デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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はじめましてです。
思い付きで書いたので、読みずらいかもですがご了承を。
あと、誤字脱字が多いかもです。




[第一幕 パラレルIF]一章 :千花マリス
1話 改変


五河士道は勢いよく地を蹴った。

 

「うおおおおおおおおおおおおおお―――ッ!!」

 

そして、のどがつぶれんばかりの大声を上げ跳躍し、二人の人の背を押した。押された二人は少し離れた所に倒れ、真っ白になっていく視界での中で見た。目の前にいたのは、幼い少女がいて、その眼には復讐の炎も、怨嗟の澱もなかった。

 

「ああ――よかった」

 

士道は小さく呟くと、真っ白い光に包まれるようにして、意識を失った。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「ん……」

 

窓から入ってくる光で、小さな唸り声を発しながら目を覚ました。頭がボーとした感覚が強く、徐々に感覚が戻っていく。

 

「……なんだろ?今の夢は?」

 

妙にリアルな夢を見て、体を起こすと辺りを見回す。見慣れた壁、床、天井に家具と、いつもの士道の部屋。

そして、頭の中で夢の内容が一部つながっていく。

燃え盛る街。降り注ぐ白い光。――ハッとして自分の身体を見た。何故か士道は来禅の制服を着ており、昨日何をしていたのかを思い出そうとするが、何故か思い出せない。とりあえず、ベッドを下りると、部屋のカーテンを開けて外を見る。そこに広がっていたのは、見慣れた天宮市東天宮の住宅街だった。右方に目をやると、一戸建ての家が建っていた。

まぁ、いつもの景色だな。と思うが士道は何か違和感がある気がした。

 

「まぁ、いいか」

 

しかし、違和感がなんなのかわからないのでそのままにして、ベッドにある電子時計に目をやる。

 

四月一日 午前九時。

 

今は春休みだった。

というか、思い切り寝坊していた。休みなので学校は無いが、いつもはもう起きている時間なので慌ててリビングに行く。しかし、リビングには誰もおらず、今は家の中には士道以外は誰もいないようで静かだった。

 

「あれ?皆は?」

 

小さく呟いていると、机の上に置かれた紙が目に入る。その紙を読むと、妹の琴里は友達の家に遊びに行ったということが書いてあった。そして、エレクトロニクス企業に勤めている士道の両親は四日前から長期の海外出張に出ていたことを思い出す。

士道はとりあえず部屋に戻り、私服に着替えると適当に過ごして、昼食を食べた。

 

その後、特にすることもないが一人で家にいるのもあれだったので、士道は駅前のショッピングモールに出向いた。新学期になるので、足りなくなった文房具を買い足しに来たのと、食材の買い出しが目的。

 

「はぁー、さすがに買い過ぎたか?さっさか、帰るか」

 

食材と文房具、日用品を買い終え、手に持った荷物を持ちながら呟き、十字路に差し掛かる。いつもはまっすぐ行くのだが、今日は道路の工事をしているので、少し遠回りだが左の道を行く。

少し歩くとそんなに大きくない児童公園があり、いつもは子供たちが遊んでいるが、今日は誰もいなかった。特に用もないので素通りしようとしたが、ベンチに誰かが倒れているのが見えてしまった。

その為、大急ぎで公園に入ると荷物を地面に置いて声をかける。

 

「大丈夫ですか?……あれ?」

 

倒れているのは長い茶髪の少女だったのだが、少女の頭の下には枕替わりなのかタオルが敷いてあり、ただ寝ているだけのようで「すぅすぅ」と寝息を立てていた。見た感じは士道と同い年のようで、厚手のコートに長めなスカートという恰好。髪には五枚ずつの白と黒の花びらの花型ヘアピンを付けていた。

 

「すぅ~ぴぃ~」

 

少女は士道が声をかけても寝ていて、寝息を立てていた。

 

「どうやら寝ているらしいな。うん、帰るか」

 

士道は地面に置いていた荷物を回収しようと少女から離れると、少女はガバッと起き上がった。

 

「ちょっとぉ、そこは寝ている少女に襲い掛かるとこでしょぉ。もう、君は分かってないなぁ」

 

少女の鮮やかな赤の瞳が士道を捉えると、何故か士道に文句を言う。

 

「なんで、俺は文句を言われているんだ?寝ていたから、静かに帰ろうと思ったのに」

「いえいえ、どこの世界に寝息が、すぅ~ぴぃ~、の人がいますかぁ!あなたは私が起きているのに気づいていましたよねぇ?これだから人間はダメなんですよぉ。私に襲い掛かってきて、それに対して返り討ちにしつつ慰謝料を巻き上げようと思ったのにぃ」

 

士道は少女のテンションについて行けず、少女はどんどんテンションが上がっていく。

後半はなんかとんでもないことを言っていた気がしたが。

 

「なんでそんなにテンションが高いのか分からんが、こんなところで寝てたら、その……危なくないか?寝ている間に俺みたいに人が来るかもしれないし……」

「いえ、平気ですよぉ。私一応強いですしぃ。だからこそ危険を冒して寝るんじゃないですかぁ。あ、それよりもあなたの荷物漁られていますよぉ」

 

少女のテンションが急に戻り、少女の言葉で振り向くと一匹の犬がいつの間にか来ていて、荷物を漁っていた。そして、士道が気付いたことに気付くと、てくてくと歩いて逃げて行った。

 

「教えてくれてありがとうな。何もなかったみたいだし、そろそろ帰るか。あっ、そうだ。起こしちゃったお詫びにこれどうぞ」

 

そう言って、買っておいたチュッパチャプスの一つを少女に渡す。

 

「あっ、これはどうもぉ。今後はちゃんと家で寝るねぇ」

「ああ、そうしてくれ。あと、巻き上げようとしないでくれ。じゃーな」

「じゃーねぇ。飴ありがとねぇー」

 

少女はチュッパチャプスを受け取ると手を振り、士道は荷物を持って公園を出た。

結局あの少女は何だったんだろう?と言う疑問だけが士道に残った。

そして、公園に残された少女は、

 

「ふーん。人の中にはあんな子もいるんだなぁ。さて、この人たちは……どうでもいいし放っておくかなぁ」

 

今までのテンションが嘘のように、ベンチの後ろの草むらを見ながら呟くと、チュッパチャプスの包装をはがして、一度においを嗅いでから舐め始める。そして、

 

「さて、そろそろ行くかなぁ?」

 

ひとりでに呟くとベンチから立ち上がり、チュッパチャプスを舐めながら公園から出て行く。

ベンチの後ろの草むらには五人の人が倒れていたが、士道が気付くことは無かった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「ただいまなのだー。お腹空いたのだー」

「おかえり、琴里。さっさか、手を洗ってきな」

「わかったのだ!」

 

士道の妹の五河琴里は帰ってくるなり騒いでいた。そんな琴里に士道は夕飯のカレーをよそった皿を運びながら言う。

琴里はそう言って洗面所に走って行き、その間に夕飯をテーブルに運び終え、テレビをつけると、琴里が戻ってくる。

 

「「いただきます」」

「そう言えば琴里。友達の家に遊びに行くにしろ、もう少し早く帰って来れないのか?」

 

二人はカレーを食べ始め、少ししてからかねてから思っていたことを琴里に伝えた。中学生とはいえ、外はだいぶ暗くなっており、このご時世なのでそんな心配がある。

 

「いやー、ゲームとかしてたら時間に気付かなくて遅くなったのだ。次からは気を付けます」

「わかってくれたならいいんだ」

 

『本日、午後五時半頃。天宮市内の児童公園で意識不明の男性が五人発見されました。その後、病院に搬送され意識を取り戻しましたが前後の記憶が無く、倒れていた理由は分かりません。今回のようなものは過去にも数度起きており、警察は事件性もあると考え調査を進めているとのことです』

 

「あの公園でこんなことがあったのか。あの子は平気かな?」

「お兄ちゃんどうしたの?それに、あの子って?」

 

そんな話をしていたら、つけていたテレビからニュースが流れてきた。

現場が昼頃に行った公園だったのでふと呟くと、それに対してカレーを食べていた琴里が聞いてきた。

 

「あぁ、それがな」

 

買い物の帰りにあの公園に立ち寄ったこと。そこで寝ていた少女のことを話した。

 

「へぇー、そんなことがあったんだ。たしかに今日は暖かかったからね。でも、五時ごろには冷えてきたし、帰ってるでしょー」

「だよな」

 

本当に大丈夫かと心配に思う士道。少し話した程度ではあるが、マイペースなのはわかったから、もしかしたらと考えてしまう。

 

「わー、あの犬可愛い」

 

そんな士道のことを他所に琴里はテレビのコーナーにくぎ付けになっていた。

 

 

 

~☆~

 

 

 

次の日。友人の殿町宏人と遊びに来ていた。

 

「なぁ、五河。休みの日に男二人で出かけるって今更ながら、あれだよな」

「言うな、殿町。言わないでいたんだから」

「今年こそ彼女作るぞー」

 

街中を歩いていたら、殿町がそう言いだし、最終的に今年の目標を言い出した。

できないフラグが立っている気がしたが、士道は空気が読んで言わないでおく。

 

「でもおまえ、二次元の彼女に走ったんじゃなかったのか?」

「わかっていないな。二次元と三次元は区別をつける。それが俺のポリシーだ!」

 

殿町は士道の問いに、どや顔で答えた。

 

「ふーん。まぁいいか、ゲーセン行くか?」

「あぁ、そうだな。今日こそおまえに勝つ」

 

そんなこんなで二人はゲーセンに入る。

それから時間が経ち、士道は一人で歩いていた。あの後、シューティングゲームやレースゲームなどなどをしたのだが、急用ができたとか言って殿町が帰ってしまったためだった。

士道は今日の夕飯を考えながら歩いていたら、昨日の児童公園の前に着いた。

そして、

 

ウゥゥゥゥゥゥ――――

 

「……」

 

町中にサイレンの音が鳴り響き、機械越しの音声が町中に響く。

 

『これは訓練では、ありません。空間震の、発生が、予想されます。近隣の住民の皆さんは、最寄りのシェルターに避難してください。繰り返します――』

 

周りにいた人たちは、放送を聞くと、落ち着いた様子で避難を始める。

 

空間震。

 

空間が揺らぎ瞬く間に空間を抉り、消滅させる空間の震動。三十年前から起き始め、半径数メートルから数十キロと規模もまちまちな謎の自然現象。

それにともない、シェルターが至る場所に設置され、空間震が起こる予兆も観測できるようになると、こうして避難する。

士道も急いで近くのシェルターに避難しようとすると、昨日と同じベンチで寝ている人が目に入る。

 

「まさ、か?」

 

強烈なデジャブを感じながら、まだシェルターは閉まらないはずと考え、ベンチに走って近づく。そして顔を見ると、昨日の少女だった。

 

「おーい!空間震来るから起きろ!」

 

とりあえず時間がないから、呼んで起こそうとするが起きない。よく考えればサイレンでも起きなかったはずなので。

 

「せいッ」

 

昨日と違って、枕を敷いていたので勢いよく引っこ抜く。不用意に女子に触るのに抵抗があり、昨日の発言からも念のために。

枕が抜けた瞬間、少女の頭はベンチにぶつかる。

 

「いだぁー。なになにぃ?」

 

頭を打った瞬間、飛び起きて周りを見渡す。そして、士道に気付き、遠くから聞こえる放送から、

 

「あ、昨日のぉ。これは……あ、空間震かぁ」

「ああ、そうだよ。急いでいたから、枕を引っこ抜いたが、平気か?」

「うん、大丈夫だよぉ。起こしてくれてありがとねぇ」

「それよりも、シェルターに避難するぞ!」

「ああ、そうだったぁ。えっと、あっちが近いかなぁ」

 

呑気に礼を言う少女にそう言って、少女の手を取る。

対して少女は一番近いシェルターの方を指さしながら足を動かした。

シェルターの前に着くと、困ったことになった。

 

「シェルター閉まってるし」

「ごめんねぇ。私のせいでぇ。たぶん、他も閉まってるよねぇ」

 

そう言いながら、他のシェルターの位置を思い出す。少女も謝りながら、考えふける。

 

「私の勘が言っているよぉ。空間震はあっちから来るよぉ」

「ちなみに、その勘は当たるのか?」

「うんと、過去三回中三回当たったよぉ。あ、先に言うけどぉ、ちゃんと避難してたからねぇ」

 

そして、遠くの方を指さす。勘で言われたので士道は本当に大丈夫なのか心配する。

士道の問いかけに、少女は返答し、

 

「ねぇ、ここに居てもあれだしぃ。どうするぅ?ここよりは安全で面白そうな場所知っているから行かない?」

「そうだな、安全な場所があるなら行きたいな」

 

そんなこんなで、少女の言う自称安全な場所について行った。

そして、

 

「……本当にここ安全なのか?」

 

疑問が浮かんだ。なぜなら、

 

「なんで、ビルの屋上なんだよ!」」

 

二人は何故か近くのビルの屋上に来ていた。理由を聞いたら、

 

「ふっふっふぅ。理由はもうすぐわかるよぉ」

 

と曖昧に返されてしまった。

 

「お、来たよぉ」

「え、何が――」

『ドーン』

 

言葉を遮るように、爆音が響く。

爆音のした方を見ると、三、四百メートルほど離れた所で大地がえぐられ、ビルが倒れていった。

 

「わー、今日のそんなに大きくはないなぁ。あっ、あれが空間震ねぇ」

 

少女は鉄柵に近づくとそう呟き、振り返る。

鉄柵に着くと空間震の中心に人影が見え、その上にも数人の人影が見えた。

 

「ん?あれは?」

「おやぁ。あれが見えるんだねぇ。なんなのか知りたい?」

「ん?知っているのか?教えてくれるのか?」

「うん、いいよぉ。教えてあげよぉ」

 

士道からの返答に少女は得意げに答える。

 

「中心にいるのが精霊だよぉ。精霊は隣界ってとこにいつもはいるんだけど、この世界に現れる時に空間震を起こしてしまう生命体。それを倒そうとしているのがあっちで飛んでる陸自にあるアンチ・スピリット・チームの略でASTって訳だよぉ。まぁ、一度も精霊が倒されたことは無いんだけどねぇ。ところで君の名前ってなぁにぃ?」

「なるほどなぁ。あぁ、俺は五河士道」

 

士道は説明を聞いていて、この話をどこかで聞いたことがあるような気がした。

しかし、いつ聞いたのかも思い出せず、気のせいだと思った。

 

「士道君ねぇ。私は佐藤千花(ちか)だよぉ」

「で、佐藤さんはなんで精霊とかASTとかを知っているんだ?」

「私のことは千花でいいよぉ。この名字偽名だしぃ」

「偽名かよ!」

「いきなり全て教えるほど私の好感度はヌルゲーじゃないよぉ」

「ヌルゲーって」

「まぁ、それはおいといてぇ。私はねぇ……」

 

ドーンッ。

 

千花が話していたら、ASTのミサイルを精霊が空中で切ったのか爆発し、爆音が響いた。そのせいで大事な部分が聞こえなかった。

 

「えーと、もう一回言ってくれ」

「えー、やっぱり秘密だよぉ。女の子なら秘密の一つや二つはあった方がいいでしょぉ?てことでこの話は終わりぃ」

 

聞き返すもそんな感じで無理やり話も終わらされてしまった。

 

「さて、そろそろここを離れるかなぁ。だんだんこっちに近づいている気もするしぃ」

「確かに近づいているな」

 

千花の言葉に同意すると階段を降りて公園に行く。歩いている間に爆発音が聞こえなくなった。公園に着くと千花はブランコに座る。仕方がないので、隣のブランコに座る。

 

「どうやら、消失(ロスト)したみたいだねぇ」

消失(ロスト)って?」

「精霊が元の世界に帰ることだよぉ。それにしても、士道君は意外と落ち着いているねぇ。もっと慌てると思ったのにぃ」

「意外と驚いているぞ。まだ気持ちが追い付いてないだけで……そう言えば、昨日ここで人が倒れていたんだってなぁ」

「それ、私のことぉ?まぁ、ニュースのことだよねぇ」

 

千花はブランコを漕ぎながら言う。

 

「私は五河君に会った後、すぐ帰ったからねぇ」

「そうか。じゃぁ、その後か。一体何なんだろう?」

「さぁ?じゃぁ、そろそろ帰るかなぁ。シェルターも開く頃だろうしぃ」

 

考えを巡らせ始めると、千花はそう言ってブランコから降りる。

 

「じゃぁ、またねぇ」

「じゃ、またな」

 

二人は手を振ると、千花が歩いていく。

去って行く千花を見ながら士道は一人呟く。

 

「またね……か。また会えるよな?」

 

 

 

~☆-

 

 

 

その日の夕方。

 

「ねぇ、狂三ちゃん。五河君って何者なのぉ?」

「あらあら。あなたも興味がありまして?」

「うん。だってぇ、ただの人間が霊力を持っているなんて普通じゃないしねぇ。それに、偶然来たのか、目的を持っていたのかもわからないしぃ。狂三ちゃんなら何か知っていると思ってねぇ」

「そうですか。珍しいですわね、人間嫌いのあなたが人間に興味を持つなんて。では、見返りにこの世界とあなたの情報でどうでしょう?生憎、わたくしはあなたとこの世界のことをあまり知らないので」

「そうだねぇ。いいよぉ。では、始めようかぁ」

「えぇ、そうですわね」

 

ビルの屋上で二人は邂逅していた。




お読みいただきありがとうございました。

とりあえずはこんな感じに、いこうと思っています。

あと、次いつ出すかは決めてないです。
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