けよう。

 

「とりあえず、3人で残りの支給品を持ってくと良いよ」

「はい、わかりました」

「わっかりましたー!」

 

 レベッカは子供なだけあって元気いっぱいだな。可愛げがあっていいよね。別に俺はロリコンじゃないけど。

 支給品に関しては、俺以外の4人で4等分である。俺は色々用意してきたので必要ない。

 

「…ちょっと、エクシア」

 

 ふと、小声でセツナが話しかけてきた。同じく小声で返す。

 

「どした?」

「あんた、あの娘達に何を吹き込んだの?泳ぎが得意とかって何の話よ?」

「いや、ちょっと色々あってね…私達は孤島に泳いで来た事になってる」

「はぁ?何それ意味わかんないわよ無理があるでしょどういう事よ?」

「だから色々あったんだよ…説明するとちょい長くなりそうだから、悪いけど今は話を合わせてくれ」

「んー…よく解んないけど解ったわ、合わせてあげる。今回のクエストに付き合ってくれた訳だしね」

「助かるよ」

「エクシアさん、どうかしたんですか?」

 

 不意にリリーから声を掛けられ、ドキッとなった。心臓に悪いよ。びっくらこいた。

 

「いや、何でもないよ。支給品は持った?」

「はい、全部持ちました」

「よし、じゃあ行こうか」

 

 そうして俺達は最初の穴蔵へと入っていった。真っ暗なので、手探りで進んでゆく。何度も通ったので、流石に慣れた。

 そして、暫く進んでゆき、外の明かりが見えてきた時の事だった。

 

 ━━━グオアアアァァァァァァッ!!!

 

 ……モンスターと思しき咆哮が聞こえてきた。今の鳴き声は……リオレウス、か?

 

「ちょっと様子を見てくる。みんなはここで待ってて」

 

 俺が一人で偵察に向かう。全員で行ったら、いざという時に身動きが取れず、大変な事になってしまうからだ。

 で、穴蔵から少しだけ顔を出して外の様子を窺うと━━━

 

「グオアアアァァァァァァッ!!」

「ガアアアアァァァァァァッ!!」

 

 ━━━地上で二頭のリオレウスが、熾烈な争いを繰り広げていた。

 ………。

 えっと、これはどういう状況なんでしょーか。

 (リオレイア)の取り合い? 縄張り争い? 単純に喧嘩?

 そもそも、ここはエリア1番だからリオレウスは来ない筈なんですがね。ケルビも居なくなってるし。

 色々とツッコみたい所だけど、とりあえずどないしよ? 駆逐して先に進むか? それとも無視して走り抜けるか?

 ……無視しよう。放っておけば勝手に潰しあってくれるし、襲ってきたらその時は既に弱っているから大して時間も掛からず駆逐出来る。

 みんなの居る所まで引き返す。

 

「どうだったの?」

「なんかリオレウスが二頭、争いあってた。相手するのも面倒だし、無視して先に進もうと思う。ただ、突っ切ろうとした時に此方へ向かってくる場合は私とセツナで対処する。その間に他のみんなは先に進んで」

「ご主人、戦闘になったら私も一緒に闘っていいよな?」

「いや、魔理沙と霊夢はみんなについて護衛を頼む」

「……うん、わかった。任せてくれ」

 

 表情には余り出ていないけど、明らかに落ち込んでいるのが解る。

 ……耳があからさまに倒れてるから。帰ったらいっぱい可愛がってあげよう。

 

「よし、行くぞ!」

 

 穴蔵から一斉に飛び出し━━━特に問題なく通り抜ける事が出来た。そもそも闘いは空中戦へと移り変わっていたので、巻き込まれる要素が無い。

 そのままエリア2番へと続く長い長い傾斜を下ってゆく。本当に長い。マジで勘弁してほしい。

 エリア2番へ辿り着くとドスファンゴに遭遇したが、セツナが風の様に駆け抜けあっという間に始末した。流石は双刃剣姫様。10秒も掛かっていない。南無南無。

 皆が剥ぎ取ってゆく中、俺とセツナは剥ぎ取りをしない。

 実は狩り祭りの後に追加報酬として、ギルドから30000zとドスファンゴの素材が腐る程送られてきたのだ。まぁ合計で300以上もの死体を積み上げた訳だしね。当然の処置と言えばそうなんだけど、大猪の皮が500個超えちまったぞ。大猪の牙も400近くある。こんなに要らねえよ、使い道も無いし。金に困ったら売ろう。

 

 剥ぎ取りを終えた様なので、再び先へ進む。今度はエリア5番だが、またしてもドスファンゴが現れた。当然、セツナに秒殺される。

 ………。

 また異常繁殖してるみたいなオチはやめてくれよ…? まぁ、ここは孤島だからそんな事は無いと思うが。

 ……無いよね…?

 

「剥ぎ取り、終わりました」

「ん、先を急ごう」

 

 更にエリア9番の方へと進んでゆく……けど、妙だな。エリア9番からは常に海の水が流れてきている筈なのに、今は何故か干上がっている。

 よく解らないけど、そのまま9番を突っ切りエリア10番へと到着━━━した所で、ドスジャギィが岩影から突如として姿を現した。

 

「……ッ!?」

 

 しかも、ドスジャギィはいきなり襲い掛かってきた。大口を開けて噛み付こうと迫る。

 対する俺は、咄嗟にファーレンフリードを展開しないまま前へと突き出した。ドスジャギィの大口が俺の弓へと噛み付く。

 

「あぶっ…ね…!」

 

 間一髪で噛まれずに済んだ。

 しかし、ドスジャギィはファーレンフリードをくわえたまま離そうとしない。

 離しやがれ………ぐっ、駄目だ、コイツ意外と力が強い…! 引き剥がせねぇ…!

 

「…この…ッ……うっ…!?」

 

 蹴りでも入れてやろうかと思ったが、横合いからジャギィが襲い掛かってきた。咄嗟に弓を離して後ろへ下がる。

 ……やべ、つい弓を離しちまった……どうせ大したダメージじゃないのに……。

 

「エクシアさん、囲まれてます!」

 

 リリーが叫ぶ。周りを見回すと、確かにジャギィやらジャギィノスやらがザッと……50ぐらいは居るか…?

 おいおい、いつの間にこんな沢山集まったんだよ…。最近、数の暴力が多くないか?

 再びドスジャギィに視線を戻すと、ファーレンフリードを向こうに放った所だった。このクソ野郎、あれが武器だって事を理解してやがるな…。

 だが、舐めてもらっては困るな。弓使いは弓が無ければ闘えないなどと思ったら大間違いだ。それをすぐに解らせてやるぜ。

 

「どうすんのよ、エクシア?」

「勿論、全滅させる。リリーとサニーはジャギィをひたすらに撃ち、レベッカとセツナは2人にジャギィを近付けさせない様に上手く立ち回ってくれ」

「わかった。けど、あんたはどうすんの?」

「私はアイツに用がある」

 

 ドスジャギィを指差す。

 恐らく、コイツらは俺達を待ち構えていたのだろう。でなければ、あんな急に襲い掛かってくる事はない筈だ。

 なればこそ、教えてやろう。

 狩られる立場にあるのは貴様等の方だという事を。

 

「魔理沙、霊夢。私にジャギィを近付けさせるな」

「了解だぜ、ご主人!」

「ええ、わかったわ」

「……さぁ、狩りの時間だ!」

 

 両手に一本ずつ矢を携え、俺はドスジャギィに向かって走り出した。

 




エク「どうやら孤島に良くないものを運んできたようだ……」
セツ「……あんた何言ってんの……?」

モンスターハンターの日常。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。