今度は二週連続でテストがあった影響で投稿っすることが出来ませんでした。これからは少しだけ落ち着きそうなので再び更新をスタートさせたいと思います。
ミッドウェー島 近海 戦艦「霧島」にて
「敵艦更に発砲!」
「回避行動!」
「比叡」と「霧島」が左右に分かれる。そしてすぐにその中央に巨大な水しぶきが上がる。
「至近弾です!」
戦艦「霧島」の巨体が大きく揺れる。敵艦が発砲するごとに至近弾は近くなっていく。そのままではなぶり殺しに会うだけだったが。
「本艦の射程に入りました」
必死の回避行動を続けた結果、ついに射程に入れたのだ。
「紀伊がくれた兵器を使う時がきたわね」
「主砲照準良し」
「発射角良し」
「撃てぇ!」
すると実弾の時とは軽い発射音がしてまっすぐに光が敵艦へと進んで行く。
「命中!」
「凄い。精度も良くなっている」
粒子砲という武器も凄いが精度が良くなったという事の方が現実味があり、しっくりと来た。
「敵艦のバリアらしきもを展開。こちらの攻撃は全て無力化されました」
「やはり無理か・・・」
少なからずは予想はしていた。あの高速戦艦にバリアのようなものが付いていてあの巨大戦艦に付いていないはおかしかったからだ。
「敵艦進路変えずにそのまま突っ込んできます!」
「まさかあの戦艦突っ込む気じゃないでしょうね」
普通なら昔の船同士の戦いじゃあるまいし、自艦にも損傷が来るためよほどのことが無い限りすることは無いだろう。しかしそれはあくまで”普通”の範疇に収まっていたらだ。あの戦艦はどれをとっても規格外であり、常識をはるかに越えていた。
「機関全速面舵いっぱい!全力であの戦艦の航路から外れるわよ」
「「比叡」も取り舵を取りました」
さすが日柳だ。こちらの意図を明確に分かっている。
「こちらの被害はどう?」
「はい。我々が引き付けている間にどうやら敵に発見されることなく目的地に向かっているようです。しかし航空部隊の到着は遅れるそうです」
「分かったわ。それまで持ちこたえましょう」
真野は皆を励ます。おそらく向こうの日柳も同じようにしているはずだ。
「しかしあの戦艦の防御を突破しないことには有効な攻撃が本体に届かないわ」
真野はすばやくあのシールドの本質を見抜いていた。
「何か効果のあった攻撃はある?」
何かの武器で船体に攻撃できたという情報があればあれに十分に対抗できると思ったのだ。
「いえ。こちらの攻撃は戦艦以外の全ての艦の砲撃も無効化してしまい。魚雷攻撃も行いましたが被害は砲撃と同じようにまるで無いそうです」
さすがにそんな虫の良い話はないようだ。こちらの手持ちの武器ではあのシールドを瞬時に貫通するものは無い。それなら持久戦で地道にシールドを破壊するしかなかった。
ハリマ甲板にて
「ああもう!ちょこまかと!」
自分の砲弾をちょこまかと避けていく敵の艦艇にハリマは悪態を吐いていた。
「この砲は威力があるけど精度と弾速がなぁ・・・」
ハリマの主砲である80cm主砲は確かに威力が超兵器の中でも群を抜いて高いがその代り精度と弾速が犠牲になっており敵からしたら『確かに威力は強いが当たらなければどうということは無い』という感じなのである。
「でもこの弾幕から抜け切れるかな?」
ハリマは既にいくつかの方が砲身加熱してしまうほど撃ち尽くしていた。その効果もあってか既に敵艦のほとんどが何らかの攻撃を受けていた。
「しかしあの戦艦二隻には中々当たらないな」
さっき”ほとんど”と言ったがそれがあの二隻であった。自分の弾幕を紙一重で躱しながら着実にこちらの防壁を削ってきていた。
「ああ!もう!面倒くさい!あれを使うよっ!」
彼女は中々当たらないことにいら立ちついにVLSの発射管を開いた。こんな雑魚にハリマは構っている暇は無かった。それにここの付近ではヴィンベルヴィントが消息を絶ったのだ。もしやられたのなら気をつけねばならなかった。
「でも自分はあんな高速戦艦みたいにやられないからね!」
もしやれるとしたらあの戦艦しかいないだろう。自分を沈めたあの白い戦艦がヴィンベルヴィントを沈めたやつとは限らない。
「そうだよ。何を今更・・・・」
そして自分が一番楽しい時間がなぜか暗い雰囲気になってしまっていた。
「あーもうっ!やだやだ!こうなったら奴に怒りをぶつけてやる!」
他人から見たらそれはただの八つ当たりに見える。そして今までの雰囲気を吹き飛ばすために攻撃目標をあの戦闘の戦艦に向けた。
戦艦「比叡」
「敵艦発砲!・・・!?」
「どうした!?」
「敵墳進弾を発射しました!」
どうやら向こうもこちらを消し炭にする覚悟のようだ。
「全艦に通達!対空防御を急がせろ!」
「貴様!指揮官は私だろう!」
「今、そんな事を言っている場合ですか!」
この指揮官は適切な指示も即座に出さない癖に自分のような部下が自分の指揮に口を出すと途端に怒り出すのだ。しかし今の現状でそれに構っている時間は一秒もないのだ。
「あとでいくらでも聞きます。しかし墳進弾が来ている以上は対空防御が必要です」
「そ、そうだな。私も今、指示を出そうと思っていたところだ。対空防御を急がせろ!」
彼が命じてから少しすると何か黒い物体が見え始めていた。それに合わせて全ての対空兵装が火を噴く。
「主砲はそのまま砲撃を続けんだ!敵に本格的に反撃する前に壁を突き破れ!」
砲撃も副砲の一斉射に負けないくらいの轟音を放ちながら砲弾を発射する。しかしその弾幕を潜り抜けてきた墳進弾が迫ってきた。
「墳進弾二発抜けました!」
「衝撃に備え!」
その言葉の直後に衝撃が走る。しかし船体は無傷だった。クラインフィールドが攻撃を防いでくれたのだ。
「これが無ければ危なかった」
敵の攻撃の高さに肝を冷やすがこの防壁の性能の高さに同時に感嘆した。
「ぼさっとするな!!次来るぞ!」
感嘆している日柳に御坂教官が叱咤を入れる。その言葉を裏付ける様に砲弾が至近に降り注ぎ、ついに被弾した。
「くっ!!」
「「比叡」大丈夫か!?」
日柳が歯を食いしばりながら耐えている「比叡」を心配する。
「「比叡」は大丈夫です!お気になさらず戦闘に集中してください!ですがクラインフィールドは約2割が削られました」
「比叡」が被弾したのは二発だが一発で約一割削られたとすればとんでもない威力だ。
「だが脅威である主砲は精度と弾速が桁外れに悪い。とすると残る武装は副砲と対空砲、墳進弾の三つだが副砲は射程距離が短いはず。とすれば残るは墳進弾だけだ。対空強化をしておけば大丈夫なはずだ」
主砲弾に常に意識を向けておき、墳進弾を対空砲で片付けていき、そして主砲で地道に削っていけばいつかはあの巨体が倒れると思った矢先である。更に思い衝撃が艦内を襲った。
「何事だ!?」
山口提督が衝撃に動揺しながら説明を求めた。
「敵主砲弾が更に三発命中!「霧島」も同様です!」
「何だと!?」
そこで全員が思った。おかしいと。
「なぜ急に敵の精度がいきなり上がったんだ?」
しかしその疑問が一人の見張り員が解消させてくれた。しかしそれは同時に絶望も運んできた。
『太陽の中に何か黒い物体が!あれは・・・・』
見張り員が何かを見つけた。
「どうした何を見つけた!」
『気球です。あれは弾道観測用の気球です!』
「しまった!!」
誰もが気ずいたのだ。
「すぐに全ての対空砲で撃ち落とせ!」
すぐに命じる。一斉に射撃を開始するがこれまで気球が見つからなかったのは太陽光が反射していたからだ。それは太陽を背にしながら悠々と浮かんでいる気球を撃ち落とす射撃員達にも同じことが言えたのだ。
「俺達は奴の攻撃ばかりに気を取られ過ぎていた。そして奴の”キルゾーン”に入ってしまった!!」
今更気ずいても時すでに遅かった。
「かかった!!」
ハリマはその甲板で指を鳴らした。どうやら予定していたポイントに見事引っかかったみたいだった。
「さぁ~~て仕上げといきましょう!!」
敵艦は必死に対空砲などを撃っているが太陽光に隠れているのだ。中々上手くは当たらないだろう。敵が射撃に夢中になっている間にハリマは展開している弾道観測用の気球に自身の射撃システムを同調させる。
「射撃システムオールグリーン。弾道観測用気球システム正常。主砲同調OK。射撃準備完了。撃て!!」
ハリマの全ての主砲が二隻の戦艦と他の艦艇達に襲いかかった。
襲い来る衝撃に艦の誰もが耐えていた。しかし我慢しても来る報告はどれも絶望的で希望など見えなかった。
「「青葉」被弾!損傷はありません!」
「「夕立」、「雪嵐」被弾!防壁が貫通されそうです!」
「「ペサンコーラ」、「ノーザンプトン」、「カップス」被弾!前の二隻は大丈夫ですが「カップス」は防壁が貫通されそうです!」
「くそっ!!」
「う、撃ち返せ!」
主砲が各艦から上がる。しかしあの巨大な船体に当たる前に防壁に防がれてしまう。
「本艦の被害はもう少しで防壁が貫通されます!」
あの巨大戦艦はこちらが旗艦だと知ってか知らずか優先的にこちらを狙って来ていた。周りの僚艦の被害が少ないのもこの為であった。
「次弾来ます!!」
次喰らったら今度こそ終わりだった。敵艦が他の艦に向けていた砲をこちらに向けていた。
「砲がこっちを!!」
「衝撃に備えろ!!」
全員が来たるべき衝撃に備えた。しかし一向にその衝撃は来なかった。
「どうしたんだ?」
その疑問は今までと同じですぐに解消された。
「なぜ?なぜなんだ・・・・」
ハリマは敵艦をもう少しで仕留められる所だった。しかし発射を行うように手を振り上げたがその手が時が止まったかの様に止まっており、ハリマ自身はまるで幽霊を見るかのような目をしていた。
「なぜお前がまだ存在している・・・!?」
忘れるはずが無い。あの白い戦艦。間違いなくヤツだ。
「なぜお前がまだいる!?超戦艦キイ!」
「ぐ!やはりまだ頭痛が・・・」
紀伊は先ほどの頭痛が続きながらここまで来たのだ。
「あの戦艦は・・・ヴィンベルヴィントと同じ奴か?」
しかし艦の形状は全く違っていた。ヴィンベルヴィントが速度を重視していたのなら、あの戦艦は火力重視なのだろう。
「だが日柳達は・・・・やらせん」
弱弱しい手で攻撃命令を出した。船体の主砲とⅤLSの弾頭がハリマに襲いかかった。
「ちっ!!」
ハリマは舌打ちながら迫りくる弾頭を迎撃した。しかし主砲のレーザーは回避し様がない。あれだけの無敵を誇っていた防壁がいとも簡単に削られていく。
主砲は慌てながらも紀伊に向けて向ける。
「撃てぇ!!」
紀伊の船体の周囲に無数の水柱が立つ。しかしそれだけだ。さすがの巨体である為、ハリマの80cmの至近弾を喰らってもびくともしなかった。ダメージを与える為には主砲弾を直撃させなければならないが”直撃”しなければ意味が無い。精度を上げるための弾道観測用の気球も全てあの艦隊に差し向けていたのだ。
「だがミサイルなら・・・」
そこで再びの衝撃が走った。紀伊からではない別の方向からだった。
「鬱陶しい!!」
後方の日柳艦隊だった。前から紀伊の砲撃とミサイル攻撃、後方からは日柳達の艦隊の砲撃。紀伊の登場によって全ての立場が一遍してしまった。
砲撃とミサイルの攻撃をハリマは紀伊に絞った。凄まじい弾幕が両者の間に広がった。
「夕日を背にしての殴り合いだな。こりゃあ」
紀伊は一気に距離を詰める。そして火力を一遍に集めた。ハリマのミサイルを自分の弾頭で叩き落として一気に主砲の砲塔を防壁で最も脆くなっている部分に集中砲火した。
夕日の中にガラスが砕けた様な音が広がった。
「防壁が・・・・!」
だがまだまだやれる。このハリマにはまだ強靭な装甲がある。反撃しようとした時に頭の中に声が聞こえた。
『そこまでよ』
その言葉に驚愕しているハリマ。
「なぜだ。まだ私はやれる。奴を今度こそ倒す!」
そのハリマの熱意は彼女には届かなかった。
『今、あなたを失う訳にはならないわ。それともここで無様に沈みたいかしら?復讐もろくに果たせずに』
「くっ!!」
彼女の言葉は正しい。悔しいがここは撤退するしかないだろう。だが最後にやることがある。
ハリマはあの白い戦艦に向けて通信を繋いだ。
「攻撃が止んだ?」
突然攻撃が止まったのだ。おそらくシールドを破壊した影響だろう。
「うん?無線だと?」
あの戦艦から通信が入っていた。
『久しぶりだなキイ』
「お前は誰だ?」
『忘れたか?ハリマだ。超巨大双胴戦艦ハリマだ』
どうやらあの戦艦はハリマというらしい。
『超戦艦キイ。お前は今回も勝った。だが三度目は負けないぞ。精々首を洗って待っていることだな』
「待て!お前も何か知っているのか!?」
だがその言葉は続かなかった。その前にハリマから強烈な光が出た。
それは紀伊も日柳達の艦隊もミッドウェイ島まで飲み込んだ。
今回ハリマと紀伊の戦いに決着がつくと思った人は手を上げてください!!(は~い)
残念でしたハズレです。(決着がしてほしかった人すいません)
ようやく番外編が終わり、蒼き鋼編に戻れます。
次回 ハリマとの戦いを中途半端な状態で終わってしまった紀伊と日柳達であったがハリマが突如出した光が彼らを襲う。光が消えて紀伊達が見たものは紀伊にとっては懐かしい物だった。