原作とアニメどちらの方向にしようかは正直言って迷っています(汗)
ハルナ、キリシマ撃沈から数時間前 とある軍港にて
一人の少女がまだ危険区域に指定された軍港に入ってきていた。彼女はまだ若くこんなところに入ってくる人間には見えなかった。
彼女は海を見渡す。しかしすぐに視線を逸らして倉庫群に走っていった。彼女が見ていたのは大戦艦ハルナの”残骸”であった。
「・・・・・」
彼女は港に爆心地に近ずく程に周りに積もっていく白い粉状のものに目を向けた。ふと何を思ったのか、自分の足元の白い粉を指で撫でた。指についた粉をじっと観察する。
「銀砂・・・・ナノマテリアルだ」
そう呟いた後に少女は何かに気がついた。それは”黒い大きなコート”だった。それを拾い上げてぽつりと呟いた。
「これだけ銀砂になっていない・・・・」
コートといっしょに彼女は自分の隣にある倉庫の壁に人型の穴が開いていることに気が付いた。少女は何の躊躇いもなしにその中に入っていった。
「・・・・・?」
中に入ってみるとかなりの量の銀砂があちらこちらに積もっていた。その中に黒い物体があった。
試しに拾ってみるが中は空洞かと思う程に軽かった。しかもこんな物質は見たことがなかった。彼女は倉庫を見渡した。真っ白になってしまった倉庫内であるがこの物体と同じくもう一つ違う点があった。下着になっている少女が倒れていたからだ。
太平洋沖 超戦艦ヤマト
「あの艦艇群は・・・・?」
「ふ~ん」
ヤマトを含む霧の艦艇達はいきなり自分達の艦隊の中心に謎の艦艇群が出現したことに戸惑いを隠せないでいた。
『総旗艦。いかがいたしますか?』
聞いてきたのは第二水雷戦隊に所属している「ユキカゼ」だった。
「もう少し様子を見てみましょう。向こうが接触もしくは敵対行動を取った場合は適切な処置を。最悪撃沈しても構いません」
「分かりました」
それを横目に見ていたコトノ。ヤマトは何かとユキカゼを信頼している様で何かとユキカゼを介して指示などを出しているように見える。本人は否定しているが。
ふと思い出して顔に出してしまいそうになる。しかしその時にヤマトの索敵に何かが引っかかった。
「?・・・・これはおもしろい事になりそうねぇ」
事態は急変した。残り十分で肩を付けることが出来るのか見ものだった。
戦艦「比叡」艦橋にて
「いたた・・・・全員大丈夫か?」
あの閃光の後に自分達はどうやら倒れていたようだ。しかし被害は皆無らしく次々と無事との声が聞こえてくる。
「私は大丈夫だ」
「私も同じです」
「大丈夫だ」
上から御坂教官、堀江、山口提督と声が聞こえてくる。
「こんなことは短期間で何回も起きたが・・・・」
こんな異変は何回もというレベルで言える言葉では無かった。その異変に何回も救われたり、命を奪われかけたこともあった。今回もその類の者でしょう。
「見張り員!何か見えるか!?」
状況を確認しようと何度もお世話になっている見張り員に山口提督が叫ぶ。
『前方に戦艦群!極めて至近です!!』
「またこの状況か・・・・」
どうやら目の前の戦艦はキイと同じ類の戦艦だろう。姿形がいっしょだ。しかし模様や色彩が微妙に異なっていた。
「全艦に通達。発砲は禁ず。繰り返す決して発砲をするな」
こうすれば無暗な戦いは起こらないであろう。
「それとあの艦隊に通信を。何らかの接触が図れるかもしれない」
あくまでキイを前提にした物だがなとは言わなかった。これは再びの賭けだ。向こうがキイといっしょとは限らない。
「今度は蛇が出るか鬼が出るか・・・・」
自分は紀伊。”今”の世界では霧の超戦艦クラスの艦艇キイとして過ごしている。最初は訳が分からなかったが段々と自分が置かれた状況が分かってきだした。そういえばここまでくるまでも激動の時だったよなぁ。
最初は浮上してなぜか霧の重巡チクマと戦う事になってそれから横須賀に着いて日下部と出会って少し休んだらなぜか陸軍が突入してきて逃げたら日下部が乗る「黒鯨」と戦う事になって、それからSSTO防衛でイ401と群像達クルーにあって、再び横須賀に戻る途中で今度は重巡タカオと戦うことになって、更には謎の潜水艦、ハルナ、キリシマと戦って異世界に飛ばされて何か俺の正体を知っているヤツラが現れて・・・・
「ヴィンベルヴィントにハリマか・・・・」
現在ヴィンベルヴィントは俺の船体に繋がれている。途中でかなり予定が狂ってしまったため、船体の修復は30%くらいしか完了していない。対するハリマのほうだがあの閃光の後はどこに行ってしまったのかまったく足取りは見えなかった。そして現在俺がどこにいるのかというと・・・・・
「考えに浸るのをやめてとりあえず現状を把握するか・・・・」
なぜか大きな屋敷にいた。しかも高級そうなベッドに寝かされていてというおまけ付きだ。
「船体はここから離れた沖に停泊しているみたいだし、ヴィンベルヴィントも起動はしていない」
つまりこれは自分でもヴィンベルヴィントでも無いということだ。つまり第三者がいる。
「一体誰がこんな」
その時に何かが巻き上がるような大きな音が聞こえた。音源から隣の部屋の様だ。
「うぁあ!?」
誰かの声が聞こえる。少女の様だ。
「この隣だな!」
自分の部屋の扉は施錠はされていない。急いで開けて隣の部屋に入った。
「どうした・・・・の?」
紀伊は困惑した。その絵図は少女が何かに吹き飛ばされたのか地面に転がっている事。もう一つは下着の少女が自分と同じようなベッドで寝ていることだった。
(!?この反応は・・・そうか)
紀伊は下着姿の少女の方にある反応を見つけた。しかしこの反応はまずかった。もう一方の地面に転がっている少女はどうやら”人間”のようだった。
(この反応は・・・大戦艦ハルナ)
それはかつての横須賀との戦いで自分とイ401、黒鯨、白鯨と共に倒した大戦艦級の一隻であった。
「あ!君も起きたんだーー良かった!」
地面に転がった少女がこちらに駆け寄ってきた。どうやらさっきの言動からするにここに連れてきたのはどうやら彼女らしい。
「う・・・ん」
ベッドのハルナもどうやら起きたようだ。少女は黒いコートを持ちながら彼女に近ずいていく。
「これあんたの?」
どうやらあのコートがハルナのものかどうかを尋ねているようだ。
「それ・・・返して・・・」
ハルナがコートに手を伸ばしあと一歩の所でコートを掴むという手前で少女が華麗にコートから彼女の手から放した。ハルナも負けずに何回も手を伸ばすが少女も華麗に躱す。
「しく・・しく・・しく・・」
とうとうハルナは泣き出してしまった。しかしなぜかすすり泣く音が一定である。
「・・・・」
さすがにやり過ぎたと思ったのか少女は後ろからコートをハルナに着せてやった。
「・・・・ありがとう」
お礼をハルナが言う。そして目にも止まらぬ速さでそれを着た。
「シャキーン」
謎の効果音を付けながらそれまでとは打って変わって冷静な口調になる。
「それとこれ。いっしょに落ちてたの。あんた何か知らない?」
見たことも無い物質でできていたけどと付けたしながら少女は何かをポケットから取り出してハルナに渡した。
「それは・・・」
その光景を見たいた俺は初めて声を出した。ハルナは初めて俺の存在に気ずいたようだった。
「お前は・・・!」
しかし状況を理解したのか。黙って口を噤む。さっきの続きをべらべらと話してしまったら自分はメンタルモデルですと宣伝してしまうことになる。人間である少女の前で離すとのはさすがに不味かった。
「私は刑部 蒔絵よろしくね!」
明るい表情で彼女は言う。彼女のこの言葉で場が少しだけ和んだ。
「それにさ。あんた達の名前は?」
「俺はキイよろしくな」
「ハルナだ」
二人ともすぐに答えた。
「あんた達がどうして倒れていたのかは分からないけどその恰好はまずくない?」
確かに俺は全身炭や傷だらけの服で。ハルナに至ってはコートの下は下着という格好だった。
「どうしようか?」
「どうすればお前たちにはまずくないんだ?」
俺とハルナは蒔絵に意見を求めた。すると彼女は嬉しそうに
「あ、そうだ!私の余った服とお父様の服があるから貸してあげる!」
すると彼女は仕切りがある部屋の隅に行ってしまった。
(おい、貴様)
ハルナが通信で呼びかけてきた。
(何だ?)
(なぜお前がここにいる?)
(知るか。気が付いたらこうなっていた。ところでそこの物体はキリシマのコアだな?)
(物体言うな!)
おや?どうやらしゃべれるらしい。声と口調から察するにハルナとキリシマは正反対の性格らしい。
(ところでお前はどうしてこんな所に?わざわざこんな所まで来て私達を消しに来たか?)
キリシマが今度は質問の雨を降らしてきた。しかしそれをハルナが遮る。
(いやキリシマ、今はそんなことは重要ではない。キイと言ったな?その反応から察するに超戦艦クラスだと思われるがこれに問題はないか?)
さすがは冷静なハルナ。核心を付いてきた。
(おそらくそちらの認識ではそうなのだろうな)
(なぜ疑問形?)
むっ?キリシマが少し煩いな。別にいいではないかいいでは。
(仮にそちらが超戦艦クラスだとしよう。しかしなぜ貴官が我々と敵対する?)
うっ・・・そこは真実は言えない。不幸な行き違いでこういう状況になってしまったなんてこんな状況では微塵も言えない。そこで俺は嘘を吐くことにした。
(俺は目覚めた時に攻撃されていたのが人類側の艦艇だったから守ろうと思い、それを実行した。だから今の状況になってしまった)
いや、完全な嘘じゃないぞ。ちゃんとその時の自分の本心も入れている。しかしハルナ達は内心では慌てている紀伊を何を勘違いしたのか真剣な眼差しで見ていた。
(ならばお前はなぜ人間の男の姿を取っているんだ?)
これはさすがにどうしようも無いだろう。もう知らん。適当に誤魔化そう。
(正直に言うと分からない。目覚めた時には既にこの体が出来ていたからだ)
(・・・・そうか)
危ない。何とか誤魔化せた。
(最後の質問。お前はイー401と共に霧に帰ることは望まないのか?不幸な行き違いならまだ弁明の余地はアrと思うのだが?)
最後の質問に関しては必ず切り出してくると思っていた。今の俺は今や霧と人類、両方によってイレギュラーである。しかも超戦艦クラスというおまけ付きだ。霧としては更なる切り札が増える。人類としてはイー401、振動弾頭と同等かそれ以上の最強の切り札となるだろう。
俺は中立だ。自分の手が届く限りの人(日下部や群像など)の命が脅かされれば俺は霧や人類両方に牙を剥く。
(俺は中立の立場だ。人類にも霧にもつかない)
日下部達は例外だがな。それを言った瞬間に蒔絵が戻ってきた。
「ごめん!遅くなっちゃった!さっきから静かだけどどうかしたの?」
蒔絵が不思議そうに聞いてくるが両方共に「何でもないよ」と言った。
「それよりさ。紀伊の方は決まったんだけど。ハルハルのは決まらなかったの?」
「は、ハルハル?」
おそらくハルハルと言うのはおそらくハルナのことだろう。ハルナ自身も目を丸くして驚いている。しかし蒔絵の顔はニコニコしている。悪気はないのは確かだ。
「じゃあ俺は向こうの部屋で着替えてくるよ。頑張ってね~~ハルハル♪」
「あ!ちょまっーー」
その前に扉を閉めた。服を着替える時にとなりの部屋から
「堪忍してつかぁーさい!!」
という声が聞こえてきたが聞いていないことにしよう。
横須賀沖
「クラインフィールド60%を喪失!」
「第八ブロックを閉鎖!」
『「黒鯨」の損壊率は20パーセントだよ。既に一ブロックは浸水しているよ!』
「音響魚雷を発射しろ。本艦は右舷、黒鯨は左舷だ!」
「了解!」
『了解!』
二発ずつが二艦から発射された。既にこの二艦は多数の艦艇に包囲されていた。
「大型の反応は二つ。しかし小型の反応は多数。おそらく無人の攻撃艦でしょう」
しかし大型の反応は二つは既にどこかに消えてしまっていた。
「くっ!」
群像はここにきて苦しい顔をした。
「更に前方と後方から魚雷多数!」
紀伊が新たな出会いをしたが群像達は新たな苦難に直面していた。