デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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パラレルIFの初投稿からなんやかんやで7年経った……
てことで、いつも通り投稿です。まだ2/28日26時ってことでセーフ?

今回は、短編?二個です。結局合計は6000字近く。
「学校に行こう」はパラレルIFの10章と11章の間のお話です。
「その後のアナザーIF」は零奈戦が終わった後の後日譚的なお話です。



「学校に行こう」「その後のアナザーIF」

【学校に行こう】

 

「……え?」

 

天宮祭から二週間が経ったその日。精霊荘の共有スペースで、七罪は言葉を失ったような声を漏らした。

とても大事な話があると共有スペースに集められた七罪、四糸乃、六喰。

そして、呼んだ琴里。

机の上に枕を置いて突っ伏している千花。

共有スペースにいるのはその五人。

本来ならもう一人も集められていたのだが……声をかけに行ったらどこかに行っていたので今はいない。

 

「いやぁ、だからぁ。士道君の中の霊結晶(セフィラ)引っこ抜いたら精霊じゃなくなるから三人には学校に通ってもらうって話だよぉ」

「……噓でしょ」

「はぁー。いや、なに驚いてるのよ」

 

もう一度千花の口から言われた言葉に七罪はこの世の終わりといった表情をし、黒いリボンで髪を括った琴里はため息をつく。

数日前に精霊たち全員に話した今後の予定の約一月経ったら士道の中の霊結晶を抜き取るという話。士道の中の霊結晶を抜けばそれと同時に精霊たちの中の霊力も共に消え、完全に人と同じ状態になる。そうなれば、精霊だから学校に通っていなかった三人も本格的に人と同じ生活をすることになる。

 

具体的には中学生の見た目の三人は中学校に通う。

 

今までは精霊であり、霊力の逆流等が危惧されたが精霊でなくなればその恐れもなくなる。

そうなれば、学校に行かなければならない。

 

「いいじゃない、行かなくたって」

「そんなこと言ったって駄目よ。精霊じゃなくなる以上行ってもらうわよ」

「嫌よ。あんな強制収容施設に行くだなんて」

「七罪必死じゃな」

「あはは」

 

七罪の必死さに琴里は呆れ、六喰と四糸乃は七罪が本気で嫌がっているのを知っているが、琴里の言い分もわかるから口は挟まない。

そもそも、二人とも別に中学校に通う事に対して異議はなく、編入できるのならしてもいいとは思っている。精霊荘からだとことりと同じ中学校だろうとなんとなく察しているし、そうなれば何かと琴里も気にかけてくれる。

 

「でもぉ、七罪ちゃん」

「何?」

 

すると、未だに枕に顎を乗せてぐでぇーとしている千花が七罪に声をかける。

 

「学生でもなく、家で特に何もしないのってさぁ」

「待って、それ以上は言わないで」

 

七罪は千花がこの後に言おうとしている言葉を察し、止める。

だけど、そこで止まらないのが千花クオリティー。

 

「ニートと同じだよねぇ?」

「ぎゃー」

 

学校に通わず、且つ特に仕事をするわけでもない人を指す言葉。

その言葉を聞いた瞬間七罪は悲鳴をあげる。

 

「悲鳴あげるんだったら学校行けばいいじゃない」

「それも嫌よ!学校なんて、無理やりルールで縛り、他の生徒と同じであることを強いて、口では「みんな仲良くしましょう」とか言いながら、いざいじめが起きれば、学校の評判を気にして見て見ぬふりをして隠蔽される。まさに監獄じゃない」

「なんで学校行ってないのに、いわゆる物語でお約束な学校の負の部分がポンポン出てくるんだろぉ?」

「そんな負の部分が詰まった学校なんてそうそうないわよ」

 

まるでそんな学校に行ったことがあるかのように列挙する七罪に皆困惑する。

ネガティブな想像はいつもの事だが、いつも以上に拍車がかかっている。

それだけ、学校に行きたくないという気持ちが伝わってくる。

普通の人ならここで同情して少しは七罪の事も考えて譲歩しようと考えてしまうかもしれない。具体的には士道や心が清らかな精霊たちなら。現にそばにいる四糸乃と六喰も「まあ、本人がここまで嫌がっているのなら」といった目をしていた。

 

「まあ、それは置いといてぇ。七罪ちゃんにはニート脱却してもらいまーす」

 

千花は普通じゃないので譲歩したりしないのだが。

 

「置いとくの!?譲歩してくれる流れじゃないの!?」

「いや、それ以前に話の論点ズレてるじゃない!なんで、中学校に通うから七罪のニート脱却になってるのよ」

「いや、私ニートじゃないし」

「「「「え?」」」」

「え?何その反応」

「まぁ、冗談は置いといてぇ。七罪ちゃんがどうしても中学校に通わず、尚且つニートでもなくなる方法はもうあれしか無いねぇ」

「え?あるの?」

 

てっきり無理やり中学校に編入させられるのかと思ったが、なにやら別の方法があるらしく、しかしその方法がピンと来なくて七罪は首をかしげる。四糸乃たちも同様にピンと来ていない。

 

「就職」

「中学生で就職は無理でしょ。七罪は私と同じ学年にする予定だから、就職するにしろ中卒扱いにするためにもあと一年は必要よ?」

「七罪の要領の良さなら、十分働けそうじゃけどな」

「」コクコク

 

千花の口から出た就職という言葉にそれぞれ反応する。

琴里は何馬鹿なことを見たいな表情をし、六喰と四糸乃は七罪の地味な多彩さと要領の良さから十分仕事も可能なのではと?

ただ当の本人は

 

「無理。就職なんてできるわけないじゃない。こんなちんちくりんを起用する企業なんて、猫の手も借りたいくらい労働条件が真っ黒な企業か、ロリコンを重宝するヤバい企業くらいよ」

 

すごい拒絶反応を出していた。

ツッコミどころ満載で。

 

「どんな企業?」

「さぁ?むくにはよくわからぬ」

「そんな変な企業にうちの七罪ちゃんは預けられないよぉ」

「うちの七罪って、千花はどの立ち位置なのよ」

「精霊荘の大家さん目線?」

 

精霊荘は一応令音の家を改築しただけなので、そうなると精霊たちは令音の家に居候しているような状態なので、この場合の大家は令音に当たるわけだが、令音は基本フラクシナスに泊まり込んでいるから実質千花が大家と言えば大家というややこしい状態。

そもそも、千花は七罪を妹のように扱ってるから大家というよりはそっちの側面で言っている節もあるが。

 

「それで、どうするんですか?」

「本当に七罪は就職するのか?」

「さぁ?そこは七罪ちゃん次第かなぁ?一応、何個か就職先持ってきたよぉ」

「え?気早くない?」

「早いわね。そもそも、中学生の見た目の七罪を起用できるとこなんてあるわけ?」

「あったよぉ。三個」

「そんなにあんの!?」

 

まさかの三個も就職先候補があり、驚きの声をあげる七罪。

琴里もてっきり就職の話は冗談かと思っていたが、就職先を見つけてくるくらいにはガチで驚く。

 

「あったよぉ。一つは自称給料よくて、通勤しやすくて、スキルも活かせる。ついでに美人の上司もいるところでしょぉ」

「自称が頭についてる時点でヤバそうなんですけど」

「もう一つは、美少女アイドルのマネージャー。そのアイドルが女の子好きで、マネージャーさんはぜひなつ――可愛い女の子でしたらうれしいですってぇ」

「明らかに美九じゃない……」

「そして最後が、空飛ぶ空中艦の機関員」

「明らかに<ラタトスク>じゃない!」

「私そんな話聞いてないわよ!」

 

列挙された候補の最後のに関しては明らかに<ラタトスク>の<フラクシナス>の機関員を指しているから、そんな話を一切聞いていない琴里もツッコむ。

 

「神無月さんに聞いたらいいって言ってたよぉ。独断で話を進めたら司令にお仕置きしてもらえるとか言ってたけどぉ」

「神無月……」

「「「うわぁ」」」

 

恍惚な表情の神無月の顔が浮かびドンびく精霊たち。

 

「それでどうするぅ?」

「いや、就職も嫌だけど。そうだ!精霊荘の家事とかすれば……」

「それはみんなで当番制で回してるから今更ね」

「うぅ。じゃぁ」

「七罪さん。諦めましょう。中学に行くしか選択肢はねーんです」

「はぁー……ん?」

 

七罪の方に手を置き、七罪も頭の中ではもう選択肢がないと諦めていた。

まあ、四糸乃と六喰と一緒に編入して、同じクラスで学校生活を送れば……

 

「まって、三人同時に編入したら確実に別々のクラスになるじゃない!」

「おーそれに気づいちゃったかぁ。琴里ちゃんの見解はどう?」

「まぁ、裏から手を回せばできなくはないけど」

「あるいは一つのクラスで数人同時に転校すればその人数補填で同じクラスになれるかもねぇ」

「千花はサラッとヤバい事言うんじゃな」

「まあ、千花さんなら平然と言いますしね」

「……てか、なにサラッと会話に混ざってるのよ。真那」

 

いつの間にか真那が精霊荘に戻ってきていて、一斉に真那を見る。

 

「今さっきですけど?」

「……確保ぉ!」

 

真那が首をかしげると同時に千花は伸びていた体勢からの動きとは思えない速度で真那に飛びついた。

元DEMの魔術師で、DEM離反後も精霊である狂三を追いかけるという理由で中学校に通っていない真那。狂三が精霊じゃなくなれば、というか霊力封印した時点で狂三を追いかける必要は無くなったから真那も中学校に通うことになる。

だが、真那はDEMですでに中学で学ぶ教養課程はすべて履修済みだから中学校に行く気は皆無だった。

そんな訳でせっかくのチャンスなので千花は真那を確保したのだった。

 

「それで話を戻すけどぉ、七罪ちゃんは中学校に通ってくれるってことでいいんだよねぇ?」

「それしか選択肢ないんでしょ?」

「就職しなければねぇ」

「なら、もう諦めて中学行くわよ……」

「ほっ。七罪さんと一緒の学校生活楽しみです」

「おお、ついに決心したか。むくも楽しみじゃ」

「う、うん」

「……普通に二人に誘われれば七罪もっと早く折れたんじゃないの?」

「それは言わないお約束だよぉ」

「あっそ」

「……あの、真那はいつまで拘束されなきゃいけねーんですか?」

「真那ちゃんも中学に通うって言うまでぇ」

「さいですか」

 

 

 

【その後のアナザーIF】

 

「で」

「いや、私も何が何だか」

 

千花と七罪(パラレルIF世界線)が隣界から本来戻る歴史に戻った後。

七罪は琴里に拷問を受けていた。

 

「ちょっと。拷問なんてしてないわよ!」

 

訂正。逃げないように椅子に七罪を縛り付けていた。

 

「さすがにここまでしなくてもいいだろ」

「まあ、こうでもしないと七罪逃げそうだけど?」

「でも、可愛そうです」

「指摘。ロープで縛るのは痕が残りかねないので、美九に抱き着かせるのはどうでしょう?」

「「え?」」

 

夕弦の発言に、美九は瞳を輝かせ、七罪は嫌そうな顔をする。

 

「はあー。逃げないって約束するなら美九に普通にするけど」

「うん。逃げないから、美九の刑はやめて」

 

というわけで、七罪は解放されたのだった。

さて、どうして七罪がこんなことになっているのか。

別に何か悪い事をしたわけではない。

 

「で、なんで昨日七罪は千花と一緒にいたわけ?しかも未確認の精霊もいるわ、狂三を追いかけてまたどこかに行った真那まで」

 

昨日行われた零奈との戦闘の記録。それを見た琴里はなぜか千花とこの世界ではまだ未確認の六喰と一緒にいた七罪に事情を聞こうという事で呼んだわけだが、あの時は別の世界の七罪の人格だったことで、ここしばらくの記憶が曖昧に七罪はなっていた。そのため、千花と六喰の情報を聞かれても困る。

 

「いや、本当にわかんないわよ」

 

千花の事は全く知らないし、六喰のこともまだ伝えても拗れるのは目に見えているから七罪としても話しようがない。

 

「ふむ。嘘をついている様子はないね」

「みたいね。そうなると、千花に記憶を消すとかされたとみるべきかしら?」

「そんなことできるのか」

「まったくね。結局、どうして現れたのかわからない。反転体とバトッテたし、かと思えば隣界に戻れないとか言いながら普通に戻ってたし」

「あの子というか真那がやってたけどな。しかも、意識のない七罪をおぶってきた時真那から霊力は感知できなかったんだろ?」

 

あの後七罪をおぶってきた真那にも話を聞いたが、詳しいことはよくわからず、とりあえず千花と千花にうり二つの少女がこの世界に現界することはないと言われただけ。

もっと詳しく聞こうにも、真那自身も精霊化は一時的なモノだからもう精霊化することはないし、千花の詳しい話も聞いてはいない。この世界にいた零奈を隣界に還した以上、もうこの世界に現界する理由もない。

だから、これ以上話せることはないといって、真那はまた狂三を追いかけに行ってしまった。

そんな訳で、七罪に聞いてみたわけだが期待していたような情報は得られなかった。

 

「まあ、よかったんじゃないか?あの子なんだかんだ普通に暮らせてたみたいだし、空間震起こしてASTに襲われないんだろ?」

「現界しないならそうだろうけど……」

「あの子がいなくなってもやることは多いだろ?狂三と昨日初めて見た精霊、それと<デビル>の精霊を救う」

「それもそうね。ええ、やることは変わらない。七罪も悪かったわね。無理に聞き出そうとして」

「いや、別にいいけど」

 

素直に謝られると、六喰の事を隠しているから七罪は複雑な気持ちになる。

ただ、これからもやることは変わらないからといつもの生活に戻るのだった。

 

 

 

 

 

「って、アタシの出番は!?」

 

DEMのとある施設。

なぜか至れり尽くせりで漫画を執筆中の二亜は誰もいない空間でツッコミを入れた。

ちょくちょく名前は出たのに結局一切登場しなかったから。

 

「おかしい。二亜さんの<囁告篇帙(ラジエル)>で一気に物語の核心に近づくと思って色々調べてたのにぃ」

 

二亜は椅子の背もたれに体重を預けて足をパタパタさせてぼやく。

 

「きひひ。なるほど、千花さんのリーク通りですわね」

 

一人ぼやく二亜。ただし、そこに訪問者が。

七罪の千変万化鏡によって二亜の居場所を割り出されたことで、それを狂三に伝えていたからこそ、狂三は誰にもバレずに侵入を成功させていた。

 

「ん、これは想定内のお客さんじゃん」

「さすが全知の天使。わたくしの訪問も予期しておりましたか」

「まあね」

 

狂三の訪問に、今までのが演技だったのでは?と思うほどの切り替わり。

狂三はどちらが本来の二亜なのか疑問に思うも、それは些末なことなので頭の片隅にやる。

 

「木野千花か時崎狂三。どちらかが接触に来るのは時間の問題だったからね。まあ、あっちは目的が済んだから来なかったみたいだけど」

「というよりも、七罪さんがいる以上あなたの助力を必要としなくなっただけでしょうけど」

「これは手厳しい。で、用件は何かな?まさか、アタシをここから出すとか?」

「ええ、情報を頂ければ脱出の手引きは致しますわ」

「なるほどね。まあ、そろそろアタシもネタ取材に行きたかったし、その条件乗った」

 

DEMの策略にこのまま乗り続けるのも二亜としては面白くなく、そうなれば狂三と共に外に出るのも悪くない。

 

「で、なんの情報が欲しいのかな?」

「ええ、ではあなたの全知の天使によりお聞きいたしましょう。

 

原初の精霊について」

 

 

 

 

 

 

「……私の知らない番外の精霊。私自身が動くか悩んだが、動く必要はなかったか。もしもあれ以上シンに接触があれば手を打つ必要があったが」

 

「今度は間違えない。絶対に――」




てことで、なにもなければまた書くかもです。
まあ、書くとしたらデート・ア・ライブVが終わったらとかですかね?個人的には原作の最後の方まで設定を使いたいので。
あと、ちょっと他のプロットだけ作り途中のお話もあるのでそっちも作りたかったり。
てことで、なにもなければそのうちに。

では、ノシ
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