デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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2話から連日投稿中。
それ故、話数注意です。


8話 反撃

空気の放流に巻き込まれた十香と美九は、

 

「ありゃ?意識あったんだ」

「えぇ、あの程度では痛いだけですわ」

 

【一の弾】で加速した狂三に担がれてなんとか風の範囲外に移動して事なきを得ていた。十香が地面に足を付けると、狂三は【四の弾】を美九に撃ち、美九の怪我を無かったことにする。そして、意識を失っていた美九は真っ白な空間に行ったことで意識を取り戻していた。

 

「大事ないか、美九」

「うう、変な気分ですよー」

「おしゃべりしている暇はありませんわよ」

 

狂三が声をかけると、澪は槍型の複合天使を前にして十香に突っ込む。十香は回避すると、背後から槍の先端だけ飛び出し、十香の背を貫こうとする。しかし、美九が<破軍歌姫>で十香の背後に音の壁を張って攻撃を防ぎ、狂三は澪に銃を撃つ。

 

「おっと、危ない。転移中は使えないのが難点かな?それで、君たちはなんで私の邪魔をするの?見ず知らずの他人を救う必要が無いでしょ?だからさ、私側に来ない?」

 

澪は飛んできた弾丸を霊力障壁で弾くと、複合天使を引っこ抜いて肩に担ぐ。そして、三人に問い、仲間にならないかと提案をした。

 

十香(確かに人間は私たちを害悪と判断して殲滅しに来た。しかし、多くの者は私たちの存在すら知らずに生活しているから、全ての人間が悪いとは思わない)

狂三(わたくしとしては別に人類殲滅に関してはどうでもいいですわ。でも、これを許容してしまえば、わたくしはけっきょく何も変われなかったことになりますし)

美九(というか、私の場合もともと人間ですしねー。こっちの世界だといつの間にか精霊でしたけど。それに、人類殲滅って私のファンの皆さんが消えてしまうのは困りますねー)

 

三人はそんなことを思うと、同時に口を開く。

 

「やめておこう」

「遠慮しておきますわ」

「やめておきますねー」

 

三人が否定の意思を口にすると、三人の中から霊力が溢れ出す。

 

「これはっ!」

「ちーちゃんの言ってたやつですねー」

「そのようですわね」

 

そして、三人は若干困惑をすると、すぐに千花の言っていた奴だと察する。澪は三人から霊力が溢れたこと、誘いを断られたことで、もう加減をするのを止めることにする。

 

「じゃぁ、終わりだね」

 

澪はそう呟くと、空間を繋いで複合天使を十香の背後から突き刺す。しかし、その攻撃が来る直前に十香は後ろに身体を向けながら、

 

「来い!<暴虐公(ナヘマー)>」

 

十香の剣型の魔王<暴虐公>を顕現させて、左手で握って攻撃を弾く。澪はまさかガードされると思わず驚く。

 

「行きますわよ<廻廻帝(ルキフグス)>」

「行きますよー<滅陣歌姫(リリス)>」

 

そして、狂三と美九も魔王を顕現させる。狂三の魔王は、時計の針のような双剣で<刻々帝>の銃を消して<廻廻帝>を握る。美九もギター型の魔王<滅陣歌姫>を手に取るのだが……

 

「ところで、私ギター弾いたことないんですよねー」

 

美九はそんなことを言って、適当に弦を弾く。すると、音弾が放たれ一直線に澪のもとに飛んで行く。狂三は魔王の扱い方が頭に流れ込んできて納得すると、空を蹴って澪に接敵する。澪は複合天使の柄についている鎖を振るって音弾を弾くと、向かってくる狂三に対して槍の方を振るって攻撃を捌く。

そして、十香は<鏖殺公>と<暴虐公>の二つを携えて、澪に向かって振るっていく。

 

「うーん、天使と魔王の同時顕現されるのは厄介だね」

 

澪はこの状況に困り果ててそう言うと、複合天使の能力を使う。といっても<封解主>の能力だが。

複合天使と<暴虐公>がぶつかると、<暴虐公>を分解させにかかるのだが、十香は同じ手をくらう気も無く、<暴虐公>に霊力を纏わせる。すると、纏った霊力が分解され、結果的に<暴虐公>の分解は妨げられ、複合天使と衝突する。複合天使の動きを止めると<鏖殺公>で澪の胴を斬りにかかり、澪は宙を蹴って距離を取ることで回避する。

すると、回避先に狂三が先回りしており、

 

「わたくしたちの番ですわね」

 

狂三がそう言うと、狂三の背後では美九が音弾を乱射していた。澪はそれらを霊力障壁で弾くと狂三が振るい、澪はその攻撃を弾くと鎖で狂三の胴を殴打しようとするも、もう一方の剣でガードする。

狂三はそこから連続で振るっていき、澪がガードし続けると、唐突に狂三が振った場所よりも下の位置からサッと斬り傷が澪の身体にできる。

澪は当たっていないはずなのに傷ができたことに驚くと、大ぶりの攻撃をして無理やり狂三を押し返す。

そして、

 

「やっぱり、私はピアノの方がやりやすいですよー。確かこうでしたっけ?<破軍歌姫(ガブリエル)>――<滅陣歌姫(リリス)>――【合奏曲(アンサンブル)】」

 

美九がそう言うと、美九の周囲に顕現していた<破軍歌姫>と手にしていた<滅陣歌姫>が輝き、その輝きが一つに収束したのだった。

 

「えっ?」

 

 

 

~☆~

 

 

 

琴里、四糸乃、折紙は前包囲攻撃に包まれたのだが、攻撃が止み、爆炎が晴れるとそこには巨大な氷の球体があり、光線全てを防いでいたようだった。そして、球体の一点が砕け、そこから澪目掛けて光線が放たれると、澪は銀筒で叩いて弾いた。すると、球体が消滅し、三人が姿を現す。

全方位攻撃が来たことで琴里は全方位を炎で包み、四糸乃が炎を凍らせて壁を作ったことで身を護ることに成功していた。

 

「ふぅ、即興ではあったけど何とかなったわね」

「はい、ガードし切れるかは賭けでしたしね」

「でも耐えきれたから問題は無い」

 

三人はとりあえず無事だったことに安堵すると、澪は攻撃を防がれたことに素直に驚いていた。しかし、澪はだったらちゃんと倒しきるだけと決め、再び三人の周囲を銀筒で包囲する。包囲されると琴里は<灼爛殲鬼>を澪に向け、折紙は<絶滅天使>を自身の周囲に集める。

 

「<灼爛殲鬼(カマエル)>――【(メギド)】」

「<絶滅天使(メタトロン)>――【天翼(マルアク)】」

 

<灼爛殲鬼>を【砲】形態に、<絶滅天使>を【天翼】の翼形態に変えて、無理やり包囲をこじ開けようとする。それをよしとしない澪は二人が放つ前に銀筒から音を出すと、琴里は【砲】を放ち、折紙は【天翼】を羽ばたかせて周囲の光線を撃ち落とす。【砲】を喰らった銀筒は炎に焼かれてそのまま澪のもとにまで到達し、

 

「ていっ!」

 

澪のチョップで切り裂かれたのだった。チョップで【砲】を破るとは思わなかったが、何らかの方法で倒せないことは分かっていたので、さして驚きは無かった。チョップで切り裂いたのは驚いたが。

澪はこんなものかと思うと、背後から殺気を感じ、振り向きざまに銀筒を握って振り抜くと背後に回っていた四糸乃のクローに衝突する。すると、クローに触れた部分から凍結し始めたので澪は身を引いて距離を取ると、銀筒を捨てて、別の銀筒を召喚する。

 

「使い捨てなんですか?」

「うーん、本当は再利用したいんだけどね。まぁ、こういうのは忘れた頃になにかしらの意味を持つかもよ」

 

軽いノリでそう返すと、澪はポンッと手を打つ。

 

「定型文で今更の気もするけど……君たちってさ、人類殲滅を防いであげる必要性あるの?」

 

そんなことを言うと、三人は急に何でそんなことを言うのか疑問を持つ。しかしながら、琴里と折紙は人間だったという認識があるのでそもそも自分も人類殲滅の標的に入るのでは?という疑問もあった。

 

琴里(というか、急に私たちにそんな質問してどういうつもりかしら?聞かれたって人類殲滅を止めることに変わりないけど)

四糸乃(無関係な人を巻き込んだら、結局ASTの人たちと同じになっちゃいますよね。一度は私もASTの人たちを殲滅しようとしましたけど、士道さんが止めてくれたから。だから、今度は私が士道さんの代わりにあの人を止めて士道さんを取り戻したい!)

折紙(人類を救う意味?そんなの私が滅んで欲しくないから。学校の皆との生活は楽しい。だから止める。それだけのこと)

 

三人はそれぞれそんな想いを固めていると、その思いに反映して三人から霊力が溢れ出す。澪は他の場所で起きている現象を目の当たりにして、即座に危険と判断すると、自分の周囲に銀筒を集め3人に向かって一斉放射を決行する。そして迫りくる音の波に対して四糸乃は一歩前に出ると、

 

「<腐敗傀儡(アスタロト)>!行くよ、よしのん」

『了解!飛ばしてくよー』

 

隣に真っ黒なウサギ型の魔王――<腐敗傀儡>を顕現させる。そして、四糸乃は周囲に冷気を起こして空気中の水分を凍らせて空気の振動を減らすことで音の波は弱まり、さらに<腐敗傀儡>の中に入ったよしのんが周囲に瘴気を放つことで音の波と衝突して相殺し完全に無力化する。

澪の攻撃が失敗に終わり、澪が次の手に移ろうとした直後、

 

「<救世魔王(サタン)>」

 

折紙は<絶滅天使>とは対照的なの真っ黒な羽型魔王――<救世魔王>が周囲に顕現され、<絶滅天使>と<救世魔王>が周囲を高速で移動して、銀筒を全て破壊する。

その結果、澪の武器は手にしている銀筒一つだけになり、琴里は宙を蹴り澪に接近する。

 

「来なさい!<獄炎殲鬼(アスモデウス)>」

 

琴里は魔王の名前を口にすると、左手に霊力が集まり大きな槌状の魔王――<獄炎殲鬼>を顕現させ、澪に向かって叩き付ける。澪は銀筒を<獄炎殲鬼>にぶつけて一瞬動きを止めた所でサッと移動して攻撃を回避すると、<獄炎殲鬼>に叩かれた銀筒はその場で炎に包まれ瞬く間に灰になって空気に流されていった。

 

「なにあれ……当たったら危なそうかな?」

 

澪は率直な感想を漏らすと、複合天使の相性が悪いと思い、新たな複合天使を作ることにする。<鏖殺公>と<封解主>と<灼爛殲鬼>を顕現させると、

 

「<鏖殺公(サンダルフォン)>――<封解主(ミカエル)>――<灼爛殲鬼(カマエル)>――【複合(コネクト)】」

 

手早く【複合】させて腹に星が彫られた大きなアックスを手に取る。澪はそれを横薙ぎすると、炎の斬撃が飛び三人に襲い掛かる。

折紙と四糸乃は回避し、琴里は天使も魔王も重い武器のせいで速く動けないので、<灼爛殲鬼>を振るって斬撃を飛ばし、振った勢いで身体を回転させて<獄炎殲鬼>も振って、大きな炎の塊を飛ばして澪の斬撃に迎え撃つ。<灼爛殲鬼>の斬撃だけなら押し負けた所だが<獄炎殲鬼>の炎も加わったことで拮抗して対消滅した。

 

「へぇ、二個あれば複合天使と出力は変わらないか……じゃぁ、これならどう?」

 

澪は感心すると、左手にノートを握り、周囲一帯に大量の銀筒を召喚する。そして、何か書き込むと近くの銀筒に紙を放り込み、銀筒の効果をまた変えたのだった。

 

「何か来る前に破壊するだけのこと<絶滅天使(メタトロン)>――【天翼(マルアク)】、<救世魔王(サタン)>――【黒翼(ブラアク)】」

 

音だの炎だの光線だのと攻撃手段が変わったので、次は何かと思いながら、折紙は撃たれる前に破壊しようと天使と魔王を翼状にして羽ばたかせて、銀筒全てを攻撃し……

 

結果、破壊された銀筒は爆散し、そこから連鎖爆発して辺り一面爆発が包み込んだのだった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

八舞と六喰は炎に包まれ、大ピンチに陥ったのだが、真っ白な空間に行ったことで状況把握もでき、六喰が<封解主>で空間に穴を開けて、八舞の手を取って炎の範囲外に退避したことで焼かれずに済んだ。

獣型の複合天使は炎を出すのを止めると、澪のそばに寄り警戒する。澪は二人にうまく避けられたことにため息をつく。

 

「今の一瞬で随分状況把握ができたんだね。何があったの?」

「ふん、お主に言う必要性はないな」

「そうなのじゃ」

 

澪の問いに二人は問いに答える必要が無いのでそう言うと、澪は確かにそっかと思い、それ以上は問わず、

 

「じゃぁさ。なんで人類殲滅させるのを阻むの?二人とも別に人間にひどい目にそんなに合わされたわけでもないし、滅ぼうが関係ないでしょ?」

 

別の質問をぶつける。八舞も六喰も実際、そこまでASTによる戦闘はしていないので、言うほど人間に対する嫌悪感も無く、かといってそこまで人間づきあいがある訳でもない。

 

八舞(耶倶矢)(まぁ、人間との関わりもほぼ学校だけだしな。我らの戦いも速すぎてASTが関与することも無かったし)

八舞(夕弦)(思案。関わってきても、夕弦たちの百番勝負の邪魔だからと無視していましたし。ですが、)

六喰(そもそもむくはずっと宇宙に居たしのじゃし。人との関わりも店の人ぐらいじゃったな。しかし、)

 

「発言。関係ない人間まで巻き込むのはどうかと思うしな」

「それに、どっちでもいいなら救う方を選ぶのじゃ。主様もそうするだろうし」

「なるほどね。まぁ、そうなっちゃうよね」

 

二人は澪の質問にそう返すと、澪は肩を竦めて反応し複合天使を動かす。そして、六喰と八舞の身体から霊力が溢れ出し、二人はこれが千花の言っていた奴だと即座に理解すると、頭に浮かんだ名前を口にする。

 

()くぞ!<制空騎士(アドラメレク)>」

「来るのじゃ!<連空主(ベルフェゴール)>」

 

そして、二人は魔王を顕現させた。八舞の魔王<制空騎士>はボウガンのような形状をしており、六喰の魔王<連空主>は<封解主>に似た錫の形をしていて黒色をしていた。

二人は魔王を手に取ると、八舞は早速とばかりにボウガンに霊力を込めてそのまま霊力で編んだ弾を放ち、六喰は澪に接近をする。

複合天使がクローで弾を弾くと、澪は<鏖殺公>を顕現させて六喰を迎え撃つ。<鏖殺公>と<連空主>がぶつかると<鏖殺公>が一瞬で消え、澪の手には先ほど弾かれた弾が出現し、そのまま澪の方に飛び、近すぎるために澪は回避が出来ず直撃する。澪は腹を抑えて、何が起きたのか分からず周囲を見ると、地面には<鏖殺公>が刺さっていた。

 

「今のは?」

「どんどん行くのじゃ!」

 

疑問もつかの間、六喰は<封解主>を振るい澪に攻撃をし、澪は気にしながらも<灼爛殲鬼>を顕現させて捌いていく。

八舞は左手に<制空騎士>のボウガンを、右手に【穿つ者】を握って霊力弾を撃ちながら複合天使を相手取る。複合天使はクローで攻撃を弾きながら背についている<絶滅天使>で光線を放ち、八舞は光線を風で弾く。

 

「魔王まで顕現されたらだいぶ戦闘スタイルが変わって厄介だなー。それに、魔王の能力は知らないし」

「覚悟。ならば我らの攻撃をくらうがいい」

「飛ばしていくのじゃー」

 

二人は天使と魔王を構えると相手取りを交換し、八舞はボウガンを撃ちまくって澪を攻撃し、六喰は<封解主>を複合天使に向かって振るい、背についている<絶滅天使>を霊子に分解して消滅させる。

八舞の攻撃を再び顕現させた<鏖殺公>で弾くと、複合天使を自分の元に戻す。

そして、複合天使に触れると複合天使が輝き出す。

 

「普通の天使じゃ埒あかないし、やってみるかな?【複装(アーマメント)】」

 

澪の身体に複合天使が纏われ、右手に<灼爛殲鬼>の刃でできたクロー、左手に<氷結傀儡>の氷で作られたクローを携え、クローの甲には白い結晶が付いていた。服装は純白なウサギの耳のフードのついたレインコートだった。

澪は両手をぶんぶん振り回して、初めて使う能力の感覚を掴むと、二人を見据えて臨戦態勢になる。

 

「じゃぁ、来なよ。次はこれで相手だよ」

「押し切るまでのことなのじゃ」

「発言。お主に格の違いを見せてやろう」

 

そして、八舞は<制空騎士>を撃ちながら【穿つ者】を持って接近し、六喰も二つの武器を持って澪に接近し、澪も動くのだった。

 

 

 

~~~~~

 

「二本目ー」

「<廻廻帝(ルキフグス)>――【一の針(カフ)】」

「負けるかー!」

「ふぅ、危なかったなー」

「<封解主(ミカエル)>――【(ヘレス)】」

「終焉。これで、終わらせるぞ。時間も無いのでな」

 

次回 “反撃2”

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