目が覚めたら何故かユクモ村に居たのでハンター生活をエンジョイする事にした   作:勇(気無い)者

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セツナのお願い。

 黄金魚のクソクエストから3日が過ぎた頃の事。

 ギルドから依頼されたウルクスス10頭狩りという訳のわからないクエストを難なくこなして集会所に帰ってきた俺は、一人温泉に浸かっていた。

 いや、浸かっているというより湯面に浮いていた。とってもキモチガイイです。

 因みにクエストに連れて行ったオトモアイルーは咲夜と妖夢で、一緒に温泉入らんかと誘ったのだが『人前で裸になるなど、はしたないので』とか言われて断られた。

 ……体毛ェ……。

 というか、彼女たちはお風呂に入ったりしないんだろうか。

 そりゃあね、動物は基本的にお風呂入れたりしなくても平気だけどさ……アイルーも一緒なのか?

 ……猫だし一緒なのかも。まぁ、案外知らないところで水浴びなりしてるのかもしらんね。魔理沙とかも温泉には入るし。

 どうでもいい話だが、犬はブラッシングしないと臭くなる場合があります。もしも飼っているのなら毎日ブラッシングしてあげましょう。最悪、皮膚病なんかになる可能性も。

 ……イマサラタウンだけど、魔理沙たちもブラッシングした方が良いかな……。今度聞いてみよう。

 そんなどうでもいい独り言ならぬ独り思考に耽っていると、視界の端に緑色の髪をした少女の姿が映った。

 

「セツナか」

 

 身体を起こして座りながら、我らがヒーローセツナさんに声を掛けた。

 彼女も俺の隣に座って湯に浸かる。

 

「何か用事か?」

「ええ、ちょっとお願いしたい事があるの……」

 

 デジャヴッ!!

 こ、この流れは……また厄介なクエストに巻き込まれるパターン!

 い、いや待てよ。もしかしたら孤島のイビルジョー2頭討伐を手伝ってくれ的な事かもしれない。

 それについては手伝ってやると約束したから別に良いんだけど、他のクエストだったら━━━例えば、特産キノコや特産タケノコ100個納品みたいなクエストだったら流石に拒否るぞ。

 

「……クエスト、か?」

「そうなんだけど……目的はクエストじゃなくて……」

 

 クエストが目的じゃない?

 はて、どういう事なのだろうか。他に目的があるという事か?

 

「目的ってのは?」

「……ここでは話せないわ。目的地に着いたら話す。それと、今回の件は絶対に誰にも話さないでほしいの。守れないのなら今の話は聞かなかった事にして」

 

 いつになく真剣な表情のセツナ。一体どうしたのだろうか。

 よくわからないが、返事は決まっている。

 

「わかった。協力するし、誰にも話さない」

「……ありがとう」

 

 セツナがそっと身体を預け、もたれ掛かってきた。

 ……最近は本当によくひっ付いてくるな。別に嫌ではないんだけど……いや、寧ろセツナが可愛く思えてきた。俺もセツナもどうしたんだ一体。

 

「ところで、クエストは何を受けるんだ?」

「……特産タケノコの納品。20個」

 

 ……、……めんどくせっ!

 

 

 

 

 

 

 温泉から出た俺は家で装備を変更し、集会所へと戻ってきた。

 上から『バンギスヘルム』『ナルガUメイル』『ナルガUアーム』『ネブラUフォールド』『荒天【袴】』。狩り祭りの時に使った双剣セット装備である。別名女ヤンキーセット。

 発動スキルは『切れ味レベル+1』『スタミナ急速回復』『ランナー』『砥石使用高速化』。

 武器は『無双刃ユクモ【祀舞】』。攻撃力225(ブースト済)、会心率0%。スロットなし。切れ味は青で、スキル『切れ味レベル+1』の効果で白。

 正直、納品クエストだから何でもいいかなと思ったのでコレにした。まぁ、セツナの言う目的が何なのかハッキリしないので、属性武器を持って行く選択肢が無いってのも理由の一つだけど。

 オトモアイルーは外してきた。セツナがどうしても秘密だと言うからだ。連れて行かないと魔理沙が毎回ゴネるんだけど、今回はそれ程でもなかった。他のアイルーも連れて行かないからかもしれない。

 

「待たせたか?」

「いいえ、私もいま来たばかりよ」

 

 セツナとデートの待ち合わせをしていたカップルの様な会話を交えてから、特産タケノコ納品クエストを受注しようとした所。

 

「こちらは現在、重複クエストになりますけどよろしいですか?」

 

 青撫子を身に纏ったユーカにそう言われた。

 はて、重複クエストとは何ぞや?

 よく解らないので素直に聞いてみたら、セツナに呆れた様な目で見られた。

 し、仕方ないじゃんよ……俺はゲーム時代の事しか知らないんだもんよ……。

 重複クエストとは何かをユーカが説明してくれた。

 俺たちが受けようとしている特産タケノコの納品クエストは渓流のクエストなのだが、他にも渓流でアオアシラが闊歩していて危険なので狩猟して欲しいというクエストも出ている。

 こういった地域の重なっている狩猟クエストをついでにこなして来て欲しい、というのを重複クエストというらしい。狩猟クエスト同士が重なっていた場合も同様。

 因みに孤島でやった黄金魚納品クエストは重複クエストじゃないのか、という話だが。アレはまだ調査段階であり、クエストが発布されていなかったので重複クエストにはならなかった、という訳だ。情報に無いイビルジョーとか出てきたしね。

 兎も角、今回の重複クエストはアオアシラ討伐である。

 ………。

 ……逆に特産タケノコ納品クエストやらんで良くね?

 

「なぁ、セツナ。アオアシラ討伐クエストだけやれば良いんじゃないか?」

「駄目よそんなの。今回の……あ、(今回の目的を果たす為にはじっくりと)(探索したいのよ。だから納品クエスト)(じゃないと駄目)

 

 ユーカには聞こえないよう、セツナが耳打ちしてきた。

 ふむ、成る程。探索したいって事は、何かを探したいって事なのかな? 確かに、狩猟クエストではアオアシラを討伐してから1分ほどで集会所へと帰されてしまう為、探索には向かない。

 探し物だったらナズーリンの力を借りるのが良いと思うが……まだ目的について聞いてないからよくわからないし、秘密だというので仕方ない。まぁ、向こうに着いたら教えてくれるとの事なので従っておこう。

 

「わかった。なら任せる」

「ありがと。納品と狩猟の重複クエストで良いわ」

「わかりました。ではクエストクリア条件はアオアシラの討伐及び、特産タケノコ20個の納品になります。エクシアさんとセツナさんなら大丈夫だと思いますが、頑張って下さいね」

 

 良い笑顔でフラグを立ててくるユーカさん。また変な事が起きなきゃいいけど……。

 早速、クエスト出発口へと向かう。

 

「準備は良い?」

「ん、多分。というか、目的がイマイチわからないから何を準備すればいいのか……シビレ罠とか要るか?」

「要らない。まぁ特に必要な物は無いし目的も向こうに着いたら話すわ」

「ん、わかった」

 

 何か起きそうで不安だが、万が一何かが起こったとしてもセツナが何とかしてくれるだろう……と考えるのは、少々楽観が過ぎるだろうか?

 兎にも角にも、俺たちはクエスト出発口から足を踏み出し、渓流へと出発した。

 

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