手紙を開いたら、次の瞬間地上4000m上空にいた。
手紙の差出人はまだ常識があったみたいだ。4000mくらいなら人が出来るパラシュートの範囲内だし。空気抵抗や気圧の変化で死なないように配慮してあるんだろう。12000フィートからだったらどうなっていたことか…。
問題は僕が先ほど交通事故にあったばかりだということだ。下に湖があるみたいだが、手も足も動かせないので水没する予感しかしない。ああ痛い。傷口に菌が入り込んで死んだらどうしよう。
まあ僕には空を飛べる能力なんてないしこのまま落ちていくしかないんだろうけど。だったら最後にこの壮大な景色を目に焼き付けておこうと思い周りを見渡した。痛え!
あれあれあれ。3人も人がいるぞ。しかも1人は半袖どころかノースリーブ…。寒そうだ。湖に落ちたら特に。おい責任者どうなってるんだよ既に半数が湖に入っちゃいけない要員だぞ。風邪引いちゃうんだぞ。僕なんてもう怪我してる。
残り2人は…女の子の方ワンピースじゃねえか!お前あれか!?スカート空気抵抗でまくるつもりか?ラッキースケベ?ああもうちょっと下から斜め方向の風が吹けば完全に見えるのになあ。
最後の1人は…普通だね、うん。金髪だってこと以外は。ちょっと童顔かなあ。何処でも生きていけそうな印象を受けた。
さて、ここまで考えるのに1分08秒かかった。4000m上空から自由落下したら地上につくまで1分半かかるので残り22秒で僕の人生は終わりである。せめて首吊り自殺で色々と垂れ流しながら終わらせたい人生だった…。今も絶賛垂れ流し中だけど。
気のせいかそうではないのか知らないが、時間がゆっくり進んでいる気がする。走馬灯かな。
『君は幸せになるために生まれてきたんだ。』
幻聴が聞こえますねえ。
『だから何を犠牲にしても幸せになるべきなんだ。』
『仲間を犠牲にしろ。味方を犠牲にしろ。勇者を犠牲にしろ。正しい奴を犠牲にしろ。救ってくれた奴を犠牲にしろ。』
『生きろ。何を使っても。』
『死にたくないと最後まで足掻いてくれ。』
ごめんね。僕これから死ぬわ。
『そうだね。君は死んでしまう。』
『だからそんな哀れな君に生きるための恩恵を授けよう。』
『これで幸せになってくれるなら私はどうなっても構わないから。』
生きること自体が枷なのに、そんな重石になることを言わないで欲しかったなあ。
僕は生きている限り不幸にしかなれないのに。
あ、そろそろ地上に着陸する。痛いだろうなあ。きっと水面に思いきし当たるだろう。よおし僕も男だ。(違う。)潔く飛び込んでやろうと動かしたくない手足を思い切り広げた瞬間だった。
突風が下から斜め方向に向かって吹いたのである。僕だけに。
さっきのフラグかよ!ならジャージにズボン着てる僕じゃなくてワンピース着てる女の子にしろよ!合法スカートめくりだろ!男も女も共通の夢だろ!
そしてそのまま湖に直撃!というテンプレ展開を不幸な僕がする訳がなく地面に突撃!するだけじゃなく自らの持っている恩恵のせいで地面共々周りのもの全てをぶっ飛ばした僕であった。
…あれなんか吹っ飛んでった人数4人だったんだが増えてないか?
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湖に着水したと思ったんだが次の瞬間爆発が起きまた空からのスカイダイブを楽しんでいた。
爆発が起きた中心にはあのジャージ男(だから違う。)がいた。あいつ面白いもん持ってんな。また会ったら根掘り葉ほり尋ねてみよう。
こっからどうやって落ちるかだけど、落ちるところに森があるのでクッションにすればいい。
だけどきっと、いや絶対湖に落ちた時よりもひどい惨状になりそうだ。呼び出したやつ殺す。
これぐらいの高さでは何をしようとされようと死ぬような俺ではないから是非とも木と木の隙間を見つけてそっからすっぽり行きたいところだがなんせそれが見つからない。
ガシャガシャガシャッ。
枝に飛び乗って、俺、参上!とかやったら多分折れてしまうため地面に着陸する。
さあて俺を呼び出したっぽい奴は向こうの方にいた。召喚時のこの失礼千万、貞操で償ってもらおうかと不敵に俺は笑い、そっちに向かって飛び出した。
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爆発に巻き込まれた時、私の友達は何処へ行ったのだろうとまず探した。
私は見かけによらず頑丈だ。だから少なくともこの高さから落ちても死ぬことはない。
だけど私の友達、ミケは違う。
こんな上空から地面に直撃したら死んでしまう。
私は全身全霊で自分の鼻と目を使いミケを探した。犬とタカと友達になったときにもらったもの、使わせてもらうね。
いない、いないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいない。360度何処を見てもいない。
私は焦った。早く見つけないと今にもミケが死んでしまう。
ふっとミケの匂いが鼻を掠めた。
どこ!?
勢いよく振り返る。違う。まさか下!?森に近づけば近づくほど強くなっていくミケの匂いに確信する。
血の、匂い。ミケの死の匂い。そんな、そんなはずはない。ミケが死んでるわけがない。お願いだから死なないで。
私は目を見開きミケを探しながら森のなかへと落ちていった。
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私が死ぬときはきっと、退屈で死んでしまうのだろうとずっと思っていた。
世界は私に籠の鳥であることしか見せつけてくれなかったから。トビラが開かれたことなんて一度だってなくて。裏口からこそこそと、穴を開け、いざ飛び立たんと、本当の自由を、今ここにと明言したときに__
空高く、から落ちていく。
塵と共に散る。真っ赤に咲き誇る薔薇が跳ね飛ぶ。薄れゆく視界をそれはそれは赤く染め上げていく。
羽はすでに撃たれていたのね、と声の出ない声で笑う。飛べないはずだ。届かないはずだ。落ちていくはずだ。
__でも少しでよかったから。
明るく異常で面白オカシイ。
自分が最も望んだ場所で骨を埋められることに。
盛大な感謝を払いましょう。
赤い少女はうずくまり、ゆっくりと、ゆっくりと、目を、閉じた
赤ワンピさんどころか耀の友達さんまで死んでいますがご都合主義で復活するので安心してください
それでは次回『久遠飛鳥の復活ミッション』にてまた会いましょう。