デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

3 / 146
3話 妹

「ふぅ。今日は疲れたな。まさか千花が精霊だったとは」

「いえ。兄様が精霊と一緒に居たことに真那は驚きです」

 

士道は夕飯を作りながら、今日あったことを考えていた。

で、隣には真那がいる。

あの後、【光種】の光に紛れて千花は公園を後にしており、真那は千花の霊力を追おうとしたが霊力を遮断する機械を使ったのか感知できなくなっていた。

どうしたものかと考えていたら真那は何処かに携帯で連絡していて、地面に足を付けるとワイヤリングスーツが消え、私服姿になった。

 

「真那は今日兄様と居たいので、ついて行って泊まってもいいですか?」

「そうだな。たぶん問題ないよ」

 

真那に聞かれ、士道もいろいろ話したいことがあったので二人で家に向かった。

琴里にどう説明しようか悩みながら、琴里に連絡をしたら、友達の家でパジャマパーティーとか言っていた。

一応、その友達の母親に代わってもらうと、

 

「あぁ、確かにそういうことになっている。だから琴里ちゃんは任せてくれ」

 

と言う感じに、やたら眠そうな声で言われた。

これで、真那が家に泊まることになった。どうやら、真那の方も許可が下りたらしい。

 

「真那、そこから皿出してくれ」

「了解しました。これですね」

 

士道が食器棚から皿を出すよう言うと、真那は棚から皿を取り出して士道に渡す。その皿に夕食を載せて真那が運ぶ。

そんな感じで夕飯を机に並べると、二人は食べ始める。

 

「で、兄様はなんで<ガーデン>といたんですか?まさか、一目惚れからのナンパですか?相手は精霊ですよ?」

 

後でその話をするということになっていたので、真那は言及してきた。

 

「いや、そんなんじゃないよ。あと、精霊とか俺に言っていいのか?」

「問題ねーです。兄様はある程度、空間震や精霊のことを聞いているんじゃねぇんですか?」

「確かに千花に少し聞いたけど詳しくは知らないな。ところで、真那はASTなのか?そんな感じの装備を着てたけど」

 

このままじゃ質問攻めになりそうだったので話を逸らす。

妹が危険なことをしているのなら、兄としては心配だった。

 

「え?あぁ、見られたんでこの際言いますが、真那はDEMインダストリーという主に顕現装置を作っている企業の魔術師で、三ヶ月ほど前に陸自の駐屯地に派遣されてきました」

「あれ?母さんたちと暮らしてないのか?てっきり、一緒に暮らしていたんだと思っていたんだが」

「……実はここ二、三年ほど前からの記憶はバッサリねぇんです。記憶がある限りでは、DEMに拾われて育ったことぐらいですね。どうやら、兄様はこの家に拾われたみてぇですし」

 

二人は自分たちの記憶の一部がないことに困惑しながらも続ける。

 

「まぁ、記憶が無いのはいくら考えても分からないし、今はこれからの話をしようか」

「……そうですね。分かんねーもんは分かんねーですし。という訳で、真那は精霊を倒すために戦い続けます。なので、兄様とは一緒に住めねーです」

「何がなんでも精霊と戦うのか?千花は人と変わらないぞ。今日だって、普通に笑って、普通に楽しんでいたぞ。それに見ず知らずの少女を助けていた」

 

今日千花と一緒に居て、千花は普通の少女として楽しんでいたと思った。それに、千花は連れ去られそうになっていた女の子を助けていた。

だからこそ、精霊はそんなに悪いものではないと士道は思う。

 

「たしかに、彼女は人に近いかもしれません。しかし、彼女たちは空間震を発生させてしまうことに変わりねーです。無関係な人たちが危険さらされてしまうんです」

「そうか……。せめて、精霊が空間震を起こさずに静粛現界とやらだけしてくれればいいんだけど……」

「確かにそうですが、問題は人を襲う精霊がいることですね。まぁ、こんな話はこれくらいにしてもっと兄様のことを聞きたいです!」

 

そんな感じで精霊の話をしていたが、真那はそう言って話の話題を変えた。

 

「俺のこと、か。と言っても何が聞きたいんだ?」

「そうですね。……では、彼女はいるんですか?」

「え!?」

 

唐突に飛んだ真那の質問に士道は硬直した。

 

「な、なに言ってるんだ?俺にいるわけもないだろ」

 

そして焦って否定した。

士道のその反応に疑いの目を向ける真那。

 

「お、おぉ……。そんなに焦らなくても。それとも、誰かいるのですか?まさか、<ガーデン>?」

 

さらには、千花が彼女説まで出し始めた。

 

「なんで、そうなった?」

「だって、兄様はナンパしたかについては否定しましたが、一緒に居た理由は言いませんでした。だからそういう関係なのだと。どうやら違うようですね。まぁ真那もですがね」

「あぁ、だから俺には彼女はいないよ。あれ?何か言ってて悲しくなってきた」

 

士道は急に自分の言葉で落ち込んでうなだれた。

 

「兄様、どうしましたか?統計によれば一生童貞の人の半数は二十二までに彼女が出来なかった人らしいですよ。だから、まだ五年はありますよ。元気出してください!」

 

落ち込んでうなだれている士道をどこかのあっているのかも分からない統計で励ます真那。

士道は真那の言葉を聞いて顔を上げる。

 

「そうなのか?まぁ、いいか」

「そうですよ」

 

そんなこんなで、夕食を済ませて士道は皿を洗う。

真那は風呂に入りに行き、服は適当に家の中から真那が拝借したとのこと。

士道は真那が階段を上がって行ったから、琴里の服を拝借したのだと思って、確認はしていなかった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「さて、こんなもんか」

 

皿洗いが終わると、テレビをつけてソファーに座る。

特に見たい番組があるわけでもないので、適当にバラエティー番組を見る。

 

「いやぁ、久しぶりにゆっくりとお風呂に入った気がします」

 

数十分経つと、そう言いながら真那が風呂から上がり、リビングに来た。

 

「そうか、じゃ、俺も……ってその恰好は何だ?」

 

真那の声でソファーから立ち上がり、真那の方を見ると、真那の格好に士道は驚いた。

真那の髪は解かれており、服はやたらと丈のある長袖のTシャツ一枚だけだった。よく見ると、士道の服だった。

真那が着ている服は膝近くまで隠しており、一応下着類は隠せてはいたが、目のやり場には困る感じなので士道は目を逸らす。

 

「なんで俺の服着てるんだ?琴里の服を持っていったんじゃ?」

「いえ、最初はそのはずだったんですが。間違えて兄様の部屋に入ってしまい、そこで気づきました。今更ながら琴里さん本人の許可も得ずに勝手に借りるのはどうなのか、と。で、そのまま兄様の服を借りることにしました」

「俺の許可は?」

「いえ、兄様は適当にこの家にあるのでも着てくれ、とのことでしたので。とりあえず、兄様もお風呂でも。その間にもう少しちゃんとした格好になっときます」

「そうかぁ。じゃぁ、とりあえず俺も風呂行くか」

 

そう言って、士道は寝間着を持って風呂に行き、真那は服を探しに階段を上った。

士道が風呂から上がってリビングに戻ってくると、真那はソファーに座ってテレビを見ていた。ソファーに身体を預けている為、格好は見えないが。

真那の元まで来ると、真那の格好が見えた。

恰好は変わっていなかった。

 

「真那、別の服に着替えるんじゃなかったのか?」

 

テレビに集中していたのか士道に気付かず、士道が声をかけると気づいたようだった。

 

「いえ、この下には半袖のシャツと半ズボンを履いていますよ。どれを着るか悩んだ結果、目を瞑って適当に取ったらこうなりました。真那はあまり服装を気にしねーので」

「てっきり、ちゃんとした服に着替えるのかと思っていたんだけどな」

「ちゃんとした服を下に着ていますよ。確認します?」

 

真那はそう言いながら服の裾に手をかけ、徐々に捲くっていく。

突然の真那の行動に士道はアタフタすると、真那はまくるのを止めて口元が笑っていた。どうやら完全に遊ばれたようだった。

確かに少しだけズボンは見えてはいたが何というかギリギリだった。

 

「まぁ、真那がそれでいいのならいいけど……」

 

士道は頭をかきながらそう言う。

その後も二人の話をしていたら、十時になっていた。

 

「ふう、今日はこのぐらいにしておくか。とりあえず、真那は母さんの部屋で寝てくれればいいから。じゃ、俺は部屋にいるから、何かあったら来てくれ。おやすみ」

「わかりました。私はこの番組が終わってからその部屋に行きますね。では、おやすみです」

 

士道は階段を上り、真那は再びテレビを見るのに戻った。

士道は部屋に着くと、ベッドにすぐ横になる。

寝るわけではなく、今日あったことを整理するために。

 

「結局精霊って何なんだろう?真那は精霊と戦っているらしいし、俺たちの過去の記憶が無いみたいだし、分かんないことだらけだな」

 

そんなことを呟きながら、考えていたら士道は眠りに落ちた。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「ぅぅん」

 

目を覚ますと視界が薄暗かった。月の光があるため、少しだけ部屋は見えるのだが。

そして、何故か布団がかかっていた。たしか寝落ちをしたはずだし、と思うとおかしいことに気付いた。

部屋の電気を消した記憶が無く、布団をかけずに寝転がっていたはずだった。

しかし、今は電気は消えているし、布団もかかっている。

そして、隣に人の気配を感じる。

一瞬、琴里が戻って来て何故か転がり込んだのかと思ったが、友達の家にいるはずだしと除外する。

そうなると、隣にいるのは一人しか思い当たらなかった。

隣を見ると暗くて薄っすらしか見えないが、真那が寝ているようだった。

 

「なんで、真那が?」

 

隣にいる真那に疑問を持ち考えた。

(確か、母さんの部屋に行くように……あ、母さんの部屋がどの部屋かを言ってない……)

こうして疑問は解消?された。

 

「もういいや……寝るか」

 

士道は面倒になり、現実逃避して襲いかかる睡魔によって寝た。

余程眠かったのか、すぐに眠りに落ちた。

 

 

 

朝になると、隣で動く振動で目を覚ます。

真那は起き上がって、伸びをしていた。

 

「おはようございます、兄様。ところで、兄様は何故真那と一緒に寝ているんですか?」

 

士道が起きたことに気付くと、真那は挨拶をしてそう聞いた。

 

「おはよう、真那。で、なんで俺の部屋にいるんだ?」

 

士道も挨拶をして、疑問に疑問で返した。

 

「ふむ、二人とも状況が分からないということですか。確か真那はあの後テレビを少し眠い状態で見終えて、ふらふらした足取りで電気を消して階段を上り、適当な部屋に入り、何故かついていた電気を消して、布団をかけて寝ました。はい、問題はねーですね」

 

真那は昨日あったことを思い出して口に出していった。

 

「うん、真那が俺の部屋に間違えて入って、ご丁寧に電気を消したと言う訳だな」

 

冷静に言うと、真那は呆れながら言う。

 

「それを言ったら、兄様も実は途中で起きて真那に気付くも睡魔に負けてそのまま寝たんではねーのですか?」

「何故それを?起きていたのか?」

「いえ、隣で動く音がして確かに一度起きましたが、睡魔に負けてすぐ寝ました」

「もう、どっちでもいいや。兄妹ならこんなこともあるだろう」

「そうですね。じゃぁ、真那は昨日のうちに乾かしておいた服を着て来ますね」

 

真那はそう言って、部屋を出て行った。

士道も私服に着替えると階段を降りてリビングに向かった。

 

 

 

二人で朝食を済ませると真那の携帯が鳴り、何か話すと通話を切る。

 

「では、そろそろ戻りますね。なんでも、ブリーフィングがあるとか。それと他にも仕事もあるので」

「そうなのか?本当はそんな仕事辞めて欲しいんだけどな。気を付けろよ」

「はい、わかっていますよ。では、そのうち兄様の家にまた来ますね」

「おう、いつでもいいぞ」

 

そう言って家を出る真那。それを見送ると、士道はリビングに戻って行った。

 

「ふぅ、真那が怪我しなきゃいいけど。さて、俺はどうするかな?」




次、いつ投稿しよう?

そんな感じですので。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。