目が覚めたら何故かユクモ村に居たのでハンター生活をエンジョイする事にした   作:勇(気無い)者

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孤島オールスター大乱闘ハンティングシスターズDX

 2頭のリオレウスに続いて、今度はリオレイア亜種がエリア10番に降り立った。クルペッコも未だ健在だ。

 まぁクルペッコはどうでもいいとして、問題は3頭の火竜をどうするかだが……。

 

「エクシアはそのままリオレウスの相手をしてなさい!!」

 

 ふと、セツナが脇から飛び出し、そのままリオレイア亜種へと斬り掛かった。彼女の来た方を見やると、そこには倒れたまま動かないリオレウスの姿が。

 もう討伐したのかよ! セツナさんマジパネェッス。

 兎も角、これで俺はリオレウスに集中出来……るぅッ!?

 

 ━━━エリア9番の方からジンオウガが姿を現した。

 

 ……おかしいだろ! 何で今日に限ってどいつもこいつも謀ったようにエリア10番へ集結するんだよ! もうちょっと空気読めよ!

 うぐぐぐ……。こうなったら、魔理沙と霊夢にサポートをさせて早急にリオレウスの始末を……。

 

「ご主人、また新手だ!」

 

 魔理沙の言葉に振り返れば、海からロアルドロスがルドロスを引き連れて陸地に上陸していた。

 ……、……。

 ……ウガアァーッ!!!

 

「リリー、サニー、レベッカ! 悪いけどロアルドロス達の相手も頼む! 魔理沙と霊夢は引き続き3人のフォローを!」

 

 こうなりゃヤケクソだ! リオレウスとジンオウガの相手は俺が一人でしてやらァーッ!!

 弓に矢を番えて弦を引き、リオレウスへと駆け出した。そして、目算2、3メートルほどの距離で溜め段階4の『連射Lv4』を発射。全弾顔面に直撃させつつ地を蹴って飛び上がり、ホルスターから矢を引き抜いてリオレウスの脳天に突き刺した。そのままリオレウスの身体を越えて背後へ回り、弓に矢を番えて即座に発射。溜め段階1の『貫通Lv2』をケツにぶち込んでやった。

 続いて此方の存在に漸く気付いた間抜けなジンオウガにも『貫通Lv2』を連続で叩き込む。これはダメージを与える為の攻撃ではなく、ヘイトを煽って俺を狙わせる為だ。

 2対1だけど大丈夫。ゲーム時代では金火竜と銀火竜を同時に相手して生き延びた事もあるのだ。……あの時は一乙したけど。

 でも大丈夫。俺はやれば意外に出来る子。通信簿とかでも、やれば出来るってよく書かれていた。頑張れ頑張れ出来る出来る。

 

 ジンオウガが此方へ向かって走ってきたが、横へ回り込んで普通に回避。更にリオレウスも横合いから突っ込んできたが、先ほどと同じ様に配管工ジャンプで飛び越えて回避しつつ、ケツに『貫通Lv2』を撃ち込む。痔にでもなってしまえ。

 スタッと着地したところで、

 

「おぼふっ!!」

 

 ━━━ジンオウガの、身体を駒の様に横回転させながら尻尾で薙ぎ払う攻撃炸裂。俺の脇腹に尻尾が直撃して吹き飛び、ゴロゴロと地面を3回ほど転がった。

 い、痛い……例えていうなら柱の角に頭をぶつけたぐらいに痛い……。地味に痛いよ……泣きそう……。

 何て言ってる場合じゃない。すぐに立ち上がり、弓に矢を番えて弦を引く。

 次にジンオウガは前足で踏み潰す攻撃を繰り出してきたが、距離がそこそこ離れていたので普通に走って避けた。

 そこへ今度はリオレウスが走って突っ込んで来た。お前そればっかりだな。顔面に『連射Lv4』を叩き込みつつ、リオレウスの身体を踏み台にして飛び越える。

 ゲームだったらどうしようもない状況だが、これはゲームではなく現実(リアル)なのだ。ジャンプするというアクションによって、横だけでなく上にも避け道が存在するのである。

 まぁ、普通の人間はこんなに高く跳べないんだけど。

 

 再びリオレウスのケツに一撃入れつつ着地し、矢を番えて弦を引く。今度はジンオウガが突っ込んで来たが、横に回り込む様に走って回避。すると、ジンオウガは前足で制動を掛けて高く飛び上がり、放物線を描きながらドスンと地面に墜落。ボディプレス攻撃だ。

 ……が、俺はそこに居ない。ジンオウガから凡そ5メートルは離れた場所を走っている。目測、誤り過ぎじゃね?

 アホのジンオウガは放っておいて、まずはリオレウスだ。そこそこ攻撃を加えた上に、エリア10番へ来る前はリオレウス同士で争っていた事を考えれば、もうそろそろ力尽きる筈である。

 と、リオレウスが羽ばたいて宙に浮き上がった。次の攻撃はブレスか毒爪か。

 兎も角、墜ちろと念じながら『連射Lv4』を撃つものの、残念ながら墜ちない。続けて溜め段階1の『貫通Lv2』を撃ちまくるけど、やはり墜ちない。

 リオレウスの身体が此方に向け、足が自転車のペダルを漕ぐように動く。やべぇ、毒爪攻撃だ。恐らく回避は間に合わない。ダメージを受けるのは確実だ。

 ならば、ただでやられてなるものか。リオレウスが此方に向かって急降下してきたのと同時、俺は地を蹴って僅かに飛び上がり、手に持った矢でリオレウスの画面を斬りつけてやった。

 ━━━瞬間、リオレウスは『ブモオォッ』と怯んだ様な声を発して体勢を崩し、ドスンと地面へ落ちた。そして、僅かにもがいたかと思えば、そのまま力尽きる様に動かなくなった。

 …………どうやら、矢尻の一撃がトドメとなったらしい。なんという奇跡。余計なダメージを貰わずに済ん━━━

 

「うべるぽっ!!」

 

 背後からの強烈な一撃。俺はそのまま吹き飛び、ゴロゴロと地面を転がった。

 ……い、痛いよ……。リオレウスのトドメが意外過ぎて、ジンオウガの事が頭に無かった……。

 だが、これ以上は攻撃を貰わんぞ。3rdにおいて、討伐数のトップはジンオウガなのだ。1対1ならばノーダメ討伐は余裕のヨッチャンである。黄金の弓使い(自称)と呼ばれた俺が下位クエストのジンオウガに遅れをとる筈がない。本当に下位クエストなのかは微妙だが。

 弓に矢を番えてジンオウガの攻撃を回避しつつ『連射Lv4』の反撃を顔面に浴びせた時だった。

 

 ━━━グオオオオォォォォォォッ!!!!

 

 辺りにおぞましい咆哮が木霊した。音源の方に顔を向ければ、クルペッコの姿が。新しいモンスターを呼んだらしい。

 ……今のは……ヤツの声だ……。3rdをプレイした多くのプレイヤーにトラウマを与えた恐ろしいモンスター。

 恐暴竜こと、イビルジョー。

 

 ……おいおいおいおい、巫山戯やがって! あいつ、亜種でもない癖にとんでもないヤツを呼びやがった! 正直、トラウマモンスターだからアイツの咆哮はよく覚えている! 間違い無い!

 倒せない訳ではないが装備が悪いし、リリー達も居る。他のモンスターも邪魔だ。

 

「セツナ! 逃げるぞ!」

「はっ!?何でよ!?」

「イビルジョーが来るんだよ!」

「いびるじょー……?って何よ!?聞いた事ないわよ!?」

 

 イビルジョー知らねぇのかよ!? 狩猟経験無いのか! だったら尚更逃げるしかねぇ! 所見でアイツは無謀過ぎる!

 ……セツナなら問題無く狩りそうだけど……いや、それでもリリー達が居るのに一戦交えるのはマズい!

 

「兎に角逃げるんだよォ━━━って来た来たキタキタ!」

 

 ズシンズシンという大型モンスターの足音に合わせて地面が僅かに揺れる。見上げれば、エリア8番である飛竜の巣へと続く崖の上からイビルジョーが姿を現したところだった。

 ……あそこから姿を現したモンスターは初めて見た……とか言ってる場合じゃない。ゲームの時から思ってはいたが、何ておぞましい見た目をしてやがるんだ。

 ワニの様にばっくりと裂けた臭いそうな口。獲物を竦ませる鋭い眼光。ゴムの様な黒い皮膚に覆われた巨大な体躯。リアルで見ると、尚更おぞましい。誰だよコイツのデザイン考えた奴は……。

 

「何アイツ!?あれがイビルジョーとかいう奴なの!?」

「そうだよ! さっさとズラかるぞ!」

 

 叫びながらジンオウガの体当たりを躱す。イビルジョーも崖から飛び降りて来た。モタモタしている暇は無い。

殿(しんがり)を俺とセツナが務め、つかず離れずモンスター達の注意を引きながら、ジンオウガ、リオレイア、クルペッコ、ロアルドロスの攻撃を掻い潜り、皆に続いてエリア9番方面へと走る。

 イビルジョーも黒いブレスを吐いてきたが、何故か後退しながらだったので躱すまでもなく当たらない。おつむは余りよろしくない様子。

 そして、

 

「きゃああああぁぁぁっ!!」

「どうし━━━ッ!?」

 

 リリーの悲鳴があがり、振り返ってみれば━━━エリア9番方面から、もう一頭のイビルジョーが姿を現した。

 

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