「ふぅ、これでラストなんだよな?」
「はい、そうですよ。最終決戦です」
士道と鞠亜はいきなり大きな城の前に転移され、それですぐに士道はこれが最初に鞠亜が言っていた魔王の居る城だと理解した。しかしながら問題が。
「でも、俺たち戦闘能力皆無だよな?」
「はい。だから、魔王城の中から使えそうなものを借りようかと」
「そんな都合よくいかないだろ?」
戦闘方法が無いことを鞠亜に言うと鞠亜は冗談交じりにそんなことを言う。士道はそれでいいのかと思うと、鞠亜は早速中に入ろうとする。
「そんな簡単に入れるのか?」
「はい。入る術があの三つの世界を攻略することですので。ほら」
鞠亜はそう言って扉に手をかけると簡単に開いた。
「まぁ、そう言う訳ですので。行きますよ」
「と言うか、正面から行くのかよ」
「ええ。ここしか入り口がありませんから。それに、こんなに広ければ案外気づかれませんよ」
今更ではあるが、鞠亜が正面から堂々と行こうとしていることに気付いて、そう口にすると、鞠亜は当然のように頷いた。そして、中に入ってしまう。士道は鞠亜を一人で行かせる訳に行かず、追いかけて行った。
中に入ると閑散としていた。そんな魔王城の廊下を二人歩いていると、士道の予想と反して一切魔王城にいるモノに遭遇することが無かった。
「なぁ、鞠亜。そう言えば、必要なものって何なんだ?結局はぐらかされたけど、そろそろ教えてくれないか?」
「まぁ、そうですね。ここまで来たらちゃんと話しておきましょう」
だから、戦いが始まる前に、本当のことを聞こうとしていた。情報は少しでもあった方がよく、鞠亜と千花が何をする気なのか気になったからだったりするが。
「千花は隣界の中心に
「必要?」
「はい。その精霊の
「つまり……」
「はい。私たちの
鞠亜の話は途方もない話で、士道は随分なことをやっているなと思った。それと同時に、今まで隠していた理由が分からなかった。
「でも、なんですぐに教えてくれなかったんだ?」
「そんなの簡単ですよ。言ったら無茶するからです」
「そんなこと……」
「では、ここに鞠奈がいるとしてもですか?」
鞠亜はここに鞠奈がいると告げると、士道は驚いた。鞠奈は電子の中の世界で消え、今は微かに鞠亜の中に残っている程度で、もう会えないはずだから。それと同時に、鞠奈がいるのなら早く行かないと、と思う。
「士道。焦らないで下さい。だから、言わないでおいたんです。それを知れば自分のことを顧みずに鞠奈のもとに行くことが分かっていましたから」
「あっ」
「そう言う訳ですので、ちゃんと準備をして囚われの姫を助けに行きますよ――」
『子ネズミども、見つけたぞ』
鞠亜が先に進もうと促した直後、謎の声が響くとともに二人の足元に魔法陣が生じ、眩い輝きが二人を包んだ。
~☆~
『よく来たな』
「士道が焦ったせいで想定外の事態が起きたじゃないですか」
「これは、俺のせいじゃないだろ?」
『よく来たな』
「いえ。折紙たちの世界でも、士道がフラグを立てた瞬間ルシファーが現れたのですから」
「それは偶然だろ?大体、今回は鞠亜が促した直後なんだから」
『人の話を聞けー!これが見えぬか!』
二人は魔王の前に転移させられ、魔王が口上を述べようとするが魔王そっちの気で口論をしていた為、魔王がキレた。それで、二人は今話し中なのにみたいな視線を向けながら魔王の方を見る。
そして魔王が後ろに手を向けると、そこには檻があり、その中に鞠奈がいた。意識が無いのか鞠奈は反応しないが。
『こやつを連れ戻しに来たのだろう?』
「鞠亜、これはどういうことなんだ?」
「はい。ここは千花が電子の世界に無理やり繋げて作った世界であり、ここでの目的は鞠奈の救出です。あの魔王は鞠奈の中に溜まってできた
「つまり、あれは敵だな?」
「はい。てっきり、魔王城の一室で寝かされているとばかり思っていましたが、よもやあんな檻の中に入れられていたとは」
『ん?』
魔王はこれでちゃんと話を聞くと思ったのだが、事態は魔王の予想を超えていた。主に、鞠奈の扱いに対して二人がキレている点で。鞠亜はその場でピョンピョン跳ねて、まるで準備体操をしているかのような動きをしながら喋り出す。
「私はこの世界のルールに
「あれ?鞠亜さん?」
鞠亜は淡々とそう言い、隣にいた士道もいつになく鞠亜の様子がおかしいことに気付いた。魔王も何かやばい気がして頬に汗を浮かべる。
「なので、私は
鞠亜がそう言った直後、鞠亜の身体が淡く輝き出す。そして、鞠亜は電脳世界の最後に纏った白の疑似霊装が元となった――霊装型天使
「そもそも、あの三つの世界に行った目的は魔王城の開門の他にもう一つの目的がありました。私が
「そうだったのか?」
「はい。先ほども言った通り、番外の精霊の
「それもそうだな」
二人は魔王を見据えると、魔王は動き出す。両手を大きく広げると、
『まぁ、パワーアップしようが関係ない。さぁ、始めよう。行け、我が下僕たち』
魔王の居る部屋のあちこちから魔法陣が形成されてその中から多種多様な魔物が現れる。鞠亜はそれを一瞥すると、空間に手をかざす。
「
そして、鞠亜はこの世界に干渉し始める。すると、士道の右手に魔法陣が形成される。その魔法陣には十の小さな円があり、それぞれ色が違っていた。
「士道。これで、この世界で天使を使えるようになりました」
「そうなのか?来てくれ
鞠亜に言われて、士道は<鏖殺公>の名を呼ぶと、<鏖殺公>が士道の手に顕現する。これで、士道は戦闘が行えるようになった。
「士道、行きますよ!」
「ああ。わかった」
そう言って、二人は地を蹴って魔物との戦闘が始まる。士道は<鏖殺公>でバッサバッサと魔物を斬り裂いていく。鞠亜もビットから放たれる光線で確実に魔物を撃破していく。しかしながら、敵の数は多くなかなか減らなかった。それでも、倒す以外の選択肢が無いため、どんどん倒していく。
『ふっ、この数を相手にしては消耗するだろう』
「高みの見物してないで来いよ」
『我は魔王だ。故に我が動く必要も無かろう。そやつらで十分だ』
魔王は魔物たちに戦闘を任せて高みの見物を決め込む。しかし、そういう行動がいけなかった。主に鞠亜の機嫌を損ねる点で。
「そうですか……士道、少々ここを任せます」
「ん?ああ。わかった」
鞠亜は短くそう言うと、両手を前に向ける。士道は了解したからにはと、何かを始める鞠亜に襲い掛かる魔物を
そして、鞠亜の両手に巨大な砲が形成され、
「
巨大な砲から光線が一直線に放たれる。放たれた光線は斜線上の魔物を消滅させそのまま魔王一直線に進んで行く。魔王は自身の前に障壁を張って身を護る。結果として魔王を倒すことはできなかったが、半数の魔物が消し飛んだ。
『ふっ、その程度の攻撃では我は倒せぬよ』
「ええ。知っていますよ。だから、そろそろ起きてください……鞠奈」
魔王は余裕そうな表情をすると、鞠亜は魔王の存在など興味が無いように言い、鞠奈の名前を呼んだ。
魔王は、鞠奈の名前に対して後ろを向くと、そこには鞠奈を封じていた檻も消し飛んでおり瓦礫の山がそこにあった。
そして、瓦礫の一部が崩れて少女がひょこっと出てくる。
「はぁー。最悪。起きたら瓦礫の山に埋もれているとか。てか、なんで消滅したはずなのに存在してる訳?」
瓦礫から出てきた寝起き状態の鞠奈は悪態をつく。そして、自分が存在していることに疑問を持つ。鞠奈は周囲を見回して士道と鞠亜を見て驚いた顔をした。
「あれ?君たちなんでこんなところに?というか、ここどこ?」
「ここは疑似的に作られた電子の混在する世界ですよ」
「電子の混在する世界?ふーん……」
鞠奈はそう言って、電子の世界ならとこの世界にアクセスする。そして、この世界との情報を即座に収集して理解する。と言っても、この世界ができた大まかな概要とあった出来事のみで、現実世界の情報は時間的な問題で収集できていなかったが。
「はぁー。まさか、あたしを救う為にこんなことまでするとはね。これは、後で千花とかいう子に文句を言ってやらなきゃね」
「そのためにはあれを倒す必要がありますよ?」
「あっ、それもそっか。はぁー、バグはすぐに消さないとね」
鞠奈は悪態をつくと、今の今まで存在を完全に無視していた魔王を見る。そして、
「まぁ、どうでもいいけど、あたしを捕まえてたって訳で消えてもらうね。来なさい
鞠奈も鞠亜同様、電子の世界で纏っていた黒い疑似霊装が元となった――霊装型天使
鞠奈はその場で大きく伸びをすると、霊装についたコードが伸び、魔物を縛り上げていく。
「さて、復活記念に蹂躙してあげるわ」
そこからは鞠奈が有言実行で残りの魔物を蹂躙し、士道と鞠亜もそれに続いた。そうして、瞬く間に魔物は全滅して残りは魔王だけとなった。
『なんだと!?あれだけの数の魔物が全滅しただと』
魔王は魔物だけで事足りるとくくっていた為、驚いた声を上げた。そんな魔王を三人で囲むと、魔王は自身に魔法陣を張って逃げようとする。しかし、鞠亜が干渉して転移を阻害することで逃げることにも失敗した。
「さぁ、遺言はありますか?」
『くっ、こうなれば封印されしあれを……』
鞠亜にそう言われると、魔王は何かを言って、腕を振るう。鞠亜は余計なことをする気だと判断すると、
「そうですか。では、終わりにしましょう」
手をかざして目の前に砲門を形成する。しかし、先ほどの
「
先ほどと違う技は即座に魔王に放たれ、魔王は障壁を張るがいとも簡単に破られて、魔王は消し飛んだのだった。
「そもそも、先ほどは鞠奈の周囲に障壁を張っていたから時間がかかっただけですので。本来ならこの速度で撃てますよ」
士道は、速く撃てた理由を疑問に思っていると、鞠亜は士道の疑問を察したのかそう言った。
「ふぅ、久々に動いた気がするわね」
「でしょうね。鞠奈が動いたのは一世界と数か月ぶりですから」
「なにその、一世界って単位……」
鞠奈は久しぶりに動いたことで伸びをすると、鞠亜は冷静に鞠奈がどれくらいの時間経っているのか伝えた。改変前の世界であった出来事な訳でその後は士道が千花によって隣の世界に連れてこられて、そこで数か月経っているからあってはいるが、起きたばかりの鞠奈に説明するには色々不足し過ぎていた。
「よくわかんないから、それは後で聞くとして、君たちはなんでこんなところに来たわけ?私は消えたはずでしょ?」
「あれ?さっきアクセスして調べたんじゃないのか?」
「そう言うことじゃなくて、気持ち的な問題よ。別に
「あー。そう言うことですか。それなら簡単ですよ」
「あぁ。そうだな」
「ん?」
鞠奈は自身を元に戻す必要は実際にはないことを言うと、士道はそんな事情は知らないので今初めてその事実を知った。しかし、そうだとしても、結局鞠奈を元に戻す道を選んだ気がしていた。
「「鞠奈にもう一度会いたかったから」」
二人は一字一句違わずそう口にした。鞠奈は二人の言葉を聞いて、ポカーンとした。そして、噴き出して笑い出した。
「はははっ。……うん。そうだったね。私の知っている五河士道はそう言う人間だったよ。そして、そんな人間といれば
「何で笑われてるんだ?」
「きっと情緒不安定なんですよ」
「君たち、何?バカにしてるの?」
「いや、急に笑われたからな」
そんな鞠奈を見て二人は首を傾げると、鞠奈がジト目で二人を見ていた。士道はそう言って弁明すると、「仕方ないな」と鞠奈に許された。別に二人は悪くないが。
「では、いつまでもここに居る必要もありませんし――」
ズドーン!
鞠亜が魔王城を出ようと促そうとすると、唐突に謎の揺れが襲った。
「なにこの揺れ?魔王消し飛ばしたはずよね?」
「ああ。完全に倒したはずだぞ」
「まさか、第二形態?」
三人は何が起きているかわからず困惑する。魔王の第二形態説が提唱されるが、士道が途中で気づいた。魔王が倒される直前に何かしていたことに。
「とりあえずここを出るぞ。ここを壊されて生き埋めだけは避けたいし」
「そうですね」
「はぁー、面倒なことになったわね」
そう言って、三人は魔王城の外に出たのだった。
~☆~
魔王城を出るとそこには見覚えのある物が複数いた。
「なんで、DEMの四神シリーズがここに?」
「はぁ、何処から得たのやら?」
「なに、君たち見たことあるの?」
外で魔王城を攻撃していたのは、現実世界で猛威を振るった四神の四体だった。知っていた二人はここにいる理由に疑問を持ち、知らない鞠奈はそもそもあれが何なのかと言う疑問を持っていた。
「あれは現実世界で精霊の皆を襲ったDEMの兵器だ」
「はっ?あんなもんあたしは知らないわよ」
「ええ。こっちでの話ですから」
「ふーん。まぁ、あの社長ならこんなものも作るか。あたしを作るぐらいだし」
鞠奈はDEMと聞いて、ウエストコットの顔でも浮かび上がったのか納得していた。そして、三人は四神を放置しておくわけにもいかず、倒すことにするのだが、問題が一つ。
「二、三人で倒してたのを三人で四体ってきつくないか?」
「ですね。しかし、私と鞠奈と言う世界に干渉できる二人がいれば容易ですよ」
「確かに、こっちは世界干渉できるから敵の性能は知らなくても何とかできなくはないわね」
しかし、そんな士道の心配も世界干渉が可能な鞠亜と鞠奈がそう言ったので、士道は二人を信じることにした。それに加えて、この世界なら天使をいくら使っても問題ないことから士道自身もあの時より分があると思ったりしていた。
「と言う訳で、先手必勝です」
「まぁ、タゲが入る前にやるべきよね」
鞠亜は両手を前に出して方を形成するやチャージを始め、その隣では鞠奈の前に複数本のコードが収束して一本の槍を形成する。
「
「
そして、鞠亜が白虎に向けて放つと同時に、鞠奈も槍を幻武に向けて放る。死角からの攻撃により二体は貫かれ、いとも簡単に撃破された。士道も、まさか一撃で二体を撃破するとは思わず唖然とした。
しかし、そんなことをしている暇はなく、残った朱雀と青龍が士道たちを標的とする。朱雀は空高くに飛ぶと真上から熱線を放ち、青龍も真横から光線を放つ。
「その程度の攻撃は効かないよ」
「そう言う訳です」
鞠奈は青龍の光線を、鞠亜は朱雀の熱線を、それぞれ障壁を張ってガードすると、士道は後ろに飛んですぐに風を起こして一気に真上に跳躍し、
「
朱雀の上に乗ると二振りの
「
そして、コードを収束させて剣の形にすると、それを振って斬り裂く。斬り裂かれた青龍は最後の力を振り絞って鞠奈に両手の爪で襲いかかるが、それより先に鞠亜のビットが青龍に突撃して貫くことで機能を停止した。
「あっちは終わったか。じゃぁ、こっちも」
地面に激突した朱雀の上で士道は青龍が撃破されたのを見届けると、朱雀が動き出したので、もう一度二振りの
「これで、終わりだよな?」
「ええ。おそらくは」
「これで終わりでしょ――」
『我はまだ……』
「はぁ、まだみたいね」
士道は朱雀のもとから離れて二人の元に行くと、これで終わったのかと確認したが、何処からか魔王の声が響いたので、まだ終わらなそうだった。鞠奈はうんざりした顔で辺りを見回し、二人も見回すと、破壊した四体が不自然に浮かんでいた。
「なんだあれ?」
『我はまだ終わらぬ!』
そして、四体は一か所に集まり、もう一度魔王の声が響くと、四体がいくつかのパーツに別れて一つになる。足を中心に下半身が幻武、胴体が青龍、腕が白虎、背などの細々した部分が朱雀だった。
「合体したな」
「合体したわね」
「あれは、以前DEMをハッキングした際に見かけた四神の最終形態“スサノオ”ですね」
鞠亜は昔ハッキングした際に得た情報を口にするが、士道はなんでハッキングしているかの方が気になっていた。そして、スサノオが動き出した。
鞠亜はビットを飛ばして光線で攻撃すると、魔王が張っていたような障壁が光線を阻み、一切のダメージが無かった。そして、胴体に付いている龍の顔から光線が放たれると、鞠亜と鞠奈は嫌な予感がして、二人で重ねて障壁を張る。重ねたことでギリギリ防ぎ切ることに成功する。
「さっきより防御も攻撃も強くなっているわね」
「ですね。これは手を抜かずにあれで行きましょう。士道、準備をするので少しタゲ取りをお願いします」
「ん、わかった」
鞠亜に頼まれた士道は即答でそう言うと、鞠亜と鞠奈から距離を取って、
士道は準備が整うまで、攻撃をし、スサノオの攻撃は風で移動したり、
しかし、士道が稼いだ時間により鞠亜たちの準備は整った。
「士道、準備完了です」
「行くわよ」
「そうなの、か……って、それなんだ?」
鞠亜と鞠奈がそう言って、士道が二人の方を見たら、士道は驚きの声を漏らした。鞠亜の周囲には二門の砲門が形成されており、鞠奈の前には巨大な槍が二本あった。
「じゃぁ、手早く行くわよ。士道も手伝いなさい。あれの
「了解です」
「あぁ、わかった」
そして、鞠奈は二本の槍を持ってスサノオに接近する。士道も<鏖殺公>を手にスサノオに接近する。
「でも、何処に
「それもわかっているわ。顕現装置はあれの胴体部分にあるわ」
鞠奈がそう言うや跳躍してスサノオに向かって槍を振るう。士道もそれに続くが
「やっぱり、普通の攻撃じゃあっちの方が固いわね」
「だな。だったら、こっちも。鞠奈!」
「わかったわ」
二人はアイコンタクトで伝えると、
「
士道は
(あれ?というか
『くっ……たかがメイン
「メインって、サブとかあるのかよ」
そんなことを考えていたらスサノオ(in魔王)がそんなことを言い、スサノオの腹の龍の顔にエネルギーをチャージし始める。スサノオが大きく、すぐそばにいるため二人は回避しようとすると、
「私を忘れないでほしいですね!」
鞠亜の声が響き、鞠亜の周囲にはいつの間にか五つに増えた砲門があった。そして、砲門に霊力がチャージされていて、いつでも撃てる状態だった。
「
そして、五つの砲門から同時に放たれ、今まさに二人に光線を放とうとしていたスサノオは攻撃を鞠亜に向けてそのまま放つ。両者の攻撃はぶつかり合い、一次拮抗するがメイン
『グワァー』
そして、腹に大穴が開いたスサノオは爆発して粉々に砕け散ったのだった。
~☆~
「ふぅ、これで終わったな」
「ですね。これで、私たちのこの世界の目的は完了です」
鞠亜は鞠奈を見ながら、そう言って笑みを浮かべる。この世界の目的は鞠奈を取り戻すことだったので、完了したのは事実だった。
「それより、あたしを助けるってどうするつもりなの?どうせ、あたしはデータの塊だし、この世界でぎりぎり生きているだけじゃない」
「でも、また会えただろ?もう会えないと思っていたのに」
「確かにそうだけど」
鞠奈は自身の存在が曖昧なことを気にしてそう口にするが、士道はそれでももう一度会えたことを口にする。
「そうですよ。鞠奈はまた会えたことがうれしくないのですか?」
「いや、うれしくなくはないけど」
「ふふっ、鞠奈は安定のツンデレさんですね」
「鞠亜はどうなのよ!」
「もちろん、うれしいですよ」
鞠奈の反応に鞠亜はそんな疑問を口にすると、鞠奈は恥ずかし気にそう言い、話を逸らそうと鞠亜に振った結果、鞠亜は満面の笑みを浮かべた。
「あっ、そうだ」
すると、鞠奈は何かを考えたのか唐突にそう言った。鞠奈が何を考えたのか分からないでいると、鞠奈は言葉を続ける。
「こんなとこまで、私の為に助けに来てくれて……ありがとね」
「はっ、鞠奈がデレましたよ!士道!」
「あぁ、デレたな」
「ちょっ、君たち人が素直にお礼を言ったのに……」
鞠奈は納得がいかないからか文句を口にすると、空間が歪み始めた。
「ん?なんだこれ?まさか、まだ終わってないのか?」
「いえ、どうやら、干渉しすぎたようでこの世界が崩壊するようです」
「はぁ、君たちどんだけ無計画な訳?」
「干渉しまくった鞠奈も同罪ですよ」
空間の歪みをまだ終わっていないと思った士道だったが、鞠亜は冷静に分析して言葉にする。つまるところ、この世界の終わりが近づいているということだった。
「鞠亜たちはどうなるんだ?」
「はい。鞠奈と共に千花のスマホに戻ると思います」
「って、鞠亜は千花について行ってたのかよ」
「ええ。千花一人も心配でしたので」
「そっか、また会えるよな?」
「ええ。きっと」
「そうよ。せっかくここまでやったんだから、また会えるわよ」
こうして、千花に作られた世界は閉じられた。十香たちも元の時間軸に戻され、こうして長いような短い日々は一旦閉じたのだった。
鞠亜と鞠奈の天使名は勝手に考えたものですのであしからず。
この特別編の目的は番外の精霊を出すことですので・・・
では、ノシ