pixivの方で公開していましたが、こちらにも投稿しようと思いこちらにも公開しました。
この作品は一気読みできるようにしました。
それを許してくれる方はどうぞ。
…辺りを見渡せば、血と肉塊が飛び散っている。その数は、軽く十は超えるだろう。
そんな殺風景な場所に男が二人。
一人は肥っていて、スキンヘッドをしており、スーツ姿に何かと高級そうなコートを羽織った人で、尻餅をつきながら、頼み込むような動作をしていている。
もう一人は血濡れの服を着た青年で、学ランのような服を着ており、黒髪で寝癖頭をしている。彼はスキンヘッドの男に右手でナイフを突きつけており、懇願している男と違い、顔が整ってる彼の表情は笑みを浮かべている。
スキンヘッドの男「ひ、ひぃ!ま、待ってくれ!まだ…まだ俺は…!」
血濡れの青年「死にたくないってか?」
スキンヘッドの男「あ、ああ…じゃなくて、はい!ですから今回は見逃してください。金は幾らでも払いますから!」
血濡れの青年「・・・。」
スキンヘッドの男「この通りだ、頼む!」
そう言うと血濡れの青年は血のついたナイフを綺麗に拭き取り、ポケットにしまいその場を離れる。
スキンヘッドの男「(バカめ!)」
その隙をスキンヘッドの男は懐から銃を取り出し、引き金を弾こうとした。
だが、男はあることに気づく。
いや、気づくのがおそすぎた。
男の首が地に落ちていることに。
ピシャーーーーーーーーーーーーーーーー⁉︎
首がない胴体からは大量の血が噴き出した。
スキンヘッドの男「!!!?」
血濡れの青年「何を驚く?ただ首が胴体と離れただけだろう」
血濡れの青年「ま、死んだアンタに話しかけても仕方ないか」
と言いながらスキンヘッドの男の首に近づく。
血濡れの青年「アンタに恨みはないが、この欲を満たす。糧になってくれ。」
グシャ!
虚空に嫌な音が響く・・・
血濡れの青年「・・・ふぅ」
血濡れの青年は疲れたのか、自分が解体(ばら)した肉塊の上に座っている。
???「お疲れ様ザガン」
何処からか声がした。ザガンと呼ばれた青年は声が聞こえた方向に振り返ると7、8歳ぐらいの少女が立っていた。
その少女は青年と同じように血に濡れたような色のワンピースを着ており、髪はリボンを結んでおり、その髪は漆黒を連想させるような黒色をしていた。
ザガン「これはこれは、ご主人様直々にお出迎えとは、感謝という気持ちしかありませんね」
???「今回はどうだったの?」
ザガン「まあまあって所かな、もう少し楽しめると思ったが、いつもどうりだ」
???「それならよかったじゃない」
ザガン「といいますとご主人様。そろそろ違う料理もいただきたいのですが・・・。いつも同じ料理を食べ続けるとさすがに私も飽きますので」
???「考えておくわ。それと・・・」
ザガン「どうしましたか?」
???「・・・二人きりの時はベルフェゴールでいいのに。(小声)」
ザガン「・・・。」
ベルフェゴール「やっぱり何でもないわ。行きましょ」
ザガン「はい、ベルフェゴール様(笑顔)」
ベルフェゴール「!!!?(赤面)」
ザガン「ご主人様、顔が赤いですよ。熱でも測りましょうか?」
ベルフェゴール「な、何でもないわ!///」
ザガン「では、行きましょう」
ベルフェゴール「え、ええ///」
ザガン「・・・(やれやれ、素直じゃないご主人様だ)。」
ベルフェゴールが冷静になるまでしばらくお待ちください。
ベルフェゴール「コ、コホン・・・今回だけはあなたのリクエストに答えましょう。どんな料理がいいかしら?」
ザガン「私共が料理のリクエストをしてよろしいのでしょうか?」
と目を光らせながら口にする。
ベルフェゴール「ええ、いいわよ」
ザガン「では・・・」
ザガン「ご主人様をください。」
ベルフェゴール「・・・え。///」
ベルフェゴール「(な、何を言っているのよコイツ///こ、コイツ本気で言っているの?///いやいやいやいや私達はあくまで主従関係であって決して恋人関係じゃなくて、でもそんなふうに見えてもいいような・・・って何考えているのよ私⁈)」
ザガン「駄目でしょうか?」
ベルフェゴール「(ブツブツ)///」
ザガン「ならば、いいです」
ベルフェゴール「だけど・・・ふぇ?///」
ザガン「その代わり、私どもがリクエストにお答えしたい時に答えさせてください。」
ベルフェゴール「・・・そ、そうよね!私をくださいなんて冗談わよね。そうよね!」
と言った後ベルフェゴールは逃げるようにその場を離れた。
ザガン「・・・そう言えば、ご主人様の血は」
どんなモノだろうな?
赤色なのか?それとも青色なのか?どちらでもないのか?
生暖かいのか?死骸みたいに冷たいのか?
解体(バラ)しても生きているような感覚だろうか?その逆なのか?・・・
ああ、駄目だ。
直でヤりたい・・・
この手でヤりたい・・・
ご主人様をヤりたい・・・
この欲を満たしたい・・・
俺がそんなことを考え始めて数ヶ月がたった。
俺はモノを殺すたびに、欲が増していくようになった。
ザガン「ヤベェ・・・な」
俺は渇いていた。
ある欲のために、一つの妄想によって・・・
『ご主人様を解体(バラ)したい』
そしてその血はどうなってるのか?
この目で確かめたい・・・
この手で傷つけたい・・・
そしてこの身体で味わいたい・・・
『スミマセン、ゴ主人様。モウ我慢デキマセン。』
・・・俺は今ご主人様の館の前にいる。
館は町から遠くにあって、その途中に森があるが、ご主人様の強力な魔法により、並のモノでは一瞬で殺られ、それなりに力があるモノでも時間の問題である。
だが、ご主人様の契約者である俺は只の森同然である。
目的はもちろん自分の欲求を満たすため、
それ以上に何もない、
ただこの手で解体(バラ)せればそれでいい!
そう思いつつ俺は門を開けた。
中はたくさんの扉があるが、一つだけ血のような色をした扉がある。
・・・それがご主人様の部屋だ。
トントン(扉を叩く音)
ベルフェゴール「どちら様?」
ザガン「私です」
ベルフェゴール「開いてるわよ、入って」
ガチャ
ベルフェゴール「ザガン。仕事は終わったの?」
・・・見た限り警戒している様子はない。いつも通りだ。
ザガン「はい、ご主人様。今回もいつも通りのモノでした。」
ベルフェゴール「そう、お疲れ様」
ザガン「・・・そう言えばご主人様」
ベルフェゴール「何かしら?」
ザガン「数ヶ月程前の話ですが、一つリクエストに答える許可を頂きましたね」
ベルフェゴール「リクエスト・・・ああ、そんなこともあったわね」
ザガン「覚えててくれましたか」
ベルフェゴール「当然よ、約束じゃない。で、そのリクエストは何なの?」
ザガン「では答えましょう。私のリクエストは・・・」
シュン!
ベルフェゴール「・・・なッ⁉︎」
ザガン「あなたですよ。ご主人様」
俺はポケットに締まっていたナイフを目にも留まらぬ速さで首に切りかかった。
だが、ご主人様もギリギリで危険を察知したのか。紙一重で避ける。
ザガン「アレを躱すか、さすがとでも言うべきか」
ベルフェゴール「ザガン!あなた何をしているのかわかっているの⁈」
ザガン「ククク・・・ご主人様。俺はアンタのリクエストに答えているだけだが?」
ベルフェゴール「主に逆らう気⁈」
ザガン「逆らう?違うな、俺は自分の欲を解消したいだけでね。アンタの身体は他の誰よりも解体(バラ)しがいがあるからな」
ベルフェゴール「このバカ悪魔が!」
ザガン「悪魔?今更、何を言っているのですか?私はもとより悪魔ですよ。そう言うご主人様も、悪魔の一員ではありませんか」
ベルフェゴール「・・・いいわ。あの時のように、どっちが上かその身をもって味わいなさい!」
ザガン「そう来なくては面白くない」
ベルフェゴール「主に逆らった罪、後悔するがいいわ」
ベルフェゴール「はあ!」
ベルフェゴールの手元から赤黒い球体が幾つか出てくる。その数は数十、いや数百はあるだろう。
ザガン「やれやれ、でたらめ過ぎる」
そういうとザガンに向かって赤黒い球体が襲いかかる。
ザガン「切る!」
それを迎撃するために斬撃を飛ばす。
ズシャ!ズシャ!ズシャ!ズシャ!・・・
次々と球体か消えていく、だが・・・
ザガン「多いな・・・無くなる気配が全くない。むしろ・・・」
球体は消えるどころか、むしろ増えているように感じる。と呟く。
すると突然球体同士の隙間から、赤黒い刃が現われた。ザガンからは死角だったので反応が遅れたが、ナイフで刃を跳ね返す。だが、刃に集中し過ぎたせいで5、6個の球体がザガンに襲いかかる。
ズガガガガン!
ザガンのいたところは跡形も無く消えていた。
ベルフェゴール「この程度のモノだったのね。やっぱりあの時と変わらないわね・・・ザガン」
ベルフェゴールは勝利を確信したかのように、目を瞑る。
ベルフェゴール「・・・ふぅ。さて、壁を新しくしましょ・・・⁉︎」
グシャ!
ベルフェゴール「クッ!」
ザガン「やれやれ、俺に背後を向けるとはみくびるのにもいい加減にしてもらいたいなぁ」
ベルフェゴール「何故・・・生きているの・・・よ」
ザガン「ああ、それに同じ手が通用する優しい相手じゃないぜ。俺は」
ベルフェゴール「・・・只のバカじゃないってことね。だけど何故あの中から抜け出しきたの?」
ザガン「惨華」
ベルフェゴール「は?何を言ってるのよ?」
ザガン「技名だけ言ってもわからないよな。やれやれ、一から解説しようか」
回想
~球体がザガンに襲いかかる。
ザガン「(斬撃を飛ばしたら、間に合わないか・・・)」
このままだと殺られるなと思ったザガンは
ザガン「・・・出し惜しみしている余裕はないな」
というとクラウチングスタートみたいな構えをとり、身体に力を溜め、勢いよく飛んだ。
ザガン「極彩と散れ」
するとザガンの分身が幾つか現われ、球体に特攻した。
球体は爆発を起こし、分身も当然消える。
爆発、消失、爆発、消失・・・
何度か繰り返すと視界には、自分に背後を向けたベルフェゴールが映った。
ザガン「勝負事に背を向けるとはな」
サッ!
回想終了
ザガン「そして開いた隙間から飛び出し、思いっきり斬撃を食らわせたという事だ」
ベルフェゴール「随分と詳しく教えてくれるのね」
ザガン「いえいえこれらは今までの義理を清算したまですから」
ベルフェゴール「・・・やっぱり優しいのね(小声)」
ザガン「・・・。」
ベルフェゴール「もうこんなことやめましょう、あなたのやったことを許してあげるから、私のできることならなんでもしてあげるから」
ザガン「・・・残念ながらその期待には答えられないな」
ベルフェゴール「・・・そう」
ザガン「どんなことだろうが、今更後に引けないさ。これに勝る快楽は存在しないからさ」
ベルフェゴール「・・・わかったわ。それがあなたが望むなら、こちらも遠慮無くいかせてもらうわ」
というとベルフェゴールの身体が赤く光に包まれた。
ザガン「(遂に見れるのか、ご主人様の本気が)」
内心そう思ったザガンは、鼻息が荒くなっていた。
そんな中赤い光から声が聞こえた。
ベルフェゴール「この姿を見たモノは誰一人として生きて帰ったモノはいない。あなたの覚悟、私が見させてもらうわ!」
と言い終わるとベルフェゴールを包み込んだ赤い光にひびがはいった。
そのひびはだんだん広がっていった。
パリーン!
赤い光の中から現れたのは7、8歳の少女ではなく、ザガンと同じくらいの歳の女性だった。恐らくベルフェゴールだろう、服は赤黒いワンピースに腰に届くぐらいのコートを着ており、髪の色は赤と黒が混ざり合ったような色で、足元は生足であり、胸もそれなりに膨らんでおり、宙に浮いている。
ザガン「かなり変わったように見えるな」
ベルフェゴール「見た目で判断しているでしょ」
ザガン「いえいえ、そんなことはありませんよ」
ベルフェゴール「軽蔑はしないのね」
ザガン「元より手加減をして勝てる相手とは思ってませんから」
ベルフェゴール「ほめ言葉として受け取るわ」
ザガン「さて、お互いに決意が固まったようですので・・・」
ベルフェゴール「ええ、そうね」
「「さあ、殺し合おう(殺し合いましょう)」」
ザガン「しかし・・・」
ベルフェゴール「?」
ザガン「本当にご主人様か、と言いたいぐらいに変わっているな」
ベルフェゴール「あら、貴方はこの姿の私の方がお好みだったかしら?」
ザガン「いえいえ、そんなことはありませんよ。ただ・・・」
ベルフェゴール「ただ?」
ザガン「一人の従者として、ようやくご主人様らしいご主人様が見れたような気がします」
ベルフェゴール「・・・褒め言葉として受け取るわ」
ザガン「礼には及びません」
ベルフェゴール「褒美の代わりとして受け取りなさい」
そういうと彼女の手の平をザガンを隠すようにかざすとザガンの足元に魔方陣が現れる。
ザガン「(足が動かない⁉︎)」
ベルフェゴール「あなたのことだから、避けようとするからね。だから動きを封じさせてもらったわ」
ザガン「やれやれ本当にアンタは俺の細かい所を見ているな」
ベルフェゴール「べ、別に・・・あなたのことなんか見ていないわよ///」
ザガン「ほう」ニヤリ
ベルフェゴール「と、とりあえず耐えて見なさい!ブラッディ・ハンド!」
すると魔方陣から無数の赤い手が伸びてきた。
その手は正に血に濡れた手そのものだった。
ザガン「見た目に似合わず悪趣味なことだ」
そう言うと彼の足元にナイフを突き刺す。
突き刺した場所から、大量の血が溢れた。
その血は赤い手を次々と消失させる。
ベルフェゴール「まだ隠し技を持っていたとはね」
ザガン「さあ、どうでしょう?」
気づけばザガンの足元には魔方陣がなくなっていた。
どうやらそう長く拘束できないようだ。
ベルフェゴール「ならこれはどう?」
彼女の手から大量の黒い物体がポトポトと落ちてくる。見た限り直径15cmの液体のような何かだと思われる。
ザガンは何かを察したのかそれを自分のナイフで妨害するも、弾かれる。
ザガン「ご主人様も趣味が悪いですね」
ベルフェゴール「・・・」
そんな挑発にも乗らず、黙るベルフェゴール。
いや、正確には口元が微かに動いている。
ザガン「(やはり詠唱呪文か、しかも強力なモノ!)」
ベルフェゴール「・・・起きなさい、私の分身」
すると黒い液体が一箇所に集まっていき、一つの人の形になってくる。
その形からヒビが入る。形はボロボロになり、その中からベルフェゴールによく似たモノが出てきた。
ザガン「ほう、長年ご主人様を見てきましたが、ここまで似たモノを作るとは。このザガン驚きが隠せません」
ベルフェゴール×2「それにしては、やけに興奮してるじゃない」
ザガン「(わざわざ詠唱してきたということは、外見だけではなく能力も同じか・・・面倒だな)」
ベルフェゴール×2「何考えている余裕があるのかしらね!」
一直線に俺の所に突進してくる。両方とも片手に強力な魔力を感じる。俺を葬るには十分すぎる魔力だ。
迎え撃つか?ダメだ。隙を見てもう一体にヤられる。
ならば回避するか?これもダメだ。ここで回避すると第二打でヤられる。
まとめて解体(バラ)すか?しかしそう簡単には成功しないだろう。それ以前に俺に二体同時に解体(バラ)す程の力があるかもわからない。
ザガン「(・・・参ったね)」
ベルフェゴール×2「終わりよ!」
気付けばその距離は5mにも満たなかった。
ブレーキせずあのスピードで来ると恐らく1秒にも満たないだろう。
ザガン「ここは戦略的撤退でもしますか」
そんなことを言っている間にも距離が縮まってくる。
3m・・・クラウチングスタートの態勢をとる。
2m・・・足元に全神経を集中させる。
1m・・・ギリギリまで待つ。
ザガン「(まだだ。もっと引き寄せる!)」
片方のベルフェゴールが動いた!
ザガン「七彩!」
ザガンの姿が消えた。ベルフェゴールはすかさず、もう片方の手に魔力を貯める。そして目を瞑り、ザガンの居場所を探査する。
ベルフェゴール「・・・。」
生命反応、
心拍数、
移動した方角・・・
などから次に現れる場所を探り当てる。
ベルフェゴール「そこ!」
その場所は自分の真後ろにある本棚だった。
ベルフェゴールは急旋回し、すかさず第二打を放つ。
時間が経つにつれザガンの姿が見えてきた。その表情はベルフェゴールの最も好みの表情だった。
ああ、この表情を見るのも最後か。と思いつつザガンに目掛けて攻撃する
ザガン「やれやれ、本当に単純だな」
ベルフェゴール「え」
ザガン「さて・・・」
ザガン「終わりだ!」
首元に親指を当て、首元をなぞるように動かした瞬間だった。
ベルフェゴールの胴体が真っ二つに割れた。
とある部屋にて血に濡れる青年がいた。
名はザガン
とある悪魔の従者である。
いつも通りに誰かを殺し、いつも通りにそれを解体(バラ)した。
だが、今回は違う。
ザガン「・・・。」
真っ赤な血に濡れた彼の表情には笑みが浮かんでいる。
だが、その笑みはどこか悲しそうに見えたのは錯覚かもしれない。
ザガンは真っ二つに割れた胴体を見ながら、つぶやいた。
ザガン「あっ、という間だったな」
ザガン「・・・。」
ザガンは自分の心が薄れていくことに気づいた。
ザガン「ああ、そうか・・・」
ザガン「終わったんだ・・・。」
そう言い残し、ザガンはその場を立ち去った・・・。
ザガン「さて・・・終わりだ!」
???「ぐわああああ!」
「決まったッーーー!ザガンの即死当身が刺り、見事優勝をつかみましたーーー!」
ザガン「・・・ふぅ」
???「やれやれ負けてしまったか」
ザガンに対して愚痴をこぼしたのはザガンと瓜二つのモノだった。
ザガン「アンタは最多勝獲ったからいいじゃないか。」
???「次があればリベンジさせてもらう。」
ザガン「・・・楽しみにしていますよ。」
俺が此処に来てから数年経った。
俺が来るまで、色んなことがあった・・・
それはご主人様をヤった日のことだった。
ザガン「・・・。」
俺は心は薄れていた。
すべての欲を出しきった感じがする。
ご主人様に対しての欲が満たされたことよって、すべてを失った気がする。
今思うとあの欲は自分の動力源だった。
腹いせに幾つかモノを殺してもあれに勝る快楽はなかった。
ザガン「これが未練のないモノか・・・」
今の気持ちを一言で表すと
苦しい、
苦しすぎる。
少なくとも生きている限りはすべてを失えば苦しむことなどなかったのだ。
死ななければ本当の意味で苦しまない。
だが、彼は自分の命を絶とうとしない。
だれかに殺してもらいたかったのだ。
自分の持てる力をすべて出し切って、潔く死にたい。
だが、そんな願いは届くわけがない。
それは自分でも理解している。
自分を殺せるモノはご主人様だけだと思っていた。
しかし全力をだした瞬間、あっさり逝ってしまった。
あっさりし過ぎて堪能する暇もなかった。
こうなるなら全力を使うのではなかったと。
しかしヤってしまったモノは戻らない。
人間はともかく、たかが一体の悪魔がそんなことができるわけがない。
少なくとも神でもない限りヤったモノを戻すことなんてできない。
自分はこれから、いつまで、どこまでさ迷うのだろうか・・・。
???「“血に飢えた悪魔”ですか・・・傑作ですね。」
ザガン「!?」
突如声がした。ザガンは慌てて声が聞こえた方に振りむいた。
そこにはマジシャンの様な格好をしており、白黒反転している仮面を被っている。
そのモノに対しザガンは警戒する。なぜなら・・・
ザガン「(この俺がモノの存在に気づかなかっただと!?)」
マジシャン?みたいな人「おやおや、そんなに殺気を向けないでください。私は別に怪しいモノではありません。・・・少なくともね。」
ザガン「・・・失礼いたしました。」
それを聞いたザガンは殺気を抑えた。
N「おっと、こちらの紹介が遅れましたね。私の名前は・・・“N”とでもお呼びください。」
ザガン「この私に何かご用ですか?」
N「今回私が貴方に契約しにまいりました。」
ザガン「契約?」
N「はい、貴方には我が社のプレイヤーキャラクターになってもらいたいのです。」
ザガン「プレイヤーキャラクター?」
N「我が社がある世界は数々の武闘家、能力者、異人類等関わらず思う存分勝負をすることができます。」
ザガン「思う存分・・・!?」
N「はい、それは貴方が好きな殺し合いも可能・・・と言いましょうかね。」
ザガン「・・・私にしては非常に嬉しいお話ですが、貴方の契約を受け入れることはできません。」
N「ほう、なぜでしょうか?」
ザガン「俺はもうだれかに関わろうとは思わないからさ、それに俺は元より悪魔だ。下手なことをすれば悪魔の名が堕ちる。」
N「・・・では、こうしましょう。」
Nは一呼吸して口を開いた。
N「私が契約したプレイヤーキャラクターと戦い、貴方が勝てばこの話はなかったことにします。しかし貴方が負けた場合は契約の話に戻しましょう。」
ザガン「・・・。」
N「もちろん強制はしません。ただし貴方にとっていい条件は出しましたけどね。」
ザガン「・・・面白い、ヤってやろう。」
N「では明日の深夜に此処でお会いしましょう。」
ザガン「今ヤるんじゃないのか?」
N「此方も準備というものが必要ですので・・・」
ザガン「・・・まあ、いいか。」
それを聞いたNは何かの次元の裂け目のようなモノに入り消えていった。
ザガン「(なるほどそうやって俺に気づかれず来たのか)」
内心納得するも顔には出さなかった。
しかし今はそんなことに納得している場合じゃない。
一つの選択をしてしまったのである。
ザガン「・・・やれやれ、今日はなんて日だ。ご主人様をヤって心の整理がつかないまま、今度は謎の人物に果し状か。」
この選択がザガンの運命を変えてしまうかもしれない。
ザガン「まあ・・・」
しかし運命とはわからないものだ。
ザガン「楽しみがまた増えたからまだましか」
自分の眼で確かめない限り・・・。
ザガン「さて・・・」
ザガン「寝るか」
夜
今ザガンはNと初めて出会った場所にいる。
しかしそこにはNの姿はなかった。
ザガン「・・・来るのが早かったかな?」
と空を仰ぎながら呟く。
ザガン「しかし今日は月が綺麗だ。」
N「お待たせました。」
次元の裂け目の様なモノからNが出てきた。
N「遅れて申し訳ございません。色々と大会で忙しかったものですので。」
ザガン「大会?何かイベントでもやるのか?」
N「おや、興味を持ちましたか?ならば詳しく教えましょうか?」
ザガン「いや必要ない、今の俺にはどうでもいいことだしな。」
N「そうですか。」
ザガン「俺の対戦相手はどこだ?」
N「此方に」
すると次元の裂け目の様なモノが現れた。
N「ここを通れば貴方の対戦相手に出会えます。」
ザガン「なぜ向こうから来ない?」
N「慣れた場所で戦う、と申しておきましょう」
ザガン「おいおい、それって俺が不利じゃないか」
N「ご安心ください。通った瞬間に攻撃するなどはしません。」
ザガン「・・・まあ、いいか。」
そう言うとザガンは裂け目に入っていった。
N「では私は観戦でもしましょうか。」
N「拝見させていただきますよ・・・」
N「お二人の華麗なる戦いを。」
今ザガンは次元の裂け目から歩いて500mぐらいのところにいる。
顔には出していないが早く殺し合いたいという欲を持ちながら歩いていた。
ザガン「おいおい、いつになったら辿り着くんだ?」
とボヤキを呟くも答えてくれるモノはいない。
辺りは歪んだ色をしていて、見るだけでも気分が悪くなる。
しかし、前に進むしかない。
自分と殺し合えるモノと出会うには、そうするしかないのだ。
ザガン「ん?」
ザガンがいるところから10m先に光が見える。
すると光は瞬く間に広がった。
ザガン「!?」
気がついたらそこは見知らぬ世界だった。
辺りは高い建物が立ち並び、周りには大勢の人々が歩いている。
他にも何かの乗り物を運転したり、何かの機械が動いている。
ザガン「ここが・・・Nのいる世界か」
ザガンはその予想をはるかに超える世界に戸惑うも、一息吐こうとポケットに突っ込むと・・・
ザガン「(何かある)」
ポケットの中は自分が知らぬ紙切れがあった。
ザガン「これは・・・地図か」
地図には赤い丸が書いてある。
ザガン「ここにいけってか?やれやれ、面倒だな」
若干呆れ顏になったが、あるモノを見てザガンは驚愕する。
ザガン「(ご、ご主人様!?)」
それは紛れもなく自分のご主人様だった。
いや、正しくはご主人様に瓜二つのモノだった。
しかしザガンはそれをかつてのご主人様にしか見えなかった。
違うところを挙げるなら、衣服と髪の色が白色ぐらいだ。
ザガン「(・・・そんな筈はない、あの時俺はこの手でご主人様を殺めたのだ。生きている筈がない。)」
しかしそう思っていると裏腹に体はご主人様に似たモノに向かっている。
それに気づいたザガンは必死に止めようとしたが、体が言うことを聞かない。
ザガンは諦め、正直にご主人様に似たモノに向かった。
???「あら、七夜。こんな時間に何しに来たの?」
ザガン「(七夜?まさか俺と瓜二つのモノがいるのか?)」
ザガン「いえ、すみません。人違いでした」
???「そう」
ザガンはすぐさまその場を去った。
ザガン「(まさかこの世界に来てご主人様に似たモノと出会うとは、偶然とはいえ出来過ぎではないか!?)」
ザガンはそう思いつつ、目的地に早足で向かう。
ザガン「一時期は焦ったが、とりあえず到着・・・かな?」
たどり着くとそこにはスタジアムのような建物があった。
ザガンは受付に聞くと・・・
???「失礼いたしますが只今N様はいらっしゃいません」
ザガン「そのNって人に呼ばれたのだが・・・」
そう言うとザガンはNに貰った(?)地図を見せると
???「あ、これは申し訳ございません。貴方の事は聞いております。どうぞスタジアム内の応接室でお待ちください」
ザガンは見取り図を貰い、応接室に向かった。
ザガン「ここか」
扉に応接室と書かれたところに着くと、すかさずノックした。
コンコン
ザガン「・・・誰もいないのか?」
そう思いドアノブを回した時に後ろから背中を押された感覚がした。
ガチャ!
ザガン「!?」
ザガンは応接室の中に驚いたそこは紛れもなく謎の空間だった。
しかし突然の事態に反応ができず、彼はなすすべもなく空間の中に落ちる。
ザガン「うわああああああああ!?」
ザガンは奈落の底に落ちた・・・
ザガン「イツツ・・・危ない危ない・・・」
奈落に落ちた彼だったが、咄嗟の反応で何とか最低限のダメージで済んだ。
ザガン「チッ・・・誰だ、俺を突き落としたやつは?」
ザガンは腹が立っていた。
理由は言うまでもないが・・・。
ザガン「・・・まあ、該当者は一人ぐらいしかいないが」
ため息をつくも、ザガンは辺りを見渡した。
そこは大木が立ち並ぶ森だった。
しかし違和感を感じるのは気のせいではなかった。
ザガン「瘴気・・・か」
辺りが瘴気に満ちていた。
恐らく普通の人間が入れば十分狂えるぐらいの濃度だと思われる。
普通の人間ならば・・・
ザガン「やれやれ、面倒なところに落とされたものだ」
そうタメ口を言いながらポケットに突っ込むと、また知らない紙切れが入っていた。
ザガン「・・・渡すなら、直接渡してくれ」
呆れつつもその紙切れの内容を確認する。
ザガン「また地図か・・・全く俺としては回りくどいことをしないで欲しいがな」
と言いつつ現在地を探すと・・・
ザガン「魔法の森?」
それだけではない他の場所見ると知らない名前ばかりだ。
まさか、また違う次元に飛ばされたのか・・・
と呟きながら歩くと、とある建物が目に入る。
ザガン「・・・何だ、家?」
ザガンはドアの前まで行く。
ザガン「(誰かいるのか?)」
そう思いノックしようとすると
バチィ!
ザガン「ッ!!!」
触れた瞬間、雷を受けたような電撃が体を走ろうとした。
ザガンはそれに対し自身の持つ力で抑え、5m前まで家から離れた。
???「へぇ〜対悪魔用に作った魔法陣だが、見事に回避したか。」
ザガン「誰だ!」
その声に反応し、ポケットからナイフを取り出し声をしたところに魔力を込めて投げつける。
???「よっと」
カーンと言う音と共にナイフが跳ね返る。
跳ね返ったナイフをキャッチした時に、ナイフを投げたところから無数の弾幕がザガンに襲いかかる。
ザガン「斬刑に処す」
ザガンはそれをナイフで返す。
ギュンギュンギュンギュン・・・
ナイフで切るたびに打ち消すような音が響く。
しかしその音に反応している暇もなく、ナイフで切り続ける。
突然空が暗く感じるのに気づくと何かが上から落ちてくる。
ザガンは弾幕を切ることを止めナイフを地面に刺し、地面から大量の血を放ち迎え撃つ。
そしてすかさず・・・
ザガン「その首、俺が貰い受ける」
反撃に出る。
ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!・・・
シュタ
ザガンは着地すると辺りを見渡す。
煙と共に人影が見えた。
ザガンはその人影に対し
ザガン「随分と手荒い歓迎ですね」
とワザと芝居気味た口調で言う。
???「おいおい、そっちが先に仕掛けたんだぜ」
煙が晴れていくと同時に人影が濃くなっていく
ザガン「すみませんね。当方ここに来るまで色んなことがありましたので・・・」
???「しかしあの魔法陣に反応するということは、アンタが私の相手か。」
ザガン「ええ、どうやらそのらしいです」
煙が晴れた時に見えたのは、魔法使いが被るような帽子をしており、服はまさに魔術師か何かが着るような白黒の服だった。
???「おっと自己紹介がまだだったな」
SS魔理沙「私は魔理沙、シューティングスター魔理沙だ。アンタは?」
ザガン「ザガン、しがない悪魔です」
SS魔理沙「ザガン・・・か、よし覚えた」
ザガン「まさか、Nから名前を聞いていないのか?」
SS魔理沙「ああ、聞かれたのは種族が悪魔ってところだけだ」
ザガン「・・・まあ、何がともあれ自己紹介が済んだところで」
SS魔理沙「そうだな、とっとと始めようか」
すると魔理沙は弾幕の準備をする。
ザガンはそれを誘蛾の様に眺めながら待ち構える。
見つめながら言葉を放つ・・・
ザガン「さあ、殺し合おう」
ヒュン!ヒュン!ヒュン!
ザガン「チッ、またかよ」
ザガンの周りには弾幕が迫っていた。
その数は魔を倒すには十分な数であろう。
しかしザガンはそれを躱す。
無駄のない動きで弾幕を躱す。
中には針の穴を通す程の正確さを求められるモノもあったが、それもしっかりと決める。
ザガン「とは言っても・・・流石に限界か」
限界は誰にだってある。
ザガンもその一体だ。
躱すと言うことはその脅威が十分理解した上で出した判断の一つでもある。
しかし同時に何かを犠牲にする。
ザガンの場合は回避する為の体力と回避する為の隙間を縮めるリスクを払っている。
ザガン「切r・・・!」
ズガガガガン
ザガン「チッ」
時々標的を攻撃しようするが弾幕が濃すぎる為迂闊に攻撃できない。
ザガン「やれやれ俺の苦手なタイプの敵か」
そもそもザガンは攻撃が激しい敵には相性が悪い。
更にザガンは捕まったら逃げる術を持ち合わせいない。
その為回避行動に出るしかないのだ。
SS魔理沙「そっちから来ないならこっちから行くぜ」
そう言うと箒で叩きつけようとする。
ザガンはそれを迎えず、敢えて離れる。
箒が地面に触れた時、ザガンはナイフを挙げる。
ザガン「極死・・・」
ザガン「カスリもしないか・・・」
ナイフをキャッチした時にはSS魔理沙はまた空中に浮いていた。
ザガン「(何とか地上に下ろせないものか)」
実のところザガンは空中戦が苦手なのだ。
先ず空を飛べること自体ができない。
大木を蹴れば飛べないことが無いが、空中では隙ができる。
その為空中で戦うのは苦手だからだ。
ーーーただ地上でのスピードは一級品である。
少なくとも人類最速を軽く超えてしまうぐらいなスピードは用いている。
それがザガンの長所でもあり、弱点でもある。
本来ザガンの戦い方は目に止まらぬスピードで相手を翻弄するモノである。
逆に言うとザガンのスピードを超える相手には効果が無いということだ。
今ザガンと戦っている相手はそのザガンのスピードを超えるスピードを持つ。
早い話”相性が最悪”なのだ。
ザガン「Nめ・・・俺を試すつもりか。」
そう言っている間にも容赦無い弾幕がザガンに襲いかかる。
ザガン「(ならば・・・一撃で仕留めるだけだ。)」
襲いかかる弾幕を躱し、SS魔理沙に近づく。
近づく毎に弾幕が濃くなっていく・・・。
だがザガンはそれを去なす。
自分の持つナイフで弾幕を去なす。
この事にSS魔理沙は驚く。
SS魔理沙「(まさか私の弾幕にここまで耐えきるとは・・・)」
それに対しザガンは笑みを浮かべる。
ザガン「(この高揚感、この危機感、そうか・・・俺はこの気持ちを忘れかけるところだった。)」
このままだと埒があかないのか再び箒でザガンを叩きつけようする。
ザガン「(今だ!)」
ザガンはSS魔理沙に向かって駆け抜ける。
弾幕が濃い事を利用し、身を隠す。
偶に弾幕を去なしたりして、弾幕を躱す。
去なし続けると弾幕に裂け目が見えた。
しかしその裂け目は非常に小さく、危険な裂け目だ。
一歩でも間違えれば即瀕死状態に陥るだろう。
だがザガンはその裂け目を潜る。
無駄の無い動きでその弾幕を躱し、裂け目を潜る。
潜り抜けた先には弾幕を放つ張本人・SS魔理沙がいた。
SS魔理沙「なっ!?(アイツ私の弾幕を潜り抜けた!?)」
SS魔理沙はザガンから距離を取ろうとするが、ザガンのスピード方が上だった。
正に蜘蛛が獲物を捕らえるかのごとくSS魔理沙を掴み、そのまま地面に叩きつけた。
ザガン「・・・捕まえた。」
SS魔理沙「ぐっ・・・」
ようやくSS魔理沙を捕らえたザガンは息を荒げながらも語り続ける。
ザガン「アンタは俺だけのモノ(獲物)だ・・・。誰にも渡さねぇ。」
SS魔理沙「ちょ!?こんな時に何言ってんだ!?///」
男性が女性を押し倒している時点で、色々とアレだが。顔が整っていて、更にこんな言葉をかけられば、側から見えれば告白しているようにしか見えないのである。
どうやら彼女もまんざらではない様子である。
掴んだ手から伝わる心拍数や赤らめてる顔から誤解している事に気付いたザガンは表情には出さなかったが悪魔の様な笑みを浮かべた・・・いや、悪魔だが。
ザガン「そうだな先ずは・・・」
ナイフをしまい対象の顎を掴み首をさらけ出し、その首を指で弄る。
SS魔理沙「ふわぁ!?///」
ザガン「ほう?ココが弱いのか。」
SS魔理沙「ち、違っ!?そんな訳じゃ・・・ふわぁあああ!!?///」
彼女が言い終える前に指で弄りその反応を楽しむザガン。
ザガン「体は正直ですね。さて次は・・・」
彼女の首元を弄ったところにザガンは顔を近づける。
何をするか察したSS魔理沙は何とかして拒もうとするが、身体が抑えつけられてなす術のままザガンの行動を行われた。
ザガンは自分の舌を出し、指で弄った場所を舐め始めた。
SS魔理沙「ん、んなああああ・・・///」
ザガン「まだ始まったばかりですよ、この程度で堕ちてはこのから生きていけませんよ」
SS魔理沙「お、堕ちて・・・ふぁい・・・///」
ザガン「・・・そうですか」
ザガンは舐めるのを止め、SS魔理沙を見つめる。
SS魔理沙「ハァ・・・ハァ・・・ふぁんで・・・?///」
ザガン「はい?」
SS魔理沙「何で・・・止め・・・る?」
それを聞いたザガンは笑みを浮かべる。
ザガン「私はそこまで鬼ではありませんので」
SS魔理沙「・・・」
ザガンは再びナイフを取り出しSS魔理沙から離れようとする。
SS魔理沙「・・・なあ」
ザガン「ん?」
SS魔理沙「どうして仕留め無い」
ザガン「・・・。」
SS魔理沙「今なら私を殺すことだってできるだろ、何故私を殺さない」
ザガン「・・・少なくともアンタは俺を殺そうとしなかった。それだけだ」
SS魔理沙「・・・。」
ザガン「それに俺は殺人鬼だが、恩は返す殺人鬼だからな」
そう言い終わるとザガンはSS魔理沙から離れる。
SS魔理沙「待て・・・。」
SS魔理沙の制止を聞いてザガンは立ち止まる。
ザガン「何でしょうか?」
SS魔理沙「最後に一ついいか?」
ザガン「どうぞ」
SS魔理沙「勝負はまだ続いているぜ」
予想外の言葉にザガンは内心驚きつつもこう返す。
ザガン「状況的に私の勝ちだと思いますが」
SS魔理沙「いや、少なくともちゃんとした終わり方をしていない。だからノーカウントだ」
彼女の理屈を聞いて呆れつつもザガンは返す。
ザガン「理不尽ですね・・・」
SS魔理沙「この世界に理不尽はどこにでもいるぜ」
ザガン「やはりあの時もっとヤっていれば良かったか」
SS魔理沙「あ、アレもノーカウントだ!!!///」
この反応にザガンの悪魔の笑顔が見えたのは気のせいであってほしい。
ザガン「やれやれ、で?何で決着つけようか」
SS魔理沙「互いの持つ最も威力が高い技で決着をつける」
ザガン「それってアンタ有利じゃないのか」
SS魔理沙「私の一番得意分野で倒せたら負けを認めるって意味だよ」
ザガン「あ、はい」
SS魔理沙「お前絶対舐めてるだろ」
ザガン「舐める?先ほどのことをもう一度されたいのですか?」ニヤリ
SS魔理沙「そう言う意味じゃねぇ!!!///」
ザガン「冗談に決まっているじゃないですか(これは使えるな)」
SS魔理沙「(こ、コイツ絶対に倒す!)」
ザガン「で?ヤらないのか?」
SS魔理沙「ヤるよ!」
ザガン「それではいくぞ!」
SS魔理沙「ああ、来い!」
ザガン「極彩と散れ!」
SS魔理沙「マスタースパーク!」
夜
ザガン「ゼェ・・・ゼェ・・・」
SS魔理沙「ハァ・・・ハァ・・・」
ザガン「おい、いい加減にしろ・・・。これじゃいつまでたっても終わらんぞ・・・」
SS魔理沙「うるせぇ!決着つくまで・・・続ける・・・ぜ・・・」
どうやらあの後決着がつかなったので、何度も繰り返している模様。
ザガン「いい加減に・・・倒れろ!」
SS魔理沙「だったら・・・ザガンが倒れろよ!」
ザガン「いいや、魔理沙が・・・」
SS魔理沙「ザガンが・・・」
ザガン・SS魔理沙「「倒れろ!!!」」
チュドーン!!!
気づけばいつの間にか、名前で呼び合う仲になっていた。
激しい爆発音と共に2人(1人と1体?)は仰向け倒れた。
ザガン「あーあ・・・ゼェ・・・これじゃ・・・無駄に体力を減らしているだけだ・・・。」
SS魔理沙「ザガンが悪いんだぜ・・・ハァ・・・お前がタフだから・・・いつまでも続くだぜ・・・。」
ザガン「いいや・・・魔理沙が・・・。」
SS魔理沙「ザガンが・・・。」
ザガン・SS魔理沙「・・・。」
ザガン「・・・何やってるんだ、俺ら。」
SS魔理沙「・・・全くだぜ。」
N「少なくともまともなことはしてませんね。」
ザガン・SS魔理沙「「?!」」
突然Nが二人の視界に入り、先程の疑問を返した。
当然二人が反応しないことはなく、慌てて立ち上がった。
ザガン「・・・前から言いたかったが、本当に突然表れるようなことだけはするな。誤ってヤったら遅いだろ」
N「それは困りますね。それでは商談が出来ません。」
ザガン「周りに知られたくはないのか」
N「・・・まあ、そういうことにしておきましょう」
ザガン「・・・。」
N「しかし、これは困りましたね。このままでは埒があきません。」
ザガン「いや、その話なんだが」
N「はい?」
ザガン「アンタの契約を受けてもいい。」
N「ほう、それはこの世界に興味を持ったということでいいでしょうか。」
ザガン「まあ、興味がないと言えば嘘になるな」
N「来る前には興味はないとおっしゃってましたが、何かありましたか?」
ザガン「今に至るまで色々とあったからな、驚きを通り越して清々しくなる。」
その言葉を言い終えた後ザガンは目の焦点をSS魔理沙に合わせ、こう言葉を放つ。
ザガン「それに、俺もまだまだ見捨てられてないという事に気づいたからな。」
ザガン「(それにあのご主人様に似たモノについても調べたいからな)」
ザガンが言った言葉に反応したSS魔理沙は顔を赤らめながらザガンに話しかける。
SS魔理沙「お、おい・・・それって///」
SS魔理沙が言いかけたその時にザガンがこう放つ。
ザガン「あ、勘違いはするな。別にアンタをそういう風に見ていないから」
SS魔理沙「・・・マジで?」
ザガン「ああ」
SS魔理沙「・・・。」
その回答聞いたSS魔理沙はやや落ち込んだが顔には出さなかった。
ザガン「まあ、今は・・・な(小声)」
SS魔理沙「え!?今なんて・・・」
ザガン「さてと、どう契約するんだ?」
N「おっと、そうでしたね。では契約書にサインを・・・」ニヤニヤ
SS魔理沙「ちょっ!?」
ザガン「何故、ニヤける。」
N「すみませんね。仲がいい、と思っただけです。」
ザガン「・・・意外にも気があったからな」
そういうとザガンは契約書にサインをする。
N「これで契約成立ですね」
ザガン「で先ずは何をすればいいんだ。」
N「そうですね。こちらから何か有れば連絡しておきましょう。」
ザガン「わかった」
N「では、私はこれで・・・」
そういうとNは次元の裂け目の中に消えていった。
ザガン「さて・・・今日はどうするか。」
と言いながら視線をSS魔理沙に向ける
SS魔理沙「な、なんだよ?」
ザガン「いや、何でもありませんが。」
SS魔理沙「言えよ!気になるだろ!」
ザガン「では遠慮なく言わせて貰う。」
SS魔理沙「どうぞ」
ザガン「泊めさせてくれ。」
SS魔理沙「・・・え?」
ザガン「そのままの意味だ。泊めさせてくれ。」
SS魔理沙「・・・お前、マジで言ってるのか?」
ザガン「ああ」
SS魔理沙「・・・。」
ザガン「ん?ダメなのか」
SS魔理沙「いやいやいやいやいや、常識的におかしいだろ!?そもそも私達は今日知り合ったばかりの仲だぜ!?それに男女で一緒に・・・うあああああああ///」
ザガン「安心しろ、別に俺は襲わん。」
SS魔理沙「何でお前はそんな恥ずかしいことを堂々と言えるんだあああああ!?///」
ザガン「性分だから仕方ない。」
※その後、SS魔理沙を説得するのに1時間はかかりました。
次の朝
今ザガンはSS魔理沙の家の前にいる。
そこにはSS魔理沙の姿もあったが・・・どうも様子がおかしいのは気のせいであってほしい。
ザガン「ありがとうございました。また来ますね」ペコ
SS魔理沙「もう2度と来るな!!!///」
ザガン「ひどいですね。昨日はお互いに・・・」
SS魔理沙「うわあああああ言うなあああああ///」
※何があったかはご想像にお任せします。
ザガンが家から出て1時間を過ぎる頃だった。
今ザガンは自分が落ちたところにいる。
そこにはNの姿もあった。
N「お待たせしました。大会の出場が決まりましたので、お連れ致します。」
そういうとNが指をはじくと裂け目が開き、その中に入る。
ザガンは黙って頷き、Nについていく。
しばらく歩くとNは「次の用事がありますので」と言い、その場を離れる。
ザガンは黙りながら歩き続ける。
すると一筋の光が見え始めた。
ザガンはポケットからナイフを取り出す。
思えばここまで来るのに色々とあった。
ご主人様を殺め、Nとの商談があり、そして色んなモノを見た。
途中で壊れかけた時もあったが、今は有意義に過ごしている。
ザガン「やれやれ、俺もまだまだ見捨てられてないようだ。」
そう呟き、ザガンはその光に向かう。
一体の悪魔はこうして、無限の世界へ降り立ったのだ。
現在
ザガンは今自分の向かうところに行っている。
その場所は自分の仲間が待っていた。
SS魔理沙はもちろん忍びの装束を着たモノや、刀を持った女剣士などがいた。
仲間達は笑顔でザガンを迎え入れる。
ザガンも笑顔で返し、こう放つ。
「ただいま戻りました。」と・・・。
THE END