デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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みなさん、やっほー。
ぎりぎり、前回から半年経つ前に投稿!(残り1分で半年経過?)

前回のあとがき通り、今回でアナザーIFは終わりです。

*最後の最後にまだ登場していなかったあの子が出ますので、ゲーム未プレイの方はお気をつけください。ネタバレ?してます!


11話 アナザーIF

「<贋造魔女(ハニエル)>――【千変万化鏡(カリドスクーペ)】」

 

七罪を起点に膨大な量の樹のツタが生える少し前。

千花に零奈の相手を任せた七罪はさっそく<贋造魔女>の能力を発動させて<封解主>を模倣し、その先端を自分に向ける。

 

「<封解主(ミカエル)>――【(ラータイブ)】」

 

そして、自身に向けた<封解主>を回すと自身の中にあるとあるものを開く。

次いで、もう一度<封解主>になっている<贋造魔女>を空に掲げ、

 

「<贋造魔女(ハニエル)>――【千変万化鏡(カリドスクーペ)】」

 

もう一度【千変万化鏡】を行う。

瞬間、【千変万化鏡】によって粘土のように形を変えていく<贋造魔女>は地面に伝い、本来なら七罪とは一切接点がない精霊の天使を模倣した。

 

「いきなさい!<凶禍楽園(エデン)>」

 

園神凜祢、園神凜緒の天使――<凶禍楽園(エデン)>。

零奈の使える十天使外の番外の天使。

 

<凶禍楽園>を顕現させると、瞬く間に七罪を起点に周囲の地面から膨大な量の樹のツタが生えて来て零奈に襲い掛かる。

零奈の分身体はその手に持つ天使と魔王で対処するが、いかんせんツタが多く、ツタが分身体の身体に傷をつける。

 

「おー、さすが<凶禍楽園(エデン)>だねぇ」

「なんですか、この天使は」

「凜祢ちゃんと凜緒ちゃんの天使だよぉ」

「いや、誰ですかそれ!?」

 

いきなり見たことのない天使の顕現に真那は言うが、千花はのんきにそう返す。

<凶禍楽園>で作られた世界で真那と会ってはいるが、なかった世界になっているから真那は二人を知らない。六喰もそもそも七罪以外の精霊と会ったことが無いから似たような反応をしてはいるが、七罪が使った点からさほど気にはしていなかった。

 

「知らない天使……また番外か」

「そ。あんたの知ってる天使は能力バレてるけど<死之果樹園>と<月華狩人>は知らないみたいだったからね。なら、番外を使えばそれで問題ない」

「なるほど。ただ、【千変万化鏡(カリドスクーペ)】は限定霊装程度の出力。それじゃ、脅威にはならない」

 

零奈も最初は困惑していたが、【千変万化鏡】で作られた<凶禍楽園>のツタはいとも簡単に切り裂かれてしまう。だから、そこまで脅威という認識ではなかった。

 

「知ってるわ、そんなこと」

 

しかし、限定霊装出力になることなど七罪は百も承知。だからこそ、いつの間にか左手に持っていたそれを振るう。

 

「だから……<変刻魔女(バアル)>!」

 

なぜかその手に握られていた手鏡――七罪の魔王<変刻魔女>から光があふれて、その光は<凶禍楽園>に触れて輝く。

 

「なっ!」

 

直後、零奈が切り裂いたツタが、切り裂かれた断面から伸びて零奈の分身体の身体を貫く。

 

<変刻魔女>によって“限定霊装出力の<凶禍楽園>”を“本来の出力の<凶禍楽園>”に性質を変えたことで脅威にする。七罪がしたことはそれだけ。

それだけで瞬く間に分身体は蹂躙されていく。

ツタに貫かれ、絡まれた分身体は瞬く間にぐったりとして動かなくなり、そのまま霊力になって消えていく。

天使と魔王で対処し損ねればそれでアウトとなり、本体である零奈自身もくらえばどうなるかわからないため、どうにかくらわないように対応しながら何が起きているのかを観察していく。

 

「観察しながら私たちの攻撃の対処できるぅ?」

 

だが、ツタを回避しながら<凶禍楽園>の能力を確認しようにも、そんな片手間な状態で千花が攻撃を行う。

そのため、<凶禍楽園>の能力がなんなのかは謎だが、当たらなければいいだけと決めて確認を後回しにする。

千花の薙刀を炎の剣で捌き、氷の剣で攻撃し、その攻撃を千花は回避してと繰り返していく。

 

「っ!」

「外しましたか」

 

数度うちあった直後、真上から真那が<月華狩人>を零奈に振るうが、寸でのところで零奈は気配を感じで回避し、真那に向かって複合天魔の羽から光線を放ち、真那は背にある光翼でいなす。

急な攻撃に対応されたことに真那はつぶやくが、さすがに不意打ちで倒せるとはあまり思っていなかった。

 

「あの天使のせいで二人相手にしないといけないのか……っ!」

 

七罪が<凶禍楽園>を模倣したことで分身体の大半はそっちへの対応を余儀なくされ、結果千花と真那は本体に攻撃が可能になったので二対一となったのだがどちらの天使も番外の為まだ知らない能力がある可能性もあるため下手な動きができない。

加えて分身体は七罪の<凶禍楽園>と天使を武装した木人形、いろんな場所に穴で飛んで【解】と【閉】を使って無効化する六喰がいること、そもそも枯らせてしまう千花と喰らう真那が相手では分が悪いので複合天魔を扱える本体しか対処のしようがない。

 

「なら、こうするだけ」

 

ただ二十の天魔に対して二つの天使ではまだ分は零奈にある。

零奈は周囲の浮遊する羽を千花に飛ばし、千花が羽を弾く間に真那に接近して剣を振るう。

零奈の攻撃を鎌で捌くが、さすがに二振りの剣を鎌一つで捌くのは不可能で、身体に切り傷を作る。幸い、切られる直前に霊力を出して若干ダメージを緩和して、凍結や炭化は防げたが。

真那の救援に行きたいが複合天魔の羽の量が膨大で千花もその場を動けず、真那自身でどうにか切り抜ける必要がある。

 

「<月華狩人(サリエル)>――【王冠(ケテル)】」

 

なので、<月華狩人>の能力を発動させ、鎌についている水晶が白色に変わり輝く。

直後、真那は一瞬でその場から消え、零奈の背後に現れ鎌を振るい零奈の鎧を切り裂く。それによって零奈の鎧から霊力を奪うが、分身体のように一瞬で全て喰らうことはできず、ダメージを与えた程度だった。

 

「くっ<絶滅天使(メタトロン)>の能力か。ならば」

「っ!」

 

真那の瞬間移動を即座に<絶滅天使>の高速移動と看破すると零奈も同じことをして消える。それに対して真那も同様に能力で消える。そして、たびたびぶつかる音だけが響く。

 

「うわぁ、二人とも光になって何起きてるのやらぁ?」

「そんなこと言ってないでさっさか加勢に行きなさいよ」

「およ?<凶禍楽園(エデン)>使いこなしたのぉ?」

「まあね。これ、私が敵と認識したら勝手に攻撃するから」

 

複合天魔の羽を弾きながらのんきなことを言っていると、足元からツタが伸びて千花の周囲の複合天魔の羽すべてを巻き込み霊力を奪って四散させ、七罪が千花にツッコむ。

 

「なにそれぇ。【速樹(プラント)】より便利じゃん」

「知らないわよ。というか、さっさか真那の加勢して零奈止めるんでしょ?」

「はーい」

 

千花は言って、光速で動く零奈に向かって跳躍する。隣にいた七罪は「え?見えてるの?」みたいな表情をしていた。千花は高速移動している零奈に向かって薙刀を振るい、零奈はいきなりの横からの攻撃を剣でガードし、もう一本の剣で真那の鎌をガードする。

 

「つーかまえたぁ」

「くっ」

「むくもいるのじゃ」

 

零奈の両手がふさがれた瞬間、虚空から突然矛が出てきて身体をひねって零奈は回避し、虚空から六喰が現れる

分身体の相手を六喰もしていたのだが、分身体は七罪の<凶禍楽園>に任せても大丈夫なくらいには減らせていたので、六喰も零奈を倒そうという考えだった。

 

「三対一か」

「いいえ、四対一よ」

 

七罪の声と共に足元からツタが伸びるそのツタを新たに出した羽からの光線で破壊し、切り口が光線によって燃える。切り口を燃えさせたことで先ほどのようにすぐには修復できず、その間に手に力を込めて二人から距離を取る。

 

「これは厄介だな」

「そう言っている暇はないよぉ」

「みたいだね。なら」

 

辺りを見渡せば、分身体はすべて<凶禍楽園>でやられており、残りは零奈本体ただ一人。このままやっていればじり貧なのは明らか。

だから零奈は二振りの剣を空に掲げる。

それによって、みな零奈が大技を使おうとしているのを察し、それぞれ行動に移る。

 

「複合天魔――」

「<死之龍園(サマエル)>――」

「<月華狩人(サリエル)>――」

「【終焉(ペイバーシュ)】」

「【終焉樹(ペイバーシュ・ロア)】」

「【侵蝕月天(ムーン・イーター)】」

 

瞬間、零奈の二振りの剣が輝き周囲を包み、千花の薙刀が巨大な輝きと共に零奈に向かって伸び、真那の鎌が巨大化してそれを零奈に向かって振るう。その三つがぶつかり周囲の地面を破壊しつくす。

 

「……はあはあ」

「ありゃ?」

「複数の天魔相手はきついですね」

 

三つのぶつかりの結果、零奈の天魔が砕け散り、千花の<死之龍園>が<死之果樹園>と<死之龍>に分かれ、真那の<月華狩人>の刃が刃こぼれしたような状態になっていた。千花の天魔が無事に見えるのはただ単に<死之龍園>が解けて分離した結果だったりする。

 

「だが、だいぶ霊力は削った……こちらはまだまだ霊力は……」

「でしょうね。でも、終わりよ」

「え?」

 

二十の天魔が使える零奈の霊力の総量は四人よりも膨大で、今の攻撃でだいぶ使ったとはいえ余裕はあった。

しかし、膨大な霊力を消費したのは千花と真那だけ。

故に、

 

複合天魔の鎧が砕けた零奈の身体を<凶禍楽園>のツタが貫いた。

 

「くっ」

 

そして手足を複数の<凶禍楽園>のツタが絡み一気に霊力を奪う。

天魔を出そうとするが、顕現したそばから<凶禍楽園>のツタが触れて消してしまうため、脱出はできそうになかった。

そして、手足をツタに絡まれている絵を見て千花は小さくつぶやく。

 

「うわぁ。なんというか、絵面大丈夫かなぁ?」

「知らないけど、挿絵無いから大丈夫じゃない?」

「くっ。殺すなら殺せ」

「くっころ初めて見たなぁ」

 

七罪のツッコミをよそに<凶禍楽園>によって霊力を巻き上げ、

 

「さて、そろそろぉ<死之果樹園(サマエル)>」

 

千花は霊力をだいぶ失った零奈の身体に<死之果樹園>を当てる。それによって、零奈の意識を奪う。

 

「これでいいのぉ?サマエル?」

『うん。これで終わり』

 

零奈を捕まえたのでこれでこの世界での目的は達したのだが、言った直後に零奈の身体が霊子になって消えていく。

 

「ん?消えちゃいましたけど、いいんですか?」

「まあ、零奈も霊力の身体だったからねぇ。一応、零子になった以上は隣界に還るからいいんじゃないかなぁ」

「そういうものじゃな。ということは、千花は元の世界に帰るという事か?」

「まあねぇ。というか、最後六喰ちゃん、ちゃっかり避難したでしょ」

「むくは非戦闘系の精霊なのじゃ」

「さいですかぁ」

 

さりげなく孔開けて避難していた六喰も会話に混ざり、とりあえずこの世界で千花がやることは終わった以上元の世界に帰るのだが……。

 

「ところでサマエル。どうやって私帰ればいいのぉ?十天使持ってきてないんでしょ?」

『あるじゃん。真那が吸収した分が』

「ん、真那ですか?ああ、<(ティファレト)>」

 

真那は納得して<月華狩人>の能力を発動させ、水晶が黄色に輝く。その状態で空を斬ると、空に孔が開き隣界につながる。

これで隣界に戻れるので本来戻るべき世界に戻れるようになった。

 

「で、私はどうすればいいわけ?この体はこの世界の私の身体なんだけど……」

 

元の世界に戻る術はできたが、それは千花の話。なぜか、この世界の七罪に意識だけ来て入ってしまった七罪は術がない。さすがに七罪がそのまま隣界に行くわけにもいかないわけで。

 

「うーん。まあ、それは……えい!」

『じゃ、後任したから』

「きゃっ!」

 

なので、唐突に千花は七罪の身体に<死之果樹園>を当てた。そして、<死之龍>に入っていたサマエルはそう言って、先に意識だけ帰って、<死之果樹園>を当てられた七罪はいきなりの事に声をあげ、直後ぱたりと倒れた。

いきなり目の前で起きた光景に、真那と六喰は「え?」と目を丸くした。

そして、千花は<死之龍>に<死之果樹園>を当てる。

 

『……なにこれ?』

 

それにより、なぜか<死之龍>から七罪の声がするようになった。

なぜか<死之龍>になっている七罪は困惑し、そんな七罪に二人も困惑する。

 

「うん。これで七罪ちゃんも隣界に行けるようになりましたぁ」

「いや、やるにしても説明してからにしてよね」

「えー、せっかくちゃんと一緒に帰れるようにしたのにぃ」

「あの、確認したい事があるのですが?」

「ん?」

 

というわけで無事七罪もこの世界の七罪を置いた状態で一緒に帰れるようになったのだが、いつも通り千花が勝手に進めたから文句を言った。言っても無駄だとはわかっているが。

そんな二人のやり取りを聞いていた真那はいくつか確認したい事があり、会話を遮る。

 

「千花さんたちが帰るのはいいのですが、千花さん兄様たちに一回会っているじゃねーですか」

「うん。そうだねぇ」

「そうなると、千花さんがそのうちまた現界するのでは?と思われるのでは?」

「ん~、大丈夫じゃない?なんやかんやで。あるいは、真那ちゃんからうまい事言っておいてぇ。あと、七罪ちゃんも一緒に連れて行ってあげてねぇ」

「はぁ、なんやかんやですか……」

『これがデフォだから諦めて』

「……七罪さんの方は了解しました」

「え?デフォの部分否定してくれないのぉ?」

 

この世界での千花の扱いは結局真那に丸投げし、これで全て問題は片付いた(たぶん)。

 

「てことで、さよならぁ」

『あー、色々ありがとね。六喰も元気で』

「うむ。この世界の七罪とうまくやっていくのじゃ」

「ごたごたありますが、それはこちらでやりますので。千花さん、もう一人の七罪さん、さよなら」

 

そうして、二人は隣界の孔に入り帰るのだった。

 

 

アナザーIF(完)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗転

 

「はあ、危なかった……」

 

少女は一人暗闇で息を吐く。

 

「どうやら私は死んで消えたと思ったようだが、どうにかなった。まだあきらめない。せっかく手に入れたこの体と、十の天使と十の魔王があるのだから」

 

少女の瞳にはまだ諦めの色はない。復讐の時を待ち、その身を今は休めるために身をひそめることにする。

 

「……」

 

そして、少女はこの世界のはずれに移動し始める。

 

「さっきからうるさい。そのモノローグやめて」

 

……

 

『おやおや、これは失礼。物語の語り部としてわたくしは控えておこうかと考えておりましたので』

 

「そう。なら、また(・・)力を渡しなさい」

 

『ほう。そう来ましたか』

 

「そう。番外の力は想定外だった。だから……」

 

『一つ――霊子になって彷徨っていたあなた様に身体を与えました。

二つ――身体を得たあなた様に十の魔王という力を与えました

そして、三つ――さらなる力を求めるあなた様に十の天使という力を与えました』

 

「そう。だから、次は番外の力を……」

 

『いえいえ、残念ながらそれは叶いません。なぜなら』

 

私がそう言うと同時に、少女の周囲に黒い植物のツタが伸び少女を絡めとる。

 

「これはっ!」

 

『わたくしの天使が叶える願いは三つ。あなた様はすでに三つの願いを言ってしまった。故に今度はあなた様からいただきましょう――

 

あなた様の全てを』

 

瞬間、少女の姿が霊子になり瞬く間にツタに呑まれる。

 

『……あなた様の願いは確か見届けましたよ。我が目的のためにも』

 

私は歩く。

そして、その手を広げる。

 

「さぁ、今宵の物語はこれにて閉幕。

さて、これより終幕の物語を始めるといたしましょうか」

 

 




打ち切り感ありますが、終わらせ方がまぁ、うんって感じですので。そもそも、真那も千花も天使の能力当てれば終わりですし。あと七罪がわざわざパラレルIF仕様なのもこのためでしたし。
てなわけで、これでアナザーIFは終わりです!

なんか続きそうな感じの終わらせ方にしていますが、続きを書くかは未定です。
書くつもりですが、アナザーIF書いててある程度書いてから投稿する初期の形じゃないと、書こうとした時に書けなってたので次の投稿がいつになるかはわかりません。
たぶん、いつも通り閏年のはざまの時間とかに短編投稿挟むかもですが……

てなわけで、ノシ
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