涼宮ハルヒの日常   作:My11

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キョン子「えっと、入部じゃなくて入団なんだな」
キョン「まあSOS団だしな……ってツッコミどころ違くね?」


第3章 朝比奈さん入団

ハルヒがSOS団なるものを立ち上げてから三日ほどが過ぎた。

ここ文芸部室、もといSOS団の部室は日に日に物が増えてきた。

 

最初はテーブルとパイプ椅子に本棚のみだったが、現在移動式ハンガーラックやロッカー、ホワイトボードなどなど……。さらに団長席というのもできた。

あ、団長ってのはハルヒのことだ。

 

ハルヒはどこからこんなものを持ってくるんだ?まあ、運んでくるのはキョンだがな。

 

 

え?なんでハルヒって名前で呼んでるかって?ハルヒに名前でいいと言われたからだ。

まあ、あたしだけでキョンには言ってないが。

 

 

今あたしはキョンとトランプでゲームをしていた。長門はいつものように窓際で本を読んでいる。

ハルヒは?というと、今日も団員探しだ。これといった団員が見つからないらしい。

平穏な時間を過ごしていると、部室の扉がバーン!と開いた。さすがにもう慣れてしまったその音を聞き、扉のところにいる我らが団長様を見る。

 

「見つけたわよ!新しい団員!」

 

そう言って一人の少女を引き連れて入ってきた。

 

「こ、ここ、どこですかぁ?なななんで私、ここへ連れて来られたんですかぁ?」

 

その少女はとてもおどおどしていた。たぶん、ハルヒに無理矢理連れて来られたんだろう。

 

それにしても女のあたしが言うのもなんだが、かっ可愛い。その顔は童顔で、見た目はまさしく天使のごとく。さらには……。

 

「新しい団員の朝比奈みくるちゃんよ!」

「えっ、えぇ!!な、なんでそう……」

「黙りなさい」

「ふえっ!」

 

ハルヒがそう言うとまたなんとも可愛らしい声をあげ、黙った。

 

「そっそれで、なんでこの人なんだ?」

「まったくダメねキョンは!見てみなさいよ!顔は童顔なのにスタイル抜群だし、このおどおどしたときの可愛らしい表情!所謂一つの萌え要素!我がSOS団のマスコットキャラクターにふさわしいわ!」

 

確かに、マスコットキャラクターとしては最高の人員だ。

 

「それに見てよ!」

 

ハルヒは彼女の後ろに回り、後ろから彼女の胸をわし掴んだ!

 

「えっ?ふ、ふえぇぇ!!」

「見なさいよこの胸!確実にあたしよりあるわ。背は小さいなのにどうしてこんなにあるのかしら……」

 

ハルヒはそう言いながら彼女の胸をモミだしていた。

おいおいまるっきり変態だぞ?ハルヒ。

 

まあ確かにその胸は大きい。ハルヒもなかなかあるがそれより大きい。

あたしは………ち、小さいからな……。

彼女は彼女で、

 

「や、やめてくださぁい!ははは、離してぇ!」

 

と、またまた可愛らしい声をあげ両腕を振っている。

 

「おい、もうやめろ。朝比奈さんも迷惑だろ」

 

キョンがそう言って、朝比奈さんとハルヒを離した。

 

「だいたい、勝手に連れ出して無理矢理団員に入れるな!しっかり彼女の話も聞いてやれ」

「わ、わかったわよ!みくるちゃん?何か部活とかに入ってる?」

「い、いえ。特に何も……」

「じゃあ、ちょうどいいじゃない!決定!」

「えぇ!」

 

 

と言うことで、成り行きで入ることになってしまった朝比奈さんだった。

なんでも朝比奈さんは、2年生だと言って驚いた。(胸を除けば)どう見ても中学生にしか見え……ゴホンッ!

すみません。朝比奈さん。

それにしてもハルヒは2年生の教室から連れてきたのか。相変わらずすごい。

 

 

 

朝比奈さんは今、なぜかある給湯ポットと急須でお茶を煎れている。

ハルヒは団長席に座って何やら考え事をしていた。

 

「お茶煎れましたぁ」

「「あ、どうも」」

 

2年生にお茶を煎れてもらっているなんて、普通は逆なんだがな。

飲んでみるとそれはもうとても市販のお茶をただ煎れただけとは思えないような感じで、おいしかった。

 

「どうですか?」

 

朝比奈さんが心配そうな顔で訊いてきた。

 

「あ、とてもおいしいです!」

「そうですか。よかったです」

 

そう言って、朝比奈さんは微笑んだ。

まさに、十人の男子がいたら十人とも振り向くであろう、なんとも可愛らしい笑顔だ。

キョンも目が糸目になってるし。

 

するとハルヒがいきなり机を叩いて立ち上がった。

 

「わかったわ!」

「な、なにがだ?」

 

キョンが恐る恐る訊くと

 

「何がたりないかわかったのよ!この情報化社会にパソコンの一台もないなんてありえないわ!我がSOS団にも一台必要不可欠よ!」

 

はあ、またなんかありそうだ。

 

「で、そのパソコンはどこから持ってくるんだ?あてでもあるのか?」

「何言ってるの?隣のコンピ研から一台もらうのよ」

 

やっぱりか。

 

「おい!いくらなんでももらうなんて……」

「うっさい!みくるちゃん、一緒に来て!ほらキョンも!」

「えっ、えっ?私も行くんですかぁ?」

「はあ、やれやれ」

 

ハルヒは朝比奈さんの腕を取ってズンズンと部室を出て行った。キョンもその後に続いた。

いやーな予感がするのはあたしだけだろうか。

 

 

ここは旧校舎なので建物が古いうえ隣との壁が薄く、耳を澄ましていると会話が聞こえてくるものである。

もうすでに部室に乗り込んでいるらしい。

 

「なんだ君たちは!?」

「パソコンを一台、我がSOS団に進呈しなさい!」

 

さすがにハルヒの声は丸聞こえである。

 

「そ、そんなの無理に決まってるだろ!」

「あ~らそう。だったら、みくるちゃ~ん?ちょっとこっち来てくれる?」

 

ん?ハルヒは何をするんだ?

 

「ひえぇ~~~~~~~!!」

「う、うわあぁぁ!」

 

すぐに朝比奈さんとコンピ研部長の悲鳴があがった。

 

…あー、なんとなくわかってしまった。ハルヒのやつ……。

何が起きたかは、みなさんのご想像におまかせします。(まあ、わかると思いますが。)

 

 

程なくしてパソコン一式を抱えたキョンとご機嫌なハルヒ、顔を真っ青にした朝比奈さんが戻ってきた。

朝比奈さん、……ご愁傷様です。

 

その後もパソコンのネットが繋がるようにコンピ研の部員の人たちが配線をセットしたりと、コンピ研の人たちはハルヒにこき使われた。

……ドンマイ、コンピ研部員。

 

ハルヒとキョンはさっそくパソコンにSOS団のサイトを作るため、いろいろと話していた。

朝比奈さんは、床に座りこみ顔をうつむいていた。

あたしは朝比奈さんのところまで行き、屈んでハルヒに聞こえないように話しかけた。

 

「朝比奈さん、だ、大丈夫ですか?」

「うう……だ、大丈夫ですぅ」

 

朝比奈さんの声は変にうわずっていた。

 

「あの……、ハルヒには後で無茶苦茶な事をしないようにとキョンが言うと思うんで。それに、嫌でしたら無理してここに入らなくてもいいんですよ?」

「い、いえ!せっかく部活に入ったので。がんばりたいと思います!ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いします」

「あ、いえ。こちらこそ、よろしくお願いします」

 

なんて健気なお方だ。若干言うセリフ等を間違っている気がしないでもないが。これはあんまりハルヒに無茶をしないように言っておかないとな。

 

 

 

最近恒例になりつつある、長門が本を閉じる音で本日の活動は解散となった。

キョンはサイト作りを命じられさっそく明日の昼休みから作ることに。

 

ハルヒが帰る前にあたしに言った。

 

「あ、そうそうキョン子。明日部室に行く前にちょっと玄関に来てくれる?」

「な、なんでだ?」

「仕事よ仕事。じゃ、また明日ね」

 

そう言って、ハルヒは帰って行った。

 

ついにあたしにも仕事か……。いったい、何をするんだろうか。

疑問を浮かべながら、あたしは帰り支度をした。

 

 

 

「キョン子ちゃ~ん!」

 

キョン、長門、朝比奈さんの三人と玄関を出ると、ハルヒ並の元気な声で後ろから呼び止められた。

振り向くとそこには同じクラスの青木夏姫が明るい笑顔でこちらに手を振っていた。

 

夏姫は入学式の時からとても仲良くしていて、性格はハルヒ並の元気と明るさを持っている。

髪型がいつもツインテールで運動神経が良い。

最近はやたらとキョンについて話してくる。一目惚れしたらしい。よく相談してくる。

もちろん、この事はキョンには内緒だ。

 

「お~い、先行ってるぞ」

「ああ。後で追い付く」

 

そう言ってキョン、長門、朝比奈さんは歩き出した。あたしは夏姫を待ち来たところで一緒に歩き出した。

 

「ところでキョン子ちゃん。ユッキーはわかるけど、キョンくんの左隣の人は誰?」

 

夏姫は朝比奈さんをガン見しながら言ってきた。あ、ちなみにユッキーとは長門のことである。夏姫はそう呼んでいる。

 

「ああ、朝比奈さんって言って今日めでたくハルヒの部活に入った2年生だ」

「にっ2年生!?キョンくんは年上好きだったのか……、いやそれとも無口好き……。どっちにしろ、あの二人……キョンくんとずるい……」

 

ははは。さすがに嫉妬したりするのか。まあ、周りからしたらキョンはすごい状況だしな。美少女二人(朝比奈さんは言わずとも。長門も顔はきれいに整っているし、基準にしていいかわからんが谷口に言わせると長門はランクはAマイナーだそうだし)と肩を並べて帰っているだなんてな。

世の男子が泣いてうらやましがるだろう。

 

高校に来てからモテるな、キョン。いや、前からか。

 

「ところで、今日のSOS団?はどうだったの?」

 

まだ周りにはSOS団なんていう部活が出来たことすら知られてないが、あたしは夏姫にいろいろと話していた。

 

「ああ、またまた大変だったよ。あいつ(ハルヒ)の考えている事はまったくわからん」

 

あたしはやれやれと肩をすくめた。

 

「ご愁傷様だね。ちょっとでも涼宮さんに変なことされたら言ってね?私とんで来るから。一発かましてやりたいわ!」

 

なぜこんなにも夏姫はハルヒに敵対心を燃やしているかと言うと、キョンをあちこちに連れ回してこき使っているからだ。

改めてキョン、モテ期だな。

 

「じゃあ私はこっちだから。また明日!」

「ああ。また明日」

 

夏姫と別た後キョンたちのところに追い付き、そのまま帰った。

 

 

 

次の日の放課後。

昨日ハルヒに言われた通りに玄関に行くと、すでにハルヒは靴を履きかえて待っていた。

 

「遅い!」

「悪いな。というか、これからどこへ行くってんだ?」

 

靴に履き替えながら訊いた。

 

「ちょっとついて来なさい!」

 

そう言ってハルヒはあたしの手をつかんで、ズカズカと歩き出した。

ハルヒ、おまえ女子だよな?あたしと同じ女子だよな?なぜそんなにも歩幅が大きい。あたしは小走りしないと追いつかないぞ……。

 

連れて行かれたのはなんてことない、北高の校門前だった。

いったいここで何を?

 

「まだ来てないわね」

 

そう言ったハルヒは携帯を取り出して時間を確認しているようだ。

何が?と訊こうとした瞬間いきなり近くから車のクラクションが鳴り響いた。

 

「あ、来た来た!」

 

そう言ってハルヒはその車の方へと走って行った。

少し不思議に思いながらあたしも車のほうに近づく。

ハルヒの隣に立つとクラクションを鳴らした車はすぐに走って行ってしまった。

ただ、ハルヒの足もとには結構大きめのの段ボールが一つと大きな紙袋があった。

 

「えっと、さっきの車って……」

「ああ、知り合いの人。これ持ってきてもらったの。じゃあはい!これ持って!」

 

そう言ってハルヒは段ボールの箱のほうをあたしに持たせた。

そっちかい。

 

「お、おい!なんだこれ……。」

「いいから、早く戻るわよ!」

「ちょ、ちょっと待て!この荷物は…って!?」

 

あたしが段ボールを受け取ってハルヒを見ると、すでにそこにハルヒの姿はなかった。

早!

 

まったく、こういうのは男であるキョンを使えよな。まああんまり重たくはないけどさ。

あ、そうか。キョンはパソコンでサイトを作るって仕事があったっけ……。

 

重くはないといってもそれなりに大きい段ボール箱で運び辛いったらありゃしない。

少し時間はかかったが、なんとか部室前まで持って来ることが出来た。

部室の前に来ると扉の前にキョンが突っ立っていた。

 

「キョン、そこで何してるんだ?」

「ん?おお、キョン子か。いや、それがだな……」

「キョン!入ってきていいわよ!」

 

キョンが何か言おうとした瞬間部室内からハルヒの快活な声が響いた。

キョンが扉を開けたその先にいたのは……

 

「な、なんつー格好を…!?」

「どう?似合ってる~?」

 

なんとそこにはバニーガールの衣装を着たハルヒと朝比奈さんがいたのだ。

 

「あらキョン子。やっと来たのね」

「あ、ああ。そんな事より、なんなんだその格好は!?朝比奈さんまで…」

「これ?バニーよバニー!これでSOS団も注目の的よ!」

 

ああ、確かにな。変な意味で注目の的になりそうだ。

朝比奈さんのほうは少し涙目だった。大方ハルヒのやつに無理やり着替えられさせられたのだろう。

 

「さあ!行くわよみくるちゃん!」

「ふえぇ、ほんとに行くんですかぁ?」

「え?どこに行くんだ?」

「これからSOS団についてのビラ配りに行ってくるの。さ、みくるちゃん立って!」

 

そう言ってハルヒは朝比奈さんの腕を掴み先ほどの紙袋を持って部室を出て行った。

その時の朝比奈さんは助けを求めるような目でキョンを見ていたのだが、キョンは全くその場から動くことが出来なかった。

 

「おっおい、止めなくて大丈夫なのか!?」

「いや、止めたいのはやまやまなんだがあの涼宮をどうやって止めろと?」

 

まあ確かに、あたしも出来ないな。

 

「さっきから気になってたんだが、その段ボール箱はなんだ?」

「知らん。ハルヒに運んでくれって頼まれたものだからな。あんまり中身は見たくはない」

 

そう言いながらあたしは部室の隅に段ボール箱を置いた。

 

「うわっ!?」

「どうした?」

 

キョンの見ている方を見ると、なんとそこにはハルヒと朝比奈さんのものと思われる(というかそれしかない)制服と下着が床に散乱しているではないか。

 

「まったく、ハルヒのやつは……ってキョン!まじまじと見てるな!」

「あ、ああ。すまん!」

 

あたしはすぐさま床に散乱している衣類を拾い上げ、机の上に綺麗にたたんでおいた。

 

「それにしても、ハルヒはともかく朝比奈さんが心配だ。キョン、ハルヒはどこに行くって?」

「確か校門で配るって言ってたような…」

「あたしちょっと行って様子を見てくるぞ」

 

そう言ってあたしは校門へと急いだ。

 

校門へ行くとちょっとした人だかりがすでに出来ていた。

ハルヒは来る人来る人にビラを押し付けまわり、朝比奈さんはそのそばでSOS団!とか書かれたプラカードを持って立っていた。その顔はかなり恥ずかしそうだ。

 

と、そんなハルヒたちのところに血相を変えた教師たちがやって来た。

まあ、こうなるよな。

 

やって来た教師たちにやめるように言われたハルヒはそれはもう激怒。朝比奈さんは泣きだす。もう大変だった。

 

その後ハルヒはそのままの格好で指導室に連れていかれ、あたしは朝比奈さんを連れて部室へと帰って来た。

 

朝比奈さんは歩いているときもずっと顔をうずくめて泣いていた。朝比奈さん……先ほどはハルヒを止められず本当に申し訳ありません。

 

部室に戻った朝比奈さんは机に突っ伏してしまった。そんな朝比奈さんにキョンがそっと自分の制服の上着をかけていた。

 

 

 

それから一時間ほど経った。朝比奈さんは相変わらずうつむいていて、キョンは朝比奈さんを慰めていた。あたしはぼーっとして窓から空を見上げていた。長門は本をひたすら読んでいた。

長門、相変わらずだなおまえは。一度でいいから、長門が慌てふためく顔を見てみたいものだ。

 

しばらくして、いつものようにハルヒが扉を勢いよく開けて入ってきた。

ものすごい不機嫌らしい。

そりゃそうだろうな。

 

「あ~!腹立つ!!何なのよ!あんのバカ教師ども!」

 

ハルヒはズカズカと団長席へ行き、ドカッと座った。

 

「どうしたんだ?」

 

キョン、訊かなくてもだいたい想像はつくだろ?

 

「あんのバカ教師ども、まだ半分しかビラ配ってないのにやめろとか言ってきたのよ!腹立つ~!!」

 

そりゃそうだろうな。女子生徒が二人も校門でバニーの姿してビラ配りしてたんだからな。

 

「あ~もう!今日はもうこれでおしまい!」

 

そう言ってハルヒはまだキョンがいるのに、堂々と服を脱ぎ始めた。キョンは慌てて部室から出て行った。

 

「ほらみくるちゃん!いつまでもメソメソしてないでさっさと着替える!」

 

おいおいハルヒ人に当たるなって。また朝比奈さん泣き出すぞ。

朝比奈さんは言われるがままにとぼとぼと着替え始めた。

 

着替え終わったハルヒは入って来た時と同じように早足に部室から出て行った。

朝比奈さんはキョンにかけてもらったブレザーと鞄を持って、まるで大学入試で落ちた浪人生みたいに部室を出て行った。

朝比奈さん、本当にお気の毒様です。

 

 

 

次の日、SOS団の涼宮ハルヒと言う名は全校に広まった。まああれだけの事をやってのけたんだから広まって当たり前なんだがな。

また、ハルヒと一緒にキョンや朝比奈さんまでの名前も広まっていた。朝比奈さんは一緒にバニーガールをしていたからで、キョンはいつもハルヒと一緒にいるからである。

ちなみに、長門とあたしの名前はかろうじて広まっていなかった。6組内では注目の的だがな。

夏姫が朝話しかけてきた。

 

「ついにやっちゃったわね、涼宮さん。まあ、あんなことすれば当然だけどね」

「まあな。これからが大変だよ」

「せいぜい気をつけてね。そのうち、キョン子ちゃんのところにも厄介事持ってこられるわよ」

「ああ、気をつけるさ」

「ユッキーもね」

 

夏姫はあたしの隣にいる長門にも言った。

長門は小さく頷いた。

 

 

その日の放課後、ハルヒはパソコンの前で不機嫌な顔で唸っていた。

 

「もう!なんで一通もメール来ないのよ!みんな出し惜しみしてるんじゃない!?」

 

実は、ハルヒがビラ配りを始める前にSOS団のサイトはある程度出来上がっていたらしい。だったらあの段ボール箱もあたしじゃなくてキョンに……、まあ終わったことはいいか。

で、ビラにはSOS団に摩訶不思議な事を知っていたらサイトにメールをしてくれと言うような内容だ。

 

「あ~!なんでメール来ないの!!」

 

ハルヒ、そう簡単に『あ、私不思議なこと知ってます!』なんていうやつがいるほど、不思議なんてないんだよ。

 

「あれ?そういえば、みくるちゃんは?」

 

ハルヒがキョロキョロしながら言った。

 

「今日は休みだそうだ」

 

そう。今日朝比奈さんは学校を休んだらしい。確かに、昨日校門であんな事をしたんだ。学校に来たくなくなるだろう。もしかしたら一生ここ(SOS団)には来ないかもしれんな。

 

「あら、そう。せっかく違う衣装があるから着せようと思ったのに」

 

おいおい。またコスプレさせる気だったのか。まさか、あの段ボール箱の中身は全部コスプレ衣装か!?

 

「おいハルヒ、おまえが着ればいいだろうが」

「もちろん私も着るわよ。でもみくるちゃんに着て欲しかったの!」

 

長門に着てもらえばいいのに。長門だったら何の文句も言わず着るだろうし。長門のコスプレ姿か。なんか見てみたいな。

えっ?あたしはって?あ、あたしなんか絶対ダメ!!断固として断る!

 

 

それから下校時間まで、ハルヒはイライラしたままだった。

 

「帰る!」

 

そう言ってハルヒは不機嫌な態度で足早に部室を去っていった。

 

なあハルヒ、おまえは落ち着くって言葉を知っているんだろうか。そんなにいつもイライラしていると精神まいっちゃうぞ。

 

 

 

次の日の放課後、長門と部室に行くとなんと朝比奈さんが一日で復活していた。

 

「あ、こんにちは」

「こんにちは、朝比奈さん。もう大丈夫なんですか?」

「はい。ご心配おかけしました」

 

そう言って朝比奈さんは頭を下げてきた。

 

「い、いえ!そんな、頭を上げてください!」

「あ、はい。涼宮さんはまだ来ないんですか?」

「さあ。違うクラスなんで、もう来ると思うんですが」

 

そう言った瞬間、部室の扉がバン!と開いた。

そこにはやはりというかハルヒがいた。噂をすればなんとやらだ。

 

「み・く・る・ちゃ~ん!今日は来たのね!」

 

ハルヒがニターッとした顔をして言った。

 

「あ、はい!どうもご心配おかけし……」

「いいのよ別に!それより今日は、これを着てもらうわ!」

 

ハルヒはあたしが運んできた段ボール箱を開けて、中からメイド服を取り出した。

やはりその中身はコスプレ衣装だったか。

 

「ふえっ!えぇっ!」

「ほら早く!服を脱ぐ!」

 

ハルヒは無理矢理朝比奈さんの服を脱がし始めた。

 

「あ、いや!じ自分でしますぅ!」

「お、おいハルヒ!いくらなんでもそんな……」

 

そう言いかけた時だった。またしても部室の扉が開いた。そこにはキョンが!

キョンはビックリ、朝比奈さんは顔を真っ赤にして一瞬固まった。

 

「い、いゃやあぁぁ!!」

「ししししし、失礼しましたあ!!」

 

朝比奈さんが叫び、キョンはすぐさま出て行った。

その後も朝比奈さんは、ハルヒに無理矢理着せられながら、メイド服に着替えた。

 

「キョン~!入って来てもいいわよ~」

 

そう言われ、キョンが入ってきた。

 

「どうこれ?もう完璧でしょ!記念撮影しましょ!」

 

そう言ってハルヒは、どこからともなくカメラを出してきて、朝比奈さんを撮り始めた。

 

「ふえっ!?しゃ写真撮るんですかぁ!?」

「そうよ。ほらキョン!今度は私も入れて撮りなさい!」

 

そんな感じで朝比奈さんは写真をこれでもかと撮られまくった。

 

朝比奈さん、これからも何かとハルヒにいろいろやられるかと思われますが、一緒に頑張っていきましょう。




登場人物紹介

・朝比奈みくる
 北高の2年生。ハルヒにたまたま見つけられSOS団に連れてこられた。かなりのドジっ娘さんであるが容姿はかなり可愛い。スタイルも良い。SOS団のマスコットキャラクターでそのうち専属メイドさんになる。

・コンピ研部長
 文芸部(もといSOS団)の隣にあるコンピ研の部長。ハルヒに最新式のPCを持って行かれるというまあ被害者の方。たぶんもう出番はないかも。

・コンピ研部員
 コンピ研の部員たち。部長氏と同じく出番は(ry

・青木 夏姫 (あおき なつき)
 オリジナルキャラクター。1年6組。明るさとその活発さはハルヒに引けを取らない。キョンに好意を持っていてどうしようかよくキョン子に相談する。髪型がいつもツインテールなのが特徴。実は真田友輝とは幼馴染(という名のただの腐れ縁)だったりする。
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