トメィト量産工場   作:トメィト

2 / 27
一発物なのに続きという。

いや、アレです。問題児だからギフトカードもらうとこまでは書いておかねばと思いまして(言い訳)


神機使いが異世界に来てしまったようですよ?そのに!

 

 

 

 

 

 

 空気の読めない質問をした自覚はある。しかし、俺は別に悩みなんてないし異才をもった少年少女というわけでもない。あの世界は確かにろくでもないけど、全てをなげうってまで逃げたいというわけでもないし。これでも愛着を持っているのだ。

 

 

 「すみません、それは出来ません」

 

 

 しかし、黒ウサギが口にした言葉はできないとのこと。おい、あの手紙開けたら即効転移のものなんだから帰宅サービスくらい完備してて欲しい。

 

 

 「でも、異世界に行くためのギフトはこの箱庭のどこかにあるかもしれません」

 

 

 「なるほど……」

 

 

 黒ウサギが言っていたことだが、この世界で行われるギフトゲームはありとあらゆるものを賞品と出来るらしいし、異世界にわたるという能力を持つ何か、もしくは能力そのものが賞品とされているギフトゲームがあるかもしれないということか。

 ………まぁ、可能性があるならいいや。ぶっちゃけ、向こうに残してきたブラッドメンバーも極東の人も俺が失踪したくらいじゃ心配しないだろうし。

 

 

 「帰る手段があるならいいです」

 

 

 「切り替え早いですね。さっきまで思わずショックで死んでしまいそうなくらいの殺気をぶつけて来たのに……」

 

 

 「切り替えは早くないと生き残れなかったので。というか殺気なんてぶつけてました?」

 

 

 「無意識にやってたんですか……(でも、まぁ。今の発言と殺気の濃度から推測するに戦闘には慣れているご様子。それにこの気配は………これは欲しい人材ですね)」

 

 

 「それは申し訳ありませんでした」

 

 

 「い、いえいえ。お怒りはご尤もなものでしたので……(素直に謝れるなんて……ッ!黒ウサギの本能はこの人に全力で警戒信号を出していますが、人格的には一番まとも!やはり欲しいです!)」

 

 

 「(へぇ、ピンポイントで殺気をぶつける、か。ハッ、おもしれえじゃねえか)」

 

 

 「(三毛猫。殺気、感じた?)」

 

 

 「(いや。まったく感じませんでした。お嬢、あの兄ちゃん結構なやり手のようですぜ)」

 

 

 「(殺気を飛ばすなんて……結構野蛮なのね)」

 

 

 それぞれが別のことを考えつつ、一応俺たちは黒ウサギのコミュニティへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

              ――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、その後は色々あった。

 逆廻さんが勝手にどっかに行ったり、黒ウサギが所属するコミュニティは最も大事な名前を失った最弱のコミュニティだとか、春日部さんが動物と話せたりとか、久遠さんが人を操れる能力を持って居たりとか、フォレスト何とかのガルなんとかさんがゲスだったり、ゲーム吹っかけられたり、色々あったけどカット。

 

 

 現在は自分達が持っているギフトを鑑定してくれるという商業コミュニティ、サウザンドアイズに向かっている。黒ウサギ曰く、ギフトゲームをするなら自分の能力は把握してしかるべきだと。まったく持ってその通りである。

 

 

 そうして意気揚々とたどり着いたサウザンドアイズだったが、店じまいギリギリということと何よりノーネームということで入店拒否を喰らっていた。

 このような対応が俺達に自身のコミュニティがノーネームと黙っていた点だろう。名と旗がないのはこの世界においてかなり痛い、戸籍とか身分証明書がないことと同じレベルなのだろう。そんなところに入る奴は普通居ない。そういうことで、黙っていた。まぁ、ここに呼び出された奴は普通からかけ離れてるからそんな事はなかったけど。

 

 

 黒ウサギと入店拒否をしている店員のやり取りを眺めていると、唐突に何かが黒ウサギに向かって突撃をかました。その飛来物と共に黒ウサギは後方に飛ばされついでに水路に落下した。何だ今の。

 

 

 「……おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンで是非」

 

 

 「ありません」

 

 

 「なんなら有料でも」

 

 

 「やりません」

 

 

 店の前では今の光景に影響を受けた逆廻さんと店員さんのくだらないやり取りが繰り広げられていた。しかし、表情は割りとマジだった。

 結局、ギフトの鑑定は受けられるのか受けられないのか、どっちなんですかね。

 誰も彼もが好きに行動する中、俺はそう考えて溜息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

          ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 紆余曲解を経て、ノーネーム一行はなんとかサウザンドアイズの中に入ることが出来た。最も、店のほうはもう閉まってしまったために黒ウサギにフライングアタックを食らわせて水路に叩き込んだ銀髪和服の少女、白夜叉のであるが。

 

 

 そこで、彼女は簡単に自分の自己紹介とこのこの世界の説明を行った。

 この箱庭と呼ばれる世界の都市は上層から下層まで七つの支配層に分かれており、それに伴ってそれぞれを区切る門には数字が与えられている。その中でも東西南北に分かれている。

 数字は内側に行くほど小さくなっていき、それに伴いそこを拠点としているものたちの実力も上がる。四の桁の門に本拠地を構えるサウザンドアイズは名のある修羅神仏の魔窟でも残っていける実力があるということで、この白夜叉も相当の実力者であることが容易に予想が出来た。

 

 

 そこで話は十六夜が独断行動を取ったときに倒した蛇神の話になった。神という単語を聞いて若干仁慈が体をびくりと震わせたが、誰も気付くことはなかった。

 

 

 「して、一体誰が、どのようなゲームで勝ったのだ?知恵比べか?それとも勇気を試したのか?それとも、黒ウサギの隣にいるウサギのようなカラーリングの童か?」

 

 

 「いえいえ。そこに居る十六夜さんが素手で叩きのめしました」

 

 

 「なんと!?クリアではなく直接倒したと!?」

 

 

 これには流石の白夜叉も驚きを隠せないようだった。

 なぜなら神格を倒すには原則同じく神格を保有しているか、もともとの種族の性能が天と地ほどの差がないとありえないことであるからだ。蛇と人、この二つには神格を覆せるような性能差はない。

 だからこそ、この箱庭の者達はまず第一に神格を手に入れることを目標とする。

 白夜叉は十六夜が神格を持っているのかと疑うもすぐに黒ウサギが否と答えた。神格持ちは一目で分かるからである。

 

 

 「うーむむ、なんとものぉ……あの蛇がのぉ」

 

 

 「あの……白夜叉様はあの蛇神様のことを知っていたのですか?」

 

 

 「知っているも何も、あやつに神格を与えたのは私だ。もう何百年も前の話になるがの」

 

 

 そう彼女が口にしたとたん、蛇神と直接戦った十六夜が瞳に物騒な光を灯しながら口を開く。

 

 

 「へぇ?じゃあ、お前はあの蛇より強いのか」

 

 

 「ふふん、当然だ。私は東側の階層支配者(フロアマスター)だぞ。この東側にある四桁以下のコミュニティでは並ぶものが居ない、最強の主催者(ホスト)なのだから」

 

 

 最強の主催者。その言葉に十六夜、飛鳥、耀の問題児トリオは新しいおもちゃを目の前にした子どもの如く目をキラッキラさせた。

 最後の1人である仁慈は嫌な予感をびんびん感じたのか黒ウサギのほうに移動し、彼女にあの三人を止めるように小声で話しかけていた。

 

 

 「黒ウサギさん、黒ウサギさん」

 

 

 「?なんでございますか?仁慈さん」

 

 

 「絶対あの人たち白夜叉さんに喧嘩吹っかけますよ。なんとか止めてください」

 

 

 「ヴェ!?」

 

 

 バッと黒ウサギが問題児達と白夜叉に視線を向けたが遅かった。彼らは既に喧嘩を吹っかけ、白夜叉も受ける気満々の気配が漂っている。

 

 

 「え!?ちょ、ちょっと御三人様!?」

 

 

 「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている」

 

 

 この東側最強の階層支配者。ノリノリである。それと同時に黒ウサギにはもうどうすることも出来なかった。白夜叉がやる気満々である以上、あと止めるのは問題児たちなのだが、彼らが黒ウサギの話を聞いてくれるわけがない。

 

 

 「仁慈さん。なんとかしてあのお馬鹿様達を止めてください!」

 

 

 「無理です。どうにも、ガル何とかさんの一件で腰抜けのレッテルを貼られたようで話聞いてくれないんですよ。それにほら、彼女達も思春期ですし……ね?」

 

 

 「大して年も離れていないくせになに言っちゃてるんですか!」

 

 

 と、黒ウサギが叫ぶがもう遅い。

 白夜叉と問題児達は黒ウサギと仁慈のやりとりなんて完全にスルーして話を進めていた。

 そして、白夜叉は着物の裾からサウザンドアイズの旗印が描かれているカードを取り出し、壮絶な笑みで

 

 

 「おぬしらが望むのは挑戦か?それとも――――決闘か?」

 

 

 その一言で彼らが居る場所は一変した。

 畳が引かれた部屋ではなく、白い雪原と凍る湖畔そして、太陽が水平に廻る世界だった。

 

 

 「………なっ!?」

 

 

 あまりの変化に問題児達は愕然とする。 

 当然だ。今白夜叉が行ったことは世界創造にも等しい奇跡。これほどのものを見せられて驚かないはずがなかった。

 ちなみに仁慈はまた世界が変わったという感想しかもっておらず、白夜叉が起こしたことにひとかけらも興味を持っていなかったからである。後、喧嘩売ってないし関係ないかとも思っていた。

 

 

 「今一度名のりし、問おうかの。我は白き夜の魔王――――太陽と白夜の星霊・白夜叉。おぬしらが望むのは試練への挑戦か?それとも対等な決闘か?」

 

 

 実力差を見せ付けられた十六夜たちに選択肢はなく、彼らは今回は試練を受けると挑戦を選んだ。

 その答えに笑いを溢すと今度はその視線を仁慈へと向ける。

 

 

 「では、最後にそこの神格持ちの小僧。おぬしはどうする?」

 

 

 白夜叉の言葉に十六夜たちがバッと一斉に仁慈のほうを向いた。なぜなら彼が神格持ちなんて今の今まで知らなかったからであるし、飛鳥と耀はガルドが暴れようとした際にかけらも動けなかった仁慈が神格もちということが信じられなかった。

 驚きの表情を浮かべる十六夜たちと同様に仁慈本人も驚愕の表情を浮かべる。

 

 

 「え?俺?」

 

 

 「おぬし以外に誰が居るというんじゃ」

 

 

 「えぇ?神格持つようなことしたか……?まぁ、いいや。とりあえず挑戦でお願いします」

 

 

 彼の言い分に納得がいかないのか苦い表情を浮かべる白夜叉だが、それ以上追及することはせずに彼らの試練を用意したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 出された試練には耀が立候補した。 

 内容はグリフォン背に乗って湖畔を飛びきること。

 多少のアクシデントは合ったもののなんとかクリアした耀のおかげで四人ははれてゲームをクリアすることが出来た。

 そこで、ゲームをクリアした十六夜たちに白夜叉からあるカードが送られた。それはギフトカードといって、自身の持つギフトを見ることが出来たり、手に入れたギフトを収納できる高価なカード(黒ウサギ曰く)をもらった。

 

 

 コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム 正体不明(コード・アンノウン)

 

 ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム 威光

 

 パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム 生命の目録(ゲノム・ツリー) ノーフォーマー

 

 

 ブラッドレッドのカードに樫原仁慈・ギフトネーム 神殺し(ゴッドイーター) 形状変化(メタモルフォーゼ) 全人類の究極幻想(アルティメット・ヒーロー)

 

 

 「そのギフトカードは正式名称はラプラスの紙片という。要は全知の一端だ。そこのカードに刻まれるギフトネームはおぬしらの魂とつながった恩恵の名称。鑑定は出来ずともそれをみれば大体のギフトの正体が分かるというもの」

 

 

 白夜叉の言葉を聞いて仁慈は思った。

 

 

 「(神殺し(ゴッドイーター)は分かる。ただ、形状変化(メタモルフォーゼ) 全人類の究極幻想(アルティメット・ヒーロー)ってなんだ!?)」

 

 

 まったく心当たりがないため、カードを見つめたまま固まってしまう。すると、彼を不思議に思ったのか黒ウサギが横からひょこっと彼のカードを覗き込み、絶叫した。

 

 

 「な、なななな、何ですかこれは!?」

 

 

 あまりにオーバーなリアクションにその場にいた全員がこぞって仁慈のギフトカードを覗き込む。

 

 

 「へぇ………なかなか強そうなギフトじゃないか」

 

 

 「というか神殺しって」

 

 

 「形状変化……?」

 

 

 それぞれが気になった単語を上げていくが、彼のカードを覗き込み一気に真顔になった白夜叉は仁慈に声をかける。

 

 

 「………なぁ、おぬし」

 

 

 「なんでしょうか?」

 

 

 「もう一つ、試練を受けていかないか?」

 

 

 

 

 

 

              ――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 場所は再び白夜叉さんが生み出した世界。

 そこには俺と白夜叉さんが対峙している。

 

 

 「今回のゲームはこれだ」

 

 

 

 

 ギフトゲーム名 白き太陽を喰らう狼

 

 プレイヤー一覧 樫原仁慈

 

 クリア条件 白夜叉と対峙する

 

 クリア方法 白夜叉に認められる

 

 敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の条件を満たせなくなった場合。

 

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                           サウザンドアイズ 印

                                           』

 

 

 これ無理ゲーじゃねえの?

 単純に考えて、神機もって居ない俺が、世界を丸々POMと作れる奴と戦えるわけがないと思うんだが……。

 

 

 「心配せんでも、しっかりと手加減してやるわ」

 

 

 そうからから笑う白夜叉さんだが、こちとらまったく笑えない。間違いなく人生の中で一番の危機と直面している。下手すると終末捕食よりもやばいかもしれない。

 

 

 「では、行くぞ」

 

 

 雰囲気が一変する。

 今までのような笑みはなく、唯真顔でこちらを見てくる。外見は少女に限りなく近い幼女だというのにこの威圧感は違和感が半端じゃない。

 とか、思っているうちに目の前に焔が現れていた。

 

 

 「――――っ!?」

 

 

 とっさにバックステップで回避するが、背後には既に白夜叉さんが居り俺を思いっきり蹴り飛ばした。

 

 

 「ぐっ!?」

 

 

 まるでトラックにでも激突されたような衝撃が襲い掛かり、紙屑のように吹き飛ばされる。なんていう力してんだあの幼女!?

 二度、三度、バウンドしてようやく勢いが収まってきたため、なんとか体勢を立て直して着地するも、またもや炎が俺を襲った。しかも、今度は鞭のようにしなり、俺の体を追いかけてくる。

 

 

 「その焔は摂氏6000℃だから、触れると熱いぞ」

 

 

 「熱いってレベルじゃねえぞ!?」

 

 

 というかプロミネンスのことじゃないですかーやだー。

 必死こいて焔の回避しつつ、白夜叉さんの物理攻撃を受け流す。そういえば夜叉ってことは鬼神だよな。だからこんな怪力なのか。

 

 

 納得がいったところで余計これ以上攻撃を喰らうわけには行かなくなった。ここまで考えると今度は自分のギフトカードに書かれていた言葉の能力について考えなければならない。何時も神機振るっているだけだったけど、今回はそれがないから唯一の攻撃手段になりうるギフトのことを考えないとやってけないわけだ。

 

 

 小さい足で踵落としを繰り出してきた白夜叉さんの足を回避して、無防備な胴体に拳を叩き込みながら俺は考察する。

 神殺しはその名の通り、神に対しての絶対的な攻撃が出来るかとかそんな感じじゃないかな。先程殴ったとき白夜叉さんは面白いくらい吹き飛んだし。

 問題は、形状変化(メタモルフォーゼ)全人類の究極幻想(アルティメット・ヒーロー)である。形状変化(メタモルフォーゼ)は若干もしかしたら程度だが心当たりがある。まさかと思うことだが、俺の肢体は殆どアラガミといっていい。今でこそ人間の肢体で固定されているが、俺が思えばある程度操作が可能なのではないかと考えている。リンドウさんだって自分から神機作ったらしいし……。でも作り方わからないよなぁ。何気なく腕に意識を集中させて神機を思い浮かべてみる。すると、腕が黒く染まり、見覚えのある大きな口になってしまった。

 

 

 「なんで捕食形態やねん」

 

 ネロ・カオスにでもなった気分になる。

 神機には出来なかったのか。もう少し正確に神機を思い描いてみるも、まったく変化なし。仕方ないのでこの状態で戦うことにした。全人類の究極幻想(アルティメット・ヒーロー)?効果がまったく想像できないので後回し。

 

 

 「考え事は終わったかの」

 

 

 「え?あぁ、はい。待っててくれてありがとうござm――――」

 

 

 そう声をかけてきた白夜叉。どうやら手加減してくれるということは本当らしく、お礼を言いつつ彼女に向き直ると、

 

 

 

 そこには巨大な火の玉………いや、小型の太陽ともいえるものを片手に用意しながらこちらに微笑む白夜叉の姿があった。

 

 

 「……マジかよ」

 

 

 「ほれ、これを翻すことが出来たらおぬしの勝ちだ」

 

 

 そんな軽々しく言われましても……。

 とか考えているうちに彼女は小型の太陽ともいえるそれを放った。小型といっても本当の太陽に比べれば小さいというだけであって、普通にでかい。少なくとも今から回避しても間に合わない。

 ならば、覚悟を決めるしかあるまいよ。

 

 

 俺は右腕を捕食形態のようにして、小型の太陽に突っ込む。大丈夫。オラクル細胞は太陽にも多分耐える!

 

 

 「うぉおおりゃぁあああ!!」

 

 

 でも、熱までは防げませんよね!

 小型の太陽にぶつかった俺はあまりの熱さに自分の選択を即効で後悔した。

 

 

 

 

 

 

 

 

             ―――――――――――――――――

 

 

 

 

 白夜叉は今、黒ウサギと新しくノーネームに入った少年少女たちを見送っていた。同じく彼らを見送っていた店員は白夜叉に話しかける。

 

 

 「魔王討伐なんて……オーナー止めなくてよいのですか?あのままだとすぐに死にますよ」

 

 

 「そこは自己責任。私らがとやかく言うものではない。……それに、大丈夫だろう」

 

 

 そう言って、彼女は肘から下がない左腕を見せる。

 

 

 「何せ、私の左腕と共に神格の一部を喰いちぎっていった奴も居ることだしな。持っているギフトもギフトだしのう……次は本気で遊んでみたいものだの」

 

 

 カラカラと白夜叉は笑う。

 しかし、その笑みは何時もの笑みとは違い、獲物を見つけた猛獣のように獰猛な笑みだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




神殺し(ゴッドイーター)

お馴染み仁慈の代名詞とも言える物。
日夜、全人類から畏怖というなの信仰を受けていたアラガミを狩り続けていたために得たギフト。
あらゆる攻撃に神に関係あるものに致命的なダメージとなる効果を付属できる。
また、神から受ける攻撃を半減させたりする。


形状変化(メタモルフォーゼ)

自身の肢体が、殆どオラクルで形成されているために得たギフト。
本来は捕食したものを取り込み変形するが、仁慈がはっきりとした意思を持つ者なので、実物ではなくある程度構造を把握しているものなら記憶を元に再現できる。神機の詳しい構造なんて知る分けない。しかし、捕食形態は殆どオラクル細胞で構成されているためそこだけは変化させることができた。


全人類の究極幻想(アルティメット・ヒーロー)

神機使いとなる前から、オラクル細胞や偏食因子を克服したことから、彼は全人類の希望が具現化した人間なのかもしれないとラケル博士が考えたことが原型。
その後神機使いとなり、世界を本当に救ったため、その考えを雛形に人々の信仰とアラガミとついでに地球からも畏怖の念を受けて擬似的な神格を得た。

どんな逆境でも必ず勝利する。それがこの能力の効果である。
ぶちゃけると、主人公補正とも言う。



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。