デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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先に言っておきます。今回はなんかカオスです。そして、一万字超え。

マテリアルの精霊カンファレンスを読んでたほうがいいかも?


3話 ヒーローの世界

「で、ここは一体?今までで一番元の世界と似てるけど?というか天宮市か?」

「ここは、だいぶ元の世界に似ていますが、違いますよ。例えばあそこですね」

 

続いてやってきた世界は、今までみたく森の中ではなく、尚且つ殺伐とした世界でもなく、普通に人が住んでいる街だった。そして、鞠亜が指差した方には大きな風車が付いたタワーがあった。

 

「ほんとだ。ここは違う場所なんだな。それで、ここでは何をするんだ?」

「えーっと。この街に潜む化け物を倒すことですね」

「化け物?こんな平和そうな世界で?」

「はい。いるみたいですよ」

「はぁ。だったら銃もこっちに持って来たかったな」

「士道、この世界で持っていたら銃刀法違反になりますよ」

 

鞠亜は化け物がどういったものかまでは把握していないようだが、それでも化け物ならすぐに見つかるだろうと士道は思った。できれば銃もあれば化け物退治がしやすくなるのだが、鞠亜が言った通り銃刀法違反になる恐れがあるので諦め、とりあえず前の世界にならって情報収集をすることにする。

 

「ところで、この世界には耶倶矢、夕弦、七罪、六喰、令音さんがいるのか?」

「おそらくは。しかし、令音はいないです。令音は千花が作った世界には入っていないので」

「そうなのか?」

「はい。なんでも、せっかく解放されたんだからこれ以上は巻き込めないとのことで」

「そうか……わかった。じゃぁ、とりあえずは四人を探しつつ、化け物も探さないとな」

 

探す人数が四人だと分かると、二人は早速街を歩き出した

 

 

 

~☆~

 

 

 

なんだかんだで数時間後。

 

「そろそろ誰かしら現れてもいい頃なのに、現れないな」

「そんなこともありますよ」

 

前の二つの世界なら誰かしら現れているのに、現れないことから士道はそんなことを言った。鞠亜もそんなことを思っていたが、士道が口にしたから同意すると、唐突に街の一角で爆発音が響く。

 

「なんだ?一体?」

「おそらくは化け物が出たのかと。士道行きましょう!」

「ああ」

 

二人は逃げる人たちとは逆方向に走って騒ぎのもとに行くとそこには半獣の化け物がいた。化け物は建物に突撃して破壊しては別の建物を破壊していた。

 

「あれがこの世界で倒すべき敵なのか?」

「ですね。まさか、みなさんを見つける前に目標の敵が現れるとは思いませんでしたが」

「そうだな。というか、武器もない俺たちでどうやって倒せばいいんだ?」

「それなんですよね。まぁ、やれることをやりましょう」

 

鞠亜がそう言うと、近くにあった家具屋から物干し竿を取って来る。そして、それを何故か士道に渡す。

 

「えーと。これでどうしろと?」

「これで戦ってきてください」

「いや、建物を壊す力があるから一瞬で折られるだろ」

「まぁ、そうですよね」

 

士道がそう言うと鞠亜はそれもそうかみたいな顔をして、物干し竿を戻し、二人はどうしたものかと考える。

すると、建物の真上に誰かが立っていることに気付いた。化け物もそれに気づいたようで建物の上に視線を向けていた。建物の上にいる誰かは自分に注目が集まっていることに気付くと、その場で跳躍し化け物の前で着地する。

それは右半分が赤紫、左半分が青紫の人型で腰には“八”の形でメモリが二つ刺さっており、いわゆる、

 

「仮面ライダー?」

「でしょうか」

 

だった。そして仮面ライダー?は右手を前に出す。

 

「さぁ、おまえの罪を数えな」

『ガオッ、ガガオガオッ』

「なんて言ったんだろうな?」

「えーと、おまえは誰だ?と聞いているようです」

「なんでわかるんだとか、答えてないなとかツッコミが多いな」

 

鞠亜が化け物の言葉を翻訳すると、士道はそう言った。すると、鞠亜の声が聞こえていたのか、仮面ライダー?は答えた。

 

「我はヤマイダー。この街を護る者だ!」

 

そして、名乗りと同時にヤマイダーは地を蹴り、化け物を殴る。殴られた化け物はダメージを受けている様子だった。そこからヤマイダーは連撃を加えていく。しかし、ただ殴られるだけではないのか、化け物は爪を伸ばして反撃を開始する。化け物は持ち前の獣の素早さで一度ヤマイダーから距離を取り、そしてヤマイダーに両手の爪で引っ掻いて攻撃する。ヤマイダーはそれらを捌いて行くと、蹴りを食らわして無理やり距離を取り、腰に付いているベルトの右側のメモリを押す。

 

【Lancer】

 

ベルトからそんな音が響くと共に、ヤマイダーの手に槍が握られる。ヤマイダーは槍を振るうと、化け物はガードし、その際に爪が折られる。そこから、槍による連続突きをして化け物にダメージを与えると、化け物はフラフラ状態になる。

 

「これで終焉だ」

【Lancer Maximum Drive】

 

そして、ヤマイダーは槍の柄にメモリを差し込むと、槍の先端が輝き、

 

「ランサー・ストライク」

 

一直線に高速で移動して化け物を貫いた。貫かれた化け物は爆散し、その場に人が倒れると、こうして街の危機は去った。

結局見ているだけだった士道と鞠亜はハッとすると、ヤマイダーに話しかけようと近づき、

 

「……」

 

ヤマイダーは何も言わずに風に包まれて何処かに飛び去って行った。

 

「なんだったんだ?」

「さぁ?しかし、これでこの世界がなんなのかわかりましたね」

「はぁー。ライダーの世界ねー。ん?ところで化け物がいなくなったのに俺たちの目的は終わらないのか?」

 

いつもなら目的が終われば身体が光り出すのに何も起こらないことに疑問を持つと、鞠亜はポンと手を打つ。

 

「どうやら、倒すべき化け物はあれでは無かったようですね。他にもいるみたいですね」

「はぁー。そうなのか?となると、まずやるべきことは……」

「ええ。彼女たちのもとに……」

「どいて、どいてー」

 

二人が話していると、空から人の声が聞こえてきた。そして、空を見ると、緑の髪の少女――七罪が降って来た。士道は回避しようと思うが、回避をすれば七罪がただで済まない訳で慌てて七罪の落下地点の真下に移動してキャッチを試みる。

結果として、七罪は士道の腕の中に落ち、士道は勢いに負けて尻餅をついたが、二人とも怪我はなく済んだ。

 

「うう。ありがと。士道」

「ああ。どういたしまして、七罪」

「大丈夫ですか二人とも?」

 

七罪は士道にお礼を言って立ち上がり、鞠亜は二人の心配をする。二人の身体を見て特に問題無いようだったので鞠亜は安堵の表情をしていた。

 

「それで、なんで七罪は空から降って来たんだ?」

「あー。うん。それは……ここを離れてからでいい?ここにいたら警察が来ちゃいそうだし」

「確かにそうですね。落ち着いて話したいですし」

 

七罪が振ってきた理由を聞くと、七罪は言い辛そうな顔をし、そう言って三人はとりあえずこの場を離れるのだった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「えーと、つまり七罪は鳥型の化け物を追いかけている途中で落下したと」

「うん。そうなの」

「ん?ですが、どうやって飛んでたんですか?」

「それは……笑わないでよ」

「「ん?」」

 

三人は近くのファミレスに入って話していた。そして、七罪が別の化け物を追いかけているところで反撃を喰らって落下したのがさっきの落下の原因らしかった。しかし、精霊の力が無い以上七罪は飛べないはずなのでそんな疑問をすると、七罪は「笑わないで」と前置きをした。

 

「私、この世界だと魔法少女みたいなの。それで、魔法で飛んで追いかけてたの」

「なるほどな。だから、空から降って来たのか」

「たしかに、魔法少女なら飛んでもおかしくはないですね」

「あれ?あり得ないって疑わないの?」

 

二人が七罪の発言に一切疑わないことに七罪が驚くと、二人は逆に何でそんなことを言ったのか分からず、首を傾げた。

 

「えっと。魔法少女よ。この私が。普通に考えておかしいでしょ。嘘だと思うでしょ?」

「ん?嘘なのか?」

「いや、ほんとのことだけど……」

「だろ?七罪がそんな嘘つかないってわかってるから信じられるんだよ。それに、七罪の霊装姿自体魔女だったから違和感はないし」

「そうですよ。大体、空から降って来たのを目撃しているから疑う意味もないですし」

 

二人は七罪を信用しているからこそ、七罪の発言を信じることができたのだというと、七罪は「そっか」と呟いた。

そこから、七罪はこの街で化け物を追いかけているらしく、よく落下しているらしかった。

 

「ところで、あのヤマイダーって」

「ああ。正体不明の正義の味方よ」

「ん?正体不明なのか?」

「うん。と言っても、私は直接見たこと無いからあまり知らないけどね」

「そうだ、士道。この世界はライダーの世界ではなく、ヒーローの世界のようです」

「そうなのか?てことは他にも街を護っているのがいるのか?」

 

鞠亜が思い出したかのようにそう言うと、士道は鞠亜にそんな質問を返す。すると、鞠亜はいつの間に手に入れたのか端末を机に置き、ディスプレイに表示された。そこには、ヤマイダーの他にスピリット・プリキュアと書かれていたが、両者とも戦いの起きる場所に現れるためか監視カメラも壊れていて一枚も写真が無いようだった。

士道はこんなのもいるのか、と思っていると、隣では七罪が注文したパスタを私には関係ないとばかりに食べていた。

 

「ちなみに、こっちの情報も知らないか?」

「(モグモグ)……ん、私は知らないわよ。そんな二人組のことなんて」

「そうか。七罪も知らないか」

「あぁ。そう言えば耶倶矢と夕弦の居場所なら知ってるわよ。この街の一部では有名だから」

「有名?」

「それと、六喰の現在位置は分からないけど連絡ならつくわ」

 

 

 

~☆~

 

 

 

八舞探偵事務所。

七罪に連れられて街の裏道を通ったところにある建物にはそう書かれていた。名前から二人がいることが分かると共に、探偵事務所なら情報も手に入りそうだと士道は思った。

中に入ると、ソファー二つが机を挟んで置いてあり、奥には事務机が置かれており、部屋の壁際にはいくつもの棚があった。

 

「すみませーん」

 

しかし、誰もおらず、士道が声を出すと、奥の部屋の扉が開き、ひょこっと耶倶矢が出てくる。

 

「ん、今日は化け物が出たから依頼が無いと思ったけど、まさか人が来るとは……って、士道に鞠亜に七罪!?」

 

耶倶矢は最初、街の人が来たと思っていたようだったが、顔を見て驚いた表情をしていた。すると、再び奥の部屋の扉が開いて夕弦がやって来る。夕弦は士道たちの顔を見ると驚いたような(あまり驚いた感が無いが)表情をする。

 

「驚嘆。まさか、三人がここに来るとは。よくわかりましたね」

「まぁ、俺たちだけじゃ来れなかったよ。七罪が連れて来てくれたおかげだし」

「納得。そういうことでしたか。ここの元持ち主は資金不足でこんな目立たない場所になったみたいです。引っ越したいところですが、資金が無くて断念していますが」

 

こんな目立たない場所にある理由が世知辛くて何といったものかと思うと、二人はソファーに座り、士道たちももう一個のソファーに座る。

そして、これまであったことを話す。

 

「なるほど、ヤマイダーか」

「ああ。それで、俺はお前たちがヤマイダーだと思ってるんだけど?」

「疑問。なぜ夕弦たちが?」

「いや、八舞だし。ヤマイダーと響きが似ているし」

 

士道は自身が思ったことを口にすると、二人は疑問気にそんなことを言い、思った理由も話すと二人はため息をついた。

 

「まぁ、士道たちになら隠す必要も無いか」

「同意。そうですね。私たちは確かにヤマイダーです。この世界での夕弦たちの設定がそうでしたので」

「そっか。これで白を切られたらどうしようと思ったから良かったよ。あれ?でもなんで、あの時何も言わずに去ったんだ?」

「ああ。何も言わずに去る。かっこいいだろ?」

 

二人がヤマイダーだとわかり、士道は安堵する。そして、無言で去った理由がかっこいいからと言う耶倶矢に“耶倶矢らしいな”と士道は思った。すると、鞠亜は話を引き継ぐ。

 

「と言うことで、後は六喰を見つかればいいわけですね」

「だな。と言っても、二人みたいに戦う系じゃない可能性があるけど」

「ん、六喰ならもうすぐここに来るわ。連絡が付いたし」

 

六喰の話になると、スマホを操作していた七罪がそう言った。七罪が言っていた通り、本当に六喰と連絡を取る手段を持っていたようだった。

 

「主様ー」

 

すると、いきなり表のドアが開いて六喰(私服)が入って来てそうそう一直線に士道に飛びついた。

 

「六喰!?」

 

士道は飛びついた六喰をちゃんとキャッチすると、鞠亜が横にずれてソファーの空いたスペースに降ろす。こうして、全員そろったのだった。

 

「それで、そっちの首尾は?」

「うむ。化け物たちの根城を見つけたのじゃ」

「そう。ごめんね。私は途中で落下しちゃって」

「いいのじゃ。七罪は主様たちを見つけたのじゃから」

 

七罪と六喰の会話を聞き、士道は疑問が浮かんだ。

 

「ん?なんか今の会話だと七罪が落ちてくる前まで六喰と一緒に居たのか?」

「うむ。むくと七罪は魔法界からこっちに来た魔法少女という設定らしいのじゃ」

「それで、私たちの目的もあの化け物を倒すことなの」

「そうだったのか」

 

今更ながら知らされる二人のこの世界の設定に士道は驚きと共に納得した。七罪が魔法少女になっていることと六喰と連絡がつくことからも。

 

「それよりも、化け物どもの根城とは?わかっているのなら早急に叩く必要があろう」

「指摘。早くしないと別の場所に移動する可能性もあります」

「そうですね。居場所が分かっているのならササッと済ませてしまいましょう」

 

そうしていると、八舞姉妹がそう言い、鞠亜も同意を示すと早速行くことになったのだった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「で、ここが根城なのか?」

「なのじゃ。化け物の一体がここに入って行くのを見たのじゃ」

「そうなのですか」

 

士道たちは六喰の言う化け物の根城にやって来ていた。しかし、そこはこの街の中心ともいえる、風車のあるタワーだった。こんな人の多い場所にいるのか?と士道は思うが六喰が嘘を付くとも思えないので中に入る。中は基本的に展望フロアや商業フロアなどがあり、人は多かった。

 

「化け物なんていなそうだけど」

「ああ。そう言えば忘れてた。奴らは普段は人の姿を取っているからな。そして、化け物になる際にこれを身体に刺すことで化け物に変身する感じだ」

 

士道の疑問に、耶倶矢はメモリを出してそう言った。メモリで化け物になるのなら、耶倶矢たちは?と思うと、士道が疑問を口にするのに先んじて夕弦が話す。

 

「補足。ちなみに夕弦たちはこのドライバーを通している為化け物にはなりません」

「まぁ、化け物になってたら世話ないしね」

「さて、この建物のどこにいるのやら?ちなみに目的とかわ判明しているんですか?」

「うむ。奴らは人々の負の感情を力に変えるから何かしらの騒ぎを起こしているのじゃ」

 

夕弦の補足を聞くと、唐突に鞠亜がそんな発言をし、六喰はわかっている情報を示した。そうして、化け物の手がかりを探すも、見つかる気配もなく全フロアを回り終えてしまった。

手かがりが無く、六人はどうしたものかと思うと、一人帽子を被って明らかに不審な人物が居ることに気付いた。

 

「怪しいですね」

「だな」

「じゃ、追跡をするか」

 

そう言って二人ずつのペアに別れて別の個所から追跡を開始した。六人で固まっていると目立ちそうだったから。

 

「非常階段に入りましたね」

「ああ。これは困ったな。足音が響くから追跡するのは難しそうだし」

「仕方ないですから、ここで待機して、何歩降りたか数えましょう。そうすればどの階に移動したかわかりますし」

 

鞠亜の提案に乗り、それを実践し、耶倶矢たちに連絡して下の階に移動しておいてもらう。

そして、鞠亜が数えると、何処かの階で止まってドアが開く音がしたのだった。

 

「行くか。鞠亜」

「はい。行きましょう」

 

そして、段数から一階に降りたことを割り出すと、耶倶矢たちに連絡し、二人は降り始める。

そして、一階まで着くと二人は一階の捜索を始めた。しかし、ぐるっと回ったが見つからなかった。そして、タワーの出入り口に行くと耶倶矢たちがいた。

耶倶矢たちの方の首尾を確認するも、どうやら見つかっていないようだった。

 

「外に出た可能性は?」

「それはないな。私たちがここを張っていたからな」

「つまり、まだこの中にいるということですか?」

「だな。捜索のし直しか」

 

結局捜索のやり直しだと思うと、顎に手を当てて夕弦が何かを考えていた。すると、考えがまとまったのか顔を上げる。

 

「確認。扉が開いた音がしたのですよね?」

「ん?ああ。そうだな」

「了解。では、行きましょう」

 

夕弦は士道の返答を聞くと一直線に非常階段を目指し、士道たちも着いて行く。そして、非常階段に着くと、夕弦は壁をペタペタと触り、耶倶矢も夕弦の考えを理解し、逆側からペタペタと触り出す。何をしているのか分からないでいると、耶倶矢は何かに気付いたのか動きを止め、息を殺しながら小さい声を出す。

 

「夕弦。予想通りだ」

「了承。そうですか」

 

二人はそう言って、完結すると、耶倶矢は壁に触れていた手に力を込めて押す。すると、壁が押されてドアのように開いて壁の向こう側に下に降りる階段を発見する。

 

「つまり、俺たちが聞いた音はこれだったのか」

「そのようですね。よくわかりましたね、夕弦」

「これもマスター折紙の教訓のおかげです」

 

鞠亜は夕弦に賞賛の言葉を送ると、夕弦の言葉で何とも言えなく空気になる。

(もしかして、折紙のやつ俺の家に無いかやってたのかな?)

士道がそんな心配をする中、耶倶矢たちは早速奥に進む。その際、七罪がドンマイみたいな表情をしていた。

壁の中の階段は狭く、挟み撃ちにされたらまずそうだなと思いながら歩いて行くと、すぐに広い場所に出る。そして、

 

「歓迎されてるわね」

「歓迎なのか、これ?」

 

七罪が現状に軽口を叩くと、士道はそんな疑問を口にする。

すると、耶倶矢と夕弦は変身するためのメモリを取り出す。

 

()くぞ、夕弦」

「呼応。行きます、耶倶矢」

 

【Pendulum】

【Lancer】

 

「「変身」」

 

【Pendulum Lancer】

 

二人はメモリをドライバーに刺すと、風が二人を包み、風が止むとそこにはヤマイダーに変身し終えた姿が立っていた。

 

「さて、ここは我らに任せて待っておれ。すぐに片付ける」

「発言。夕弦たちのターンです」

 

そう言った直後、大量の化け物たちが動き出し、ヤマイダーも地を蹴る。

ヤマイダーは近くの化け物を殴ると、そこから近くの化け物をどんどん攻撃していく。しかし、数が多い為か、なかなか数が減らなそうだった。

 

「面倒。一気に行きます」

【Pendulum】

 

ヤマイダーはそう言ってPendulumメモリを押すと、その手にペンデュラムが握られて、それを鞭のように振るうと、複数に同時攻撃し始める。

しかし、武器があっても数の差があり、士道と鞠亜は戦う手段がなく見ているだけで何かできることはないかと考えると、七罪と六喰はポケットからデバイスを取り出す。

 

「さて、いつまでも見てるのもあれだし、私たちも行くわよ」

「うむ。なのじゃ」

「二人とも?」

 

二人が何をする気かわからず、士道は声をかける。まるで、今から戦おうとしているように見えるから。

 

「大丈夫。言ったでしょ?私たちの目的も化け物の殲滅だって」

「なのじゃ。だから、主様と鞠亜はそこで待っているのじゃ」

 

そして、二人は手を握ってデバイスを空に掲げると、

 

「「デュアル・マジカル・ウェーブ」」

 

そう叫んだ。唐突に二人が叫んだことで士道が困惑していると、二人は輝きだし、何が何やらといった感じだった。二人を包む光が収まると、七罪はゆるふわな緑と紫のドレスを身に纏い、六喰は黄色と紫のゆるふわなドレスを身に纏い、二人とも頭には小さな魔女の帽子を付けていた。

 

「えーと、溢れる輝き、キュアハニエル!」

「眩き輝き、キュアミカエル!」

「「二つの輝き、スピリット・プリキュア!」」

 

そして、二人が決めポーズを決める。結局、件の正義の味方二組目が七罪と六喰だと判明した。

(といっても、なんとなくそんな気はしてたんだよな。七罪に知らないか聞いた時、「そんな二人組知らない」って言われたわけだし。二人組なんてあそこには書かれていなかったのに知ってたわけだし)

 

「というか、なんでこういうのって名乗らなきゃいけないんだろ?」

「知らんのじゃ。それより行くのじゃ」

「あっ、うん」

 

ハニエルはメタ発言をし、ミカエルに急かされながら大量の化け物のもとに飛び込んで行った。そして、絨毯爆撃よろしく、二人が飛びこんだ場所の化け物が吹き飛んで行く。二人はただ殴る蹴るをしているだけだった。

 

「どうやら、あそこにいる化け物の大半は戦闘員みたいな感じの雑魚のようですね」

「そうなのか?雑魚なら俺たちも」

「まぁ、それでも、ただの人間の私たちじゃ一対一でやっとですよ。武器があれば別ですけど」

 

鞠亜は冷静に分析すると、ハニエルは士道たちのもとに飛んでくると腰に付いていたデバイスを手に取り、

 

「ハニエルフラッシュ!」

 

そう言いながら振るい、近くにあった鉄骨数本に光が放たれる。すると、光が当たった鉄骨が刀に変化する。

ハニエルは刀を手に取ると、二人に手渡す。七罪に二人の会話が聞こえてわざわざやってくれたようだった。

 

「はい。これで一緒に戦えるでしょ?」

「あ、あぁ」

「助かります」

 

そして、ハニエルは残りの刀を手に取ると、

 

「えーと、プリキュア・ソード・アロー」

 

今ここで技名を考えたかのように技名を発する。すると、ハニエルが作った刀が化け物の方に飛んで行き、化け物たちを貫くと、地面に着弾して爆発した。そして、二本の刀を持って再び化け物の中に飛び込んで行った。

 

「えーと、行くか」

「ですね」

 

士道と鞠亜は顔を会わせると、互いにそう言って化け物の方に駆ける。士道はさんざん<鏖殺公>を扱ってきた経験でだいぶ刀を振るうのになれていたから、危なげなく戦闘が行え、鞠亜も電脳世界でシミュレートした知識を駆使してうまく立ち回る。

ヤマイダーはいつの間にか槍も出して無双し、ミカエルもボカボカと格闘で倒していた。すると、ハニエルとミカエルの前にメモリ持ちの鬼のようなタイプと吸血鬼のようなタイプが現れる。

そして、奥の方に人間が一人現れる。

 

『よく来たな。ヤマイダーとその仲間たちよ。さぁ、終焉を始めよう』

 

突如現れた人間はそう言うと、メモリを取り出す。その人間こそこの世界で倒すべき化け物のボスだった。

 

【King】

 

そして、メモリを腰に付けていたベルトに刺すと身体が変化し、王冠のようなものをかぶり、鎧のようなものを纏った騎士に変身した。

 

『我が名はキング。全てを統べる王』

「敵がライダーか」

「ヤマイダー、偽物はあなたに任せるわ。だから、こっちは任せなさい!」

「勝って来るのじゃー」

「ふっ、よくあること。偽物には即消えてもらうとしよう。任された」

「指摘。ライダーは夕弦たちだけで十分です」

 

そして、偽物が現れたことでハニエルとミカエルがヤマイダーに決着を任せると、ヤマイダーは風を起こして一気に跳躍してキングの前に立つ。

 

「さぁ、おまえの罪を数えな」

「罪?我にそんなモノは無い!」

 

そして、両者の戦闘が始まる。キングは背に刺していた剣を抜くと、ヤマイダーも槍で戦う。しかし、両者の力は互角なのか、攻めては攻められての攻防が続く。

士道たちは化け物どもの相手をし、ハニエルは二本の刀を駆使するが鬼のこん棒に阻まれて攻撃が当たらず、ミカエルは格闘で行くが吸血鬼が複数のコウモリになって攻撃を回避するため苦戦していた。

そして、数分経つと、士道と鞠亜は最後の化け物を斬り裂いて片付けた。

 

「さて、俺たちが援護するべきか?」

「いえ。私たちが行っても邪魔にしかなりません。あれはさっきのとは違って強いです」

 

士道は二人の援護に行こうかと思うが、鞠亜に止められて泣く泣く断念する。

(さすがに、行って邪魔するのはまずいしな)

 

「怒ったのじゃー!ミカエル・ロッド」

 

すると、ミカエルは攻撃が一向に当たらなことに怒り、デバイスを手に技を使った。

直後、ミカエルの手に錫が握られ、それを振るうと錫の先端に重力が生じているのかコウモリが先端に集まり地面に叩き付けられる。ハニエルも刀を投擲してこん棒でガードした隙を突いて真下に潜り込んでこん棒を蹴り上げて飛ばす。そこからは二人の独壇場で、ハニエルは連撃を叩きこんで反撃の隙を与えず、ミカエルも錫を使って着実にコウモリの数を減らしていく。そして、鬼と吸血鬼は一か所に押し込まれる。

 

「ミカエル、一気に行くわよ」

「行くのじゃ!」

 

そして、ハニエルの右手とミカエルの左手を重ね、

 

「「プリキュア・スピリット・バースト」」

 

一気に前に突き出す。二人の手に力が収束し、そのエネルギーが鬼と吸血鬼に向かって放たれる。放たれた攻撃は二体を包み、二体を消し去ると、そこには二人の人間が倒れていた。

 

「ふぅ。倒した、倒した」

「勝利なのじゃ」

 

二人はそう言うと変身を解除していつもの状態に戻る。おそらくは時間切れかエネルギー切れのようだった。

 

「何か言いたそうね。あっ、私がああいうのになったから笑いたいのね」

「主様。むくは褒めてほしいのじゃ」

 

七罪は士道の視線に気付くとバツが悪そうな顔をし、六喰は反対に士道にすり寄っていた。

 

「二人とも、あの姿似合ってたし、かっこよかった……いや、この場合は可愛かったぞ」

「あっ、うん」

「そうじゃろ?」

「三人とも気を抜かないでください。まだ終わってませんよ」

 

七罪は可愛いと言われて頬を赤らめ、六喰も喜んでいたが、そんな三人に鞠亜は注意し、それでヤマイダーの方を見る。

ヤマイダーとキングの戦いは続いており、両者一歩も引かなかった。

 

「向こうも片付いたようだし、そろそろ終いにしよう」

『ふっ、それは我のセリフだ』

 

そして、両者は次の一撃で終わらせることに決める。ヤマイダーはドライバーのメモリを空に投げ、キングは剣にメモリを差し込む。そして、空からメモリが落下してヤマイダーの槍に差し込まれる。

 

【King Maximum Drive】

【Lancer Maximum Drive】

 

『キング・スラッシュ』

「ランサー・ストライク」

 

両者はそう言って地を蹴り、互いの必殺技がぶつかり合う。互いの攻撃は拮抗し、どちらが勝つのか分からなかった。そして、若干ヤマイダーが押され始める。

 

『ふっ、どうやら我の勝ちのようだな』

「まだだ!」

 

キングは勝ちを確信しそう言うと、ヤマイダーはまだ諦めていなかった。

そして、空からそれは降って来た。それはヤマイダーの左手にあったペンデュラムの持ち手に刺さる。

 

【Pendulum Maximum Drive】 

 

『なに!?』

「発動。ペンデュラム・ハリケーン」

 

それはランサーメモリと一緒に空に放っていたもので、全て二人の想定通りだった。発動されると、ペンデュラムが槍に巻き付いて強化され、一気にキングを貫いた。

貫かれたキングは地面に倒れ、変身が解けて元の姿に戻り、メモリは粉々に砕け散った。

 

「勝ったな」

「宣言。夕弦たちの勝利です」

 

ヤマイダーはそう言って変身を解除する。耶倶矢は大きく伸びをし、夕弦も勝利を喜んでいるようだった。

そして、この世界で倒すべき敵を倒したことで、

 

「って、二人とも身体光ってない?」

「驚嘆。二人が発光しています」

 

いつも通り、士道と鞠亜は転移の為身体が輝いていた。

 

「あっ、士道たちは行くんだね」

「ああ。そうらしいな。きっちり終わらしてくるよ」

「むん。当たり前なのじゃ!」

「では、行ってきます!」




全ては深夜テンションのせい。おのれ、深夜テンション!?
ヤマイダーを出したから、七罪と六喰もなにかにしたかった結果こうなりました。最初はウィザードとフォーゼにする案もあったけど、いつしかのドラゴンマガジンの七罪の魔法少女姿で、こうなりました。魔法少女プリキュア→初代?

次回、遂にあのキャラが。
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