目が覚めたら何故かユクモ村に居たのでハンター生活をエンジョイする事にした 作:勇(気無い)者
空を振り仰ぎながら俺は考える。
確か寝落ちする前にアカムトルムのクエストを受注したんだ。それでアイテムいじったり、温泉入ってグダグダ遊んでいる間に寝落ちしたんだけど……。
もしかしてだが、こっちの世界に来てからいきなりアカムトルムの討伐指令が下ったのは、それが原因だったりするのだろうか。
だとしたら、受注したクエストがウカムルバスではなくアカムトルムで本当に良かったと思う。ウカムって嫌いなんだよなぁ、アカムに比べて狩り辛いったらない。
2ndGの時はゴールドマロウを片手にウカムを討伐しまくってたんだけど。あの時は何となくやり易かった気がする。
3rdになってから、何故か片手剣で狩り辛くなった。何でだ。
まぁでも狩れない訳ではない。弓を持った俺はアマツマガツチだろうがアルバトリオンだろうが確実に仕留められる。
こっちの世界にやって来た俺でも、きっと同様に上手くやれるだろう。
その自信は今、俺が座っているコイツがつけさせてくれた。
倒れたまま動かなくなったアカムトルムが、な。
「さて、そろそろ一分経つ頃だな」
ゲームでは討伐終了した後、1分経過で自動的に集会所へ戻される。果たしてこの世界でも同じなのか否か。
まぁ来たときの事を考えると、同じだと思われる。
ああ、そうそう。因みにアカムトルムは恐らく十分程度で始末出来た。ゲームの時は基本的に14分とか15分、早くて13分台で狩っている。勿論、オトモ二匹連れた状態でね。
今回は妖夢と咲夜の活躍が異常だったので、何だかいつもより早く感じた。ってかすげぇ楽だった。アカムが全然こっちに向かって来ないんだもの。二匹共ノーダメージだったし、こいつら有能過ぎる。何だこのある意味チート猫。
そういや、咲夜さん一度も笛吹かなかったな……。ずっと投げナイフを投げ続けていた。まるで、本当に東方projectの十六夜咲夜みたいだったな。性格『平和主義』だった筈なんだけど……。
あ、妖夢も勿論凄かった。アカムの顔面を終始めった斬りにしていた。本当に魂魄妖夢みたいで格好良かった。別に特筆すべき事が無かった訳じゃないよ? 本当に凄かったからね。うん。
剥ぎ取りももうやっておいた。流石はモンハン至上最高の切れ味を誇る剥ぎ取りナイフというべきか、いとも容易く剥ぎ取りを行えた。出たのは鱗3枚と、尻尾1つ。どう考えても入らないと思うんだけど、アイテムポーチに入ってる。不思議。
剥ぎ取りを行えたのは4回までで、それ以上は何をやっても剥ぎ取りナイフが刺さらなかった。その辺はゲームと一緒なんだな。
あと、死体を貫通する事は出来るのだろうかと思ったけど無理だった。だからこそ、俺はアカムの頭の上に腰掛けているのだが。
もし入れたら「アカムトルムのテーマパークw」とか言って遊べたのに。
心底どうでもいい事だった。
そして、俺は一つ悩んでいる事がある。
一人称や口調についてだ。
見た目こそ超美少女だけど、中身は今年で25の野郎なのである。自分を貫いて一人称は『俺』で口調は男らしくあるべきか、それとも見た目通りに一人称は『私』で可愛らしく女を演じるべきか。
うむむと悩んでいると、周囲の景色が突然変わった。俺はいつの間にか集会所のクエスト出発口に立っている。矢っ張りゲームの時と同じで、自動的に帰される様だ。
NOW LOADINGの間が無いから違和感しか無い。別にいいけど。楽だし。
「あぁ、エクシアさん!」
ふと、俺の姿に気付いた受付嬢が此方へ駆け寄ってきた。
「良かった、心配していたんですよ…! もう一頭のアカムトルムが急に溶岩峡谷へ移動し始めたって古龍観測隊の方から連絡があって……エクシアさんに何かあったらって心配で心配で…」
やだ、何この娘…超可愛いんですけど……。本当に俺の事を心配してくれてたんだなっていうのが伝わってくる。惚れそうやわ…。
とりあえず何か返さねば。
口調をどうするか一瞬迷ったが、
「大丈夫、心配はいりませんよ。ただ、最初に遭遇した一頭を逃がしてしまいましたが…」
ひとまず敬語。出発前もそうだったしね。
「それでしたら、心配ありません。ギルドからの連絡によれば、エクシアさんが撃退した個体は少なくとも数ヶ月間は大人しくしているであろうとの事ですので、暫くは安全だと思います。……ただ、また活発化してきたのならエクシアさんに再び依頼が回ってくる事になってしまいますが…」
「構いませんよ。いつでも連絡を下さい」
キリッ、と決める。アカムなら俺にまかせろーバリバリー。
受付嬢は「頼もしいですね」と言って笑顔を見せてくれた。可愛すぎる。思わず抱きしめそうになった。そんな度胸無いからしないけど。
くっそ、俺は何でキャラクターを女にしちまったかな!!
今日ほど男にしておけば良かったと思った事はない。でも装備がゴツゴツしてるしなぁ…。
その後はギルドから報酬金━━38400zから57600zに上がっていた、乱入扱いになったらしい━━を受け取り、総額は172500zになった。加工とかで使ってたからそんなに残ってない。
アカムの素材は家に送られているとか何とか。討伐報酬の事だろう。アイテムボックスから売れるみたいだし、売ってもいいかもしれない。
そして俺は集会所を後にした。
★
「あー、疲れたー」
自宅にて。ベッドに腰掛けながら呟いた。
アカムの討伐は合わせて20〜30分ぐらいしか掛かってないけど、自分で身体を動かして闘うのはなかなかどうして疲れる。当たり前なんだけど。
ただ、矢張りハンターだからなのか、この身体は体力あるな。自分の肉体だったら絶対途中でバテてただろう。ってかアカムトレインにひかれた時点で死んでただろう。
ハンターって凄いなって、改めて思った。うん。ハンター凄い。念能力は無いけど凄い。
ふと、オトモアイルーの毛並みが蒼い方━━━咲夜が此方へ近寄ってきて、
「お嬢様、今日のご活躍お見事でした」
━━━キェアアアアアァァァァァァァッ!? シャベッタアァァァァァァッ!?
いや、アイルーが言葉を解するのは知っていたよ!? 知っていたけど話しかけてきた!? 何だいきなり何だどうしたいきなり何だ!?
っていうか語尾に『ニャ』が無くね!? お前アイルーだよね!? 語尾に『ニャ』ってアイルーのアイデンティティじゃないの!?
えっ、俺の勝手な思い込みだった!? 勘違いしちゃってごめんねっ!
っつぅか今お嬢様って言ったか!? お嬢様って何だ俺の事か!? 俺の事なのか!?
お嬢様って(笑) 中身は野郎なんですがね!
こんな事なら名前レミリアにしとけばよかったチクショーッ!
と、まぁ何か突っ込み所満載でちょっと僅かに錯乱したが、もう大丈夫だ、問題ない。
折角なので、少しお話してみようか。
「ありがとう。だが、それも二人(?)のサポートがあったお蔭だよ。礼を言わせてくれ、ありがとう」
「勿体無きお言葉に御座います」
咲夜が深々と頭をたれる。いや、隣の白い毛並みを持つ妖夢も同じ様に頭をたれている。
何だこいつら…従者か…。従者なのか。
何かまるで本当に十六夜咲夜と魂魄妖夢がアイルーになったみたいな感じだな……って、本物がどうか知らんけど。
しっかし、アイルーって本当にただの二足歩行する猫だよな。可愛い。癒される。
何て言うか、こう……抱っこして撫でたい。モフモフしたい。癒されたい。
心の内で欲求に負けた俺は、咲夜を抱き上げようと両手を伸ばした。が、咲夜はそれをサッと後ろへ下がる事で回避した。
………。
避けられた?
いや、まさか…。
もう一度手を伸ばし━━━矢っ張り咲夜はそれを避ける。
………。
チラリと、妖夢の方を見遣る。彼女━━雌かどうか知らんけど━━も此方を見上げた。可愛い。
目と目が合う〜♪ 瞬間好〜き(ry
そっと両手を伸ばし━━━妖夢もこれを避けた。
…。
……。
………。
い…いいもん……別に……。悲しくなんかねーし……。触ったら毛とか付きそうだし……別に…いいし……。
俺はいじけて不貞寝した。
この小説ですが、実は自分のデータを基にして書いております。
主人公のプレイスキルは私より少し上手い程度と考えておりますが、主人公≠作者であり、憑依した人は……どっかの誰かです。私ではありませんし、私も誰だか知りません(適当)
あと、装備に関しても自分で考えた微妙な感じのセット装備を使っています。生暖かい目で見守ってやっていただけますと幸いです。