デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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超久々に投稿!
そういえばちゃんとは登場していなかったあの精霊も登場!
2個前の【EX1】の続きの世界線です。
短めですし、あの精霊を加えるためのお話なのでいうて中身あるかと言えば……はい。そんな感じで最後?の短編スタート!


【EX3】願い紡がれる世界のお話

「っと、少し早く着きすぎたか」

 

12月25日 午前九時五十分。

士道は駅前に着き、駅前の時計を見て小さくつぶやいた。

昨日はクリスマスパーティーをみんなと行い、今日はクリスマスパーティでやったゲームの優勝者とお出かけするため、士道は駅前に来ているというわけだ。

なぜ、優勝者の商品が士道との二人きりのお出かけなのかは士道自身よくわかっていない。ついでにいえば、士道が優勝したらどうなるのかも士道本人は知らない。

一応、士道が優勝したら誰かを指名してデートだったかな?

 

「……」

「……だーれだ」

 

士道は約束の相手が来るまで時間潰しにスマホを見て待っており、そんな士道にいきなり背後から手で目を覆って隠され、背後からそんな事を言った。

いきなりのことで士道は驚いた反応はしたが、声で誰なのかはわかったのか、すぐに落ち着いて名前を口にする。

 

「なんでこんな悪戯するんだよ。蓮」

「おや、もうばれてしまったか」

 

名前を言い当てられたことで、士道の目を覆っていた手が離され、士道は振り返る。

振り返った先には肩より下まで伸びた葡萄のような濃い紫の髪に、髪と同じく葡萄のような紫の瞳の少女――私、蓮が悪びれた様子もなく微笑を浮かべた。

 

「ところで、待たせてしまったかな?」

「いや、俺も今さっきついたとこだ」

 

今の時間は十時なので時間ぴったりの到着であり、士道も十分前に着いたわけで十分前ならついさっき着いたという言葉は嘘ではない。人次第だが。

 

「九時五十分に到着していたようだけれど、士道の中では十分前はついさっきなのだね」

「ん?」

「どうかしたのかい?」

「いや、なんで俺が着いた時間知ってるんだ?」

 

私の物言いに士道は首を傾げた。確かに今の言いようだとどこかで見ていたかのように感じられる。

だから士道はもしかしての可能性を考えて周辺を見まわした。

結果、一軒のお店が目に入りそこで顔の動きを止めた。

 

「もしかして、俺より早く来てそこのス〇バにいたか?」

「おや、なんのことかな?」

「……口の端にクリーム付いてるぞ」

「っ!」

 

士道は自分の口の端を指さしてそう言うと、私はハッとしてポケットからハンカチを出して口元を拭う。

 

「ちなみに、クリームが付いてるというのは冗談だ」

「くっ、謀ったな」

 

鎌をかけられた。

なのでジト目で士道を見る。

 

「で、いつからス◯バにいたんだ?」

「……三十分前」

「なんで十時集合なのにそんな早くに来たんだよ」

「千花が弄ってくるから」

「あー、なるほど」

 

三十分も早く着いた理由を言ったことで瞬間、それだけでなんとなくその情景が目に浮かんだのかそんな反応。

 

「まあ、だいたいわかったし少し早いけど行くか」

「そうだね」

「ああ、そう言えば何処行くんだ?行き先は蓮が決めるって言ってたけど」

「そう言えば言ってなかったね。水族館だ」

「水族館?」

 

まるで私が水族館に行きたがるイメージが無かったからなのか、士道は首を傾げる。水族館となれば人も多いこともあり、イメージ的に人が少ないところを好むイメージと思われているのだろう。実際そうだが。

 

「そんな気分なんだよ」

「そんな気分なんだよ。ほら、行くよ」

 

そう言って士道の手を取ると歩き出し、士道もそれに続くのだった。

 

〜☆〜

 

「士道。この水族館は正気なのか?」

「俺に聞くな」

 

水族館に着き、丁度この水族館のメインの一つシャチのショーの時間が近かったこともあり、二人でショースタジアムに行きシャチのショーを見始めたのは良かったのだが、想定外のことが一つ。

シャチが大きくジャンプした際の水飛沫が水槽外に飛び、水槽の傍の席の人にかかっていた。夏場ならまだしも、冬場にこれは寒いのではといった具合。

しかも、不幸なことに丁度着水のタイミングで強風が吹いたことで、範囲は広がり少し飛んできていたり。

 

「まあ、他のお客さんはおどろいてはいれど、蓮みたいに文句言ってないしよくあることなんだろ」

「まるで私がクレーマーのような言いようじゃないか」

「クレーマーとは言ってないだろ」

 

士道の言いように文句を言いながら濡れた箇所をハンカチで叩いて乾かす。

 

「て、またかっ」

 

しかし、そんな抵抗も虚しく、再びシャチが大ジャンプしたことで警戒する。警戒したからといって傘や雨具などによる水飛沫から身を守る術はないのだが。

 

「士道ガード」

 

なので士道の服の襟を掴むとそのまま引っ張り、士道を盾にする。

どうにか強風が吹かなかったことで士道も濡れることは無く済んだが、ジト目を向けられた。

 

「悪かった、悪かった。しかし、これは仕方ないことなのだよ。濡れたら下着が透けてしまうかもしれないだろう?」

「いや、さっきのでも透けてなかっただろ」

「士道のエッチ。しっかり確認していたのか」

「ちょっ、言葉の綾だろ。そんなに濡れてないだろって意味だよ」

「いやいや、わかってる。男の子だもんな」

「絶対わかってないだろ!」

 

それからペンギンやらイルカやらカワウソやら片っ端から見て回った。

 

〜☆〜

 

水族館を一通り回り終えた私たちは駅前のショッピングモールにいた。

ただ目的は……

 

「士道、デートで買い出しを行うのは些かどうかと思うのだが?」

 

なぜか食材の買い出し。

 

「でも、せっかく駅前来たんだしついでに買い出しも済ましたいからな。蓮だって、どうせなにか頼まれてるんだろ?」

「まぁ、特売品のメモは渡されたが」

 

しかも、精霊荘に住んでるメンバーは持ち回りで担当だからついでに買ってきてと言われている。

 

「というか、蓮が料理してるところ見たこと無い気がするが……いや、持ち回りだから……」

「人並みにはできるさ。士道と一緒にやることはないが。凜祢や千花がいるから複数人で作る必要があればあの二人がやるわけだし」

「それもそっか。まぁ、いろんな料理ができた方が将来に役立つしな」

「そうかい?士道が料理担当になれば料理スキルは不要だろ?」

「おい、なにさらっと俺に押しつけようとしてるんだよ。てか、俺と結婚する仮定かよ」

「おや、私では嫁は務まらないかい?」

 

冗談めかしに士道に言ってみたり。

 

「いや、蓮は可愛いし、色々要領もよいから家事の分担は出来そうだし、結婚してからも互いに助け合えそうだけど」

「お、おお。意外と考えているのだね」

「なんで、先に振ってきた蓮が困惑してるんだよ」

 

想定外にちゃんと返したことに驚いてしまった。そこまで考えていようとは。

 

「ま、蓮は俺をからかってるだけだろうからそんな未来はないだろうけど」

「……」

「蓮?」

「はぁー。ああ、そうだね」

 

なんというか、そんな気はしていたが。

士道のこの鈍さはどうにかならないものだろうか?

まぁ、鈍いから今の状況を維持出来ているとも言えなくないが。

 

〜☆〜

 

「やっほー、蓮ちゃん。士道君とのデートどうだったぁ?」

 

夜。買い出しも無事終え、精霊荘の前で士道と別れて精霊荘に帰ってきた蓮はお風呂に入り部屋でのんびりしていたところで千花の襲撃を受けていた。

その手には何故か苺牛乳が入ったコップ二個を持っていた。

 

「いや、襲撃はしてないよぉ」

「地の文にツッコまなくていいだろうに。……いつも通りだよ」

「ふーん。いつも通りねぇ。世界干渉して今日の日付変わったタイミングで来たのにぃ?」

「っ!」

 

千花は蓮の顔をジトーと見ながらそんな事を言いながら、蓮にコップを渡し蓮は受けとるが、千花の発言で顔をしかめる。

千花の発言が意味するところは、蓮の存在に関わる重大な事を知っているということ。

 

「誰かしらはもしかしたらと思いましたが、やはりあなたは……」

「いえーい。前の世界の記憶も持ってるしぃ、零奈ちゃんに天使と魔王あげたのも蓮ちゃんでしょぉ?」

「なるほど、なるほど。そこまで分かっていましたか。それで?」

「ん?いや、何もないけどぉ?」

 

前の世界の記憶を持っているのなら、千花が介入してくるのかと思い蓮は警戒したのだが、千花はいつも通りののんびりとした感じだった。今も持ってきた苺牛乳を飲んでいる。

あえていつも通りを装い、蓮の裏をかこうとしているのかとも思えるが、それにしては隙がありすぎる。

しかし、わざと隙を作ることでそこに誘導している線もありえる。

 

「というか、蓮ちゃんってどの蓮ちゃん?士道君と私が出会わない世界の始現の精霊の負の感情が分けられた蓮ちゃん?」

「……」

 

千花は指を一本立ててそう言うが、蓮は口を閉ざしたまま。

 

「それともぉ、令姉と澪ちゃんと零奈ちゃんの三人に分かれたせいでそもそも役職が無くなってた、士道君と私が出会った世界の蓮ちゃん?」

 

すると、千花はもう一本指を立ててそう問う。

 

「聞かなくてもわかってますよね?」

 

千花は別に問う必要など無いはずなのでそう言えば、千花は立てていた指を折り言葉を続ける。

実際、蓮が言った通り千花は蓮がどの世界の記憶を持っている蓮なのかはわかっていたりする。蓮に聞いたのもただの確認程度の意味合い。

 

「まぁねぇ。第三の選択肢の最初の願いを忘れなかった世界の蓮ちゃん」

「ええ。ご明察。〈瘴毒浄土(サマエル)〉に願った最初の願いを忘れませんでしたよ」

「だよねぇ。そしてぇ」

「彼女から天魔を頂き、全ての天魔をあなた達のように複合させて概念を書き換えさせて頂きました」

「うんうん。士道君と一緒に生きられるように蓮ちゃんの身体を形成して、世界に蓮ちゃんの存在も確立させる。流石、始現の精霊の半身だねぇ」

 

蓮がした事は千花が言った通り、霊力の身体であった蓮の身体を形成したことと、蓮がこの世界に元からいたという形に世界に情報を上書きした。

瘴毒浄土(サマエル)〉の能力でも同じ事は出来なくはないが、結界の範囲内かつ結界を維持し続けなければならないのでそれでは真の意味での蓮の思い描く形とは言い切れなかった。

 

「あなた達が行ったという実例があれば十分ですよ。出来るとさえ分かっていればどうとでもなりますので。まあ、それで〈瘴毒浄土(サマエル)〉も役目を終え、他の天魔同様概念ごと消滅しましたが」

「ほへぇ。そんなもんなんだねぇ」

「それで、結局あなたの目的はなんなのですか?」

「ん?いや、ちゃんと蓮ちゃんの口からも確認しておきたかっただけだよぉ?」

「いいんですか?異分子を混ぜてしまって」

「んー。蓮ちゃんだし大丈夫かなぁ。初期蓮ちゃんだったら考えなきゃいけなかったけどぉ」

「初期って……まあそれでいいのなら」

「うんうん。てことで、これからよろしくねぇ」

「ああ、よろしく」

 

「あっ、士道君はあげないからねぇ」

 




てことで、これで連載と完結を繰り返してましたが完結です。たぶん。
長編書くまとまった時間なすぎるので当初予定してた三幕はもう無しで。

ちなみにこの話の千花と蓮の会話で千花はパラレルIF世界線の記憶を、蓮は情報として知っていますがまぁ特になにかあるとかは無いです。あと、令音と澪も記憶持っていたり。

では、ノシ
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