追憶編1
「1」西暦ニ〇九二年ハ月四日 / 沖縄上空
私は、四葉真夜の娘ですが、今は四葉邸では、暮らしていません、
穂群原学園に通うにあたり司波邸で暮らすことになったからです。
私が在宅するようになってから、年月が経ち今ではもうすっかり馴染んでいた。
ちなみに司波邸の家事は全て私が担当している。
まぁ〜そんな話は置いといて実は、深雪の入学祝いも兼ねて家族旅行に行くことになりました。
桐乃(家族旅行……行ったこと無いな……楽しみね…)
恐らくもうすぐで、那覇空港の着くのだろう。
ちなみに私と達也がノーマルクラス、深雪と深夜さんがエグゼクティブクラスである。
私達がノーマルクラスなのにはちゃんとした理由がある。
エグゼクティブクラスは警備が厳重である。犯罪が発生するとすれば、警備の緩いノーマルクラスだろう。
私達が万が一の事態に対応する為だ。
桐乃(でも、私がいる限り犯罪など起させやしないわ)
達也と楽しく雑談しているうちに、那覇空港に着いたようだ。
「2」西暦ニ〇九二年ハ月四日 / 那覇空港
到着前のアナウンスが聞こえたのを機に、わたしは魔法師向けの教材ファイルを閉じた後、シートベルトを着用する。
現代の航空機は情報端末の電波如きで航行に支障を来たすことは無いと聞いている。
でも離着陸時に電源を切るのは、伝統的なマナーだ。
ちなみにエグゼクティブクラスとノーマルクラスの席はだいぶ違う。
エグゼクティブクラスは、シート覆う卵形の安全シールドに護られている。
ノーマルクラスは、肘がぶつかり合うほど狭い座席に何列にも押し込まれるそうだが、
見ず知らずの人とそんな至近距離で一時間も同席するなんてわたしは耐えられない。
CA「お客様、シールドを開けさせていただきます。」
深雪「はい、お願いします。」
了承したあと、シールドが開いた。
CA「段差にお気をつけください。」
深雪「ありがとうございます。」
シートから出たあとお母様との待ち合わせ場所に小走りで向かう。
深雪(大好きなお母様とお姉様との沖縄旅行いつもより心がウキウキしています。)
深雪(だけどひとつ気にかかることがあって、それは…兄さんが一緒だということ。)
深夜「深雪さん、そろそろ行きましょうか。」
どうやら、お母様を少し待たせてしまったようです。
深雪「はい、お母様お待たせしました。」
深夜「ほら、こんなところで走っては危ないわ。」
深雪「ごめんなさい。」
深雪「そういえば、お姉様達はどちらに?」
深夜「ああ、桐乃さんと達也なら」
お母様と話をしているうちにお姉様達がやって来た。
深夜「わたくしたちの荷物を取りに行ってくれてるわ。」
達也「お待たせしました。」
桐乃「叔母上、深雪お待たせしました。」
深夜「お疲れ様です。桐乃さん」
深夜「では、深雪さん、桐乃さん行きますよ。」
深雪・桐乃「はい…(叔母上)」
この人は司波達也私の実の兄です。
ですがここにいる全員が、この人のことを家族だとは思いもしないでしょう。
お姉様は従姉なので普通に接していますが。
雑用は当たり前のように兄の仕事、まるで使用人同然の扱いです。
深雪「お母様、少し手伝ったほうが…」
深夜「深雪さん」
深夜「あれでいいのよ」
どうしてこの人は今のような境遇で平気なのでしょうか
私は兄のことが、嫌いではありません。…でも私は、この人が苦手です。
そのようなことを考えていると後ろから話し声が聞こえる。
桐乃「達也、手伝おうか?」
達也「桐乃、大丈夫だ。心遣い感謝する。」
桐乃「うん、でも車に荷物を乗せるぐらいは手伝わせてね。」
達也「ああ、あとでよろしく頼む」
ふと、兄と目が合った。
何度も振り返っていたわたしの視線が気になったのだろう。
深雪「……何ですか?」