デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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今回は、七罪とのデート回後編です。





2話 人間不信

「なぁ、七罪はこの後暇か?」

「ん?私は暇だよ。何?誘っているの?」

「いや、この後、特にすることもないし。七罪が暇だったらと思って、どうせだし、このままどこかいかないか?」

「仕方ないなぁ。士道君が行きたいのなら、一緒に行ってあげよう」

 

あの後、ケーキショップを出た後、二人とも暇だったこともあって、なんとなく七罪を誘って、一緒にショッピングモールへ行った。

今は、その中の一つの店に二人はいた。

 

「うーん。犬にするか、猫にするか。ねぇ、士道君はどれがいいと思う?悩むよねー」

 

七罪は犬と猫のぬいぐるみを持って、どちらにするか悩んでいた。

 

「そうだな。俺的には猫の方がいいと思うな」

「そう?じゃぁそうしようかな?」

 

七罪はそう言って、犬のぬいぐるみを棚に戻すと、黒猫のぬいぐるみをギュッと抱いた。

士道は七罪を見ていて気が付いた。

正確にはぬいぐるみについていた三千円のタグを見て。

 

「ところで、七罪ってお金持っているのか?さっきのケーキはペア券でタダにできたけど……」

「ん?あ、こんなにはお金ないや……諦めよ」

 

タグを見て、お金が足りないことに気付いた七罪は渋々戻そうとした。

 

「じゃぁ、俺が買うよ。なんだかんだケーキをタダで食べれたし」

 

士道が七罪にそう提案すると、七罪はうれしそうに目を輝かせる。

 

「え!本当!?」

 

しかし、すぐにハッとなり、士道を警戒するような目をする。

 

「何が目的なの?これを買うことを交換に何をするつもりよ」

「いや、ケーキのお礼だけど……」

「そんなの信じられないわ」

 

そう言って、黒猫のぬいぐるみを戻すと七罪は店を出て行った。

 

「やっぱ、人間不信、か」

 

士道も七罪を追いかけて店を出た。

 

 

 

~☆~

 

 

 

次に七罪に追いつくと二人はゲームセンターに入った。

 

「ところで何やるの?」

「そうだなぁ、あれはどうだ?」

 

士道が指差したのは、流れてくる音符を太鼓で叩く音ゲーだった。

 

「ふーん。私はやったこと無いけど、やってみようかな?」

 

そう言って、二人は太鼓の前に立ち、曲を選択する。

選択した曲はアニソンで、七罪は知っていたのか、躊躇うことなく難易度を鬼にした。

 

「あの、七罪さん?初めてやるのでは?」

 

疑問に思った士道が聞くと、

 

「ん?そうだけど、人間ができるゲームなんだからなんとかなるわよ」

 

とのことだった。

そして、音楽が始まった。二人はタイミングよく叩いていき、時々ミスりながらも続けていった。

曲が終わると、スコアが表示され、士道が僅差で勝った。

 

「ふー、久々にやったけど、結構勘は残っていたな」

「えぇ、意外と難しいわね」

 

二人はそう言って太鼓から離れて、士道は七罪に聞いた。

 

「七罪、うまかったな。次は七罪が選んでくれるか?」

「そうねぇ、じゃあ、あれで」

 

七罪が指差したのは、シューティングゲームだった。

内容は、襲いかかってくるゾンビをハンドガンで倒していくというもので、二人プレイができるようだった。

 

「じゃ、やるか。これでスコアが高い方が、次のゲームを選ぶってことで」

「それでいいわ。次は負けないから」

 

そう言って、ゲームが始まった。

最初はゾンビの数が少なく、ヘッドショットでスコアを稼いでいたが、だんだんゾンビの数が増えてきて、ダメージを受けながらも倒していく。

七罪の方もそんな感じだったが、反射神経が良いのか、ゾンビから受けるダメージが少なく、スコアも稼いでいた。

 

「なかなかやるな。まぁ、ここからだが……」

 

士道がそう言うと、ステージボスの大きなゾンビが現れる。

このボスはいくら撃っても倒れる気配がなく、雑魚のゾンビもどんどん現れるので、このゲームをクリアできる人は少ないらしい。

士道も時々、殿町とやっているが倒せたことがない。

どんどんボスゾンビの身体を撃っていくが、あまりダメージが無く、やはり倒せる気がせず、ダメージをもろに喰らってゲームオーバになる。

 

「うーん。やっぱクリアできないか。七罪の方は……」

 

ゲームオーバになった士道が、七罪の方を見るとまだやられておらず、体力も半分以上残っていた。

 

「この、この」

 

そう呟きながら、どんどん攻撃していく七罪。

雑魚的が現れると、ヘッドショットで瞬殺していき、ボスに対してもヘッドショットでダメージを食らわしていく。

どうやら、頭が弱点らしいが、普通はここまで当たらないはずだった。しかし、七罪は冷静に撃っていく。

そして、ついにボスゾンビが倒れ、ゲームクリアになった。

 

「た、倒しただと……」

 

ゲームがクリアされたことで、驚愕する士道。

 

「ふー、いいストレスの発散になったぁ」

 

額の汗を拭うようなそぶりをしながら、七罪はそう言った。

心なしか、七罪の表情もよかった。

しかし、士道の視線に気付くと、七罪が何かに気付いたかのように、士道に視線を向けた。

 

「あっ。……意気揚々とゾンビを倒してしまう女子って気持ち悪いわよね。さすがに引いてるわよね」

 

士道の視線を引いていると、七罪は勘違いして、暗くなっていった。

 

「いや、すごいなぁ、と思ってたんだが。それにかっこよかったぞ」

「そう?まぁ、引いてないならいいか」

 

そう言って、シューティングゲームから離れる七罪。

その後も色々なゲームをして、七罪はクレーンゲームの前で足を止めた。どうやら、一台のクレーンゲームの中にある景品を見ているようだった。

その中の景品はさっきの店のぬいぐるみを小さくしたサイズので、猫やら犬やらがあった。

 

「これが欲しいのか?」

「い、いや。そんなわけない、じゃない」

 

七罪が物欲しそうに見ていたから、士道が聞くと、七罪は慌てて否定した。

しかし、七罪の目はちょくちょくクレーンゲームの方に向いていた。

 

「そっか」

 

そう言って、士道はクレーンゲームの筐体にお金を投入する。

 

「何してるの?」

「ん?取れそうだからなぁ」

 

そう言いながら、アームを操作していく士道。

士道の狙いは、一番取りやすそうな位置にあった黒い猫のぬいぐるみだった。

ぬいぐるみの首の部分にアームが引っ掛かり、そのまま持ち上がる。

 

「おっ」

 

そして、ぬいぐるみが排出口に落ち、近くにあった白い猫のぬいぐるみを巻き込んで、排出された。

景品のぬいぐるみを取り出すと、両方とも七罪に渡した。

 

「はい、七罪。取ってから気づいたんだが、男が持つ物じゃないな」

「え?いいわよ。それで何をするのが目的なのよ」

 

しかし、警戒して受け取らない七罪。

 

「いや、特に何もないんだが。あえて言えば、今日の思い出ってところか?」

「はぁ、分かったわよ。黒い猫だけもらうわよ」

 

しかし、士道が本当に売らなくそう言っているのだと察して、諦めて七罪は黒い猫の方だけ受け取った。

 

 

 

~☆~

 

 

 

二人はショッピングモールを出て、初めて千花に会った時の児童公園のベンチに座っていた。

 

「ふー、今日はなんだかんだで、楽しかったよ」

「そうだな、俺も楽しかったよ」

 

士道は歩き回ったことで、だいぶ疲れたし眠くなっていた。

士道はそんな状態で空を見ながらそう答えると、隣に座っている七罪が姿勢を正したので、七罪の方を向く。

 

「ねぇ、私のこと可愛いと思う?」

「そうだな。可愛いと思うぞ」

 

士道は七罪の言葉を聞いて、七罪を見てそう答えた。

すると、七罪の顔がだんだん暗くなっていった。

 

「そうだよね。この姿は可愛いよね。ねぇ、士道君。やっぱり、この私といるのは楽しいんだよね?」

「ん?なんのことだ?確かに楽しいけど……もしかして、この前会った時の姿だと、こうはならなかったとか思っているのか?」

 

士道は七罪の考えていることは、なんとなくわかったし、下手なことは言わず、思ったことをそのまま言う。どうせ、取り繕った言葉じゃ、嘘だとばれるはずだから。

 

「……そうだよ。私はね、あの本来の姿じゃ誰にも相手にされなかったんだ。だから、私は正体を偽ってこの姿になる。士道君も本来の姿で誘ったら断ったでしょ?」

「そうか?たぶん、断らなかったし、一緒にケーキショップに行ったぞ。それに、姿は違っても結局、七罪ということには変わりはないだろ?」

「そんな考えをするのは士道君だけだよ。あの姿で街に居ても、誰も気にかけない。現に、今日この姿で街にいただけでナンパされた。だから、見た目が全て、そういうことだよ」

 

七罪は淡々と言った。

確かに、この七罪は女子高生の平均身長より少し高く……うん大きい。

でも、別に本来の七罪の姿は守りたくなる感じだし、可愛いと思うけどなぁ、とか士道が思っていたら、七罪の顔がみるみる赤くなる。

(まさか、途中から声漏れてた?)

 

「士道君……ロリコン?」

 

七罪は顔を赤くしながら聞いた。

 

「いや……別にロリコンじゃないぞ。うん」

 

士道は内心慌てながら、冷静を装って、そう返した。

 

「そっかぁ、士道君は私のことをそう思ってくれるんだ。うれしいなぁ、って言えば満足する?で、あれは何?」

 

士道の言葉を聞いてか、暗かった七罪の表情は明るくなっていたが、途中から目を細めて士道の後ろの方の空を指差す。

振り返って、指差した方を見るとASTがこっちに向かって飛んできていた。空間震警報も鳴っていないのに来たということは、どこかで七罪の霊力が観測されてしまったようだった。

 

「見た感じ、AST……か。つまり、士道君はASTの尖兵で、周りに被害の出ない場所に私を連れて来るのが目的かな?そう考えれば、前会った時のこともつながるね。じゃぁ、あの二人も尖兵かな?」

「違う。俺たちはASTとは関係ない」

「いいよ。そんな嘘つかなくて。じゃぁ、これは何?」

 

七罪はそう言いながら、何もない所を掴む。

何も無いと思ったが七罪の指の間には小さな機械があった。

 

「見た感じは小型カメラかな?これも士道君の仕業?喜ぶ不細工を見て後で笑おうってとこかな?」

 

七罪は掴んだ小型カメラを見ながら、士道を問い詰める。

よく見たら、<ラタトスク>の小型カメラだった。

 

「いや、知らないよ……って、言っても信じてくれないんだろうな」

「うん。だってこれが飛んでいたの、気づいていたでしょ?」

 

そう言って、七罪は小型カメラを捨てる。

確かに、士道はケーキショップを出た後から視線は感じていたが、気のせいだと思っていた。そもそも、琴里たちには連絡していなかったし。

 

「ごめんな。気のせいだと思っていたんだ」

「ふーん。そうなんだ。……せっかく友達になれるかな?と思っていたのに、結局こうなるんだ」

 

七罪はうつむきながら、そう言って、立ち上がり、

 

「じゃぁね。もう会うことは無いと思うけど……」

「そうか?……でも、さっきの俺の言葉は本音だからな。じゃぁな」

「あっそ」

 

無感情な声音で七罪はそう言って、霊装を纏い、箒にまたがって飛んでいく。飛んできたASTは七罪を追いかける。

七罪の飛んでいく後ろ姿を見ながら、さっきまでは楽しかったんだけどなぁ、なんてことを考えて、一人呟いた。

 

「監視をするなら、ばれないようにしてくれよ。いや、俺が止めさせるべきだったか?」

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