デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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6話 捜索

「令音さん、琴里は今どこに?」

「あぁ、今は捜索中だよ。自立カメラを回しているが、何処に行ったかはわからない」

 

よしのんから琴里が何処かに消えた後、士道たちは<フラクシナス>に戻ってきていた。なんでも、<フラクシナス>には千花が持っていた霊力を隠す機械(千花が勝手につけた)があり、外にいるよりは安全だからと四糸乃も連れてきていた。そして、琴里の消息を令音に聞くが、状況はそんな感じだった。

 

「とりあえず、空間震警報が解除されたから千花たちにも捜索を頼んではみたが、まだ見つかった報告は無いね」

「そうですか。じゃぁ、俺も探しに行きますね」

「いや、士道君はちゃんと傷を治して休息を取ってください。確かに司令のことが心配ですが、それは我々に任せてください」

「ですけど、琴里のことが心配ですし……」

「それに、士道君にはもう一つやってもらいたいこともありますので」

 

士道がなかなか引きそうにないこともあり、神無月はそう切り出すと、視線を四糸乃に向ける。四糸乃は辺りを終始見回していて、落ち着かない様子だった。

 

「四糸乃さんは、ここがなんなのかも全く分からず困惑しているようなので、士道君には彼女のことを任せますので。それに、彼女も少しは休んでおかないと」

「あっ!……そうですね。ごめんな、四糸乃。そこまで気が回らなくて」

「いえ。妹を心配するのは普通ですから」

『そうだよー、士道君。それで、ここが士道君の言ってた精霊を助けようっていう人たちが集まったところなのかな?』

「あぁ、そうだよ。とりあえず、医務室行くか。琴里の方はお願いします」

「えぇ、任されました。見つかったら連絡しますね」

 

神無月がそう言って、士道たちは艦橋を出ると医務室に入る。医務室には誰もおらず、とりあえず二人はベッドに腰かける。

 

「……まず何から話したものか」

『え、そこから!?』

「じゃぁ、なんでこんな機関があるんですか?」

 

医務室にきて、とりあえず落ち着いて話せるとは思ったが、どこまで話したかあまり覚えてなくてそう言うと、よしのんが驚く。四糸乃はベッドに腰かけると、士道の顔を見て質問をした。

 

「すまん、正直よくわかんないんだよな。俺はただ、精霊たち皆が襲われているから助けたいって思ってやってることだし……全員がそう思っているのかはわからないんだよな」

「そうですか?それで、私が普通に暮らす方法ってなんなんですか?」

『え?そんな方法があるの?僕的にもそれは知りたいなー』

「あぁ、俺は何故か精霊の霊力を封印できる体質らしくてな。霊力を封印すると、隣界に飛ぶことも無く、霊力もほぼ観測されなくなるから普通の人として暮らせるようになるんだよ」

『へー、そんなことがあるんだねー。だから、千花さんは精霊じゃなくなっていたんだー』

「ちょっと信じられないですけど、そうですか……。それで、どうやって霊力を封印するんですか?」

 

説明をしていき、四糸乃が切り出し、よしのんもそれを聞くと士道を見る。

士道は話そうとするが、いざ話すとなるとなんというか言い辛い。

(やっぱり、キスをするのが方法と言うのは……)

 

「まさか、その方法をすると士道さんの身に危険か何かあるんですか?」

『それって、士道君が精霊になっちゃうとか?』

「あっ、いや、そんなことは無いんだけど……」

 

何故か士道の沈黙を違う方向に解釈した四糸乃は心配そうに言うが、士道は慌てて否定する。

(精霊にはさすがに……いや、どうなんだろ?)

が、今更ながらその可能性もある気もした。

 

「そのだな……キスをするのが封印の条件なんだ。なんでかは知らないけど」

「へ?……えぇー」

『うわぁ』

 

封印方法を伝えると、四糸乃は一瞬固まり、理解すると大きな声を上げて驚いた。よしのんも驚いているようだった。

 

「まぁ、無理強いはしないよ」

「ちょっと失礼するよ」

 

すると、医務室の扉が開き、令音が入って来る。

 

「あ、令音さん。もしかして――」

「いや、残念ながら琴里はまだだ。それでだが、もう時間も遅いし、君たちは一度家に戻ってもらうよ。さすがに、夜まで捜索に参加してもらう訳にもいかない」

「でも、早く琴里を見つけないと。今だって破壊衝動と戦っているわけですし」

 

なんで令音がそんなことを言いだしたのか分からず聞き返す士道。四糸乃も興味があるのか静かに聞いていた。

 

「それが、問題が発生した。今日本に、エレン・M・メイザースが来ているらしい」

「そうなんですか。そう言えば耶倶矢たちの時にDEMがいましたっけ」

「だから、限定霊装しか纏えない彼女たちが別行動しているところを狙われたら危険すぎるための処置だ。それに暗いのに見つけるのも難しいし、休養も取ってもらいたいところだ。琴里の方は継続して捜索は続けるよ」

「……そうですか。じゃぁ、俺たちは戻った方がいいんですね」

「あぁ、それでだが、四糸乃。君はどうするかな?シンに封印方法は聞いたのだろ?今ここで霊力を封印してもらっても構わないよ」

 

令音が説明すると、続いて四糸乃に話を振る。四糸乃は少し考えると、どうするのか決めたような顔をする。

 

「まだ私の霊力は封印しなくていいです。私のせいで琴里さんがあんな状態になってしまったので、せめて見つけて戻ってくるまではこのままで……」

「いいのか、四糸乃?あんなに平穏な生活を望んでいたのに。それに、あれは四糸乃のせいではないよ」

「いえ、私があんなことをしたせいで、士道さんを護るために彼女は来たのですから。だから、彼女が戻ってくるまでは私は平穏な生活をしてはいけないんです」

『僕は四糸乃の意見を尊重するよー』

 

どうやら、四糸乃は責任を感じているようでそんなことを言う。四糸乃の意思は固そうで、何を言っても拒みそうな感じだったので、それ以上は言わなかった。

 

「そうかい。まぁ、封印するにしろしないにしろ、今日はここに残ってくれ。さすがに精霊荘に行くのは機械の性能の問題で隠しきれるかわからないし……まぁ他にも問題があるけど」

『なるほどねー。僕は構わないよ。だけど、四糸乃に何か危害を加えた場合、この船を落とすからね~』

「まぁ、いいですよ。それでは、士道さんまた明日」

「あぁ、また明日。では、失礼しますね。四糸乃のこと頼みます」

「あぁ、任されたよ。では、また明日に」

 

士道はベッドから立ち上がると、二人にそう言って、医務室を出た。

 

 

 

~☆~

 

 

 

翌日、休日だったこともあって、士道は朝早くから琴里の捜索をしていた。他のメンバーも捜索に参加しており、組み合わせは千花&折紙、耶倶矢&夕弦、七罪&真那という組み合わせだった。士道は四糸乃&よしのんと一緒に探すことになっていた。なんでも、士道の身に何かあれば、琴里も助けられなくなるからと一番防御と攻撃が出来る四糸乃と組んだという訳だ。もし、DEMとエンカウントしたら、<フラクシナス>に連絡をするということになっている。それに、昼間にいきなり攻撃してくるとは考えづらい。

それで、士道は集合場所の駅前に来ていた。琴里がもしかしたらいるかもという可能性で。

集合時間の十分前に着いて、待っていると、四糸乃が駅前にやってきて、キョロキョロ見回すと士道を発見して、士道のもとに来る。

四糸乃の装いは、白のワンピースに肩掛けバッグを肩にかけていた。その服装は似合っていて通行人がちらちら見ていた。

 

「おはようございます、士道さん。待たせちゃいましたか?」

「おはよ、四糸乃。今さっき来たところだから問題ないよ。あと、その恰好似合っているよ。霊力で編んだって訳でもなさそうだな」

「あっ、ありがとうございます。極力霊力は使わないでおくと、ASTにも見つかりにくくなるとのことでしたので。令音さんが何着か持ってきてくれたので、その中から選びました。じゃぁ、行きましょうか」

「あぁ、そうだな。そういえば、よしのんはいないのか?姿が見えないけど……」

 

士道は四糸乃を見て、よしのんがいないことに気付き、辺りを見回しながら聞いてみる。

 

『僕はここにいるよー。おはよう、士道君』

 

すると、四糸乃のバッグからよしのんが顔を出し、挨拶をする。なんでも、ウサギを普通に歩かせるのは変に見られそうなのと、よしのんはすぐ何処かに行ってしまうので、その対策とのことだった。

こうして二人(+1)による琴里の捜索が始まった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「琴里さんいないですね」

「あぁ、琴里はちゃんと意識を保っているとは思うんだよな。じゃなきゃ、今頃何処かで大火事が起きてニュースになってそうだし」

『これは難題だね』

 

士道たちはいろんなところを見て回り琴里の捜索をしていたが、一切手がかりが無かった。

せめて、天宮市内にいるか、その外なら北か南か、とか分かればよかったのだがそれすらも分からないから、もしかしたら無駄足かもとも思えてしまう。

ちなみに、士道たちは駅前周辺の捜索を終え、今は駅から少し離れた所にあるデパートに来ていた。もしかしたら通信機器を壊してしまって連絡が取れなくなっているかもしれない。或いは、今更ながら顔を会わせづらくなって隠れているのかもしれないと思ったからだった。

 

『ところで士道君、本当にここにいると思ってる?』

「ん?もしかしたらなーとは思ってる」

「それって、あまり思っていないんじゃ……」

 

グゥー

ボフッ!

 

「そういえば、もうそんな時間だな。お腹もだいぶ空いてきたし、休憩がてら昼にするか。四糸乃、食べたいものあるか?」

 

よしのんが他の客に聞こえないように聞くと、四糸乃が話している途中で四糸乃のお腹が鳴り、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに俯く。

士道は四糸乃が恥ずかしそうにしているので、そこには触れずにどこかで昼食を取ろうと誘う。

四糸乃は恥ずかしさから若干回復すると、少し考えて口を開く。

 

「じゃぁ、私ハンバーガーを食べてみたいです。食べたこと無いので……」

「ハンバーガーだな。確かこのデパートの中にあったはずだな。じゃぁ行くか」

「はい!」

 

そう言うと、二人はⅯマークのハンバーガー店に行き、ハンバーガーを注文する。店内で食べたかったが、お昼時もあって席は全部座られていた。

仕方がないので、デパートの外の少し離れた所にある公園で食べることにした。大体デパートの中は捜索し終えていたので、デパートを出ても問題は無かった。

公園に着くと、開いていたベンチに座り、ハンバーガーを食べ始める。

 

「さて、次はどこ行くかだな。まだ、見つかったって連絡も来てないし」

「そうですね。でも、だいぶ探し回ったのに見つからないってことは、この町にはいないってことでしょうか?」

「やっぱりそう思うか?でも、天宮市にいないとなると、いよいよ手詰まりだな」

『ところで、琴里ちゃんの霊力をたどることはできないの』

 

ハンバーガーを食べつつ、今後の方針を立てていると、よしのんがそんな疑問を口にする。

 

「たしか、令音さんの話だと、四糸乃たちの前から姿を消した途端、琴里の霊力反応が消えたらしいんだ。というか、周辺に飛ばしていた小型カメラが全て壊されたと言ってたっけ?」

『なるほどねー。じゃぁ、やっぱり足で手掛かりを探すしかないんだねー』

「あぁ、そうだな。もう琴里は意識を持っていかれていると考えた方がいいかもな。そのうえで、なんの被害も出ていないとなると、被害が出ない海とかかな?海の上なら燃える物もほぼ無いし」

「ですね。じゃぁ、一度<フラクシナス>に戻りますか?」

「あぁ、そうしよう。それにみんなで作戦を練りたいところではあるな」

 

今後の予定を無事決め、<フラクシナス>に連絡しようとすると、士道の携帯が鳴る。

相手は令音だったので、士道は疑問に思いながら、そのまま着信に(四糸乃にも聞こえるようにスピーカにして)出る。

 

「はい、もしもし。令音さん、何かあったんですか?」

『あぁ、いい報告だ。琴里の居場所分かったよ。割と距離があるから<フラクシナス>で行く。ということで転送するから人目につかないところに行ってくれ』

「わかりました。と言う訳で、四糸乃行くか」

「そうですね……行きましょう」

 

四糸乃は最後の一口を食べると立ち上がる。二人が人目につかない場所に行くと、ふわりと浮遊感が身体を包んだ。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「さて、全員集まったことだし、目的地に着くまでに話すとしよう」

 

<フラクシナス>に皆が集まると、令音がそう切り出す。令音の言葉の通り、<フラクシナス>は今琴里がいるらしい場所に向かっているのだが、士道たちは行き先を聞かされていなかった。

 

「疑問。それで、どこに向かっているのですか?」

「あぁ、鳥取砂丘だ」

「なにっ!?封印されし砂漠(シールデザート)だと!」

「え?あそこって、なにか封印されているのぉ?聖剣?弓?それとも、新能力の継承?」

「鳥取……ずいぶん遠くね。どうやって居場所を知ったの?」

 

耶倶矢の厨二発言に千花は乗っかり、折紙は顎に手を当てて疑問を口にする。

対して、七罪と真那はやっぱりか、という顔をする。

 

「それはですね……私の伝手で調べてもらいました。でも、情報源の詮索は無しってことが条件になってるので……」

「疑問。そう言われると、気になりますね」

「やめて!もし知られたら私たちの身が持たなくなる……」

『うん、深くは聞かない方がいいみたいだねー』

 

七罪が身震いしながらそう言うと、皆それ以上は聞けなかった。

 

「そろそろ着くわけだが、DEMとかがいる可能性もあるから十分注意してくれ。では、健闘を祈る」

「はい!絶対琴里を連れ戻します!」

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