デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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今回から二章ですね~




二章 :七罪チェンジ
1話 緑の髪の少女


あれから一週間ほど経つと、来禅高校の校庭で空間震が起きた。

最近、空間震多いなぁ、と思いながら士道たちが空間震の跡が見える位置に着くと真那も着いており、校庭にできたクレーターの中心に砂煙が舞っている中、一つの影があった。

一週目で最初に出会った精霊は十香だったので、あの人影は十香だろうと三人は思っていた。

まぁ、この世界だと千花に会ってるから、一週目と同じ展開になるとは限らないのだが。

そんな感じで、姿を見ると三人の頭に?が浮かんだ。

 

「「「ん?」」」

 

本来なら十香がいるはずの場所には、橙と黒の服を纏い、緑色の髪に魔女の帽子をかぶった少女がいた。

 

「なんで、七罪がいるんだ?」

「わかんねーです」

「いやぁ、ここで違いが来るとはぁ」

 

そこにいたのは、本来の姿の七罪だった。

士道たちは疑問に思いながら、<フラクシナス>に連絡を取る。

 

「琴里、話しかけるけどいいか?」

『<ウィッチ>ね。そんな好戦的な精霊じゃないから、とりあえずは会話をしてみて』

「りょうかーい」

 

とりあえず、琴里に連絡を取ってから動いておく。

すると、ASTがクレーター近くに来て、そのうちの一人が呟いてしまった。

 

「あら、あんなちっちゃい子が精霊?今日は楽ね」

「……」

 

数秒の間があった。

そして、

 

「誰が、貧相なちっちゃいガキだぁぁぁ!」

 

七罪がブチ切れた。

ブチ切れた七罪をやる気満々と思ったのか、ASTはミサイルを放ち、それに対して七罪は手に持っていた箒を振るい、そこから光を出すと飛んできたミサイルをコミカルなミサイルに変化させ、地面に当たるとこれまたコミカルな感じに爆発した。

そして、そのままASTにも光が当たり、犬や猫の着ぐるみに変化させる。

スラスターを失ったことで墜落するAST。

着ぐるみがいい感じにクッションになって怪我は無さそうだが、戦意は喪失していた。

 

「うん。いい感じにストレスが取れたー。でも、やっぱり私は変身しないとだめか……あれ?」

 

七罪はASTを無力化したことで満足したと思った矢先、暗い顔をした。そして、士道たちの存在に気付くと、箒にまたがり飛んできた。

 

「まさか、こんなところに人が来るなんて。ねぇ、あなたたちどうしたの?」

 

どうやら、士道たちを逃げ遅れた民間人とでも思っているのだろうか、そんなことを聞く。

 

「えっと……」

 

士道が言いよどむと、

 

『待ちなさい。選択肢が出たわ。総員五秒以内に選びなさい』

 

琴里の制止の声が聞こえ、フラクシナスのAIから選択肢が出たらしかった。というか、どんな選択肢がでたのか分からない。

 

『士道。こう言いなさい。俺たちは、君に会いに来たんだ、と』

 

選択の結果が出たのか、琴里が選ばれた言葉を言った。

 

「本当に、これで平気ですかね?」

「まぁ、やってみよぉ」

 

真那は選択結果に危険を感じ、千花は軽い気持ちで言う。ちなみに小言で言っているので、七罪には聞こえない。

 

「俺たちは君に会いに来たんだ」

「ふーん。そう……」

 

七罪は士道の言葉を聞いて、考え込み、こっちを睨む。

 

「私に会いに来た。つまり、ASTの回し者ね」

 

インカムからは好感度が下がったのか警告音が鳴り響く。

とりあえず、真那が間に入って七罪の対応をする。

 

「あ、すみませんね。あなたも逃げそこなったのかと思ったんです。それで、私たちは何処かに開いているシェルターがないか探している途中です。あなたは?」

 

話を逸らすと、七罪のテンションが戻る。

 

「私?私は七罪。私もちょっとねぇ。それより、両手に花なんて君たち、リア充?」

 

七罪は士道たちをリア充か、と問う。

このままでは七罪は、リア充爆発しろぉー、と言うだろう。

しかし、その前に真那がすかさず言う。

 

「いえ、この人の友達と妹で、私は崇宮真那です」

「俺は五河士道だ」

「私は木野千花だよぉ」

「なるほど。中の良い友人と兄妹……リア充ね」

「あっ」

 

七罪のリア充判定が下された。

箒から降りると、箒をこちらに向ける。

 

「リア充爆発しろぉー」

 

箒が光り始めると同時に士道の近くで動く影があり、そのまま七罪に飛びついた。

すると、光は的外れの方に飛んでいった。

一瞬ASTかと思った。

 

「七罪ちゃんゲットぉ」

 

しかし、七罪に飛びついたのは千花だった。

 

「「千花(さん)?」」

 

士道と真那も驚いた。

(まさか、急に飛びつくとは。あ、でもちょくちょく俺たちにも抱きついていたか)

 

「よしよし。あぁ、髪もふさふさだぁ」

 

千花は七罪に抱きついたまま髪や身体を触っていた。

 

「ふわぁぁ」

 

なんだろう、二人とも心なしか気持ちよさそうにしていた。

 

「はっ!」

 

七罪は士道と真那の視線に気づくと、千花を引き離す。

 

「なんなのよ。一体!?」

「ん?私は、私の腕の中に納まるかわいい子に抱きつくのが好きなだけだよぉ?」

「え?かわいい?……はっ、今日のところは覚えてなさいよ!」

 

特に悪いとも思っていないのか、千花は平然と言う。千花の言葉を聞いて、顔を赤くすると、七罪は箒に乗って逃げて行った。

ちなみに今は好感度が下がっている警告音が鳴っていない。

 

「なんだったんだ?」

「なんだったんでしょうか?」

 

二人が呟くと、大きく伸びをしながら千花が言った。

 

「いやぁ。前から七罪ちゃんに抱きついてみたかったんだよねぇ」

「だからって、いきなり抱きつかなくても……」

「かわいい子がいれば抱きつく。これ、世界の真理ねぇ」

 

なんだろう。だんだん千花の美九化が進んでいる気が。士道はそんなことを思った。

 

「帰りますか」

「だな」

「帰ろぉ――」

 

そして、帰ろうと一歩踏み出した瞬間、転送される浮遊感が身体を包んだ。

転送が終わり、とりあえず艦橋に行くと、そこには腰に手を当てた琴里がいた。

 

「ねぇ、なんで精霊を取り逃がしているのよ!」

「何言ってるんだ?飛んで行った七罪を追いかけられないだろ」

 

何故か琴里に怒られたが、追いかける手段がない。

 

「まぁ、いいわ。とりあえず、あの七罪って子のことを考えるわよ」

 

そう言って、琴里はモニターに出す。

 

「あの子は厄介ね。こっちが言ったことを深く考えてしまうみたいだし」

「そうだな、こうなるとどうしたものか……とりあえず、もう一度会わないことにはどうにもならないか」

「そうよね。とりあえず、士道は次、精霊の誰かに会ったら話をしなさい。少しでも話す仲になれればいいから」

「わかったけど、そううまくいくもんなのか?」

 

それからも会議をして、士道たちは帰った。

 

 

 

~☆~

 

 

 

それから一日挟んだ休みの日。

士道は街を歩いていた。

 

「ねぇ、士道君。どこ行く?」

 

隣には同い年ぐらいの緑の髪の少女がおり、これからどうするか聞いてきた。

 

「そうだな、適当にぶらついて、入りたいと思った店に入ればいいだろ」

「そっか。うん、そうだね」

 

彼女は笑顔で応じる。

一体何があって、少女と一緒に居るかといえば、それは今から数時間前にさかのぼる。

 

 

士道は今日、食材の買い出しの為に午前中の街に来ていた。ちなみに真那と千花は用事があると言って鞠亜を連れて、どこかに行った。で、琴里は<ラタトスク>の仕事の為、<フラクシナス>に行った。

で、街の中を歩いていたら、近くから声が聞こえてきた。

 

「やめてください。私は用事があるので」

 

声の方を見ると、一人の男性が、士道と同い年ぐらいの緑の髪の少女をナンパしていた。

七罪に似ていると思ったが、七罪はもっと幼いし、変身するならもっと大きくなるから違うか、と下を見ながら考えていた。考えていると靴紐がほどけていたことに気付き、その場で結び直した。

で、結び直し終えて歩き出そうとしたら、少女と目が合った。

少女も士道に気付くと、何か思いついたのか口角を少し上げ言った。

 

「もう、遅いよ。士道君」

 

唐突に男性から離れる七罪。

 

「なんだ、彼氏持ちかよ」

 

そう言うと、ナンパしていた男性は諦めてどこかに行った。

交代に少女が士道の元に来た。

 

「あの、どちらさま?俺の名前を知ってるってことは、やっぱり七罪なのか?」

「うん、そうだよ。驚いた?士道君」

 

士道はもう一回、七罪の姿を見る。

見た目は完全に高校生ぐらいで、オレンジのT‐シャツの上に黒いパーカー、紺のスカートという恰好だった。

 

「ああ、この前会った時と見た目が違うからな。もしかして、この前ASTとかミサイルを変化させてたやつか?」

「秘密だよ、と言いたいけど当ってるよ。私は精霊っていう化け物だから……」

 

七罪は後半暗い顔をしながら言う。

 

「そうか?見た感じ普通の女の子だけどな」

 

士道は率直な感想を述べた。実際普通の女の子だと思うし。

すると、七罪の顔が明るくなる。

 

「そう?そっかぁ。それより一人なの?今暇?」

「ああ、夕方までに買い物を済ませればいいから、それまでは暇だな。それがどうかしたのか?」

 

琴里は夕方になるまで帰ってこないだろう、と思って言った。

 

「それがね、これ見て」

 

そう言って七罪が出したのは、何処かの飲食店のペア券だった。

 

「これは、近くの店のペア券だな」

「うん。さっき福引したら、これが当たったの。でも、使わないのももったいないし、さっき士道君を利用してナンパを回避しちゃったから、そのお詫びも兼ねてね。それにこの店に一人で入る勇気ないし」

「いいのか?別に俺じゃなくても?」

「いいの!それとも私と行くのは嫌?」

 

そう言って、七罪は上目遣いをする。

(うっ、なんでそんな目をするんだ?)

 

「ん、一緒に行っていいなら……」

「じゃ、決定。行こっ?」

 

そう言って七罪は士道の腕を掴むと、歩き出す。

(なんだろ?この世界の七罪はアクティブだなぁ。人間不信じゃなかったけ?)

ペア券の店に着くと、そこはケーキショップだった。

七罪はそのまま中に入ったので、士道も入ると店内は見た感じカップルと女子同士が多かった。

とりあえず、カウンターに行ってどのケーキにするか考える。

ここは無難にショートケーキにするか、オリジナルのケーキにするかなんて悩んでいたら、七罪が店員に注文する。

 

「やっと、ここのケーキが食べられる。前々から食べてみたかったの。あ、私はこのデラックスショートケーキで」

「そうなのか?俺はこの手の店は来ないからなぁ。ま、ケーキは好きだけど。んと、この二色のチョコケーキで」

 

それぞれ注文して会計を済ませると、開いている席に座る。

七罪が頼んだケーキは、いたるところに苺やミカンなどのフルーツを入れたケーキ。士道のケーキは、ブラックチョコとホワイトチョコを使ったモノクロなケーキだった。

とりあえず二人はケーキを一口食べてみる。

 

「うん。このケーキおいしい。やっぱり、ケーキと言ったらショートケーキだね」

「そうか?このチョコケーキおいしいぞ。ケーキと言ったらチョコケーキだろ」

 

士道は七罪の言葉を聞いて反射的に返してしまった。

別にショートケーキも好きなはずなのに。

 

「いやいや、ショートケーキでしょ。この甘さがいいんだよ」

「確かに、ショートケーキは甘いが、チョコケーキには甘さと共に来るこのほろ苦さがいいんだよ。口で言っても伝わりづらいな。七罪、少しこのケーキを食べてみろよ」

 

二人は熱くなって論争を始め、士道はチョコケーキの一部をフォークで取り、七罪に差し出す。

 

「そう、なら食べてあげるわよ……あ、これもおいしい。……でもショートケーキのほうがおいしいよ、士道君」

 

七罪は士道が差し出したケーキを食べると、感想を述べたうえで、ショートケーキの一部をフォークで取り、こっちに差し出す。

士道は差し出されたケーキを食べる。

口の中にチョコケーキを超える甘さが広がる。

確かに七罪の言い分も分かった。

 

「うん、このケーキもうまいな」

「そうでしょ?」

 

士道の感想を聞いて、七罪は得意げな顔をする。

それで、二人は冷静に戻り、士道は気づいてしまった。

それぞれ、あーん、をしてしまったことに。

七罪も気付いたのか、みるみる顔が赤くなっていく。

二人は恥ずかしくなり、無言でケーキを食べた。

ケーキを食べ終わる頃には、だいぶ恥ずかしさも引いてきたので、士道は七罪に言った。

 

「んと、今更なんだが、どっちのケーキもおいしいで、よかったんじゃないのか?」

「うん、私もさっき思った。なんで、あんなことで言い争ってたんだろ?」

「だな。ははっ」

「ふふっ」

 

それで、二人はおかしく感じて、二人して笑ったのだった。




今回は、いきなりデート回という意味わからん展開にしてみました。

まぁ、なんとなくですので、はい。
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