「やぁやぁやぁ!まさかちーちゃん以外でISを倒すような存在が現れるとは思っても居なかったな!というわけでその身体解剖してもいい?大丈夫!これでも束さんは天使と言われているくらいには優しいからしっかりと麻酔もつけてあげるよ?」
「はやいはやいはやい、そして何より俺のことを何も考えられてない」
現在進行形で俺の身体をバラバラにしようとしてくる女性―――篠ノ之束を躱しながらなんとか言葉を紡ぐ。ISという未知の機械たちに遭遇し、返り討ちにした後この女性と会い逃走したのだが……そのISというものが大量にやって来た結果、篠ノ之束が使っている移動用のポッド(的な何か)に連れてこられていた。
ぶっちゃけ、倒すだけならどうとでもなった。元居た世界で神機兵MK2……ドヒャ!と動く変態機械を相手にしてきた経験があるために、どうにかすることはできたんだけどそれには神機を使わなくてはならない。火力が足りないのだ。一体、二体なら何とかなるけど、それ以上となると中々に辛いものがある。
話を聞く限りこのISという機械があること以外は普通の世界と言っていいだろう。想像以上の化け物が出現したりはしないし、真の人外も居ないし、超能力も使わない。そういったところで偏食因子を活発させるなんてろくなことにならないだろうし。俺は自重を覚えたのである。
「え?麻酔するんだし十分でしょ?」
「え?それで十分だと思ってるの?」
やだこの人。取り繕うことをしない当たりラケル博士よりも酷いかもしれない。あの人内心はともかく外面だけは完璧だった。が、この人はまるで取り繕わない自分の欠落を堂々と見せることができるその精神力には尊敬の念を抱くね。憧れはしないけど。
しかし関心ばかりしていられない。このままでは本当に解剖しかねないので、現在俺のことを拘束している機械類を壊して肢体の自由を取り戻した。拘束されていたために少しだけ凝り固まっていた肢体をほぐす。……行動に支障はないようである。
「………おっかしいなー。ゴーレム君達と追いかけっこしてた時のデータをもとに作ったはず。理論的には誰にも壊すことはできないはずなんだけどなぁ」
人間外の理論を適応しないとだめみたいですね(確信)少なくとも神機使いを他の人と同列に考えてはいけない。俺達は遠足感覚で自分の数倍でかい化け物を狩りに行くんだしね。体の扱い方なんかも割とわかっているんだぜ。対人は若干苦手だけど。
「とりあえず解剖されるのは嫌なので帰りますね。さようなら」
世間体を気にしないラケル博士とか最悪以外のなにものでもない。どうせこの人もその内ラスボスと化すんでしょ。ラスボスにならないとしてもこの人が俺に厄介事を運んでくることは明白。この世界に来た原因なんかはよく分からないけれど。その点に関しては別に深く考えていない。過去に行っても戻ってこれたし、大丈夫だろ。
返答を待つことなくその場から脱出。そこまで広くはない篠ノ之束の移動用基地の中を駆け回る。そして扉を見つけ、ひょいとそこを開けるとそのまま飛び降りた。どうやら海上の遥か上を跳んでいたらしく下には広大な海が広がっていた。常人なら確実にお亡くなりになるだろうが、まぁ、俺は何とかなるだろう。
肢体の偏食因子を活発化させ体外に出ず、尚且つ強度だけを高められるような調整を行っ海面と接触する瞬間を待つ。だが、その時はいつになっても訪れることはなかった。何故ならば、俺の背中にはつい数時間前俺のことを散々追い掛け回してくれたゴーレム君とやらが居るからである。
そのゴーレム君―――いわゆる無人機と言われるものに捕まれ、抵抗らしい抵抗もできずに俺は再び移動基地に引き返すこととなった。……もしかして本格的に俺は科学者もしくは研究者に弱いのかもしれない。
「勝手に逃げないでくれるかな?こうしている間にも束さんの貴重な時間が無駄に浪費されているんだけど」
「俺の事ほっとけばいいんじゃないんですかね……」
「だーかーらー、そういうわけにはいかないんだよねぇ。だってさ……君、この世界のどこにも存在した記録がないんだもの」
篠ノ之束の表情が途端に鋭く変化し、尚且つ言葉にも一層の冷たさが混ざる。どうやら彼女が俺のことを捕獲しようとしていたのは強さ以外にもあったらしい。
「最悪、身体能力の方はどうでもいいんだよ。ちーちゃんに束さんという前例が少なからず存在しているんだから在り得ない話じゃない。……けど、記録の方はそうもいかない。こっちは戸籍に乗っていないことも加味して非合法の実験場の監視記録までのぞき見したっていうのに君らしい人物も、同じようなスペックを誇る人間も存在しない………ねぇ、これってまるで急に何処からか湧いて出て来たみたいだと思わない?」
「……人をその辺の雑魚モブみたいに言いますね……」
俺がこの世界に来てから一日も経過していない。そんな短期間で地球上の情報を全てのぞき見したのか篠ノ之束という人物は……ッ!これをアラガミの影響なんてなく、自然に身に着けているということに戦慄を隠せない。もしかしたらラケル博士を越える邪悪にもなり得るのではなかろうか。
「モブとは失礼だね。私だって君のことは認めてるよ。実験用のラットとして、だけど」
「それは認めてるって言わないんですがそれは」
「あーもー、面倒くさいになぁ。なら、今回は特別に……と・く・べ・つ・に!この束さんが譲歩してあげよう。君のことを調べさせてくれたら―――君が元々いた世界に帰れるように最大限尽力しようじゃないか」
……成程、彼女はそう結論付けたのか。
この世界で生まれて来た記録がない。すなわち別の所から来た。それを彼女は異世界から来たと仮定しているようだ。常人であるなら考えはすれ確信に至らない発想……むしろ妄想話として片付けられそうですらあるのに。
その結論がドンピシャというのがさらに質が悪い。これだから天才っていうのは面倒臭い上に厄介なんだ。何をどう頑張っても手のひらで転がされている気しかしない。
「………」
「君にとっても悪い話じゃないと思うけど?」
確かに悪い話ではない。最悪、篠ノ之束が俺の中にある偏食因子の扱いを間違えても元々この世界の住人ではない俺には何の影響も与えないわけだし。ただ……荒廃した世界を知っているからこそ同じようなことは起こさせたくないという想いもある。キチガイだなんだ言われているけど人間として破綻しているわけじゃない、当然ことだ。
うんうんと頭を悩ませること十分間。そろそろ向こうの我慢が限界なのか浮かべている笑顔が引きつり始めたころ、ようやく結論を下す。
元の世界に帰ることが一番の急務ではある。だからこそ俺は覚悟を決めよう。それを第一に考え、状況によってはそれ以外を捨てる覚悟を。
「……わかりました。その条件を飲みましょう」
「決りだね」
手間を取らせやがって、という顔をしている篠ノ之束のことを一瞥してから再び自分のことを拘束していた機械を無理矢理に外す。協力はするけれど、その前にいうべきことがあるからだ。
俺はこの世界に来てから一度も話すことなく、また触らせることもなかった神機を篠ノ之束の方に向けてから口を開く。
「ただし――――これの取り扱いには十分に気を付けること。……貴女が手を出そうとしているのは文字通り世界を喰らう世界にとっての癌細胞。扱いは俺の前でのみ行い、そしてむやみやたらに実験しないこと。それが条件です」
「かたっ苦しいなぁ……そんなこと君に心配されるまでもない。なんたって私は―――」
「―――――お前が誰かなんて関係ない。それほど危険なものだ、このくらいの心意気で取り扱え。もし約束を違えるようなら」
「――――お前を殺す」
再三繰り返すようだが、別にこの世界がどうなろうと俺には関係ないし、この世界が俺達の世界と同じようになったとしてももしかしたら極東人のようなキチガイたちが生まれ案外どうにかなるのかもしれない。
が、その結果を得るためにはあらゆる犠牲が発生する。それは、シエルのような人間を作ることであり、ナナ・ロミオ先輩・リヴィ・ジュリウスのような子どもを作り出す行為であり、ギルさんのような悲しみを背負う人間を生み出すということである。ISなんて兵器が存在しているが、それでも世紀末なあの世界に比べればいくらかましだろう。そんな世界を態々世紀末に変えるなんて質の悪いことになるのは気分が悪すぎる。
「………分かったよ」
……まぁ、とりあえず許可が下りたようで何よりである。
こうして異世界のラケル博士と呼んでもいいような天才、篠ノ之束との生活が始まったのであった。
―――――――
何なのだろうか。アイツは。
私は目の前で見たことがない武器を向ける人物に対して初めて『恐怖』という感情を抱いている。
外見年齢は大体20に届くか届かないかという程度。特に肉体が発達しているわけでもない。強いて言えば白髪に赤目という人間的には珍しいカラーリングをしているだけで、それ以外は特になんとも変わったところのない人間である。
そんな人間に私はちーちゃんにすら感じたことのない恐怖を抱いている。これでも束さんは世界各国から求められるほど人気者なのだ。凡人共の相手なんて吐き気がするけど。ともかく、そいつらは国の利益ひいては自分の利益のために私のことを捕まえようと様々な人材を送ってく来た。そのかなには殺気を放ってくる連中だっているし、なんならちーちゃんだって時々飛ばしてくる。
でも……こいつの殺気はそういうものではなかった。ちーちゃんの殺気は鋭いけど、けど中身がどこか空っぽだ。それは当然で、ちーちゃんは人を実際に殺したことなんてないんだから。各国から送られてくる連中だって、私のことを殺すわけにはいかないから脅しにも重みはない(実際に殺り合って殺されるなんてありえないけど)
別世界というだけあってかなり殺伐とした世界に生きているのかもしれない。もしかしたらこいつに力を与えているのはそういった代物なのかもしれない。
いいでしょう。
お前がそう来るというのであれば私だってそれ相応の態度を取ってやる。この、世界一の天才である篠ノ之束が、全力でお前の言葉を否定してやる。万に一つも私には存在しないことを目の前で証明してやる。今に見て居ろ。
――――――――――
新しい実験体兼おもちゃである樫原仁慈という異世界人(断定)を発見してから一週間が経過した。樫原仁慈の話しと肉体から採取した細胞を見た結果を合わせると確かにコイツが言ったことに矛盾は存在していなかった。この細胞は世界を根底から喰らいつくすことのできるほど強力なものだ。対抗手段が自分たちと同じものしかないというところは私が作り出したISに似ているかもしれない………。本当はあんな使い方じゃないのに……。
―――いや、そのことはいい。今はこの細胞のことだ。オラクル細胞、あいつのいた世界ではそのような名称で呼ばれていたらしいこの細胞は活発化するとその細胞ごとに好んだものを捕食して行くようだ。また、侵食力と繁殖力も強大で増えるのは一瞬であるらしい。コイツが最大限に警戒し、実験が終わった後必ず自分で処理するのは増殖を抑えるためだと言っていた。
そしてこいつが持っている武器―――神機もこのオラクル細胞を使って作られた武器だという。まぁ、同じ細胞でしか傷がつかないのであればそうするしかないのだろう。毒を以て毒を制する。よくある話だ。
「つまり君たち神機使いは人類を守るための道具だったわけだ」
「言い方悪っ!……まぁ、事実だけど。守っている人から嫌われるのとかざらにあるし」
それはそうだろう。人間は自分達と違うもの……未知の存在を忌み嫌い排除する性質を持っている。自分たちを追い詰めた化け物と同じ細胞を持ち、それを振るう神機使いを凡人たちが恐れないわけがない。
「とんだお笑い草だね。背後から石を投げつけられてるなんて」
「ぐぅの音もでない……」
「でもまぁ、私も似たようなものだけどね」
「ふーん」
一週間たって分かった事は、この細胞のこと。知れば知るほど使い道がないのだ。こいつのようにオラクル細胞を完全に制御することができれば全てを捕食するという性質でかなりの応用が効きそうだが、ほとんどの人間がそれをできない上に失敗すればこいつのいた世界を荒廃させた化け物に早変わりするという。
リスクとリターンが恐ろしいほどに釣り合っていない。性質自体は面白いから研究はするけどね。
そしてもう一つ分かったこと。こいつあからさまに私―――いや、この世界に興味がないようだ。ここに来てから私の実験に付き合うこと以外に何かしているところを見たことがない。一度特別に私が作ったISを見せたときも対した反応を見せることはなかった。
―――こういうのは見たことがあるから(多分もっと高性能で厄介な奴)
こいつの世界、荒廃しているはずなのにISみたいな機体が生まれるなんて本当にどうなっているのだろう。
それは置いておくとしてこれは屈辱だ。まさか、束さんの自信作が興味すら引けないなんて私のプライドが許さない。
―――――――――
「これぞ、私が開発した家事万能ロボット。その名も、カジえもん!」
「おいやめろばか」
私の作り出したロボットにツッコミを入れる樫原。一体に何が不満なんだよ。これは私たちにない家事能力を全て補ってくれる万能ロボットだというのに。秘密道具は出さないし、未来からも来てないけど。
「その点は別にいい。篠ノ之博士が既に〇ラえもんみたいなものだということは分かってる。名前がマズイって言ってるの。というか、料理はできないのに料理を作ることができる機械は作れるとか、アンタの頭んなかどうなってんだ」
「天才だからね!」
「説明になってない」
呆れるように溜息を吐く樫原。そのしぐさがちーちゃんに似ていてむかついたのでとりあえず脇腹にコークスクリューを放っておく。
「甘い」
「うごっ!?」
逆に返された。
細胞までハイスペックな束さんの不意打ちを完全に防いだ上に華麗なカウンターを決めてくるなんて……。完全に人間外の細胞を取り込んでいるだけはある。
「いつつ……って、私でも結構痛いと思える力加減ってことは……」
「それなりに力入れた。多分普通の人なら三メートルは飛ぶ」
殺す気だ……!容赦のなさもちーちゃんと同じ感じになって来た。もしかして、こいつとちーちゃんを会わせた時が私の最期になるかも。
「未来から来た家事型ロボットの件はもうどうでもいいけど。やるべきことはやってんの?篠ノ之博士」
「この私に隙はないんだよ!凡人の癖に心配とか身の程知らずだね!」
「はいはい凡人凡人」
適当にあしらわれ、その対応に腹が立つ。……そして連鎖的にこんなやつに諭されたことにも腹が立った。
――――――こいつと知り合って一か月経ったある日。何とかISの魅力を伝え興味を持たせた(ドヤァ!)私は樫原から一つ質問を受けた。曰くこの世界に来てISのことを知ってから気になっていたことらしい。
それは、どうしてISという兵器を開発したのかということだった。その言葉を聞いた時自分でもどうかと思うくらいに感情が死んだ。あんなのはISを否定されたとき以来だ。結局異世界人だとしてもその辺の凡人と同レベルだったかと落胆した私だったけど、樫原はその後続けたのだ。
――――本当は何を作りたかったのか、と。
樫原は、自分を襲ってきたあの女からこの世界のことを聞いており、開発者である私のことと何よりその時の年齢を聴いて疑問に思ったらしい。普通に考えて女子高生がこんな兵器を売り込むのはおかしくないかと。余りに普通の着目点だったけど、この世界で私のことを普通だなんて思っている人間は恐らく誰一人としていない。無論ちーちゃんだってそうだろう。こんな切り口で質問してくる人間は初めてだった。だから、私はちーちゃん以外知らないISの誕生秘話を何の気まぐれか話したのだ。すると帰って来た言葉は―――
――――プレゼンの仕方間違えてね?そりゃそうなると思う。
私のパフォーマンスはどう考えてもISの兵器としての有用性を示すだけのパフォーマンスであり、宇宙開発を視野に入れるのであれば武装を取り除いて月にでも行けばよかったんじゃないかと言われた。
………しかし、私は樫原の言葉を否定した。私はあのバカ共に見せつけてやりたかったのだ。私が作り出したISは理論上の空論じゃないってことを。
――――まぁ、当時女子高生だった篠ノ之博士は我慢ができなかったってことか。
我慢ができなかった、と樫原は語った。早急に手をうたず少しずつ開発を進め、徐々に世間に知らせておけばよかったのだと。何を言うのだろう。そんな非効率的なことをして何の意味があるのだ。既に完成していたものを小出しして、何の意味があるのだろうか。
―――――他の宇宙関係のことで実績とか作っておけばよかったんじゃないかな。そういった連中は肩書だけしっかりしていれば割ということは聴くものだぞ。其れか火星あたりにでも行ってみればよかったんじゃないかな。ま、止めてくれる人間がいなかったってことは不幸かもしれないけど。
わからない。私は生まれたときから天才だった。天才だったが故に私に並び立てるのは別のベクトルでの天才であるちーちゃんだけ。両親だってある意味で箒ちゃんだって同列じゃない。
全員は私のことを奇妙なものを視る眼を向ける。何も言うことはない。私は
「………」
「篠ノ之博士?」
「……オラクル細胞を使って何かしようかなー」
「やったら殺すよ?」
「ぬぉ!?ガチ殺気!?」
「前もって言ったじゃないか。そういうことをすれば殺すって」
「口に出しただけでもアウトなんだ!?」
こいつはそんなこと関係なしに止めてくれるようだ。まあ、私と同じステージに立てるっていうのもあると思うけどね。
――――――――――
「クーちゃん!挨拶!」
「はい、束様。クロエ・クロニクルと申します。よろしくお願いします。仁慈様」
「何処からパクって来たんだこの兎……!」
「じーちゃんおこ?おこなの?」
「その呼び方やめて、切実にやめて。まだおじさんですら行き過ぎなのに、おじじにランクアップとか勘弁して」
「じーちゃん様?」
「君も真似するのはやめようね」
はぁ、と溜息を吐くじーちゃん。やめないよ!だってじーちゃんのその表情が見たいからね!
というか、兎に関してはじーちゃんに言われたくないな。白い髪に赤い目は完全に兎のカラーリングだと束さんは思うんだよ。中身狼だけどね!」
「途中から声に出てるんですけど」
呆れながらも視線で私に訴えかける。流石に人ひとりを攫ってきたことに関しては理由を問いて来てくれるらしい。ふっふっふ、分かってるねぇ。じーちゃん。伊達にこの一年間一日たりとも離れずともに過ごした仲だね。
クーちゃん。クロエ・クロニクルを連れて来た理由は明白。この子が私の被害者だから。私が間違った方向で世間に浸透させてしまったISの所為で生まれてしまった被害者だからせめてもの償いの気持ちで連れて来た。……詳しいことは省いているけど、ここだけ言えば大体伝わると思う。
「やっぱどこにでもマッドサイエンティストはいるもんなのか……」
「……?どうかなさいましたか?」
「いや、こっちの話。で、束さんや。貴女に子育てはできるんですかねぇ?……リンドウさんたちの様子を見る限りかなり大変だぞ。ある程度成熟して、言葉が通じる分まだいいかもしれないけど」
「その点において抜かりなし。何故ならこっちには逸般人の癖に常識を兼ね備えたじーちゃんが居るからね!」
「丸投げかよ」
ちゃんと私だって責任もってお世話しますとも。けどね、私だけだと色々偏ってしまうかもしれないから……ね?
「自覚している当たり成長はした……のかな……。まぁ、とにかく本人の意思を確認してみないことにはどうしようもない。クロエちゃんはそれでいいの?」
「はい。もとよりこの身は廃棄寸前だった不良品です。助けていただいた束さまに全てを委ねます」
「…………………了解」
クーちゃんの言葉でさらに頭を抱えるじーちゃん。アッハッハ、これから頑張ろうね!じーちゃん!
「所で束。俺を元の世界に帰すって約束はどうなったわけ?」
「な、何のことかなー?」
「おいィ?」
頑張ろうね、じーちゃん!
束さんがチョロイン?
何言ってんだ白い束さん最高やろ。
ちなみに前回のタイトルは、IS→神機兵みたいなもん→アラガミ化する→つまりISもアラガミ→ついでにクアトリガはミサイルを放つ→やっぱりアラガミじゃないか!
ということです。