それ故、話数注意です。
「<
十香は空間震の起きたイギリスに着き、澪を視認するや否や三人は霊装を纏い、天使を顕現させた。六喰が言っていた通り士道を救いたいという気持ちで完全霊装を纏うことに成功し、十香は澪をぶった斬ろうと玉座に<鏖殺公>をぶっ刺して【最後の剣】を形成し振り上げる。一緒に来ていた美九と狂三は十香の行動に驚く。澪も十香の突発的行動に驚いていた。
「えっ?着いて早々初っ端からやるの!?」
「先手必勝!」
「まぁ、十香さんですからね」
「ですね。十香ちゃんですからねー」
「……それでいいんだ?」
そして、十香は澪目掛けて【最後の剣】を振り下ろす。澪は二人の反応と十香の行動に「はぁー」とため息を溢し、【最後の剣】を見て、右手を空にかざす。
「そっちがその気なら加減しないからね」
澪はそう言うと、空間震跡に【最後の剣】が直撃し、地面を斬り裂きその衝撃で砂煙が巻き起こる。斬撃は空間震跡の端っこまで届いており、もう少しでシェルターを巻き込んでいる威力だった。
十香は【最後の剣】を消して<鏖殺公>に戻す。狂三と美九は十香のそばに寄り、美九は十香に抱きつき、狂三は一応警戒をしていた。
「……やったか」
「十香ちゃん、街の人巻き込む気ですか?それにぶった切ったらヒントが聞けませんよ」
「あと、その発言はフラグですわ」
「うんうん、あんな大ぶりな一撃、ノーダメージの人なら簡単に避けれちゃうよ」
パンッ、パンッ
唐突に背後から声がしたので、狂三は一切の躊躇なく銃を発砲する。澪は右手に握っていた<封解主>を振って弾丸を弾く。
「いきなり斬ったり、発砲したりって君たち正気なの?」
「士道さんを拉致っている方に言われる筋合いはないですわ。あと、本当に天使が使えるのですね」
「だよねぇ」
澪は緊張感のない調子でそう言い、澪はふわっと宙を蹴って三人から距離を取る。十香はあれで討ち取れなかったことで悔しそうな顔をしており、美九は生で見る澪を凝視しており、狂三は澪を警戒していた。
「随分と嫌われたもんだねー。まぁ、私がやってるというかやろうとしていることを考えれば仕方ないか」
澪は何故かぼやくと、<封解主>を消す。三人は何故天使を消したのかに疑問を持つ。しかし、澪はそんな三人のことを気にせず口を開く。
「じゃぁ来なよ。一人でもいいし、全員でもいいからさ」
「なら、一気に行くだけだ」
十香は宙を蹴って、澪に迫る。十香は<鏖殺公>を振るうと、澪は何も無い空間から<鏖殺公>を引き抜いて、迎え撃つ。十香は澪が<鏖殺公>を顕現させたことに若干驚くが、先ほど<封解主>を顕現させていたことから、その可能性も考えていた。だから、あまり気にせず連撃を繰り出す。澪はそれらを捌いていく。
十香が連撃を繰り出している背後の死角から狂三は銃を撃つが、澪は着弾点に霊力の障壁を張って弾を弾く。
「わたくしもお忘れなく」
「うん、ちゃんと覚えてるよ」
狂三はそう言って銃を撃つが、澪はそう返答して銃弾を全て弾く。ちなみに十香の連撃を捌きながら。
「こんなんで私を倒そうなんて程遠いね」
「そうですかー。じゃぁ、私も。<
「では、わたくしも本腰を入れましょうか<
美九が【行進曲】を奏でると、十香と狂三が強化され、狂三が十香と自身、美九に【一の弾】を放つ。
これで、先ほどまでとは動きが格段に変わることを澪は感じ、うんうんと首を動かす。
「そうそう、出し惜しみはしちゃだめだよ。私を倒したいならね」
「余裕そうだな」
「ん?別にそう言う訳じゃないよ」
十香は高速移動で澪の目の前に行くと<鏖殺公>を振るう。澪は「おぉ」と漏らすと、身をひねってギリギリで攻撃を回避する。
十香は回避されたことに動揺するが、すぐに切り替えてそこから追撃を行う。狂三はいつの間にか出した霊力剣を振るい、澪は<鏖殺公>でガードしたり、身をひねって回避したりして二人の剣戟を対処していく。
【一の弾】の効果があるのに対処されていることに困惑していると、澪は左手に銃を握り、自身の足に撃つ。直後、澪が消える。
「【一の弾】ですわね。この人が<刻々帝>を使うのなら、おそらく寿命も霊力制限も無いに等しいですわね」
「そうなのか……となると」
「喋ってる暇はないよ」
澪がそういって狂三の目の前に現れ<鏖殺公>を振るう。狂三は半歩下がって回避し、カウンター気味に
「<刻々帝>――【
【七の弾】を放つと、澪は回避しようとする。しかし直後、
「<破軍歌姫>――【
美九の声が響き、澪の身体を束縛し、【七の弾】が澪の身体に着弾する。
狂三と十香は好機とみて、<鏖殺公>と銃による連続攻撃を行い、澪の体中に致命傷量のダメージを与えて、【七の弾】の効果が消えると、澪は地面に落下する。地面に激突すると澪は横たわっていた。
「これだけダメージを与えれば」
「えぇ、今回は転移もできませんでしたからね」
「ですね。私たちの勝利です!」
一応警戒して地面に横たわる澪を見ていたが一向に動く気配が無いので、三人はこれで終わったと思い、安堵の息を漏らす。
「これで、一勝だな。ヒントはどうやったらわかるのだ?」
「さぁ?本体から鞠亜さんに連絡がいくのでは?」
「でしょうかね?というか、私たちどうやって帰ればいいんでしょうか?」
三人はそう言って話していた。ヒントがどのようなものかもわからず、首を傾げていると、
「んと、悪いんだけど。これで終わってあげないんだよねぇ。まだまだ付き合ってもらうよ」
澪はむくりと身体を起こし立ち上がり、身体に付いた砂や土を叩く。立ち上がったことに困惑すると、澪の傷口には炎が溢れて傷を癒していた。
「じゃぁ、そろそろ君たちには絶望してもらうよ」
澪がそう言うと、周囲の影から何十人もの澪が現れる。それぞれ何かしらの天使を携えて。
~☆~
「人選ミスでしょ!ここは!」
「なっつんがツッコんだ!」
「なんでよりによって、戦闘職じゃない私たち二人だけなのよ!」
穴から出てきた七罪は、自身の置かれた状況に声を上げる。二亜は二亜で、七罪がツッコんだことに驚く。
穴から出てきた二人は日本の空間震が起きたポイントなのだが、七罪が言った通り、戦闘系じゃ無い七罪と二亜の二人きりになっていた。ちなみに二人とも霊装はもう纏っている。
「うーん、適当にやったから人選は別に私のせいじゃないんだよね。あえて言えば近くにいたから?」
「なんで、あんたは普通に会話に入ってくるのよ!」
七罪が頭を抱えていると、空間震跡の中心にいた澪は七罪にそう言い、七罪は腕をぶんぶんさせて怒る。
澪は七罪の頭を抑えるので、七罪の腕では届かず、パンチは空を殴るだけだった。
はたから見れば微笑ましいが、そんな場合では無かった。
「どうせそう言って、アンタが人選したんでしょ。希望をちらつかせて、そこからどん底に落とすつもりなんでしょ!」
「なっつん、地味にあたしにひどくない?あっ、澪ちゃんそこ動いちゃダメだよ。こんなほほえましい絵はちゃんと形に残さないとね」
「七罪ちゃん、勘違いはダメだよ。無作為に二、三人ずつ飛ばしたんだから、運が無かっただけだよ」
澪は錯乱している七罪を励ますが、敵である澪が言ったところで意味は無かった。二亜は二亜で澪と七罪をスケッチしており、七罪を放置していた。
「大体、なんであそこに現れたのよ!本人があそこに現れたらルール的にアンタの負けでしょ!」
「ふふっ、ざんねーん。あれは分身でーす。だから、ルールに抵触してないよ。それに、分身が四人配置されているだけで、他にいないとは言っていないのです!」
「屁理屈じゃない!」
「うん、だけど聞かれなかったからね」
澪はうんうんと頷いて七罪の発言を聞いたうえでそう返答していく。二亜はスケッチの手を止めずに描き続けていた。そして、
「よし!なっつん時間稼ぎサンキュー。行くぜ!新技!<
「ふぅ、演技疲れた」
二亜はそう言って描いた澪の絵を澪に向ける。直後、そこに描かれていた澪の絵に引力のような力が生じ、澪を吸い込もうとする。澪は七罪も吸い込んでしまうのでは?と思い隣に視線を向けると、さっきまでの錯乱が嘘のようにいつもの調子の七罪がいた。
「七罪ちゃんに騙されたー」
「嘘ついたのはそっちでしょ。真那の居場所知ってるくせに……」
「うー、こうなったら」
「させないわ。<
澪が何かしようとすると、七罪は澪に<贋造魔女>を振るい、澪の格好をただの服にする。そして、澪は吸い込まれる直後、本を落とすと吸い込まれていった。
七罪は落としていった本を見る。
こう言うのは普通なら触れること、或いは見落として放置することで事態が悪化するのだが、
「<
七罪は容赦無く、<贋造魔女>を振るって本のそばにあった土を焚火に変えて本を焼却したのだった。
「そこは拾うか、放置しようよ!」
澪は<封解主>で空間に穴を開けて帰って来るなりツッコんだ。そして、何故か七罪と同じ魔女っぽい霊装を纏っていた。
「うーん、やっぱり、服を変えるんじゃなくて、違う生物に変えるべきだったかな?」
「なっつんは冷静だねぇ。なっつんがたくましく育ってくれて、お姉さんうれしいよ」
「もうやだ、完全にこの人選ミスった」
「やっぱり作意じゃない!」
二人ともマイペース過ぎて、澪は頭を抑えて嘆いたのだった。そして、さっきは偶然の組み合わせといったのに、“人選ミス”のところにツッコむのだった。
~☆~
琴里は澪に接近すると<灼爛殲鬼>を振るう。澪は斬りかかる琴里を見ると<灼爛殲鬼>を顕現させて攻撃を止める。
直後澪の背後から冷気が押し寄せ、澪は弾いた勢いで回避し琴里は炎を纏って冷気を防ぐ。すると、澪の回避した先に<
「琴里さん、ごめんなさい」
「いや、気にしなくていいわ。これくらいしないと当たる物も当たらないだろうから」
「ともかくこの調子で攻めていくだけ」
四糸乃は琴里に当ててしまったことを謝るが、琴里は気にせずそう言うと澪に追撃を加える。
三人の戦法は、琴里が近接戦をしつつ二人が援護する形を取っていた。
そこから連携を続けていくが、決定打の無いまま時間だけが過ぎていく。
「ねぇ、そんなんで私を倒す気あるの?さっきから通常攻撃ばっかりじゃん?それとも分身体だからって舐めてるのかな?」
「そんなわけないでしょ。それに、そっちだってさっきから防いでばかりじゃない」
澪は攻撃を捌きながらそんなことを言い、琴里は澪の言葉にかみつく。すると、澪はハッとし何かに気付いた顔をする。
「なるほど、私が徹底的にやらなきゃやる気が出ないんだね。じゃぁ、その気にさせてあげるよ」
そして、澪は地面に足を付けると足元の影が伸び、影から澪の分身体が現れる。三人は澪が本気を出したことに苦い顔をすると、それでも何とかしなくてはならないので、出し惜しみをせずに行くことにする。
「仕方ない、なら本腰を入れるだけのこと。<
「そうね。一気に片付けてあげるわ。<
折紙は<絶滅天使>を【砲冠】の形に形成し、琴里も<灼爛殲鬼>を【砲】の形状にして、澪の分身体たちに向かって放つ。現れた分身体の分身体たちは一応対抗しようと手にしていた天使を使うが、分身体の分身体の為、出力が限定霊装程度のようで、なすすべなく炎と光線に包まれていった。
そして、二人は全力の一発を放ったことで、多少の硬直があり、
「まぁ、私には当たらないんだけどね」
ちゃっかり回避していた澪が二人に向かって<灼爛殲鬼>を振るう。しかし、その攻撃は二人に届くことは無かった。
「<
直前に四糸乃がそう言って<氷結傀儡>を操って澪に突進を食らわしたことで、澪は攻撃対象を<氷結傀儡>に変更して振るい、<灼爛殲鬼>が斬り裂くと思われたが、氷のクロー・角・鎧を纏う【氷装】によって、纏った鎧とぶつかり<灼爛殲鬼>が弾かれたのだった。
「ありゃ?こりゃ硬いね。そんなモードあったんだ」
「はい、前に琴里さんと戦った後に考え編みだしましたよ」
『といっても、【氷爪】の上位版なんだけどねー』
「なるほどね。じゃぁ、私もやってみようかな?」
説明しなくてもいいのに四糸乃が律儀に教えると、よしのんも何故か補足をしていた。そして、澪がそう呟くと、澪の隣に<氷結傀儡>が現れる。よしのんは自分と同じ姿が現れたことでむっとするが、現れた<氷結傀儡>はよしのんと違い声を発することは無かった。
「さて、行きな」
澪が一声かけると、<氷結傀儡>は独りでに動き、四糸乃に突進をする。四糸乃はそれを回避し、直後に背後に回りよしのんが氷のブレスを放つ。<氷結傀儡>に氷のブレスが直撃すると、<氷結傀儡>は凍結し地面に落下していった。
「うーん、やっぱりこんなもんか。私の分身体は」
「アンタも分身体でしょ?というか、分身体倒したんだからルール的にヒント貰えるんじゃなかったの?」
「ん?あれは私の本体の分身である私が生み出した分身体であって、倒してもヒントは与えられないよ」
「あっそ、じゃぁあんたを倒させてもらうわ」
琴里は斧形態に戻して担いでそう言い、折紙と四糸乃は琴里のそばに寄る。澪は肩を竦めると「やれやれ」とため息を吐いていた。
「じゃぁ、そんな私に勝つ気満々な三人の希望を砕いてあげようかな?」
そして、澪はそう言うと、澪の周囲の空間が歪み、両手に二つの<灼爛殲鬼>を携え、<絶滅天使>を展開させたのだった。
~~~~~
「呼応。【
「むくは悪くないのじゃ!もっと派手に行きたかったのじゃ!」
「「<
「くっ、まさかここまでとは……」
「それでいいの?」
「<
次回 “VS澪2”
【
絵に描いたものを絵の中に封じる技。ファントムワールドの晴彦のあれを想像してくださいな。
【
<氷結傀儡>=よしのんを強化する技。【
あっ、次回から盛大にやらかします。次回予告で、だいぶあれですし。
では、また明日。ノシ