ようやく蓮ディストピアをプレイできたのでようやくかきかきできてます。
まぁ、それは置いといて第5話です。
「さて、この前の精霊なんだけど……」
「やっぱりあの子が反転したのか?」
「霊力値から見てほぼ同じなのよね。そうなるとそうなんでしょうけど、数日で何があったのかが謎なのよね。絶望するような出来事があったとしか考えられないけど」
反転していた少女と会ったその日、フラクシナスに回収してもらった士道は皆と作戦会議をしていた。
精霊たちも一緒なのは、少数で話し合ったところで何か分かるとも限らないため、精霊たちも参加してもらって少しでも情報をまとめたかったから。それと同時に精霊たちにも情報を共有しておいた方がいざという時に動くこともできるから。
「なにがって、絶望したんじゃないの?反転が何なのか知らないけど」
「そうですねー。正直私たちも反転が何なのかよくわかりませんし」
「そうね。といっても、私たちもよくわかってないのよね。精霊が絶望した際に
「よくわかりませんね」
『だねだね。よしのんもさっぱり。はっ、もしや四糸乃が反転したらよしのんも反転しちゃうのかしらん?』
「……」
「七罪?」
「ん、なんでもないわ。ちょっと考え事」
話は反転の話になるが、残念ながら反転自体がよくわからないという事しかわからず、そんな中七罪が何か考え込むような素振りをしているから注意が向く。
「なにかあるなら話してちょうだい。少しでも情報欲しいし」
「いや、私の意見なんてどうせ的外れだから、言うだけ時間の無駄よ。そもそも、私がここにいる自体場違いだし……」
「七罪がそう言うならいいけど、でもいて頂戴。あなたさっきだって一番に気づいたんだから」
「う、うん」
「てかさー、そもそも絶望って言われてもよくわかんないよね」
「指摘。そもそも夕弦たちはそうそう絶望なんてしませんし」
「そうかなぁ?士道君が死んじゃったら、全員反転すると思うけどねぇ。耶倶矢ちゃんと夕弦ちゃんだってどっちかが死んじゃったら反転しそうだしぃ」
「むっ!士道が死ぬのは私嫌だぞ!」
「私だってそうです!」
「いや、もしもの話だし、もしもの話に乗っかるなよ」
「そ、そうね。もう、急に変なこと言うんじゃないわよ!」
「えー。ごめんなさぁい」
「あっさり謝るのね……ん?」
今更ながら、一人会話に増えていることに琴里は気づいた。それに反応して、皆も声の方を向く。
「ん?どうしたのぉ。あぁ、お邪魔してますぅ」
声の方、艦橋の扉の前にいた少女は首をかしげ、右手を緩く上げてあいさつした。
「どっから入ってきたのよ!」
「ん?空から飛び乗って、ドアをピッキングして入ってきたけどぉ?」
琴里のツッコミを軽くいなす少女。前会った時同様、緩い。
「琴里、それ以前に気にするところあるだろ。なんで反転から戻ってるんだよ!」
「反転?」
「そういえば。ついさっき反転した状態でいましたね」
「確かにそうですね」
ついさっきまでは、黒髪で反転していたはずだが、目の前にいる少女は数日前にあった茶髪で言動もあの時と同じ感じだった。反転がそんなすぐ解けるのかも謎で、それ故にみな警戒する。
「えーっとぉ。反転って何のことぉ?私、二度目ましてのはずだけどぉ?調べものしたり、真那ちゃんとバトったり、DEMに追いかけまわされてたしぃ」
しかし、少女はそんな反応。まるで、つい先ほどのことなど知らないかのように。反転前後で記憶が共有化されていない可能性もあったが、そんな風には見えない。だからこそ士道もまたさっきの精霊と目の前にいる少女は別人なのだと察した。
そして、士道はそもそも最初にするべきことをしていないことに気づいた。
「えっと、今更だけど」
「なぁにぃ?」
「君の名前って……君はいったい何者なんだ?」
そう。名前すら聞いていないことに。前回は途中から少女のペースにされていたから聞けずじまいだった。
「あー。そう言えば、事故紹介してなかったねぇ」
「今、文字違ってなかった?」
「あー、間違えたぁ。自己紹介ねぇ。私、木野千花!いろいろな事情でこの世界に来ちゃった系の精霊ですぅ。趣味は機械いじりと可愛い女の子を愛でることとお昼寝だよぉ」
「」ガタッ!
「千花?あれ?あの子もチカって」
「ほえ?さっきからちょくちょく私の反転とか言ってたけど、何の話なのぉ?私反転なんてしてないけどぉ?あれ?そのモニターに映ってるのってぇ……」
自己紹介をしたのに、皆の反応が謎で千花は首を傾げ、モニターを見て気づく。自分のそっくりさんが映っていることに。
ちなみに千花の発言に反応した美九は事前に動いた耶倶矢と夕弦によって羽交い絞めにされて拘束されていた。ただし、二人と密着できているので美九としてはこれはこれでありだったり。
「ふむぅ。これはこれはぁ」
「ん?」
「六喰ちゃんの情報収集に来たら、こっちの情報まで得られちゃったやぁ」
「むくろ?こっちの情報?」
「そうだよぉ。六喰ちゃんの情報あるかなぁって思ってね。ここ最近、不自然な霊波観測してるでしょぉ?」
「不自然な霊波?」
「うん。一瞬だけ出てるみたいなのがあると思うんだよぉ。六喰ちゃんの事だから<
「ああ、あれも精霊のものだったのかい?」
千花の疑問に反応したのは令音だった。そして、モニターが切り替わり、ここしばらくの内に観測された霊波の観測地点が表示される。
それはいろいろな場所に点があることで、これを見たところで何がわかるのか疑問だった。
「ふむふむぅ。あー、そういう事ねぇ。となると、六喰ちゃんは……」
「えっと、一人で納得してるとこ悪いけど、情報提供したんだからこっちにも説明しなさい」
「ん~。どうしようかなぁ」
「ちょっと!」
「ごめんごめん。でもねぇ、今の段階でみんなに行かれても六喰ちゃん取り逃がしちゃうだろうしぃ。それに……まだ、居場所が分かったわけじゃないからねぇ」
「ならば、他の情報を話すがよい。そもそも、あの精霊とお主の関係はどうなのだ?」
「あの子との関係なんて私も知らないよぉ。こっちだってあの子探していたのに、一切の情報持ってなかったもん。今初めて姿見たしぃ。私に似た姿だったとはねぇ」
「懐疑。その発言自体も謎ですね」
「えー」
「やっちゃう?」
「肯定。やっちゃいましょう」
正直に話しても何故か信じてもらえない千花がぼやき、さらなる情報を得ようと耶倶矢と夕弦が千花の確保をしようと動く。
耶倶矢と夕弦が千花にとびかかった瞬間、千花は緩く回避をして二人はドアに突っ込む。しかし、その直前に千花は二人の手を掴んで後ろに引っ張ってドアに激突する事態には至らなかった。自動ドアで開くから激突することはないのだが。
「確保しようとして無茶しちゃだめだよぉ」
「くっ。まさか我らの動きにこうも付いてこようとは」
「狼狽。恐るべしです」
「ところで、襲うってことは襲われる覚悟あるんだよねぇ?」
「「うっ」」
千花のニコニコ笑顔に狼狽する二人。まるで美九を相手にしているかのような緊張感。
ちなみに美九は変なことをしないようにと変わり身で七罪を抱き着かせているため動かない。美九的にはry。
「はいはい。話が進まないから後にしてちょうだい」
「はーい」
千花のペースにするとまた話が進まなくなりそうなので琴里は手を叩いて場を仕切る。千花から解放された二人は脱兎のごとく千花から距離を取る。
「それで、あなたの目的は何なの?狂三と同じで自由に現界してるみたいだけど」
「確かに私はいろいろ知ってはいるけど、自由に行き来できるわけじゃないよぉ。現に隣界に帰れない状態だから、この前からずっとこっちいるしぃ」
「え?でも、途中で霊力が……そういえば、なんか霊力を消す機械持ってたわね」
「持ってるよぉ。狂三ちゃんクラスになると霊力をうまくコントロールして観測されづらくもできるみたいだけど、面倒そうだから私はこっちだねぇ」
「そうなのか……というか、なんでそんなもん持ってんだよ」
「ふぇ?作ったけどぉ?ほらぁ、さっき機械いじりが趣味って言ったでしょぉ。どうかしたのぉ?」
士道のツッコミに答えつつ、千花はなぜか自分を無言でじっと見てくる七罪に声をかける。しかし、七罪はビクッと反応すると、
「ちょっとお手洗い」
慌てた様子で出て行った。
この場にいた全員が、いきなり千花に声をかけられたから反応に困って逃げたんだなぁと解釈したが、千花は首を傾げた。
そんな様子を見て士道は、千花は七罪と初対面だから今の反応に気分を害してしまったかもと心配する。
「七罪って人見知りするから、たぶんいきなり声をかけられてびっくりしたんだと思う」
「ん?ああ、それは知ってるから平気だよぉ」
「そうなんですか?」
「私、これでも七罪ちゃんと仲良しなんだよぉ」
「え?」
千花の言葉に皆驚きの声を漏らした。七罪と仲良しになれるのなんて四糸乃くらいだという認識があったから。
「まぁ、それは置いといてぇ」
「おいとくのか?」
「置いとくのぉ。それとも、私はもうドロンしてもいいのぉ?」
「えっと……」
「まぁ、私は目的を果たしたことだし、また耶倶矢ちゃんと夕弦ちゃんに確保されそうになるのも嫌だから帰ろうかなぁ」
「待ちなさいよ!まだ、目的を聞いてないわよ」
「聞いてないって、途中で話逸れたからねぇ。でも、話せることなんてないよぉ。あっ、先に行っておくけど、士道君に霊力封印される話は無理だからねぇ」
「え?」
「いや、霊力ない状態であの子に会うのはさすがに無謀だしぃ。私の好きな士道君はあっちの士道君であってこっちの士道君じゃないわけでぇ。私は一途系で行こうと思うからぁ」
「なんのはなしだよ!」
やはり、途中から脱線し始める千花との会話に、士道のツッコミも止まらない。おそらくこのまま行けば先にツッコめなくなるのは士道だろう。
ただし、
「あなたどこまで知ってるの?」
前と違ってこの場には司令官モードの琴里含めた精霊たちもいるので千花との会話に入ることができる。インカム越しじゃなく直接だから、琴里自身が会話に参加するのも何の問題も無い。
「どこまでってぇ?」
「ラタトスクの事?DEMの事?そして、精霊の事。色々かしらね?」
「ん~。割と知ってるけど、残念ながらすべてではないよぉ。まぁ、この場にいる子の情報は割と知ってるけどねぇ」
「そう。それで?あなたの目的は何?まさかとは思うけど、狂三と同じじゃないわよね?彼女の目的知らないけど」
「ん~。狂三ちゃんの目的とは違うねぇ。私の目的はあの子を見つけることと、帰ることだしぃ」
「帰る?隣界にか?」
「ううん。本来ある歴史の方かなぁ?せっかくあんなに頑張ったのに、こっちに飛ばされちゃうなんて思ってもみなかったもん。というわけで、目的言ったし、じゃぁねぇ」
千花はそう言うや否やダッシュで艦橋を出て行った。のんびりした雰囲気とは裏腹に素早い行動に皆面食らうがことりはすぐに気を取り直す。
「彼女を逃がさないで!」
「了解!」
琴里の一声でクルーは即座にコンピューターを操作して艦内の扉を閉めつつ千花の動きを追う。
フラクシナスの中を知っているかのように(知っています)艦内を駆け回り、確保しようと動くクルーたちも避けていく。
「夕弦!私たちも!」
「承知。八舞の力を見せてあげましょう」
「私も行くぞ!」
「なら、私もー!」
その様子を見ていた耶倶矢・夕弦・十香・美九も艦橋から出ていく。三人はまぁ動くのが得意なタイプだからわかるが、美九はそこまでではないはず。
「あの子、完全に千花を捕まえて抱き着くのが目的なんじゃ?」
『でも、美九ちゃんってこういう時に謎に力発動してもしかするかもよ?』
「あっ、確かに。ところで七罪さんはどこまで行ったのでしょうか?」
~☆~
場所は変わって、千花がフラクシナスに襲来している頃。
真那は町を歩いていた。千花が調べものをしに行くと言って、真那が行先を聞けばフラクシナスに突撃するとか。真那がフラクシナスに行けば魔力除去のために確保されかねないので、真那は真那で別方向から調べものをすることにして別行動。
「歩いてはいるものの、そうそうに手掛かりがあるわけでもねーんですよね」
しかし、精霊が町を歩いているなんてこともそうそうなく、時間だけが過ぎていく。そもそも千花が言っていた六喰と二亜という精霊を見た事すらないから仮にいてもわからないのだが。
「ん?」
そうして歩いていると、視界に真那と同い年くらいの少女が大きめな袋を持って歩いているのが目に入る。その少女は地面につきそうなほど長い金色の髪に金の瞳でなんとなく気になる。
少女は真那の視線に気づいている様子もなく、のんびりと歩いていて、真那も気になるとはいえ何もなく通り過ぎた。
「むっ!」
少し歩いたところで、唐突に誰かの驚いたような声が聞こえてくる。
少女の進行方向から一人の男が駆けてきて、少女が肩にかけていたバックをひったくったことで少女が声を上げたようだった。ひったくった男はそのまま少女から逃げるように真那の方に走ってくる。少女も追いかけようとするが、手に持っている荷物を持った状態で走ろうにも走れないでいて、それを下ろそうとしたりともたついていた。
「はぁ」
真那はため息をつくとひったくり犯の動きを観察する。
「どけっ!」
ひったくり犯は声を荒げ、真那を退けようとする。しかし、真那はわざわざひったくり犯の言葉に従おうとは思わずその場を動かない。
ならばと真那を退けてそのまま突き進もうとする。真那は退けようと出した右腕を流れるように掴むとそのまま勢いを利用しつつ足をかけて瞬く間に組み伏せる。ひったくり犯は一瞬何が起きたのかわからなかった。
「さてと、これは没収です」
面食らっているひったくり犯をよそに淡々と少女のバッグを取り上げると、少女はようやく二人のもとにやってきたので真那はバッグを渡す。
「ありがとうなのじゃ」
「どういたしまして。それで、警察に突き出してーんですが」
「?むくは携帯など持ってないが?」
「あらら、そういう感じですか。変に動くと加減間違えそうなので動かねーでくださいね」
取り押さえた状態で警察に電話するとひったくり犯が何かしたときに対応が遅れそうだから頼んだのだが、残念ながら携帯を持っていなかったからひったくり犯にきょうは……警告して電話をかける。
それから通報を受けた警察にひったくり犯を引き渡し、真那と少女だけになる。
「改めて、むくのを取り戻してくれてありがとうなのじゃ」
「いえいえ、目の前であんなことがあればまぁ見て見ぬふりはできねーんで」
「そうなのか?初対面なのに?」
「初対面でも困ってる人は助けますよ。できる範囲で」
初対面のはずなのに、自分を助けてくれたことに疑問を持つ少女。普通に考えれば、ひったくり犯を捕まえようとして逆に怪我を負いかねない危険行為であるし、さらに言えば赤の他人なのだからそんな危険を冒す必要性も無いからそう思った感じだった。
「とにかく、私はこれで」
「むん。そうか、さよならなのじゃ~」
このままいるといつまでもお礼を言われそうなので、真那は話を終わらせると六喰探しを再開するために少女と別れ、少女はそんな真那に手を振る。
「さて、どこに行けば会えるのやら?」
真那は首をかしげながらのんびり歩く。
「世の中には優しいのもいるんじゃなぁ」
少女が真那の探し人の星宮六喰だという事も知らずに。
次回更新はいつだろう?
ちなみに6話一文字も書いてない……
ではノシ