デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

76 / 146
第十章『狂三フェスタ』開幕です。ちなみにこの章いつもより長くなるです。なんと、週一投稿だと1クール分・・・。この章は、パラレルIFでやってなかった天宮祭が舞台?


十章 :狂三フェスタ&士道クライシス
1話 天宮祭とデート


「このクラスの出し物はメイド喫茶に決まったよー!」

『『『うおぉぉ』』』

 

十一月中旬の某日。

その日は何故か十二月に行われる天宮祭の出し物決めが行われ、士道たちのクラスはメイド喫茶になったのだと実行委員の亜衣が言い、男子たちが歓声を上げていた。第一希望のメイド喫茶がまさか本当に通るとは思わず、士道も意外だった。ちなみに十香、折紙、狂三、千花と美少女がそろっていた為に多数決の結果、男子たちの過半数で決まり、実行委員の亜衣、麻衣、美衣によって、確実なものとなっていたりする。何故天宮祭が十二月なのか?と士道は疑問を持ったが、この辺りは改変の影響なんだろうと割り切る。

 

「と言う訳で、無事皆の意思を形にしたから、次はみんなも頑張って、クラス部門一位狙っていくよ!」

「てことで、まずは皆の役割を決めていくかな?」

 

そして、皆の士気を上げるように亜衣がそう言い、皆はすでにやる気満々で同意し、そのままそれぞれの仕事決めに移る。士道としては、美九の霊力封印が済んでいるので、前の時みたいに士織にならずに済むので、流れに任せていた。

 

「まぁ、メイド喫茶だから、女子はウエートレス、男子は裏方に当日はなる訳で、男子の中で料理得意な人いる?」

「はいはーい、士道君なら普段家事してるからできるよぉ」

「おい、勝手に推薦すんな!」

「千花ちゃん、それ本当?と思ったけど、五河君の反応から本当みたいだね……よし。五河君は料理長に任命します!」

「勝手に決めるな!」

「五河君、うるさい。マジ引くわー」

 

そんな感じで、士道は料理長に任命されてしまった。しかし、あまり拒否しすぎると、千花によって士織にさせられかねないので、諦めて従うことにした。千花ならやりかねないので。美九の時に勝手にやった事例もあるので。そんな感じでそれぞれの仕事が決まっていくのだった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「オムライス二つ、コーヒー二つ入りましたぁ」

「りょうかーい、二番テーブルにショートケーキとミルクティー」

「まかせろ、シドー。二番テーブルだな。というか、本当に大丈夫なのか?」

 

そんなこんなで天宮祭当日。士道たちのクラスは盛況で、それなりの人数の人が来ていた。その為、千花たちウエートレス組も、士道たち調理組もバタバタしていた。

天宮祭までの期間に放課後等を使ってある程度準備が進み、前日に一気に教室の内装付けが行われたことで、内装はちゃんとしていて、料理に関しても手順を書いた紙が作られたがオムライスだけは士道以外のほとんどの男子は卵を焦がしたりと綺麗にできなかったため、士道を含めた数人が担当することになった。

そして、十香は注文の品を手に取りながら、士道を心配そうに見て確認をする。士道は何故か今朝から体調が微妙に優れず、ちょっと頭痛がしていたが、本当に時々で、すぐに収まるので士道自身はあまり気にしていなかったが、十香や折紙たちは心配して時々確認をしていた。

 

「それにしても、盛況だな。これも女子見たさのおかげか?」

「だろうな。結構な頻度でお客が見てるし、あとは呼び込みのおかげだろうな」

 

十香と入れ替わりで厨房に入って来た殿町は表の状態を見ながら、士道にそんなことを言う。士道としてもそんなに盛況になるとは思っていなかったが、閑古鳥が鳴くよりはマシなのでそんな返答を返しておく。まだ始まって一時間なのでこの後はさらに増えると予想すると、バタバタするのもそれはそれで大変なので士道はふぅ、と息を吐くと、気持ちを切り替えてまたオーダーのオムライスを作り始める。

隣では殿町がコーヒーを淹れていた。

そんな調子で仕事をして一時間ほど経つと、士道の予想通り廊下に列ができるほど混み始めた。

 

「五河君、本来なら休憩の時間なんだけど、もうちょいやってもらっていい?」

「ん?あぁ、そういうことか。まぁ、この後特に予定も決めてないし、このピークが過ぎるまではやるよ」

「ありがとねー。埋め合わせはちゃんとするから。じゃ、私は客捌いてるからー」

 

麻衣が厨房に顔を出すとそう言って、パタパタと客の方に戻って行った。士道が言った通り、特にこの後の予定は決まっていなかったので、問題は無かった。折紙は初っ端から休憩時間で午後の後半に入るシフト、士道と千花と狂三は午後までシフト、十香はちょうど休憩時間になったが、士道の役割的に察してくれて、八舞姉妹がちょうど来ていたので一緒に回りに行った。そして、千花と狂三も士道と同様に休憩を返上してシフトに入っていた。

七罪たちも適当なタイミングで来るとは言っていたが、いつ来るのかはわからなかった。そもそも七罪も四糸乃も人見知りがちなので来られない可能性も無きにしも非ず。

 

「士道君、オムライスだけ作ってて飽きてこないのぉ?」

「ん?それはまぁ、同じ作業だけやってたら飽きるけど、今いるメンバーだとオムライスの型崩れしてクレーム来るぞ」

 

本来なら接客をしているはずの千花はメイド喫茶なのに焼きそばを作りながらそんなことを言う。料理慣れしていない男子だけだと調理速度が遅かったため、勝手に厨房に転がり込んできたのがピークになった十分後の話。そんな千花の言葉にそう返すと、

 

「そもそも高校生の模擬店なんだから、型崩れも味だと思うよぉ。それとも変わろっかぁ?」

「なら私が変わる」

 

千花と厨房にやってきた折紙が同時にそう言った。二人ともオムライスは綺麗に作れるので問題はないが、二人も抜けたら接客の方に支障が出ないのかが心配だった。

 

「いや、いいよ。どっちかと言えば折紙には接客対応してほしいな。こっちはこれだけいれば回るから。千花がこっちいるし、十香も休憩に入った訳で、向こうが回らなくなりそうだし」

「ん。わかった」

 

折紙は士道の指示に従って、戻っていく。折紙は基本無表情なのだが、記憶が戻る前の感じで表情を出すこともできることから、接客は問題ないと士道は思っている。

そんな感じで、料理を作っていき、午後二時を回るとだいぶ人が少なくなってきて、

 

「士道さん、だいぶ落ち着いてきたことですから休憩というか、上がっていいとのことですわよ」

 

結局、士道たちは実質シフト二つ分働いたのだった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「で、千花はどこに消えたんだ?」

「千花さんなら美九さんの学校に行きましたわよ」

「ん?そうなのか。てっきり一緒に見て回るのかと思ってたけど……」

「と言うことで、士道さん。わたくしと見て回りません?」

「そうだな。一人で見て回るよりも一緒に見て回った方が楽しいしな。こちらこそよろしく」

 

無事混雑のピークを越えると、士道たちはやっと休憩に入れたのだった。

そして、いつの間にか同じタイミングで休憩に入ったはずの千花の姿が無く、首を傾げて狂三に聞くとそう返された。なんで、千花は何も言わずに行ったのだろう?と疑問に思うが、別にいちいち士道に言う必要も無いので気にするのを止めたのだった。

 

「とりあえず、何処から行くかな?狂三はどこか行きたい場所あるのか?」

「そうですわね……でしたら、三組に行ってみません?なんでも評判らしいですわよ」

「そう言えばそう聞いてるな。じゃ、そこから行くか」

 

三組の出し物はお化け屋敷で、厨房にいた士道も休憩から戻って来たメンバーからそう聞いていた。なんでも、造りが相当凝っていて、脅かせるほうも相当練習しているとのことでかなりのクオリティとのこと。さらに、聞いたは無しによると、最後がやばいとか。

だから、士道も興味があったし、今の時間は八舞姉妹のシフトになっているはずなので狂三の提案に乗る。

三組の前にはそれなりに列が出来ていたが、十分ほど待つと士道たちの番になり、教室の中は完全な暗闇らしく、一つの懐中電灯が渡された。

 

「ん、狂三が持っといてくれ」

「いいのですの?まぁいいでしょう」

 

そして、その懐中電灯を狂三に渡すと、狂三は意外そうな顔をしたが、懐中電灯を受け取り教室の中に入る。

中に入ると窓に隙間なく板でも張り付けたようで、本当に真っ暗だった。狂三が懐中電灯をつけるが、明るさが絞られているようで、薄っすらとしか明るくならず、ギリギリ物の輪郭が見えるかな?ぐらいの感じで、ゆっくり歩いて行かないと壁にぶつかりそうだと士道は思う。

 

「けっこう暗いですわね」

「というか、この懐中電灯が暗いだけ?」

「まぁ、言っていても仕方ないですし、行きましょうか」

 

言って狂三が歩き出し、士道も狂三の隣を歩く。今更ながら狂三はこういうのは平気なのだろうか?と思うが、隣を歩く狂三の顔には怯えなどは見えなかった。そして、意識を狂三の方に向けていた為……

 

「うおぉぉぉ」

「……ッ!」

 

真横から現れた包帯グルグル巻きのゾンビに驚いたが、声を上げるようなことは無く、狂三も気配で気づいていたようでさして驚いていなかった。その為、なんとも微妙ないたたまれない空気になる。

 

「……先に行きましょうか」

「だな、行くか」

 

二人はいたたまれない空気から脱出するため、先に進むと、

 

ドンガラガッシャーンッ

 

唐突に二人を囲むように何かが崩れる音やら机同士がぶつかるような音が響いた。

 

ファサッ

「にゃっ!」

 

そして、狂三がそんな声を漏らした。

視界が真っ暗で何が起きたかわからない状態での突然の狂三の声に士道は驚き半分、何故そんな声が出た?という疑問半分だった。

しかし、すぐに狂三はハッとすると、そんな声は上げていないかのようにすまし顔をした。

 

「今の声なんだったんだ?」

「はて?何のことですの?」

 

そして、狂三は完全に白を切る。気にはなるが、ここで狂三に機嫌を損なわれるのも嫌なので、聞くのを止めて進むことにする。

狂三はうんうんと頷くと士道につづく。ちなみに狂三が声を上げたのは首筋に何かが触れたからだった。

 

「そうこうしているうちにもうすぐゴールだな」

「ええ、そうですわね。聞いていたよりもたいしたことは無かったですわね」

「そうか……でもこれってフラグじゃ?」

 

士道がもうすぐ出口だなと思いながらそんなことを言うと、狂三も同意したわけだが、何故だかフラグが立ってしまった気がした。そして、そのフラグは即座に回収されたのだった。

手始めかのように、狂三の持っていた懐中電灯が唐突に消える形で。

 

「ちょッ!狂三いきなり消さなくてもいいだろ。これじゃ真っ暗で足元も見えないし」

「わたくしは何もしていませんわよ。勝手に消えたんですの……点きませんわね」

 

狂三が消したという訳ではないようで、狂三はスイッチを何度も押すが再びつくことは無かった。そうこうして影るうちに進行方向から一つの人影が接近してきた。ゾンビのようなおぼつかない足取りで。

 

「なんか来ましたわね」

「だな、てか光消えてるのに普通に輪郭は見えるわな。俺たち」

 

懐中電灯が消えたことで士道は気づいたのだが、霊力を持っている為なのか視力も多少は上がっている為、懐中電灯の有無はあまり変わらなかった。

その為、正面から脅かそうとしているのも見えているので対して怖くは無かった。

 

「ほう、見えておるのだな」

「「……ッ!」」

 

しかし、突然士道と狂三の間からそんな声が響き、二人は全く気付かなかったから、ビクッとした。

そして、二人して声がした方を向くと、そこには誰もいなかった。

(あれ?今誰かいたよな。どこ行った?)

二人は、なんだったのだろう?と首を傾げると、前から来ていた人影も消えていた。

 

「あれ?前から来てたのも消えてる」

「あら?そうですね。いつの間に……」

「それは、私のことかなー?」

「それともわたしー?」

 

そんでもって、声が後ろからして振り返ると、消えた二人はいつの間にか背後にいた。それは長いぼさぼさの髪を振り乱し、髪の隙間から除く目は何故か赤く光っていた。しかも声は変成器でも使っているのか声が低め。色々と謎だがはっきり言って怖かった。

 

「それとも、それとも。わたし?」

「いや、わたしでしょー?」

 

そして、いつの間にか前からも二人現れ、士道たちは囲まれた。

四人になったお化けは、士道たちの周囲をグルグルしながら回り、徐々に距離を詰めてくる。よくわからないが謎過ぎることで、士道はある種の恐怖に駆られた。その瞬間朝あった頭痛がして、士道の身体がフラッとぐらつき、その瞬間士道の周囲から風が吹き荒れた。その結果、周囲でグルグルしていた四人が転倒するかと思われたが、四人は見事なジャンプで風に乗って着地した。うち二人は完全にもう二人の動きを完全に映したかのような動きだった。

 

「大丈夫ですか、士道さん?体調がすぐれないようなら早くここを出てどこかで休憩しましょうか?」

「ん、すまん。できれば何処かで休憩したいな」

「うむ、そうか。であるなら、常闇から出でる扉は向こうだぞ、士道よ」

「先導。出口はこちらですよ、士道」

 

すると、今さっきまで士道の周囲をグルグルして、綺麗な着地を決めたお化けはそんなことを言った。お化けの正体が耶倶矢と夕弦だと狂三はわかると肩をすくめる。

 

「ああ、あなた方でしたのね。だから、突然の事態にも対応できたわけですか。では、行きましょうか。士道さんの体調が悪化する前に」

「ああ、士道が心配だが我らはまだ仕事があるのでな。狂三よ、士道のことは任せたぞ」

「請願。士道のことを任せます」

「ええ、任されましたわ」

 

八舞姉妹が士道たちを出口まで案内すると、二人は士道のことを心配するもまだシフト中の為一緒に行くことが出来ず、士道のことを狂三に任せると持ち場に戻って行った。

ちなみに出口にはどんなお化けがいたのかがかかれており、その最後に“企画協力、木野”と書かれていた。

 

「あの人、何やってるんですの?」

 

 

 

~☆~

 

 

 

士道と狂三は、士道が休めそうな場所として保健室に来ていた。休憩所などは点々とあるが、お化け屋敷で士道の霊力が暴発して風を起こしたことから、人がいない場所を前提に考えた結果だった。狂三の予想通り、保健室には誰もおらず、とりあえずは休憩できそうなので、士道をベッドに座らせる。

士道がベッドに腰かけ、狂三もその隣に腰かける。

 

「悪いな、せっかく天宮祭を楽しもうとしていた矢先に体調崩しちゃって」

「いえ、いいですわ。準備の時からバタバタしていて、朝からずっと働きっぱなしで疲れが出たんでしょうね」

「やっぱり、そうなのか?……俺はここで休んでるから狂三はどこか行ってていいぞ。わざわざこんな日に俺に付き合う必要は無いんだから」

「いえ、これでも士道さんのことが心配ですからわたくしもここに居ますわ。それよりも横になって少しは寝た方がいいですわ」

「そっか、じゃぁ、お言葉に甘えて寝るから、狂三も好きにしててくれ」

「ええ、わたくしも好きにしていますわ」

 

そう言って横になると、どうやら狂三が言った通り疲れがたまっていたようで士道はすぐに眠りについた。

そんな士道の顔を見て、頭を撫でると、狂三はふぅ、とため息を溢す。

 

「そろそろ、潮時なのかもしれませんわね。このままでは士道さんが壊れてしまうでしょうし」




『狂三リフレイン』発売日に第十章『狂三フェスタ』編が始まった。狙ってた訳じゃないですよ~。
本編のネタバレはしないとして、今回の内容は今後使うか使わないか・・・どうしたものか。ちなみに、使ったらだいぶプロット(いつも、途中からそれてるけど)が変わってしまう・・・まぁ、たぶん変えない方向ですかね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。