デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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七夕だからまた書いてみたり。今回は士道視点で話が進みます。
時間軸は十一章が始まらずに、何事も起こらずに予定通り士道の中の霊結晶(セフィラ)が回収されて半年経った世界のもしもの話です。
去年の七夕の話の内容も若干含みますので。番外編だから、微妙なネタに走るかも?


番外編 七夕

「で、今どこ向かってるんだ?」

 

結局、狂三の霊力を封印してからは特に何事も起こらず、予定通り俺の中にあった霊結晶(セフィラ)を回収し終えて、こうして精霊のごたごたが終わった。回収された霊結晶(セフィラ)は誰の手にも届かない場所に管理されているわけでおそらく安全。一人を除いてだが。

そうしてなんだかんだで半年ほど経った七月七日、七夕。

学校が終わり家に戻り、夕飯を作ろうと準備を始めようとしていたら、二亜がやって来て家の前に止めていた車に押し込められて何処かに連れて行かれた。

ちなみに、二亜は運転席、俺は助手席、中央席に真那、六喰、千花、後部座席に七罪と四糸乃が座っている。このメンバーは今日二亜のもとにアシスタント(千花と六喰は遊び)に行っていたらしい。他のメンバーは誘っていないとのこと。急遽決まったから、迷惑になるかもと配慮した結果とか。だったら、なんで俺は連れてかれてるんだろう?夕飯までに戻れるのかな。もし無理なら琴里には自分でなんとかしてもらうしかないな。

 

「うん。ちょいと取材がてらに山に登って星を見ようかという話になってねぇ?あと、モノローグはもうちょい簡潔にしないと読者さんがブラウザバックしちゃうよぉ」

「なんで急に山奥にとか?メタ発言とかツッコミどころが多いんだけど?」

 

いつも通り千花が俺の考えてることを勝手に聴いてツッコミを入れる。それに対してこちらとしても言いたいことはあるが、言ったところで後の祭りなのでそこまで追求しない。なので、別の質問をおそらくの発案者に聞くことにする。

 

「それはあたしの漫画で七夕ネタやろうと思って、いざ書こうと思ったら思いつかなかったからこうなったんだよ。去年少年たちは七夕祭りに行ってたんでしょ?」

「そんなこともあったな。で、なんで俺まで呼ばれたんだ?」

「かよわい少女だけで山奥は危ないでしょ?」

「か弱い?」

「あーいえば、こういう。こちとらペーパーなんだから運転に集中させてよ!」

 

二亜に説明を求めたら何故か怒られてしまった。納得がいかない。大体このメンバーはか弱いのか?四糸乃と七罪と六喰はまぁいい。でも、二亜と千花と元魔術師の真那に関しては大抵のことはどうとでもなると思うのだが?

 

「兄様のことだから、大抵のことはなんとかなると思ってるんでしょうけど、それでもですよ。だいたい、男手が必要になる可能性もある訳ですから」

「ん。それに関してはいいとして、さっきも聞いたけど、今どこに向かってるんだ?」

『二亜、この先500メートルの所に駐車場がありますよ』

 

半ば無理やり連れてこられたことに関してはもう考えないとして、結局どこに向かっているのか分からない現状に困惑を隠せない。一応、明日は休日で学校は無いが、明日中に家に戻れなければ、その後の予定(洗濯とか買い出しとか)に影響を及ぼしかねない。

 

「主夫かぁ!」

「わっ!?千花ちゃん、いきなり大声出さないで。びっくりしてハンドル操作を誤っちゃうから」

「どうせ、士道が明日の家事の心配でもしてたんでしょ?」

「いつから七罪まで俺の心を読めるようになったんだ?」

「いや、なんとなくわかるし。千花のツッコミとか士道の考えそうなこととかから」

 

七罪はさも当然のようにそう言うと他のメンバーも若干のラグがあってから「あぁ」みたいな納得の顔をしていた。そんなに俺ってわかりやすいのだろうか?

 

「あっ……」

 

そんなことを思っていたら唐突に二亜が謎の声を漏らした。まるで何かをやらかしたかのような。

 

「どうしたんだ?」

「止めようと思ってた駐車場通り過ぎた……」

『戻ればいいのでは?あっ、この先に別のもありますね』

「じゃぁ、そっちでもいいか」

 

鞠亜が別の駐車場を発見すると車は有料駐車場に入り、車を止める。ここが目的地のようだが、全く山では無い。一応山のふもとではあるが。

 

「ここからは車が入れないから歩くよぉ」

「こんな時間に登山かよ」

「平気、平気。一時間半くらいで山頂だから」

「そんなに上るのかよ……皆はいいのか?」

 

登る気満々の千花、二亜を見て、皆はどうなのか気になって皆の方を見る。

 

「いいんじゃないの?どうせ、ここまで来ちゃったんだから」

「そうですね。ここまで来ちゃいましたし」

「むくは主様に着いて行くのじゃ」

「ちなみに、ここで行かなければ三時間ほど暇することになりますよ」

『士道、そんな調子では山頂までたどり着けませんよ!』

 

すると、七罪と四糸乃は諦め気味、六喰はマイペース、真那はさして気にしていなかった。鞠亜に関しては何故かハイテンション。画面ではいつもの修道服ではなく、登山家が着てそうな登山服に大きなリュックという装備だった。別に鞠亜は画面の中で直接登る訳ではないのだが。皆がいいなら俺としては文句が無いからいいんだけど……。

 

「じゃぁ、さっさか登るか。真っ暗にならないうちに」

「と言う訳で、山頂アタックレッツゴォー」

『山頂アタックです!』

 

こうして、俺たちは山登りをすることになったのだった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「もぐもぐ(ごくんっ)。皆どこ行ったんだろうねぇ」

「さぁな。とりあえず、結構混んでるから山頂で落ち合おうってことになった訳だけど」

 

俺と千花は屋台で適当に食べ物を買って歩いていた。

道に迷いそうだったことが心配だったのだが、『山頂アタックです』とハイテンションな鞠亜が最短のコースを算出し、ガイドしたため普通に歩けていたのだが、今日が七夕な為か、何故か麓から中腹にかけて屋台やら祭りやらをしていて人で賑わっていた。それ故、途中で千花以外のメンバーとはぐれてしまった。鞠亜が皆のスマホを移動して状況把握をすると、ここで集まってもすぐに人込みではぐれる可能性があるからと、山頂で落ち合うことになった。

千花は屋台で買ったたこ焼きを食べながら呑気な調子でそう言う。なんでそんな呑気なのかわからないけど、たぶん山頂に行けば皆と会えるからさして心配していないのだと思う。

 

「とりあえず、私たちが一番乗りしちゃおー」

「だな。あんまりゆっくりしてたら、皆を待たせるかもだし」

「そうそう。それまでは二人きりでデートだねぇ」

 

どうやら、千花は二人きりの状況を十分に利用する気のようだった。いつでもぶれないなぁ。

それにしても、こんなに賑わってて山頂からちゃんと星は見えるのか?ここからだと辺りの灯りで星が見えないんだけど。

 

「士道君。そう言えば、こんなに明るくて星見えるのかなぁ?」

「俺もそれが疑問なんだよな。なんで、ここにしたんだ?他にもいけそうな山はあったろ?」

「それはまぁ……」

『素人が夜に普通の山に登るのは危険だからですよ。その結果ここが一番安全だったのです』

「って感じなんだよぉ」

 

つまるところ、ここを指定したのは鞠亜のようだった。なんで鞠亜はこんなにテンションが高いんだろ?山好きだったのかな?

今更そんなキャラ設定付けるのもどうかと思うけど……。

 

「まぁ、鞠亜ちゃんのテンションの理由は置いといて、次どっちいけばいいのぉ?」

『あっ、そこは右の道ですね。左の道の先には別の屋台が集中していて人が多くて混雑に巻き込まれかねません』

「なるほどな。ちなみにどうやって今現在の情報を収集してるんだ?精霊がいなくなってから<フラクシナス>は飛ばしてない訳だけど」

『ああ、それなら、辺りの監視カメラからネット、衛星まであらゆるものを利用していますからね』

「あー、うん。何も聞かなかったことにしよう」

 

鞠亜の情報収集の手段が若干危ない気がするのだが?監視カメラって普通は見え無いはずだし……。

 

「なるほどぉ。その手があったかぁ。それならみんなの居場所も簡単にわかるねぇ」

「普通に納得するなよ。やってることはハッキングだからな」

「『士道(君)ばれなきゃ犯罪じゃない(ですよ/よぉ)』」

 

千花と鞠亜はそんなことを言って無理やり鞠亜の行動を正当化しようとしてるけど、それってばれたらアウトなんじゃ?いや、この二人がそんなへまをするとは思えないけど……。

そう思っていると、千花が俺の手を握ってきた。急に腕を握られるのはドキッとするから……まぁ、口にしたら茶化されるからやめとこ。

 

「ん?どうしたんだ急に?」

「んー。ちょっと肌寒くなってきたからねぇ。それに、人が意外といるからはぐれたら嫌だしぃ」

 

だから、俺は冷静な反応をする。おそらく精霊だった皆とデートしたことがあったから、俺もだいぶ慣れたのかな?いや、まだまだか。

千花はそんなことを言うが、山頂に向かうにつれて人が減っているような?気にしたら負けかな?千花は手を繋いでもさも当然のようにしているので、たぶん俺の考え過ぎだろう。というか、今更ながら周囲にいる人たちもカップルみたいな感じに見えるような……。

色々と考えていると、千花はさっさか行こうとでもいうかのように引っ張る。

 

「行くよぉー」

 

ようにじゃなくて、口にして俺も歩き出す。

 

「そう言えば、去年も俺ははぐれたっけか」

「だねぇ。士道君って方向音痴か何かなのかなぁ?」

「いや、方向音痴じゃないだろ?たぶん……きっと……」

「ありゃ?なんでだんだん自信を無くしてるのぉ?」

 

言ってて、だんだん本当は方向音痴なのでは?と思えてきた。現に今回前回と二連続で誰かしらとはぐれてるし、時々そういう目に遭ってたし。そう考えるとやっぱりそうなのか?

 

「まぁ、士道君がいなくなっても私たちがすぐ見つけるけどねぇ」

『ええ。あらゆる手段を使いますよ』

「……それは心強いな」

 

二人なら本当にやりかねないので苦笑いを浮かべて、そう口にする。さっきの発言もあるから、本当にできそうだし。

まぁ、流石に今日はもうはぐれたりはしないだろう。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「ヤッホォー」

「千花、そんなにここ標高ないし、他にも登山客いるんだからな。あと、皆はまだ着いてないな」

 

なんだかんだで山頂までたどり着いた。しかし、まだ皆は着いていないようで皆はいなかった。

 

「だねぇ?まぁ、中腹の店がにぎわってたから、何か買ってるのかもねぇ。その分、士道君と二人きりの時間が増えるからあんまり気にしないけどねぇ」

「それでいいのか?」

「いいんじゃないのぉ?」

 

千花は思っていることを隠さず、普通にそう言う。普通はそう言うのは口にしないと思うけど。

 

「とりあえず、何処かに腰を下ろすか。レジャーシートは俺が持ってるんだし」

「そうだねぇ。敷いちゃおっかぁ」

 

適当に空いていて邪魔にならなそうな場所に移動してレジャーシートを敷くと、車を降りてから持っていた荷物と屋台で買った食べ物を端に置いて腰を下ろす。すると、千花は俺の隣に腰を下ろし、何故か俺の膝に頭を乗せて寝転がる。いや、なんで自然に俺の膝に頭を乗せるんだよぉ!さすがにこれはちょっと……。

 

「なんで俺の膝に頭をのせてるんだ?」

「んとぉ。なんとなくぅ。いいでしょぉ?山登りは疲れるんだよぉ」

 

千花は気分でやっているようで、だからこそ扱いに困る。俺を困らせたいと言う訳ではないだろうし。でも、俺だけドギマギさせられるのはあれだから反撃をするか。

 

「ん~。士道君、いい感じぃ~」

「そうか?じゃぁ、もうちょいこっちを」

「ん~、落ち着くぅ」

 

お気に召したようで、千花は気持ちよさそうな声を漏らす。

 

「流石にここまで来れば都会の明かりもだいぶ落ち着いてきてるから星もよく見えるわね」

「ですね。去年も見ましたけど、山の上だからか前よりも等級の低い星もちゃんと見えますね」

「だね。それに、少年に甘えてる千花ちゃんもよく見えるね」

「それで、なんで士道さんは千花さんを膝枕して撫でているんですか?」

「ふむん。むくも撫でてほしいのじゃ」

 

千花の頭を撫でていたら、五人がやって来て、なんだかんだで全員集合した。各々、屋台で何かしら買ってきたようで手に持っていた。

七罪と真那は俺たちの状況を気にしてないし、二亜は俺たちの状況を面白がってるし、四糸乃は首を傾げてるし、六喰に関しては羨ましがってるし……。まぁ、いいんだけど。

五人が来たことで撫でるのを止めると、千花は身体を起こす。

 

「皆来たねぇ。というか、ずいぶんいっぱいあるねぇ」

「まぁ、夕飯食べてない訳だからね。だから、お腹が空いてるわけだし」

「なるほどな。俺たちも一応買ってきたけど……そう言えば五人で固まってたのか?」

 

今更ながら、五人同時に現れたことに疑問が?そう言えば、誰と誰が一緒に居るのかは聞いてなかったし。

 

「ううん。私と真那と四糸乃、二亜と六喰で別れてたわ。で、さっき会ったの」

「うん、さらに言えば少年の膝に千花ちゃんが頭を乗せた辺りから遠くから見てたけどね」

 

俺の問いに七罪が答えると、二亜が笑みを浮かべながらそう付け加える。だったら、すぐに来ればよかったんじゃないのか?

 

「といっても、目的が取材な訳で、ちょっと写真を取ったりしてたんですけどね」

「はい。そんなわけで、少し遅れたんです」

「なるほどな。まぁ、いいか。とりあえず、座ったらどうだ?」

 

いつまでも経ってるのも疲れるだろうから促すと、皆も座り始める。そして、星を見始めた。

 

「たしか、あそこに輝いているのが、わし座のアルタイル、こと座のベガ、はくちょう座のデネブで、あれを結んだものを夏の大三角形でしたっけ?」

「だねー。で、少年的に誰が織姫だと思う?」

 

真那は去年折紙が言っていたことを思い出して指差してそう言うと、二亜も知っていたのか同意し、唐突に俺にキラーパスを放つ。

去年にも真那がそんな質問をしたような気が……。しかし、二亜はその時いなかったわけだから偶然だろう。誰かが話していなければだけど。

 

「その話私たちも聞きたいな」

「ですわね。わたくしたちも混ぜてくださいまし」

「ん?」

 

すると、何処からか十香と狂三の声が聞こえ、声がした方を向くとそこにはいなかった元精霊のメンバーがそろっており、その後ろには令音さんが立っていた。つまるところ令音さんに連れて来てもらったのだろう。しかし、皆には今日の情報は伝わっていないはずなので、どうやってここにきたのかは謎?俺だって行き先知らずに連れてこられたわけだし、割とその場のノリで企画された感があるし。

そうこうしているうちに十香たちはどこからかレジャーシートを出すと隣に敷いて座る。

こうしてやたらと人数が増えたが、まぁ、周囲にはあまり人がいないから平気だろう。

 

「で、士道はこの中のメンバーで誰が織姫だと思う?」

 

十香たちの登場で流れたと思ったが、折紙はしっかり覚えていたようで、そう口にした。ちゃっかり、このメンバーに範囲を絞ってるし……。

 

「前も言ったけど、皆会おうと思えばいつでも会えるんだから、織姫と言えるのはいなく無いか?」

「えー、またその返しなのぉ」

 

同じ問いだったからこそ、同じ返し方をしたら千花は不満そうな顔をして文句を言う。そう言われてもなぁ。誰か一人を選ぶのはあれだし。霊力暴走の心配はもう無いから選んでも問題は無くは無いけど、それでギスギスしたら嫌だしな。

 

「おお、やっぱりだーりんは穏便に済まそうとしに来たねー」

「だな。ここでチキンにならなくてもよかろうに」

「ですね。みんなを大切にしてくれるのはうれしいですけど……」

「不満。時にはちゃんと選んでもらいたいですね」

 

しかしながら、みんな俺の答えに不満がありそうな感じだった。誰か一人を選ぶのは俺の性分じゃないし……。

そうしているうちに、シートの端の方に座っていた令音さんが口を開く。

 

「じゃぁ、シン。この中だと誰が一番可愛いあるいはきれいだと思っているんだい?」

「この質問も去年された気が……」

「あっ、皆とか去年みたいな曖昧な答えは無しよ」

 

まさかの令音さんによって、去年の展開になり、去年と同じ返しをしようと思ったら先に琴里に封じられてしまった。なんでこうなるのやら?

皆それぞれ違ったいいところがあるからな……。誰を選んだものか?

うーん……。

 

「そうだな。俺が思う一番可愛いのは――」




あえて、最後に士道が誰を選ぶかは書かないです。その辺はご想像にお任せします。今回は、もしもの話ですしね。はたして、士道は誰を選ぶのか?
今日は晴れて星は見えるのかな?

では、ノシ
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