デート・ア・ライブ パラレルIF   作:猫犬

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今日はバレンタインデーということで番外編。無事できたから予定通り投稿。
あと、(微)ヤンデレ?注意?です。
なんで、こうなったのか自分でわからない・・・深夜テンションのせい?

時系列は未来のあったかも知れない話です。


番外編 バレンタイン

「ふぅんふぅんふぅ~ん。よしぃ!これで準備完了だぁ」

『・・・今回は何を作ってるんですか?』

「ん?士道君が最近お疲れみたいだから栄養剤?」

『なんで疑問形なんですか?』

「気分だよぉ。あとはこれを冷蔵庫で冷やすだけだねぇ」

 

そう言って、千花はチョコの隣にしまうのだった。

 

 

 

~☆~

 

 

 

バレンタイン、本来はローマで三世紀に聖人バレンタイン司教が殉教した日だが、今では女性が男性に対して親愛の意味を込めてチョコレートを贈る日となっている。ここまでネットで拾った情報をまとめただけ。

で、俺がバレンタインの起源を思い出していた理由は、現実逃避したいからだ。というか今生命の危機?

 

「士道くぅん」

 

だって、千花に包丁を突き付けられているから。このままじゃ、俺も死んでしまう。

正直何が起きているのかよくわからないが、とりあえずピンチ。

全ては数分前にさかのぼる。

 

 

 

今日がバレンタインデーであり、たぶん精霊の皆からチョコがもらえるのかなぁ?と昨日は思っていた。そういう話を一切しなかったから知らないけど。

そして、ふと目覚ましが鳴る前に目を覚ましたらベッドにロープで縛りつけられていた。どうしてこうなったのか俺にはさっぱりだ。

とりあえず、場所はいつもの俺の部屋で、何処かに拉致られたわけではない。恨みがあってこんなことをされる理由は思いつかないが、面白そうという理由でやりかねない人間なら何人か思い浮かぶ事が悲しい。

ちなみに今は六時二十分。一応六時半には起きて洗濯とか朝食の準備とか諸々しないといけないので、時間的にはあと十分余裕はあるが、この現状を呑み込む余裕は俺には無い。とりあえずうまく抜け出そうと思い身体を動かすが綺麗に固定されていて抜け出せそうにない。

そんなことを考えながら、何か情報が無いかと顔を動かすと、頭に柔らかい感触があることに気付いた。枕こんなに柔らかかったっけ?

すると、俺が起きたのに気づいたのか、顔に影が被さる。

 

「あっ、士道君。おはよぉ」

「ん、おはよう。千花。で、これどういう状況?」

 

俺を膝枕していた千花がとりあえず、挨拶したから応じたけど、なんで千花がいるんだ?あと、この状況を理解してるよな?

 

「うん、だって私が士道君を縛ったからねぇ」

「・・・なんで縛ったんだ?」

「気分?」

 

千花は首を傾げてそう言った。いや、なんで疑問形なんだよ!?

とりあえず、千花が犯人だと分かり安堵する。安堵するところじゃないけど。

 

「で、何がしたいんだ?二度寝するほどの時間でもないからもう家事始めたいし、ロープ外してくれないか?」

「やだぁ」

「琴里たちの朝ごはんも用意しなく・・・ッ!」

 

俺がそう言おうとしたら、唐突に包丁が俺の首に突き付けられた。何処から出したのか分からないがそのせいで言葉が止まり、正直怖い。若干暗いから千花の顔がよく見えないが、それでも千花の瞳に輝きがないことだけはわかった。

これは世に言うヤンデレの典型の気がする。琴里の名前を言った瞬間に包丁を突き付けられたから。

 

「えーと?」

「士道くぅん、今は私と二人きりなんだから他の女の子の名前は言っちゃだめだよぉ」

「千花、演技ならやめてくれないか?」

「ん?演技に見えちゃうのぉ?寂しいなぁ。次は無いからねぇ」

 

四月にも一回千花がヤンデレ(演技)になったことがあったから、またやっているのかと思ったら、演技では無い?様な反応だった。あと、包丁を地味にちらつかさないでもらいたい。

 

「私は士道君が好きだから、そろそろ限界が来ちゃったんだよぉ。と言う訳で、デッド・オア・ラブ、士道君選んでぇ」

「死か愛って極端すぎないか?」

「えー?だって愛を選ばなきゃ殺してあと追うしかないじゃん?」

「いや、極端すぎるだろ・・・」

「んー、それにしても士道君冷静だよねぇ」

 

ここまででわかったことは、千花は演技をしている感じでは無いこと、たぶん本当に実行しそうなこと。

だから、これ以上千花がやらかさないように、下手なことをしないように慎重に行こう。気を付けさえすれば刺されることは無いってどこかで見た気がする。

あと、冷静に見えるがそれは何度も死にかけるような目に合っているからだ。

 

「で、千花はこんな朝早くにどうしたんだ?あと、冷静を装ってるだけで、内心は慌ててるからな」

「そうかなぁ?私にはそんなに焦っているように見えないけどぉ・・・まぁいいやぁ。士道君に会いたかったから来ただけだよぉ。士道君は嫌だったぁ?」

 

千花は首を傾げて、そう問うてくる。女の子にそう言われると悪い気はしないが、出来ればいつも通りが良かったんだけどな。

 

「別に嫌ではないよ。まぁ、ロープは解いてほしいけど」

「そっかぁ、なら良かったぁ。ロープはまだ解かないよぉ」

 

千花は俺の返答に満足したのか笑みを浮かべるが、ロープは解いてくれないか・・・。

大声で叫べば、真那か琴里来てくれるか・・・

 

「士道君、私と二人きりなんだから、私以外の女の子のことは考えちゃダメだよぉ」

「人の心読むな!」

「と言う訳で、士道君覚悟ぉ」

 

俺が真那たちのことを考えたことでアウトになった。千花は包丁を俺の身体に振り降ろし、

 

ピピッ、ピピッ、ピピッ

 

「あっ、時間だぁ。精霊荘戻らないとぉ(サッ、スッ)。じゃぁ、また後でぇ。さっきの答えは後で聞くねぇ」

 

目覚ましが鳴ったことで、千花は包丁で俺を縛ったロープを切ると、そう言って出て行った。

んと、何がどうなってるんだ?

こうして、何とか無事で済んだが、謎が残ったままだった。

ちなみに、ベッドの下に“ドッキリ 大成功!“の看板はなかった。あったら、どれだけよかったことか・・・。

 

 

 

~☆~

 

 

 

「士道君、私とお弁当食べながら喋ろうよぉ」

「と言っても、休み時間の度に話してる気がするけど?」

「もっと喋りたいのぉ」

「ん、じゃぁ、屋上行くか」

「うん、行こぉ」

 

四限終わりの昼休憩。俺は千花に絡まれていた。

朝、千花に解放された時はやっぱり演技だと思っていた。しかし、登校して席についていたら、後から来た千花に抱きつかれ、クラスが騒然とした。ついにあの二人がくっついたとか、これで十香ちゃんに告白できるとかとか。十香たちも千花の突然の奇行に困惑が隠せず、手にしていた包装のされた箱をさっと隠していた。おそらく、勘で今行ったら危険と感じたのだろう。

そして、千花は休み時間の度に俺に抱きついてきてお喋りを強要してきた。

そして、謎なのが手洗いに行きたいというとすんなり行かせてくれるということ。普通束縛するものじゃないのか?

周りに危険が起きたら困るので、一応の安全確保のため、弁当を持って屋上に行く。屋上に行くと晴れていて、扉沿いに腰を降ろせば十分風がしのげるので、そこまで寒くは無かった。千花は当たり前のように俺の肩に触れるような位置に座る。

 

「で、何について話すんだ?」

「んとねぇ。なんだろぉ?」

「なにも考えてなかったのか・・・」

「だってぇ、士道君と一緒に居たいんだもぉん」

 

千花はノープランなようで、首を傾けてそう言う。千花はずっとこの調子だし、何が原因で暴走するかもわからないから、無下にすることもできない。ちなみに十香たちにはメールで千花が何故かヤンデレ化していることは伝えてある。直接伝えようかと思ったが、朝の様子からそれは危険(誰がかは分からない)なので。そして、他のクラスメートと言っても一人称ズが茶化しに来るくらいで、それは十香たちがうまく対処してくれた。

その為、誰も被害に遭うことは無い・・・はず。

 

「士道君、あーん」

「ん・・・うん、美味しいな」

 

千花がから揚げを箸で取って、あーんを強要してきたので素直従って、から揚げを食べる。安定の美味しさだな。

すると、千花は口を開けて、何かちょうだい的な視線を向けてきたので、一口サイズのハンバーグを取って千花の口に運ぶ。千花はモグモグと食べると、俺の肩をバシバシ叩いた。たぶん、美味しいってことを伝えたいんだろうけど、六喰もやって・・・あっ。

 

士道はハンドアップした

 

「士道君、今六喰ちゃんのこと考えたでしょぉ」

 

千花は何処からともなく折り畳みナイフを取り出した。

 

というか、何処から出した?わざわざ鞄から遠ざけたというのに、折り畳みナイフ仕込んどくなよ。

 

「悪かったって」

「ほんとにそう思ってるぅ?」

「本当に思ってるから!」

「ふーん、まぁ今回は許すかなぁ」

 

そう言って千花は不満げながらも、折り畳みナイフを折りたたんでポケットにしまう。一応は安全を確保できたが、まだ安心はできない。

そう考えていると、千花は弁当から春巻きを取り、口にくわえる。

 

「ふぇふぇふぇ(食べてぇ)」

「えっと・・・」

「ふぁあくぅ(早くぅ)」

 

まさかの口移しの決行に困った。流石にこれには抵抗があるし、ポッキーとかと違って長さが圧倒的に短い。

悩んでいると、千花は顔を近づけてくる。その際に右手をポケットに入れていた。早くしないとまずいが、さすがに・・・。

仕方ないから、キスしないように気を付けて、くわえたらさっと噛み千切ってしまおうと思う。それ以外方法もないし。

そうして、春巻きをくわえるとそのまま噛み千切り、千花の目つきが変わり、嫌な予感がして身を引くと、千花はそのまま俺に突っ込んできた。ここで横によければ壁に激突するし、避けなければキスされる。別にキスに関しては・・・いや、こんなよくわからない状態だと嫌だな。

そして、そんなことを考えている間に千花は俺の身体に突っ込んできて、寸前で千花は足を滑らせ、俺の頭に頭突きを食らわした。

 

「いたっ!」

「むぎゅう」

パタンッ

 

千花は当たり所が悪かったのか、そのまま気絶した。

 

「ちょっ!千花?千花ぁー」

 

 

 

~☆~

 

 

 

「ん、んんー」

「起きたか、千花。痛みとかないか?見た感じ目立った外傷はないけど」

「うーん、特に無いかなぁ?」

 

あれから時間は経ち、気絶した千花を保健室に運び、一向に目を覚まさないまま放課後を迎えた。授業が合ってずっとはいられなかったがずっと心配だった。五限が終わり放課後になるとまっすぐに保健室に向かった。千花がなかなか起きず、小腹がすいたから、朝出がけに真那からもらったチョコチップクッキーを食べて起きるのを待ち、やっと千花が目を覚まし、俺は千花の様子を診る。

千花はむくりと身体を起こして自己分析するも、特に大事には至っていないようだった。とりあえず、千花の無事に安堵する。ちなみに、保健の先生は会議とかで今はおらず、俺と千花の二人だけ。

 

「うーん、今日の記憶があんまりない・・・」

「ん?記憶が飛んだのか?だったら、一大事だけど」

「うーん、そんな感じじゃないんだよねぇ。どっちかと言えば朝から記憶が無いしぃ、いつの間に学校来たんだろぉ?」

「ん?じゃぁ、あれも記憶にないのか?」

 

千花の様子から本当に記憶が無いようで、これは相談した方がいいのかと悩む。すると、千花は俺の言葉に首を傾げる。

 

「ん?あれってぇ?」

「いや、朝早くに俺の部屋に来て俺をロープで縛ったり、休み時間になるたびにくっついたり、昼食でやたらとあーんしてきたりだよ」

「ほへぇ、全く記憶にないやぁ。あっ、そうだ。カバン、カバン」

「ん?はい」

 

千花が唐突にカバンを欲しがったので、教室から持ってきておいた鞄を渡す。千花は受け取ると、鞄を開き中から包装されたチョコを取り出し・・・

 

「あれ?なんで半分も減ってるんだろぉ?」

 

一緒に、中身が半分ほどのペットボトルも取り出して首を傾げた。

千花がなんで自分で持って来たものに首を傾げるのかとか、何の飲み物なのかとか疑問があるのだが?

 

「それ、なんなんだ?」

「んとねぇ。栄養ドリンクだよぉ。士道君、最近疲れてそうだったから、頑張って調合したんだよぉ」

「はぁ・・・で、なんで半分なのかはわからないと」

 

俺の疑問に千花は頷く。千花にわからないものは俺にもさっぱりなんだが。

 

「んー、分かんないと気になるなぁ・・・」

 

千花は頭を掻くと、立ち上がって保健室のドアの鍵を閉めて誰も入れないようにした。千花の行動の意味が分からないが、今日の千花の行動から嫌な予感がして、身構える。千花は何してるの?みたいな顔をして首を傾げ、ベッドに腰を下ろす。

 

「<死之果樹園(サマエル)>――【記憶樹(メモリツリー)】」

 

千花は天使を出すと、種にコツンッと当てて【記憶樹】を育てる。

てっきり襲われるのかと思ったが、どうやら違ったようだった。

 

「えっと、何してるんだ?」

「うん、記憶が無いから思い出そうと思ってねぇ」

「なんで、鍵閉めたんだ?」

「ん?だって、精霊って秘密な訳だから万全をきさないとねぇ。と言う訳で、思い出すよぉ」

 

千花はそう言って【記憶樹】のツタに触れ、今日の記憶を思い出す。そして、一分も経たずしてツタから離すと、天使を消す。

 

「うん、思い出したよぉ。単純に寝不足っぽいねぇ」

「ん?それで忘れるモノなのか?あと、半分になってた理由は?」

「朝、喉乾いて飲んじゃったみたい」

 

千花はいつもの調子でそう言う。それでいいのか疑問だが、千花がいいならいいか。

 

「と言う訳で、バレンタインチョコだよぉ」

「おう、ありがとう」

「あと、これも半分だけどあげるねぇ」

 

そう言ってチョコとペットボトルを渡された。というか、飲みかけって間接キスになるんじゃ・・・。

 

「あっ、士道君。意識した?」

「あぁ・・・意識した」

「よし!士道君がデレたぁ。あっ、チョコは手作りだから帰ってからゆっくり食べてねぇ」

 

千花はガッツポーズをして喜び、チョコはついでとばかりにそう言った。ん?普通は目の前で食べて感想聞きたいんじゃないのか?

 

「いやぁ、気恥ずかしいからぁ。それに急かすのはどうかと思うしねぇ」

「まぁ、千花がいいならそうするか」

「あっ、でもドリンクは飲んでほしいかなぁ?一応ちゃんと士道君に効果があるか見ときたいしぃ」

「・・・チョコは恥ずかしいのに、間接キスは恥ずかしくないのか?」

「うーん、そんなにぃ?ペットボトルの回し飲みなんてよくあることだしぃ」

 

千花の感性に疑問だが、千花がいいならいっか、とドリンクを飲んでみる。普通の栄養ドリンクのような味がした。

 

「どぉ?どぉ?」

「うん、普通の栄養ドリンクの味だな。まぁ、効果はあんま感じないから、時間差かな?」

「ふむふむ、じゃぁ、次作る時は即効性に重点を置いてみようかなぁ?」

「いや、作らなくていいよ。栄養のある物食べれば十分だと思うし」

 

千花が新しいのを作ろうとしており、だったら普通に栄養のある物を食べた方がいい気がしてそう言うと、千花は顎に手を当てて逡巡する。

 

「それもそうだねぇ。じゃぁ、そろそろ帰ろっかぁ、私の体調は万全だしぃ」

「そうなのか?じゃぁ、帰るか」

 

千花に促され、バッグにチョコとドリンクを入れて立ち上がると、俺たちは保健室を出たのだった。

 

「うーん、ちゃんと効果でなかったなぁ」

 

 

 

~☆~

 

 

 

その後、精霊の皆からチョコを貰った。相当な量になったな。そして、夜になって部屋でのんびりしてると、鞠亜がそういえばみたいな調子で声をかけた。

 

『士道。そう言えば千花からもらったドリンク飲んじゃいましたか?』

「ん?何かあったのか。少し飲んでまだ残ってるけど?」

『実は・・・』

 

鞠亜の言いように疑問を持ちながら答えると、鞠亜は、ああ、と声を漏らした。そして、あのドリンクの真実が話されたのだった

 

「・・・えーと、つまり。あのドリンクはチョコと一緒に飲むと栄養剤の役割を持って、単体で飲むと・・・」

『はい、欲望解放します。自身が封じている欲望或いは本性が表に出るということです。本当は強気だけど普段は内気な人が飲めば強気な面が出てくる感じです』

「・・・」

 

俺はあのドリンクの真実に声が出なくなった。千花がとんでもないモノを作ったことに。これが偶然ならいいのだが、故意だと・・・。

あれ?でも俺特に何もなかったような?なんでだろ?

俺にはそう言うのが無いってことなのか?

あと、千花の本性ってヤンデレなのか?

こうして、その日の夜、頭を抱えるのだった。自身と千花のこれからの接し方に・・・。




人の心が読めるヤンデレって、今更ながら相当危険な気が・・・。

ちなみに士道は直前に真那のチョコクッキーを食べていたので欲望解放せずに済んだ感じです。千花に関しては・・・
では、また来週、というか数日後?
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