涼宮ハルヒの日常   作:My11

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キョン子「はあ、そういえば明日はあれか……せっかくの休日が…」
キョン「どうしたんだキョン子?」
キョン子「いや、なんでもない…」
キョン「?」

※金曜日の夜の出来事


第6章 市内探索

長門の家に泊まってから早一週間が経った。

この一週間は楽しく過ごせたと思っている。

 

長門との会話が多少なりとも長くなってきたし、昼休みには朝倉とも一緒に弁当を食べ始めたりなどした。

長門はまだあまり表情を顔には出していないが、時折嬉しそうな雰囲気を感じたりした。

そんな長門を見てあたしや朝倉も微笑んでいた。

 

また早川や古泉ともすぐに打ち解けていた。二人ともかなりハルヒに対して柔軟な対応が出来るみたいでSOS団での日々を楽し気に過ごしているみたいだ。

 

 

 

さて、話は一週間経った土曜日の朝になる。

 

いつものように平日と同じ7時前に起きたあたしは、リビングに降りて朝食までテレビでも見ようかと思い部屋を出ようとするとあたしの携帯が着信を知らせた。

こんな朝早くから誰だ?と思いながらも、なんとなくわかっているような感じで携帯を取る。

案の定その予想は当たり通話ボタンを押した。

 

『あ、キョン子?今日はこの前話した通り、市内探索をするわよ!駅前に9時集合!遅れたら死刑だからね!あ、キョンにも私から電話するから』

 

それだけを言い、一方的に電話をきった。

……朝から元気だな~、ハルヒは。

 

 

そう、本日は祝?SOS団初の市内探索だ。

ハルヒの思いつきで市内を探索し摩訶不思議な出来事を探しだそう!と言うことになったのだ。

はっきり言って貴重な休日をこんな事には使いたくないのだが、ハルヒを止める術がないのでしかたがない。

 

 

下に降り、いつものように朝食をとった。早めに食べた後、一度キョンの部屋に行ってみる。

 

「おいキョン、まだ寝ているのか?」

 

ドアをノックしても返事がなかったので部屋に入ってみると携帯を手にしたまままだキョンは寝ていた。

いや、携帯を手にしているということは先ほどハルヒからの電話に出たということだろう。

 

「…んぁ?……なんだ、キョン子か」

「なんだじゃない。早く起きて飯食え。そうしないと遅れるぞ?」

「んー、ああハルヒのあれか。たく朝早くからなんなんだ…まだ間に合うだろ?」

「そうかい、じゃああたしは先に行くからな」

 

なんとなく嫌な予感がするからな。

時間は早いが遅れたら死刑と言われているので、キョンを待たずに家を出た。私服を着たんだがこの前ハルヒに選んでもらった服装にした。ちょっと恥ずかしい気もしたがせっかくハルヒに選んでもらったんだから、今日みたいな日に着て行くのがいいだろう。

 

我が家にはママチャリが一台だけあり、家族で使用していた。それに乗ろうかと考えたが、どうせキョンは出るのがギリギリになるだろうから残しておいてやろう。

 

 

歩いて駅前に行く。

集合時間の30分前に着くと、男性陣(キョン、古泉、早川の三人)以外はもう集まっていた。

 

「あら、ちゃんと私が選んだ服を着てきたのね。いい心がけよ」

 

そりゃどうも。

 

「キョン子ちゃん、おはようございまぁす」

「あ、朝比奈さん。おはようございます」

「…おはよう」

「おはよう、長門」

 

そう言いながら長門を見るとその姿は制服ではなく、ハルヒが選んだ服を着ていた。

やっぱり、似合ってるな長門。

 

「キョンは?」

「なかなか起きて来ないから置いてきた。まあすぐ来るだろう」

「あらそう」

 

 

程なくして古泉と早川の二人も到着した。

 

「いやーみなさん、おはようございます」

「ん~んっふぅあぁ~、おはよ~さん」

 

早川はいかにも寝起きですと言っているような顔で欠伸をしながら言った。

 

「もう少し早くここに着く予定だったんですが、なかなか諒くんが起きてくれなくて」

 

そう言いながら、いつもの爽やかスマイルの顔になった。

 

「しゃ~ないやろ、俺は朝めっちゃ弱いんやから」

 

早川もキョンタイプか。

 

「さて、後はキョンだけね。まったく、団員にあるまじき事だわ。こんなに遅いなんて」

 

そう言いながらハルヒは少し苛立ち始めた。

おいおいハルヒ。まだ集合時間まで20分あるんだからそんなにイラつくなって。

 

 

集合10分前になってやっとキョンが到着した。予想通りママチャリに乗って。

 

「遅い!キョン!」

「わ、悪い。でも、集合10分前なんだからまだ大丈夫だろ?」

「何言ってるの!SOS団は何があっても最後に来た人は遅いの!罰金よ罰金!」

「ば、罰金!?」

「そ。これからあそこの喫茶店に行くんだけど、みんなの飲み物代をおごりなさい!」

「な、なんでそんな……」

「それじゃ行くわよ!」

 

キョンの反論も聞かず、ハルヒは喫茶店へと向かった。

キョンはがっくりと肩を落とした。

 

「だから早くしろって言ったろ?」

「…なんてこった」

 

まあ、ドンマイとだけ言っておく。

 

 

 

喫茶店で各々が注文し飲み物を飲んでいると、ハルヒは脇に置いてあった爪楊枝を数本とり何やらいじり始めた。そして持った爪楊枝をテーブルの真ん中に突き出した。

 

「組分けをするわよ!三組のペアになって、それぞれで探索しましょう」

 

そして、一人ずつ爪楊枝を引いていった。

ペアは次の通り。

 

ハルヒ・長門・早川

キョン・朝比奈さん

あたし・古泉

 

できれば長門か朝比奈さんとが良かったのだが、ハルヒとペアにならなかっただけでもよかったと言えるだろう。

 

「いい、キョン!デートじゃないんだからね!遊んでたら死刑だから!」

 

支払いを終えて喫茶店から出て来たキョンに、ハルヒはそう言った。

 

「じゃあ、私たちは駅の北側、キョン子と古泉くんはショッピングモール内、キョンとみくるちゃんは駅の西側ね!」

 

そう言ってハルヒは長門と早川を連れてさっさと行ってしまった。

 

「なんでキョン子と古泉はモール内限定なんだ?」

「さあな。ま、ハルヒにこれ以上どつかれないようにしろよ」

「そうですね。涼宮さんがこれ以上不機嫌になると何か本当に起こりそうですし。ここはお互い、しっかりと探索とやらを行いましょう」

「そうだな。行きましょう朝比奈さん」

「はい」

 

そう言ってキョンと朝比奈さんは西側へと行った。

 

「それでは、僕らも行きましょうか」

「ああ」

 

 

さて、モールに着いたはいいがどうやって不思議を探すか。

とりあえず古泉とフラフラとした。

案の定、特に不思議な物などあるはずなく気づけばモール内を一周していた。

しかたないので、屋上にある休憩スペースへと足を運んだ。

 

ベンチに座りなんとなく空を見ていると、古泉が飲み物を買ってきてくれた。

 

「どうぞ」

「お、サンキュー」

 

古泉はあたしの隣に座りながら話しかけてきた。

 

「さて、どうしましょうか。何も見つからなければ涼宮さんのご機嫌を削ぐばかり」

「しょうがないんじゃないか?そんな簡単に摩訶不思議な事を見つけられるわけないんだし、ぶっちゃけハルヒだってあっさり不思議な事が見つかるとは思ってないさ」

「そうですね」

 

古泉はまた爽やかスマイルになった。

 

「なあ古泉」

「何でしょう?」

「おまえは昔からそんな丁寧口調なのか?」

 

あたしがそう訊くと、古泉は少し苦笑いになって答えた。

 

「ええ、そうですね。ここに来る前まではずっと関西に住んでいたんです。それで諒くんはあの口調なんですが、僕は父から丁寧口調にしろと言われていましてね。ずっとそうしていたら、こういう口調になってしまったんですよ」

「へぇ。そうだったのか」

「そういうあなたも変わった口調ですよね」

「え?まあ確かにな」

 

よく昔から言われていることだが、改めて言われるとなんかこそばゆい。

 

「少し失礼な事を言うかもしれませんが、少々男の子っぽい口調でいらっしゃいますよね」

「別にいいじゃないか。あたしはこのしゃべり方が一番しっくりくるんだ」

「そうですか。いえ、あなたがそうおっしゃるのなら特に何も言いませんが、やっぱり女の子らしさというのも必要かと」

 

古泉はさらにニッコリと笑顔を作った。

 

「う、うるさい!余計なお世話だ!」

 

あたしはそう言ってまた空を見上げた。たぶん今のあたしの顔は赤いに違いない。

古泉はまだニヤニヤとしていた。

 

その後は会話も落ち着き、他愛もない世間話をしていた。

すると、携帯が着信を知らせた。見るとハルヒからだ。

 

「はい」

『キョン子!?』

 

うお!?ハルヒ、声がでかい。耳から携帯を30センチ離しても聞こえるわ。

 

『さっき集まった駅前に、ただちに集合!今すぐよ!』

 

そう言ってまた、一方的にきってしまった。

 

「……はあ、だそうだ」

 

あたしはため息をつきながら言った。

 

「ええ、では行きましょうか」

 

すぐにモールを出て、駅前に向かった。ハルヒたちのところに着き、すぐしてキョンと朝比奈さんも到着した。

 

 

お昼になったし、昼食を食べながらまた組分けをするとハルヒは言った。

 

近くのファミレスに入り、それぞれが注文して昼食を食べた。

みんなが食べ終わると、またハルヒは爪楊枝を取り出して組分けをした。

ペアは次の通り。

 

ハルヒ・古泉・早川

キョン・長門

あたし・朝比奈さん

 

ここでハルヒが自分の爪楊枝を見てキョンと長門の爪楊枝を見、ものすごく不機嫌な顔になったというのは黙っていようかな。

 

 

「マジでデートじゃないんだからね!!ふん!」

 

そうまたキョンに言い残し、ハルヒは商店街の方へと行った。その後ろを古泉と早川は追いかけて行った。早川の方はまたハルヒと一緒かみたいな感じのうんざりとした顔だった。さぞかし午前中はあっちこっち連れていかれたのだろう。頑張れ早川。

今度の探索はハルヒ・古泉・早川は商店街、キョン・長門は駅の南側、あたしと朝比奈さんは駅の東側となった。

 

今度は事前に4時に駅前集合となっていたので、しっかり時間を見ていなくてはいけない。

朝比奈さんと話しながら歩いているとちょうどいいベンチがある公園を見つけたので、そこで時間を潰すことに。

 

さて、朝比奈さんと何を話そうか。

 

「さっきのハルヒの態度、朝比奈さんは気づきましたか?」

「涼宮さんですか?あ、あの組分けの時の?」

 

やっぱり朝比奈さんもわかりましたか。

 

「ええ。あれは明らかにあれですよね」

「そうですね。涼宮さんもキョンくんの事が好きなんですねぇ」

 

やっぱりそうですよね~。あの仕草は同じ組になれなくて悔しがっている顔だったから……て

 

「“も”ってなんですか!?もしかして、朝比奈さんもキョンの事が?」

「ふえっ!?ち、違いますよ!そそそ、そんな……」

 

そう言いながら朝比奈さんは顔を真っ赤にしていた。

そうなんだ、朝比奈さんもキョンの事が好きなんだ。

 

キョン、ほんとにモテモテだな。

 

「それで、朝比奈さんはあいつのどこを気に入ったんですか?」

 

あたしがそう訊くと、朝比奈さんはさらに顔を赤くして

 

「そ、そんなんじゃないんだってぇ」

 

と言った。

なんか見てて微笑ましいな。

 

「朝比奈さん、別に朝比奈さんが誰を好きであろうとそれは朝比奈さんの自由なんですから。まあ、たしかにキョンを好きと言うんならハルヒも好きみたいですしすごい相手ですけど、そんなことより人を好きになれるってこと自体がとてもいいことじゃないですか。あたしはそんな朝比奈さんが羨ましいです」

「そ、そうですかぁ?……そうですよね。ありがとうございます、キョン子ちゃん」

 

少し照れながら朝比奈さんはそう言った。

 

「いえいえ。でも本当に羨ましいです。あたし今までで誰かを好きになったりしたことなんてありませんでしたし」

「え!?キョン子ちゃんは誰かのことを好きになった事ないんですかぁ?」

「ええ。まったくもってありません。いつもキョンとやんちゃな事して、男子の中にいましたから。だから口調もこういう感じなんです」

「そうなんですかぁ。ふふ、でもキョン子ちゃんならいつかきっと素敵な人が見つりますよ。可愛いし」

 

そう朝比奈さんは微笑みながら言った。

 

「そ、そんな、可愛いだなんて……」

 

あたしは慌てて手を横に振った。

 

「ふふ。キョン子ちゃんは可愛いですよ。もっと自分に自信を持ってみてください」

「そ、そうですか?」

 

そう言って、顔が熱くなるのを感じた。

今日はほんとに顔を赤くしてばかりだな。

 

 

それからは朝比奈さんと楽しく話しながら残りの時間を過ごした。

キョンやあたしの幼い時の話や朝比奈さんの話などをして平穏な時間が過ぎていった。

ぶっちゃけ、不思議探しなどはまったくしなかった。

 

しばらくして時計を見るともうすぐ4時になるところだった。

なんだかんだで3時間ほども朝比奈さんとおしゃべりしてたみたいだ。

 

「そろそろ時間ですね」

「あ、ほんとだ」

「じゃあ駅前に戻りましょうか」

「そうですね、行きましょう」

 

そう言ってあたしたちは駅前の集合場所に向かった。

 

 

到着すると、ちょうどハルヒたちとも一緒になった。

 

「どう!?何か不思議な事は見つかった?」

「いーや、さっぱりだ」

 

そうあたしが肩をすくめながら言うと、ハルヒは少し不機嫌な顔をしたが

 

「キョンと有希を待ちましょう」

 

と言って近くのベンチに座った。

 

「そっちはどうだったんだ?」

 

特に意味はないが近くにいた古泉に訊いてみた。

 

「こちらも特に何も。商店街にある一つ一つのお店を見て回り、小さな裏路地を覗いたりなどいろいろしましたが何の発見にも至りませんでした」

「たく、ほんまくったくたや。一日涼宮に振り回されたんやからな」

 

そう言って早川は大きなため息をついた。

ほんとお疲れ様。

 

 

あたしと朝比奈さんが駅前に着いた時間は4時10分前。キョンと長門もすぐに来るだろうと予想していたのだが、なかなか戻って来なかった。

ハルヒがだいぶイライラし始めた。

キョンはたしかに時間を忘れて寝てしまうようなやつだが、長門はそんなことないだろう。何かあったのか?

 

4時になりいっこうに来ない二人に痺れを切らしたらしく、ハルヒが携帯をとってキョンに電話をかけた。

 

意外にも早く電話に出たみたいだ。

 

「今何時だと思ってるのよ!!」

 

ハルヒ、そんなに大声を出さなくても十分向こうには聞こえているよ。

『……………』

「はあ!?何考えてるの!早く来なさい!30秒以内!!」

 

そう言ってハルヒは勢いよく電話を切り、腕組みをしてまた不機嫌な顔になった。

 

「ハルヒ、キョンは何だって?」

「ふん!寝ていたって言ってたわ!あたしの電話にでるまでね!!まったく、団員としてあるまじき行為だわ!」

 

やっぱりか。どうせそうだろうと思ったよ。

でもなんで長門もいたのに、キョンは寝過ごしたんだ?

 

 

それからしばらくなかなかキョンと長門は現れず、ハルヒは何回も電話をかけたがキョンは出なかった。

 

10分ほどしてやっと二人がやって来た。

 

「遅い!!」

「わ、悪いハルヒ。実はだな……」

「言い訳は聞きたくないわ!だいたいあんたはねぇ、……」

 

ハルヒはキョンに説教をし始めた。キョンは謝りっぱなしだった。

ふと長門を見ると、一冊の分厚い本を抱えていた。

 

なるほど。だいたいの予想はついた。

 

 

その後、ハルヒの長々しい説教が終わり今日は解散となった。

 

「明後日の部活は今日の大反省会だからね!」

 

そう言ってハルヒは帰って行った。

あたしたちもその場で別れ、それぞれの家へと帰って行った。

 

 

あたしはキョンが乗って来たママチャリの後ろに乗せてもらっていた。

その時なんで遅れたのかを訊いてみると、やはり予想通りだった。

 

長門と暇つぶしするなら図書館だろうと考えて、図書館に行ったらしい。長門はすぐに図書館の奥へ、キョンは適当に本を取りソファでゆったりしているといつの間にか寝てしまったそうだ。

ハルヒから電話で目が覚めたらしい。

 

その後が大変で、長門を見つけたはいいがなかなか本を離そうとせずにその場からてこでも動かず、わざわざ図書カードを作ってその本を借りてやっと出れたそうだ。

 

確かに、その長門のタイムロスは手痛いが、結論から言うと寝てしまったキョンの自業自得というやつだな。

 

「ま、次回以降の市内探索ではこんなことがないように気をつけろよ」

 

あたしはキョンの背中を見ながら言った。

 

「ああ、わかって……ってまた今日みたいなことをするのか!?」

「やるんじゃないか?今日はなんにも収穫なかったし、ハルヒはほぼ毎週やってるらしいしな。だから次回また罰金!なんて言われないように早く起きる事だな」

「……はあ~、わかったよ。やれやれ」

 

キョンは大きなため息をついた。

 

「そんなため息ばっかりついていると、ストレス溜まるぞ」

「……うっせ」

 

そう言うとキョンは、おもいっきりチャリを漕ぎ出した。




~あとがきのようなもの~

どうも、作者のMy11です。

今回のお話はどうでしたでしょうか。

今回の話は特に重要となるようなことはありませんですハイ。
なんとなくこの話は入れとこうかなあと思って入れた話でした。

たまにこういうほんとにほのぼのとした話が入ると思います。

それではまた、読んでくださるととてもうれしいです。
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