なんだかんだで、新年記念に投稿です。でも、世界的には新年は関係ない・・・凜祢と士道が幼なじみな世界。
あれ?それって凜祢的には普通だ。
千花と真那もひょっこり登場?です。
「わたしはりんね。あなたは?」
「ぼくはしどう。よろしくね、りんねちゃん」
「うん。よろしく、しどうくん」
最初は可愛い女の子という印象だった。
「士道君、真那ちゃん、千花ちゃん。あそぼー」
「うん。そうだね」
「うん」
「だねぇ」
それから毎日のように一緒に遊び、幼馴染の関係になった。
「士道、私たちもしかしたら引っ越さないといけないかも」
「え?」
「士道と離れたくないよ」
「俺だって、凜祢と離れ離れなんて」
凜祢の家が引っ越すことになるかもと聞いた時、凜祢と離れ離れになることが嫌で、ずっと一緒に居たいと思った。
「なんとかなったね」
「だな。といっても、おじさんたちが凜祢の意思を尊重してくれたのと、おばあちゃんのおかげだな」
「うん。でも、これで一緒に居られるね」
「ああ」
士道たちが頑張って説得したことで、凜祢の両親は凜祢の意思を尊重して一緒に居られるようになった。
その時、凜祢と一緒に居られることを心の底から喜んだ。
「士道、大会応援来てね」
「任せろ。絶対見に行くよ」
「絶対だからね」
高校生になり、凜祢がラクロス部に入部して一生懸命練習をしている姿に惹かれていった。
そして、ある時はっきりと気づいた。俺は凜祢に恋しているのだと。
~☆~
十月三十一日、午前七時。
「兄様、起きてください!」
「今日は当番じゃないから、もう少し寝かせてくれ」
「そこまで頭が回るなら起きてますよね?」
精霊荘の士道の部屋で真那の声が響いた。しかし、士道はそんなことを言い、真那はカーテンを開けて日の光で起こしにかかると、士道はもぞもぞと動いて布団の中に潜ってしまう。
「起きてくださいな。凜祢ちゃんが起こしに来ますよー」
「あと五分」
「兄様、今日の予定お忘れじゃないですよね?」
「はぁー。起きるよ。おはよう、真那」
「おはようございます、兄様。真那は先に行ってますね」
このままだと最終的にドロップキックが飛びそうだと感じた士道は渋々布団から出てベッドから立ち上がる。真那はそれを見届けるとさっさか部屋を出て行った。
「天宮祭最終日か。今日が一番いいよな」
カレンダーを見て今日の日付を確認した士道は一人呟くと制服に袖を通して共有スペースのある一階に降りていく。
士道と真那は精霊荘に住んでおり、精霊荘の裏にあった崇宮家は士道が高校一年になる時に無くなった。
『来年からしばらく海外で仕事になるから、あの家は売却しようと思う』
『え?来禅高校に進学しようとしてたんだけど?俺たちにどうしろと』
『そうですよ。この家を売っちゃったら……まさか、真那たちも海外に?』
『ああ。わかってる。だから、二人には選んで欲しい。俺たちと一緒に海外で住むか、こっちに残るか。こっちに残るのなら、ちゃんと住む場所はどうにかする』
『時間はまだあるからちゃんと決めてくれ』
あの日二人は悩み、そしてちゃんと決めた。ここに残ろうと。その後はあっという間に話が進み、精霊荘の大家をしていた千花のおばあちゃんに話を通して、部屋を借りられるようになり住むこととなった。
そして、二年の月日が経ち、士道は高校三年となり、今日が文化祭の最終日となっていた。
「おはよう、士道」
「おはよう。凜祢」
士道が精霊荘の共有スペースに行くと、すでに朝ごはんが出来ており、凜祢がお皿を運んでいた。
「ふわぁ、眠いよぉ」
「地下で寝てるからですよ」
「千花、おはよう」
「おはよぉ」
すると、寝ぼけ眼でこの家の大家をしている千花が歩いてきた。寝癖が付いており、今さっき起きた感じであり、起こしに行っていた真那は悪態をついていた。
凜祢は崇宮家の隣に住んでいて、幼い頃からの付き合いだった。中学の頃に凜祢の両親の仕事の都合で遠くに赴任することになり、士道たちはみんなと離れ離れになることを嫌がったことで、凜祢の両親は悩み、そんな中千花のおばあちゃんが凜祢の生活は任せてと言ったことで精霊荘に預けられた。
それから高校生になる頃に千花のおばあちゃんがそろそろ歳だからと、千花に大家の仕事を任せて、千花の両親の居る遠くに行ってしまった。その為、精霊荘には現在四人が住んでいる状態になっている。
「さて、冷めないうちに食べちゃお」
「ですね」
「だな」
四人は椅子に座ると凜祢が作った朝ごはんを食べ始めるのだった。
~☆~
「士道、次はあの教室に行こ?」
「ああ。凜祢が行きたい場所ならどこにでも」
「ふふっ。ありがと、士道」
士道と凜祢はクラス展示の朝一シフトをこなし終え、その後は二人でのんびりと天宮祭を楽しんでいた。同じクラスの千花はちょうどシフトに入っており、その結果二人で回っている。
先ほどまでは隣のクラスの自作映画を見て来て、続いてとばかりに凜祢は出し物一覧のマップを眺めてめぼしい場所を見つけると、士道の手を引き、士道もそう言ってついて行く。
続いての教室はお化け屋敷であり、一日目、二日目と評判が良かったから凜祢も興味を持ったとのことだった。評判の為か列はできていたが十分ほど並ぶと二人の番となり、懐中電灯を一つ渡されると二人は中に入った。
中は完全に真っ暗であり、士道は懐中電灯をつけてみる。
「って、あんまり明るくならないな」
「だね。足元と壁の輪郭がぎりぎり見えるくらいだね」
懐中電灯は凜祢が言った通りあまり明るくなく、完全に仕様だったので気にするのを止める。
「とりあえず、進むか」
「う、うん」
「大丈夫か?」
「うーん」
士道は歩き出そうと一歩踏み出すが、凜祢は何故か歩き出そうとせず、士道はもしかしたらと心配する。対して凜祢は曖昧な返事を返すだけだった。
そんな凜祢を見て士道は確信した。
「ん?」
だから士道は何も言わずに凜祢の手を取ると、しっかりと握る。凜祢は士道のいきなりの行動に驚きの声を漏らすも、すぐに気を取り直す。
「ありがと」
「ああ。これくらいはな」
凜祢は小さくお礼を言うと、士道は今更ながら気恥ずかしくなり、少し余所余所しくそう返すのだった。ちなみに、お化け屋敷の方々はイチャイチャしないでさっさか進めと思っていたりするが、そんなことを二人は知らないのだった。
そうして、やっと進み始める二人。
「きゃっ!」
「わっ!」
「うぅ」
凜祢はお化け屋敷のギミック一つ一つに驚きの声を上げ、途中から士道の腕に抱きつきながら歩いていた。士道も士道で驚きはするが、凜祢の前で情けない所を見せたくないという意地と、そもそもそれ以上に驚く凜祢によって驚きが半減していた。いわゆる、自分以上に驚く人がいると割と冷静になってしまうあれになっているだけだが。
お化けたちの方も彼女連れ(二人はまだ付き合っていないので勘違いだが)で来たことで嫉妬の炎に燃え、なんとか凜祢に士道のかっこ悪い所を見せて破局させようと企み、この天宮祭期間で一番やる気に満ちているが、それを二人は知らない。
「凜祢。もうすぐゴールだからな」
「うん……」
凜祢はビクビクしながらもなんとか歩いて行く。道中の仕掛けは死角からお化けが現れたり、いきなり冷たい風が吹いたりと多種多様で、完成度は高かった。だから、最後の最後まで気を抜かずに進むと、
「わっ!」
「おっ!」
目の前を火の玉が通り過ぎた。いきなり目の前を通り過ぎたことと、まさかの火だったことで士道も驚きの声を漏らす。すると、火の玉は二人の周囲を縦横無尽に移動し始める。懐中電灯で照らしても紐のようなもので照らされているわけでは無く、原理は不明だがすごかった。
怖がっている凜祢はただただ怯えており、これ以上はいられないからと歩を進めると、火の玉は二人を回避してその場をグルグルし、二人はゴールにたどり着いたのだった。
「うぅ、怖かったー」
「じゃぁ、どうして入ったんだよ……」
「行けると思ったんだもん」
懐中電灯を返却して廊下を歩いている間も凜祢はビクビクしていた。そんな凜祢に問いかけると、凜祢は涙目ながらもそんな返答をするのだった。その際に涙目の表情にドキッとしたりしたが、士道はそれを口にすることは無かったのだった。
~☆~
「で、お昼にわざわざ戻ってきちゃった訳?」
「まぁな。オムライス二つで」
「まいどー。オム二つ入りまーす」
「りょーかいだよぉ」
「ここメイド喫茶だよね?」
お化け屋敷を終えた後、少し経って復活した凜祢と共に色んなクラス展示を回り、お昼の時間帯になったからと昼食を食べようと、何故だか自分たちのクラスに戻って来ていた。
そんな二人を亜衣はジト目で見るも、注文をすると定食屋のようなノリで厨房に注文を伝え、厨房から返答があった。そんなやり取りを見て、凜祢は首を傾げていた。
「仕方ないでしょ。お昼時は人が多いから回転率を上げるためにやれる手段は取らないとなんだから」
「というか、メイド喫茶なのにメイドっぽさ0だな」
「はいはい。凜祢ちゃんがいるんだから崇宮君は浮気しないの。そういうのは凜祢ちゃんに頼みな」
「亜衣ちゃん、そういうこと言わないでー」
亜衣はいつも通りのノリでそう言うと、逃げるように他の客のもとに行ってしまった。
「士道、亜衣ちゃんのメイド服姿に見とれてない?」
「ん?別に?山吹のメイド服姿に見とれてないし、凜祢のメイド服姿の方が俺的には好きだけど」
「士道……そういうのを普通に言うのはずるいよー」
「はいはい」
凜祢は意地悪で言ったのだが、士道はさも当然のようにそう返したことで、凜祢は頬を赤らめ照れた。
それから二人は喋りながら料理が来るのを待つ。
「はいはーい。ご主人様、お嬢様、オムライスですよぉ」
「調理担当が外に出て平気なのか?」
「今同時並行で卵を焼き中だから一分ならいけるよぉ。二人がいるって聞いたから出て来ちゃったぁ」
調理担当の千花が何故か厨房から出てきたことに対してツッコむも、千花は全く気にした様子もなくオムライスを机の上に置く。
「ケチャップは凜祢ちゃんに描いてもらってねぇ」
「雑か!」
「えへへぇ。凜祢ちゃんに描いてもらった方が士道君もうれしいでしょぉ」
千花はそう言って有無を言わさずにケチャップを置くと厨房に戻って行った。士道はため息をつくと、凜祢の方を見る。
「なんて描いてほしい?」
「凜祢のお任せで」
「わかった」
凜祢はケチャップを手に取って士道のオムライスに猫の絵を描いた。その後、自分の方にも同じものを描く。
てっきり、士道に描かせるのかと思っていたから、士道は面を喰らうと凜祢は口を開く。
「おそろいだね」
「ああ。そうだな」
凜祢は悪戯っぽく笑みを浮かべると、士道も笑みを浮かべて頷く。
それから、二人はオムライスを食べ始める。オムライスは卵がトロトロで高校生の模擬店で作るレベルの物ではなかった。それ故に口評判で伝わっている為に混んでいるのだが。
二人は雑談をしながら食べ進めて、あっという間に食べ終えた。
「士道、ケチャップが口に付いてるよ」
「え、何処?」
「動かないでね」
凜祢が士道にそう言ったことで、士道は口元を触るがケチャップは取れなかった。その為、凜祢は士道の方に身体を近づけるとケチャップの付いた場所を手で取り、そのまま手に付いたケチャップを舐める。
「はい、取れたよ」
「凜祢……」
「はいはーい。食べ終わったのならイチャついてないで、お帰りくださーい」
そんなやり取りをしていると、いつの間にか現れた千花がジト目をしながらそう言い、二人は教室を後にしたのだった。
それから、宵町月乃のライブを聴いたり、クラス展示を見たり、軽音楽部のバンド演奏を聴いたりして過ごし、だいぶ時間が経ったことで日が傾き始めていた。
「凜祢、最後に一か所行きたい場所があるけどいいか?」
「ん?うん。いいよ」
だから、士道は凜祢にそう告げると、凜祢の手を引いてとある場所を目指すのだった。
「うーん、今日は楽しかったね」
「俺も凜祢と一緒だったから楽しかったよ」
二人が来たのは来禅高校の屋上だった。夕日が街をオレンジに染め上げていた。凜祢はそんな景色を柵に手をかけて見渡し、士道も相槌を打つ。
「それで、士道はこの景色を見せたかったの?」
「半分はそうだな。でも、半分は違う」
「そっか」
士道は真面目な顔をすると、凜祢もその空気から大事な話をするのだと察し、姿勢を正す。
「凜祢と一緒に居るのも十年経つよな」
「うん。そうだね」
士道の言葉に凜祢は静かに頷く。
「今まで、ずっと思ってたんだ。だから、今日伝えようと思う」
「?」
「凜祢。おまえのことが好きだ。俺と付き合ってくれ!」
「え!」
士道ははっきりとそう言葉にすると、手を差し伸べる。凜祢は士道の告白に驚き、手で口元を隠す。
そして、
「うん。私も士道のことが好き。だから、こちらこそよろしくお願いします」
士道の差し伸べられた手を握る。士道は凜祢が手を握ってくれたことで安堵の息を漏らす。
凜祢が士道のことをどう思っているのかはわからず、もしかしたら幼馴染という認識だけかもしれないという心配があった。でも、言葉にしないと始まらないからと、士道は行動に移した感じだったりする。
「よかった。実際、凜祢がどう思ってるかわからなくて、ドキドキしてたから」
「そうなの?士道、余裕そうだけど?」
「意地で隠してるだけだよ」
士道の反応に凜祢は微笑み、首を傾げてみると士道は白状するのだった。
「ん」
すると、凜祢は目を閉じて顔を少し上げる。それで、士道は凜祢のしたいことを理解すると、顔を近づけて凜祢にキスをし、そっと顔を離した。
「これからは士道の彼女なんだよね?」
「ああ。そうだよ。というわけで、凜祢。後夜祭に一緒に踊ってくれますか?」
士道は右手を差し伸べて凜祢に問うと、凜祢は優しく微笑み士道の手に自分の手を重ねる。
「もちろん。ご一緒に……ふふっ、士道が丁寧な言葉使うの違和感」
「あ、そういう事言うのか。これでも、それっぽくしようと思ったのにな」
「まぁ、私はどんな士道も大好きだけどね。これからもよろしくね、士道」
「ああ。これからもよろしくな、凜祢」
さて、そろそろ千花ルートも書こうかな~。
それとも、凜緒リンカーネーションみたいなアフターストーリーを書こうかな?前書いた日常系はお気に入りが一気に減ったので、その辺は避ける方向で。
書くかは未定ですけども。とりあえず、やるとしてもラブライブの方を完結させてからですかね?同時進行で書くと悩むので。本当に書くのかな?猫犬自身もわからない・・・。
では、ノシ