ハピナさん主催の、「《第1回》ハーメルンSS小説コンテスト」の参加作品です。

時は本編から4年前の、2044年。4年に一度の日に、とある艦娘4姉妹が集う。


私が当サイトにて投稿している小説の、外伝になります。
本編を知らなくても、読んでいただけるようになっています。
また、本編ではクロスオーバー物になっていますが、こちらではその要素を匂わせるだけであまり深くは踏み込んでいません。固有名詞の方は排除してます。

それと、原作は「艦隊これくしょん」ではありますが……。
この短編には、一切原作ゲームのキャラクターが登場していません! 「何ということをしてくれたでしょう」と思ったそこの貴方……。全くもってその通りです!


短編をまともに書くのは初めてなんですが、中々難しいですね。
「閏年」という言葉からどうしても書きたくなり、ついやってしまいました。


とあるキャラクターについては、本編同様イメージをお借りしているので、ここにも記載させていただきます。
※本作品には、紀奈様の「艦これ」二次創作オリジナル艦娘である「三笠」が登場します。

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 ハピナさん主催の、「《第1回》ハーメルンSS小説コンテスト」の参加作品です。


 時は本編から4年前の、2044年。4年に一度の日に、とある艦娘4姉妹が集う。


閏年の約束

 私は、提督の執務室の片隅に置かれた姿見で身なりを確かめる。そこに映るのは、艦娘としての生を受けた自分。今ではすっかりと馴染んだ自分の姿を鏡越しに見ながら、服や髪の小さな乱れを直す。

 身だしなみを手早く整えたところで、私は振り返って執務机に座る提督に視線を向ける。

 

「それでは、お先に失礼します」

「ああ。彼女たちによろしくな」

 

 私は執務室を辞して横須賀鎮守府の本庁舎を出ると、すぐ傍の駐輪場に向かう。目的地は割と近いけれど、自転車で移動した方が徒歩よりも楽だし早い。

 私は、かつて提督からお下がりで貰ったマウンテンバイクに跨ると、庁舎を背に走りだした。

 時折軍の車両とすれ違う以外は、今日の鎮守府は至って穏やかだ。頬に当たる風は冷たく、冬将軍は未だに性懲りも無く居座っているようだ。空は晴れて雲一つない青空なんだから、もう少し暖かくてもいいのにと思う。千早装束のような衣装の上に羽織っている長袖の軍服や手袋があって、自分が艦娘であることに少し感謝する。戦闘服であり、仕事着や普段着も兼ねているこれは、意外にも暖かい。

 

 寒空の下、私は鎮守府の通用門の一つ「三笠ゲート」を抜けて一般道に出る。「三笠ゲート」という名前は、かつてアメリカ海軍がこの横須賀に拠点を置いていた頃の名残だ。私がこれから向かおうとしている場所――記念艦「三笠」に由来しているのは間違いないと思う。

 記念艦「三笠」は前弩級戦艦であり、敷島型戦艦4番艦にして旧日本海軍の中で唯一現存する戦艦だ。そして、私にとっても決して無縁では無い。

 

 ここ数年で深海棲艦の襲撃や“大災害”に見舞われても尚、横須賀は懸命に復興を続け、日本という国の長年の蓄積から、そのスピードは圧倒的に早くなっている。

 しかしそんなご時世にありながら、三笠ゲートの近辺は目立った建物は無く、道路脇には更地が目立つようになっていた。この辺りにあった民間病院や商店、多くの一般施設が内陸部に移転してしまった所為だ。

 

 ゲートを出てから数分と掛からず、私は三笠公園に辿り着いた。

 更地ばかりが目立つ中、この公園だけはしっかりと整備されており、被害を免れた「三笠」と共に、往年の姿そのままの綺麗な場所だった。

 

 私は適当な場所にマウンテンバイクを置き、記念艦「三笠」を前に立つ。

 艦底を地面に埋められ、二度と船としての機能を果たすことは無いだろうそれは、かつての威容を保ったまま静かに鎮座していた。

 いつまでも突っ立って見ているのは、私には色々な意味で恥ずかしくなってくるので早々に艦後部の方から中に入る。

 何故「三笠」に来たかと言うと、ここが待ち合わせ場所だからだ。もう1年以上は全員揃って会う機会が無かった、私と同じ艦娘たち。偶然にも今日の日付である2月29日が、久しぶりに皆で会える日だった。

 ざっと内部を見て回ったが、相手の方はまだ来ていないらしい。待ち合わせの時間よりも、早く来てしまったようだ。

 

 思ったよりも時間が出来てしまったので、私は前部甲板に出る。コンクリートで復元された主砲の前で立ち止まり、右舷に目を向けると横須賀の蒼い海が広がっている。ちょうど、鎮守府近海の哨戒遠征に向かう駆逐艦の子たちが、奥に見える島の手前を横切っていく様子がよく見えた。確か今日は、磯風型の4人と江風型の2人が駆逐隊を編成して任務に出る予定だった筈だ。

 

 

 

 

「ふむ。その堂々たる様や、かつての連合艦隊司令官、東郷元帥のようだな」

 

 凛としてよく通る、懐かしい声が背後から聞こえた。どこか古風で些か時代錯誤さを感じる口調なのに、中々堂に入ったその声の主。

 振り返ると、私の一番上の姉たるその人が、懐かしむような目で私を見つめていた。

 背格好は私より少し高くて、ウェーブがかかった髪を後ろで縛り、私と同じような千早風の服を着た軍人然とした人だ。普段は射貫くように厳しい釣り目が、この時ばかりは優しげに和らいでいた。

 

「敷島お姉ちゃん」

「ああ。久しぶりだな、三笠。他の二人も来ている。ほら、二人とも隠れていないで、出て来い」

 

 敷島お姉ちゃんが主砲の影に声を掛けると、新たに二人の人物が姿を現した。

 

「朝日お姉ちゃんに、初瀬ちゃんも」

「久しぶりねー、三笠。もう、ねーさんってば何でバラすかなぁ。脅かそうと思ったのに」

「こそこそする方が、いけないと思う、よ。あと三笠ちゃん、私だけお姉ちゃんって呼んでくれない、の……?」

 

 兎に角陽気で飄々とした調子で話すのが二番目の姉の朝日で、少し自信が無い様な話し方をするのが三番目の姉の初瀬だ。朝日お姉ちゃんの髪は短くて、初瀬ちゃんは髪をおさげに結わえている。顔立ちは敷島お姉ちゃん共々似ているが、初瀬ちゃんは少しだけ垂れ目で可愛らしい。

 

「だって、初瀬ちゃんはお姉ちゃんって感じしないんだもの」

「三笠ちゃん、ちょっと酷く、ない?」

「まー、艦娘として生まれたのは三笠が先だし」

「初瀬、気を落とすなよ」

「ちょっと、お姉ちゃんたちも何気に酷い、かも」

 

 そんな軽口を叩き合うと、私たちは一斉に笑い始めた。

 

「本当に、皆でこうやって会えるのは久しぶりね。敷島お姉ちゃん、朝日お姉ちゃん、初瀬ちゃん」

「ああ。汝らと無事に会えて、何よりだ」

「じゃあ早速、再会記念にそこの主砲を改造しちゃう? いや、改造させて。めっちゃやりたい。ふふ、ふふ、ふふふふふ!」

「朝日お姉ちゃん、それは流石にだめ、だよ……」

 

 この三人は私の姉にして、敷島戦艦と呼ばれる艦娘たちだ。それぞれが、舞鶴、呉、佐世保の各鎮守府に所属し、戦隊の旗艦として戦っている。

 そして私は、敷島型戦艦4番艦の三笠。この横須賀で姉たちと同じく、戦隊旗艦を務めている。今立っているこの記念艦「三笠」は、私の艦娘としての記憶の元となった船だ。

 

 

 

 

 最後に私たち姉妹が揃ったのは、去年の1月だ。2年前に舞鶴、呉、佐世保の各地に新たに鎮守府が設置され、お姉ちゃんたちはそれぞれ転属となる。

 お姉ちゃんたちは旗艦としての任務に奔走しており、中々会える機会が無かった。それは私も同じで、姉妹二人で会えることはあっても全員揃うのは稀だった。

 今日は運良く皆の都合が付いて、こうして会うことが出来た。

 

「しかし、去年は肝を冷やしたぞ。4人でまた会う約束をした直後に、あの事件だったからな」

「そーそ。アタシたち3人とも、三笠が横須賀にいると思ってたからね」

「だけど、三笠ちゃんが無事で、良かった」

「私も提督も、横須賀に帰るまでずっと肝が冷えてけどね……」

 

 敷島お姉ちゃんが言っているのは、とある巨大生物に横須賀の街が襲われた時のことだ。ちょうど私と提督は、当時出来たばかりの佐伯湾泊地に出張していた。話を聞き付けるや否や、鎮守府や彼の家族の安否を確かめに、提督と二人でとんぼ返りをした。

 幸いにも提督の家族は無事で、鎮守府も軍の奮闘によって目立った被害は無かったが、街の被害は深刻だった。そして1年が経ち、今に至っている。

 

「アタシも三笠が無事って聞いて、安心したよ。深海棲艦じゃないから、艦娘じゃ何も出来ないし。あんなでっかいの、反則よ、反則」

 

 本当に、朝日の言う通りだと思う。しかしこうしてまた、皆と会えるのは心の底から嬉しい。

 

 

 

「お姉ちゃんたちは、相変わらず?」

 

 話題を変えて、私はお姉ちゃんたちに近況を尋ねてみた。

 

「そうだな。銃のメンテナンスや射撃訓練は、如何なる時も欠かしてはおらんな。まぁ、あまり話すことでもあるまい」

「アタシはやっぱ改造ねー。まだ試作中っていう艦載用の複葉機にジェットエンジンくっ付けてみたり、駆逐艦の子の艤装に大出力ブースターをくっ付けてみたり。皆盛大に飛んでくわりに距離が伸びないのが課題かなー。20km先までは軽く跳躍させたいんだけど……」

 

 朝日お姉ちゃんは何かスイッチが入ったみたいで、独りで何かをブツブツと喋っている。あまり穏やかじゃないことばかりが聞こえてくるのはこの際、気のせいだということにしよう。そうしよう。駆逐艦の子たちは……今度会った時に全力で慰めなきゃ。

 

 既存の兵器は艦娘用の物でもそれ以外の物でも、改造……というよりも魔改造したくなってしまうのが、この姉の性分だ。そのおかげで盛大に失敗をやらかすことも多く、呉にいる彼女の提督は常に胃を痛めていると、風の噂で聞いたことがある。

 敷島お姉ちゃんは元々銃が好きなようで、その中でも狙撃銃を好んで使っている。艤装の主砲を使った方が、射程も長く遥かに当て易いのだが、それでも好んで海の上で狙撃銃を使い、それで一定の戦果を挙げてしまうから凄い。

 

「初瀬ちゃんは、何をしてるの? 新しい趣味が出来たって、メールに書いてたよね」

「だから、お姉ちゃんって、言って……。じゃないと、言わない、もん」

「それじゃあ……。お願い、お姉ちゃん」

「はうっ!?」

 

 上目遣いで精一杯頼んでみると、初瀬ちゃんが顔を赤くしてクラクラと崩れ落ちた。危うく膝を突きかけたところで、他のお姉ちゃん二人が両脇を抱えて受け止める。

 

「むう。普段から、そんな調子で我たちのことも呼んで欲しいのだが……。初瀬が骨抜きではないか」

「そうねー。機械に恋するアタシでも、クラッときちゃうというか、何というか。我が姉妹ながら、恐ろしいものを見させてもらったわ」

「ええっと……」

 

 何故二人まで頬を染めているのか、私には全く分からない。こうやって呼ぶと、初瀬ちゃんが喜ぶからやっているだけ……なんだけど。普段は“ちゃん”付けで呼ぶのも、そんな打算的な部分があるからだ。いつも思うが、喜び過ぎだと思う。

 それはそうと初瀬ちゃん、幸せそうに涎を垂らさないで。色々と台無しだよ。

 

「これは、私の、特権……。いくら敷島お姉ちゃんと朝日お姉ちゃんでも、これだけは、譲れない、よ……!」

 

 いつの間にか復活した初瀬ちゃんが、二人を相手に堂々と宣言していた。

 

 

 

 一旦脱線した話題を無理やり元に戻して、私は初瀬ちゃんの新しい趣味が何なのかを聞く。

 

「それで、新しい趣味って?」

「実は、山登りにはまった、の」

 

 それはまた、艦娘としては珍しい趣味だ。私が知る限り、山が好きと答える子には心当たりが無かったが、まさかこんな身近にいたとは。

 

「海を行く艦娘が、山好きか。面白い趣味をしているな。良いじゃないか」

「でも、何で山登りを?」

 

 朝日お姉ちゃんが聞くと、初瀬ちゃんは少し恥ずかしそうにモジモジとし始める。

 

「その、山は海みたいに揺れないし、静かで落ち着く、から。それに……」

「それに?」

 

 オウム返しで先を促すと、初瀬ちゃんは益々顔を赤くして俯く。可愛すぎて思わず抱きしめたくなるが、今は我慢だ。

 

「機雷は…………嫌い、だもん」

 

 私は、初瀬ちゃんをギュッと抱きしめた。

 

 

 

 ついさっきまで抱きしめていた初瀬ちゃんは、顔を真っ赤にして蹲っている。確かに彼女は、史実で触雷したことによって沈んでしまっているから気持ちは分からないでもないが、今はそっとしておく。元々、素で「布団が吹っ飛んだ」レベルの駄洒落を言ってしまうところがあった。

 

「そういや、三笠は何か好きなこととか無いの?」

 

 居住まいを正していると、朝日お姉ちゃんがそんなことを聞いてきた。

 

「好きなこと……。この軍刀じゃなくて?」

 

 私は腰に下げた、彼の東郷元帥ゆかりの品である軍刀に手を当てる。「吉房」と呼ばれる、三笠とも縁の深い刀だ。これは本物では無く、あくまでも私自身の艤装の一つで贋作のようなものだが、それでもずっと大切にしている。

 

「それを大事にしてるってのは、アタシでも分かるよ。そうじゃなくて、例えば趣味とか。好きな人でもいいね」

「趣味……好きな人……」

 

 朝日お姉ちゃんに言われて、私はそういったものが特に無かったことに気付く。生まれてこの方、艦娘としての仕事に注力してきた所為だろう。そこに後悔は無いし誇りも持っているが、何故朝日お姉ちゃんはそんなことを聞くのだろうか。

 

「まー、無いならいいけどさ。心の張り合いっていうのかな。そのことを考えるだけでウキウキしたり、逆に心が落ち着いたりさ。戦いばかりじゃなくて、心のオアシスみたいなもんがあった方が、良いんじゃないかなって思うんだよ。仕事ばっかりじゃ、疲れるじゃん? アタシは、それが偶々仕事に繋がっただけなんだけどね」

「そんなに私、難しい顔してるかな?」

「少なくとも、今日の三笠を見る限りは」

「疲れた顔は?」

「初瀬で癒された」

 

 傍らで初瀬ちゃんが更に顔を赤くした気がするが、それはそれ。初瀬ちゃんで癒されていたということは、本当に拙かったのかもしれない。

 

「我は、三笠が今のままで良いと思うのなら、それで良いと思う」

「敷島お姉ちゃん」

「だが、あるには越したことは無いだろうな。汝の心の拠り所となるものを、我も見てみたい」

「私も、三笠ちゃんの好きなことを見つけられたら、嬉しい、な」

「初瀬ちゃんまで……」

 

 本当に、私に好きなことが出来るのだろうか。お姉ちゃんたちが言うように、心の支えとなるような何かを。

 

「焦る必要は無い。好きなことがあろうが無かろうが、この戦いは否応無く続いていく。その中で、答えを見つけ出せばいいと我は思う。……とは言っても、何時まで続くか分からない戦いの中で待っているわけにもいかないからな。そうだな。4年後の今日、2月29日に改めてここで聞く……というのは如何だろうか」

「あっ、それ良いねー。さんせーい」

「私も、良いと思う、な」

 

 敷島お姉ちゃんの提案に、朝日お姉ちゃんと初瀬お姉ちゃんの二人が賛同する。

 

「でも、どうしてその日なの?」

「翌3月1日は、我々が立っているこの『三笠』が就役した日だろう? 当時は閏年では無かったが、その前日に何かあった方が、良いかもしれない。まぁ、浅知恵であることは認めるが」

 

 そう言う敷島お姉ちゃんは、少し照れ臭そうに視線を僅かに逸らす。私の就役した日を、覚えてくれていたんだ。

 

「じゃあさ、じゃあさ! パンジャンドラムを打ち上げてパーッと派手に花火を撒き散らしたらいいんじゃない?」

「朝日お姉ちゃんがやると、絶対、危ない……」

「じゃあ、クーゲルパンツァーにレールガン乗っけて……」

「それはもう、やったんだから、メっ! また、朝日お姉ちゃんの提督に怒られたい、の?」

 

 何故か、くだらない思い付きをする朝日お姉ちゃんと初瀬ちゃんの言い合いが始まっていた。朝日お姉ちゃんは、どんなにダメだと分かっていても、やってみないと気が済まないところがある。盛大に失敗しようがお構いなしだ。本人曰く、普段の仕事の鬱憤を晴らすためだとか何とか。

 初瀬ちゃんは、いつも粘り強く朝日お姉ちゃんにブレーキを掛けてくれるから、あまり心配はしていない。

 

 

「あの二人は放っておくとして、三笠はどうする?」

 

 敷島お姉ちゃんの問いに、私は暫し考えてみる。

 朝日お姉ちゃんの言動は正直アレだと思ってしまうが、心の何処かでそういったものを求めているのかもしれない。だからか、結論は意外とあっさり出た。

 

「分かった。私、4年後の2月29日になったら、お姉ちゃんたちに話すよ。この場所で。それまでに必ず見つけるから。それまで、待っててくれる?」

「勿論だ。我が否と言うはずもないだろう。朝日と初瀬はどうだ」

 

 敷島お姉ちゃんが二人に声を掛けると、朝日お姉ちゃんと初瀬ちゃんは言い合いを中断して私の方に向き直る。

 

「うん、良いと思うよー。反対する理由も無いし、それまでゆっくり見つければ良いんじゃない」

「私も、待ってる。これでも、お姉ちゃんなんだから、ね」

「――――ありがとう」

 

 お姉ちゃんたちの気遣いが嬉しくて、自然と笑みが零れた。

 

 

 

 

 私はお姉ちゃんたちと、4年後の2月29日に必ず会う約束を、改めて固く結んだ。

 たとえ、どんなに厳しい戦いが待っていようと私は生き抜いて、見出した答えをお姉ちゃんたちに伝える。お姉ちゃんたちも、生きて答えを聞くと約束した。

 それはきっと、その後の私の方向性を決めるものなのかもしれない。何であったとしても、私はそれを大切にして、生きていくのだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

**********

 

 冬の日向(ひなた)は暖かく。

 春の日向は冷たくて。

 

 芽吹く命を祝福し。

 終わる命は沈黙す。

 

 私は貴女に悲しみを。

 貴女は私に喜びを。

 

 

 

 お願い、どうか泣かないで。

 私はいつも、貴女の傍にいるのだから。

 

**********

 

 




 書いている際に気が付いたんですが、2044年2月29日って月曜日なんですね。今年と全く同じだったんで、驚いてました。

 本編も閏年で、4年前のこの日は何かちょうど良かった……というくらいの理由でほぼ勢いのまま書きました。後悔はしていない。
 特に朝日と初瀬は、書き始めた時点で全然キャラが固まってない状態だったので、ちょっと困りましたねw

 初めての試みで、ボロが出まくっている気がしますが、お楽しみいただけたのなら幸いです。

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